4コマまんが王国(4コマまんがおうこく)とは、双葉社が発行していた主にテレビゲームを題材にしたパロディー・ギャグ4コマ漫画やショートコミック、同名の雑誌のレーベルで、双葉社アクションコミックスのシリーズである。略称は4コマ王国、ファミコン王国、ファミ4、ファミ王など。
スクウェア・エニックスの4コママンガ劇場に次ぐ歴史を誇る。編集元はG.G.C.。質の高い数々の爆笑ネタや作家が誕生した。最盛期には任天堂のゲームを対象にしたものが多く出版されており、ゲームコミックレーベルの中でも高い人気を誇っていた。このレーベルをきっかけに頭角を現した作家は少なくない。
4コマまんが王国の刊行は2003年の『ロックマンX7 4コマまんが王国』が最後となった。最盛期を支えた作家の多くは光文社の4コマギャグバトルといった他社のレーベルや一般の4コマ誌などに活躍の場を移している。現在双葉社が刊行しているゲームコミックは「4コマKINGDOM」がある。
1991-95年
- 1991年に双葉社は「4コマまんが王国」をレーベルとして立ち上げる。これは月刊誌ではなく同名の単行本レーベルだった。この時期は佐々木亮が表紙を担当し、誌上の4コマ漫画でも活躍した。
- 「4コマまんが王国」は人気を集め、1993年3月には一雑誌「月刊ファミコン4コマ王国」を創刊するまでになった。「月刊ファミコン4コマ王国」はさらに人気を集め1993年12月には4コマ漫画以外の短編漫画も扱う「コミック ファミコン王国」に改題し、ページ数増大及び値下げを行うまでに成長する。このことをきっかけにライバルの4コママンガ劇場のエニックスが『月刊少年ギャグ王』を創刊するきっかけとなる。
- 1993年頃にはその後を支えることになる主力作家陣(佐々木亮、中村里美、まつやま登、森田屋すひろ、福原君など)の顔ぶれが揃う。
- 1994年12月、「コミック ファミコン王国」が「コミック ゲーム王国」に改題。
- この時期はスーパーマリオを扱った「スーパーマリオ 4コマまんが王国」がエニックスの「4コママンガ劇場」の「スーパーマリオ 4コママンガ劇場」と並ぶ知名度と人気を誇った。その他、『ゼルダの伝説』や『ファイアーエムブレム』など任天堂系列のゲームタイトルにおいて「4コママンガ劇場」と人気を競った。原作ゲームのイメージを壊さない雰囲気のコミック化が中心だった「4コママンガ劇場」に対し、こちらは作家の個性を出したマンガを掲載する風潮があり、誌面は多くの作家が活発に作品を発表していた。
- 5・6・7巻では当時人気を集めていた中村里美と森田屋すひろの二大作家が誌面をほぼ独占するという事態も起こった(特に6巻は、中村・森田屋のみの漫画しか掲載されていない)。
- 任天堂のゲームソフト以外にも任天堂のゲーム機で発売されたゲームタイトルは積極的に4コマ漫画化されている。「ストリートファイターII 4コマまんが王国」はその典型である。ここでは、スーパーマリオのコミック系で活躍していた作家とは毛色の異なる作家が独自の地盤を固めて活躍していた。「ベガ父さん」ネタ等で人気を博した小林真文などはその筆頭である。
- プレイステーションの発売後は『闘神伝』『鉄拳』『藤丸地獄変』などを題材にした4コマ漫画がいくつか出版されている。
- 月刊ファミコン4コマ王国(1993年3月号 - 1993年11月号)
- 1993年3月創刊。創刊号はスーパーマリオ特集。以後も各社のゲーム4コマを掲載。
- コミック ファミコン王国(1993年12月号 - 1994年10月号)
- 1993年12月号より改題。サイズがA4判からB5判に縮小された。非4コマの短編も掲載されるようになったことに伴う。
- コミック ゲーム王国(1994年12月号 - 1996年8月号)
- 発行ペースが隔月となった。プレイステーション用のソフトも取り扱う。
読者コーナー
- 王立ファミ4アリーナ(1993年3月号 - 1993年11月号)
- 王立ファミ王アリーナ(1993年12月号 - 1994年10月号)
- スーパー王立アリーナ(1994年12月号 - 1996年8月号)
登場キャラクター
- アンナ姫
- リ・ラスィ - 竪琴を持った、吟遊詩人のような王宮魔導師。
- エウレカ - カブのような姿のキャラクター。
- つっこみ太郎ダッシュターボプラス(1994年5月号以降) - 「新キャラ募集!」のコーナーで、読者投稿から選ばれたキャラクター。
スタッフ
- 構成:きくたけ(1994年5月号以降は監修)
- イラスト:みやすみ(宮須弥)
4コマ投稿コーナー
- ファミ4バトルロイヤル(1993年6月号 - 1993年11月号)
- 選考人:中島一基[1]・竹薮ヤケ太
- ファミ王バトルロイヤル(1993年12月号 - 1994年5月号)
- 選考人:中島一基・竹薮ヤケ太
- ファミ王投稿4コマバトルロイヤル(1994年6月号 - 1994年10月号)
- 選考人:中島一基・小我
- 投稿4コマバトルロイヤル(1994年12月号 - 1996年8月号)
- 選考人:中島一基・小我
その他
ゲーム王国となる以前は、ゲームの漫画のほかに、クレヨンしんちゃんが掲載されることがあった。
年数は本誌で執筆していたおおよその時期であり、完全に正確なものではない。
1996-2000年
- 片山タコラ(1996年)
- 佐々野悟(1996年)
- ばさらん(1996年)
- 坂本つくね(1996-2003年) - 今木商事の実妹。
- 難波潮(1996-97年)
- ピョコタン(1996年) - 代表作に『アホ汁』シリーズ等。
- 大杉正和(1997年)
- 神楽つな(1997年-2002年) - まつやま登の夫。代表作に『こみ小話』等。
- 葉連D丸(1997年) - 4コママンガ劇場でも執筆。
- ほしのえみこ(1997-2002年) - 代表作に『お姉さまの逆襲』等。
- 大賀(1997年-2003年) - 2001年頃より「大賀一五」名義に改名。
- 今田浩&矢野間(1997-2000年) - 1999年頃より「いまだひろし&ヤノハザマ」名義に改名。
- 田島朋(1998-2002年)
- 野々原ちき(1998-2002年) - 代表作に『姉妹の方程式』等。
- ひびきひこ(1999年)
- 渡辺きりか(1999-2002年)
- 牧原ひさと(1999年-2003年) - 4コマギャグバトルシリーズでも執筆。
- 森山一保(1999年-2003年) - 代表作に『こども刑事めめたん』。
- 新庄聡美(2000年) - 4コマギャグバトルシリーズでも執筆。
2001年以降
- ÖYSTER - 代表作に『光の大社員』、『ど先端ナース』等。
- 山崎渉
- 浅村イオン - 後に「藍月イオン」へ改名。
- 川本祐太郎 - 代表作に『RUNRUNブラザーズ』、『YAT安心!宇宙旅行』(月刊少年ギャグ王版)等。
- 蜂文太 - 代表作に『武天のカイト』等。
- 桜川キヨイ
- 長田馨 - 『月刊少年ガンガン』初期の作品である『横須賀熱血ロード』等で有名。
- 三浦ゆうま - 『4コマ決定版』シリーズでも執筆。
- 美浜かもめ
- かみかわりょう
- 成原とんみ - ÖYSTERの妻。
- ひらのわたる - 『4コマギャグバトル』シリーズでも執筆。
- みそおでん
- 佐藤清美 - 『4コマギャグバトル』シリーズ時は「佐藤キヨミ」名義も使用。後に「土久清正」名義を経て「清正」に改名。
- 加曽利りあら - 『おさわり探偵 小沢里奈』シリーズのコミカライズ版を担当した事で有名。
- きむる
- 保土ヶ谷うさぎ
- 大伝竜王
- 新山たかし - 代表作に『半熟忍法帳』等。
- 坂井孝行 - 代表作に『K-1 ダイナマイト』等。
- 暁月玲佳
- こしじまかずとも
- ハインツ・リリィ
- 天童まくら
- せろりあん
- 猫戦車マリィ - 児玉さとみ名義で声優としても活動。
また、『熱血硬派くにおくん 4コマまんが王国』シリーズ等一部の単行本ではゲーム開発会社スタッフが執筆した作品も掲載されている。