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日本の漫画家 ウィキペディアから
竹本 泉(たけもと いずみ、本名・竹本 謙(たけもと けん)、1959年(昭和34年)1月19日 - )は、日本の漫画家。埼玉県出身。男性。血液型はB型。日本大学経済学部卒業。配偶者はマンガ家の矢野礼子。
少女漫画は妹の影響で読み始めた。和田慎二『銀色の髪の亜里沙』の影響を受けて少女漫画を描き始め、「なかよしまんがスクール」に2年間投稿。
大学4年次の教育実習時に第21回なかよし・少女フレンド新人漫画賞佳作となった『夢みる7月猫(ジュライキャット)』にて『なかよし』1981年8月号でデビュー。『なかよし』本誌での初連載作品は「パイナップルみたい♥」[1]。
短編または短編連作型のシチュエーション・コメディを得意としており、ほのぼのとしているがどこか変な話というのが基本的な作風で、これはデビュー当初から掲載誌のジャンルの変遷を経ても一貫している。その作風を端的に表現したものとして「エロとグロのない吾妻ひでお」という評もある[2]。
エドガー・ライス・バローズをはじめとしたSFファンで、作品中に著名SF作品を下敷きにしたネタが散見される。またいくつかのSF作品は、宇宙人、コピーされた地球など設定が同じである。各作品世界が同一のものであるかは不明。また、無類の猫好きとして知られ、猫をテーマとした漫画をしばしば描く。猫以外にも犬、イルカ、宇宙人、恐竜なども、よく作品に登場する。2003年まで飼っていた飼い猫のエピソードを漫画化した作品として『ある日のツヴァイ』などもある。飼い猫や作中に登場する猫にツヴァイ、どら菜、ふゅあ菜、ふゅん菜、じーく菜などが頻出する。
『なかよし』の専属契約を離れフリーランスの漫画家となって以降は、ゲーム誌やマニアックな雑誌での作品が増え、現在はほぼその方面で活動する作家である。しかし本人は少女誌の仕事がほとんどなくなった後も、少女漫画家を自称し続けている。趣味は海外SFを中心とした読書と、チェス、アニメ鑑賞、テレビゲーム。ポリシーとして原稿はいつも締め切り前に仕上げる。ただ、毎年11月は休載が慣例となっている。
独特のポップな背景、かわいらしい画風を持つ。この作風とペンネームゆえ、かつては女性と誤解されることが多かった。登場人物の台詞と名前、作品タイトルも掛詞や言葉遊びを凝らした独特のものが多い。ヤシの木などの慣れている物であれば、当たりをつけただけの下書きでペン入れしたりするなど、作画のスピードは速く、『エマ ヴィクトリアンガイド』で『エマ』の作者である森薫と対談した際、原稿を描くスピードについて「ネームが決まれば1日半から2日で仕上げまで」と発言して森を絶句させている。月刊で連載をしていた森は2週間程度使っていたが、竹本は更に続けて、森の作品の背景なら密度があるので「もう2日くれって言います」と発言し森を驚愕させた。長年、作画にはGペンを使用していたが、2011年末に遂にモノクロ原稿のみデジタルを導入した[3]。カラー原稿は、少女誌で活動していた頃はカラーインクやエアスプレーを使用していたが、後にコピックやアクリルガッシュに移行。2015年末ごろよりカラー原稿もデジタル化している。
デビュー間もない頃からアニメに向いた絵柄という評価があり、フリーランスになってからの掲載誌についてはメディアミックスに注力している雑誌・出版社も少なくないため、作品のメディアミックス展開、とりわけテレビアニメ化については各方面で度々噂が上がった作家である。また、『アニメディア』などのアニメ雑誌が行うアニメ化希望作品についての読者アンケート調査でも、1980年代後半の一時期、『あおいちゃんパニック!』などが上位ランクインの常連作品の一つになっていた事がある。
しかし、竹本の原作作品はもとより、竹本が関連する作品についても、テレビアニメ方面で作品展開されたケースは実質的に存在しない。わずかにメディアミックス絡みのものとして、1986年から1987年に掛けて倉金章介の『あんみつ姫』をリメイクしたテレビアニメ作品が放映された際に、これに先行する形で『なかよし』では竹本が同作のリメイク漫画作品(以下、竹本版)を連載したことが挙げられるが、このテレビアニメは竹本版とはキャラクターデザイン[注 1] もストーリーもまるで別物で、特徴的なことと言えば本来アニメ企画用に用意されたオリジナルキャラクターである隣国の若殿様・さくらもち太郎が竹本版に登場していたという点くらいであった[注 2]。
1980年代には当時の講談社・東映動画の日曜朝の放映枠で『魔法使いさんおしずかに!』がアニメ化候補となったこともあるものの、この時に実際にアニメ化された作品は『はーいステップジュン』であり[4] 制作には至らなかった[5]。1992年にはとあるアニメ制作プロダクションから海洋少女冒険もののアニメ企画のキャラクターデザインの依頼が持ち込まれたものの、竹本曰く「その企画は流れた」という[6]。その後も『MAGI×ES』で、同作に至ってはアニメ化を前提に立ち上げられた企画であったはずにもかかわらず、第2巻のあとがきで登場キャラクターに「全ての企画をなしにしてしまうすばらしくマイナスな魔法力」と言わせており、やはりアニメ化企画が頓挫していることを暗に示している。
テレビゲームソフトについては、コンシューマ機用のものを中心に過去に数作発売されている。しかし、企画段階で頓挫した作品、制作中止になった作品も多い。また発売された作品もゲーム性の低いマルチメディア作品が大半である。上述の『あんみつ姫』ではセガ・マークIII用のテレビゲームソフトも制作されているが、こちらのキャラクターもアニメ版に拠るものである。
※巻数の記載の無い物は1巻完結。各単行本の出版社は刊行順。「絶版」には品切重版未定を含む。
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