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かつて存在した日本のゲーム会社 ウィキペディアから
T&E SOFT(株式会社ティーアンドイーソフト、英: T&E SOFT Inc.)は、かつて存在した日本のコンピューターゲームメーカー。パソコンゲーム草創期からの老舗ソフトハウスとして知られたが、紆余曲折を経て、ドワンゴの傘下となり、スパイク・チュンソフト第三開発グループ(名古屋オフィス)に再編された。
2002年(平成14年)にティーアンドイーソフトは社名を変更してディーワンダーランド(現大黒屋グローバルホールディング)となっており便宜上旧T&Eとする。その後別法人が同社名を継承したものを新T&Eとする。
社名は創業者である兄の横山俊朗と弟の横山英二の名前から付けられたが、後に「トライ&エキサイティング」の略称へと変わり、最終的に「テクノロジー&エンターテインメント」の略称へと変わっていった。
1982年(昭和57年)に工学社のパソコン雑誌『I/O』にNECのパソコンPC-6001シリーズ向けのゲームのプログラムリストを投稿、掲載し、そのゲームをパッケージ販売することで活動を開始した。1983年(昭和58年)からはI/O誌でのプログラムリスト公開をやめ、PC-6001以外の多機種展開を始め、2月に発売した『3Dゴルフシミュレーション』がヒット。以後、国産の8ビットパソコンでは、スターアーサー伝説シリーズ、ハイドライドシリーズ、『DAIVA』などで名を馳せた人気ゲームソフトハウスだった。
16ビットパソコン時代になると、『3Dゴルフシミュレーション』を引き継いだゴルフゲーム『遙かなるオーガスタ』が1989年(平成元年)11月に発売され、このシリーズが看板作品になる。3D表示システム「POLYSYS(ポリシス)」を使用し、発表当時にこのシステムで「10年は食う」と公言していた。1990年(平成2年)10月に経営難のクリスタルソフト(XTALSOFT)を救済合併し、T&E SOFT大阪開発部を設立。
1986年(昭和61年)3月に東芝EMI(現ユニバーサル ミュージック日本法人)より発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『ハイドライド・スペシャル』の開発で家庭用ゲーム機へ参入。1990年(平成2年)12月にゲームボーイ用ソフト『地球解放軍ジアース』から自社ブランド販売でのコンシューマ参入を開始した。1991年(平成3年)4月に発売したスーパーファミコン用ソフト『NEW 3D GOLF SIMULATION1 遙かなるオーガスタ』がスマッシュヒットしたことから、徐々にパソコンから家庭用ゲーム機へと活動を移行させた。
1997年(平成9年)に資金難で、横山兄弟の旧知の仲のスクウェア(現スクウェア・エニックス・ホールディングス)のオーナー、宮本雅史が資金援助をする代わりに筆頭株主となり、後にスクウェア自身も出資する形で兄弟会社になる。
2001年(平成13年)1月15日に株式会社ティーアンドイーソフトはディズニーと資本・業務提携を行い2002年(平成14年)5月1日に株式会社ディーワンダーランドとなった。同社は現在、ゲーム開発事業を行っていないが、旧コンテンツ制作部が独立した株式会社ディープが2005年(平成17年)4月22日にティーアンドイーソフトの商標権を取得し、ゲーム開発を継続した。
2019年3月4日、D4エンタープライズは大黒屋グローバルホールディング株式会社が所有していたティーアンドイーソフトゲームコンテンツの知的財産権を取得したことを発表した[1]。
当時のゲーム会社としては珍しく、会費制の有料ファンクラブ「T&ESOFTユーザーズクラブ」を運営し、会報紙「T&E PRESS」および季刊の会報誌「T&Eマガジン」を自社内で編集・発行し会員に郵送していた。また、年に一度秋の連休頃に「ATTACK」という名称でファンクラブイベントを開催していた(後述)。会員証も発行しており、当初は運転免許証サイズのプラスチック製であったが、1990年に新たな会員証として、オリジナル曲3曲を収録した8センチCDが製作され全会員に再発行された。同年7月に運営を終了した。
パソコンソフトメーカーとしては大規模な自社イベントを複数回開催していた。一般入場も可能だったが、ユーザーズクラブ会員限定のプログラムもあった。
横山兄弟の兄である横山俊朗が2003年(平成15年)1月に設立した株式会社デジタルゴルフが、2006年(平成18年)1月1日に株式会社ディープを吸収合併し、名古屋支社を設立。株式会社デジタルゴルフが正式にティーアンドイーソフトのブランド名でゲーム開発をしていた。
2008年(平成20年)1月21日に名古屋支社の開発部門を株式会社ティーアンドイーソフトとして分社化し、1月30日に株式会社ドワンゴの子会社ゲームズアリーナが株式会社ティーアンドイーソフトの発行済み全株式を取得することを発表、ゲームズアリーナの子会社化(ドワンゴの孫会社化)されることになった[2]。
2010年(平成22年)8月にはゲームズアリーナ子会社のチュンソフト(現・スパイク・チュンソフト)がティーアンドイーソフト所在地に名古屋オフィスを開設[3][4]。あわせて、内藤時浩[5]や溝邊雄一[6]といったスタッフもチュンソフト(2012年4月現在はスパイク・チュンソフト第三開発グループ)所属となった。2016年にはスタッフの一部をコアメンバー(代表取締役は廣瀬久純、取締役は溝邊雄一)にロコビットが設立され、スパイク・チュンソフトの開発下請などをしている。
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