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日本の俳優(1917−1999) ウィキペディアから
妻の女優佐々木踏絵とともに薔薇座を結成して舞台で活動後、映画俳優に転向し、黒澤明監督作品の常連俳優として活躍。テレビドラマでもホームドラマを中心に人気を得た。主な作品に『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『花いちもんめ。』など。著書に妻との共著『わが青春の薔薇座』などがある。俳優の佐々木孝丸は岳父にあたる。俳優の佐々木勝彦は息子(次男)[2]。女優の宮本信子の父親とは従兄弟同士であり、従兄弟の娘という関係性を説明するのが面倒との理由で宮本信子を姪と紹介していた。
1917年(大正6年)4月28日(土曜日)、北海道中川郡恩根内村(現在の美深町)に、呉服・洋品雑貨店を営む森竹家の3男として生まれる[4]。幼少期に上砂川町に移住し小学校時代を過ごす。卒業後、札幌の北海中学校に入学[4][2]。陸上部に所属し、400m走者・跳躍選手として活躍、母校の先輩になぞらえて「第二の南部忠平」と呼ばれるほどの有望選手だったが、足首捻挫で陸上競技を断念。子供の頃から芝居が好きだったことから俳優を志し、東京にいた兄を頼って上京、代々木の名教中学(現・東海大学付属浦安高等学校)に転校する[4][5]。
1936年(昭和11年)、中央大学専門部法科に入るが、芝居に興味を持って新築地劇団に研究生として入団[2]。同年11月の同劇団公演『女人哀詞』(山本有三原作)で初舞台を踏む[4]。同期には多々良純、殿山泰司らがいた[6]。芸名は研究生時代に、劇団員で尊敬していた山本安英に付けてもらったという[7]。1938年(昭和13年)3月、多々良らと共に関西公演の出発直前に劇団を脱退[8]。五月座を結成するが、翌1939年(昭和14年)3月、大学卒業と同時に兵役につき歩兵第26連隊に入隊、五月座は自然消滅する[4]。軍隊では樺太・上敷香の国境警備隊に勤務し、1942年(昭和17年)7月に除隊、8月に佐々木孝丸の1人娘である女優の佐々木踏絵と結婚する[4]。その後、移動演劇隊・ほがらか隊の隊長として終戦まで各地を巡演する[4]。
戦後の1946年(昭和21年)5月、踏絵夫人とともに薔薇座を結成し、久藤達郎原作の『新樹』を旗揚げ公演として神田一ツ橋の共立講堂で上演する[4][9]。西洋演劇本位の新劇に反発して、日本の劇作家による、大衆性のある演劇を目指し[5]、菊田一夫原作の『東京哀詞』『堕胎医』を始め、『お前もまた美しい』『長崎の鐘』『冷凍部隊』などの創作劇を上演、このときに現代劇という呼称を初めて使ったといわれている[4]。特に『堕胎医』の評判はよく、この舞台を観た黒澤明によって1949年(昭和24年)に『静かなる決闘』の題名で映画化された。これが縁で黒澤にすすめられて『野良犬』にレビュー劇場の演出家役で映画初出演する[4]。これを機に薔薇座を解散し、以降は映画俳優に転向する。
映画では一時、東京映画や東映と本数契約を結んだこともあるが、フリーとして多くの映画に出演。特に黒澤作品には中心的脇役として計11本の黒澤作品に出演[2]。『隠し砦の三悪人』で藤原釜足と演じた農民コンビは、ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』に登場した2体のロボット(R2-D2とC-3PO)のモデルとなった。
1960年代からはテレビドラマにも出演するようになり、乙羽信子と夫婦役を演じた『ママちょっと来て』でお茶の間の人気を集め[2]、その後も『肝っ玉かあさん』などのホームドラマに父親役で出演した。
1975年(昭和50年)、ドラマ『微笑』で高峰秀子と共演するが、生田スタジオで収録中に脳内出血で倒れ入院し、翌1976年(昭和51年)のドラマ『喜びも悲しみも幾歳月』で再起する[10]。そこに至るリハビリの過程は、1979年(昭和54年)に刊行した『生きるなり』(文藝春秋)につづられている。
1985年(昭和60年)、伊藤俊也監督の『花いちもんめ。』での老人役で第9回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞など、数々の演技賞を受賞する。
1999年(平成11年)11月1日、急性心肺不全のため東京都府中市内の病院で死去。82歳没[11]。墓所は富士霊園。
千秋の死去により、「七人の侍」を演じた俳優は全員が鬼籍に入った[12][13]。
ロッテオリオンズ投手の村田兆治は近所に住んでいたこともあり、村田が右肘靭帯断裂を克服してカムバックした時は花束を持ってお祝いに行った[14]。
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