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イングランド出身のロック歌手、ミュージシャン ウィキペディアから
ポール・バーナード・ロジャース(Paul Bernard Rodgers、1949年12月17日 - )は、イングランド出身のロック・ボーカリスト。1960年代後半から2023年現在に至るまで、フリー、バッド・カンパニーなどのリード・ボーカリスト、ソングライターとして活動。リズム・アンド・ブルースに根差した特徴あるソウルフルな歌唱スタイルは、後のロック・ボーカリストたちに多大な影響を与えた[1]。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第55位[2]。
1949年12月17日、イングランド・ミドルズブラの港町で、7人兄弟の4番目に生まれる。ロードランナーズ (1967年) などのローカルバンドで活動を始めるが、商業的には失敗に終わる。
1969年に英国ブルースの巨匠、アレクシス・コーナーに見初められ、ポール・コゾフ (ギター) 、サイモン・カーク(ドラムス)、アンディ・フレイザー(ベース)とフリー[3]を結成。彼等は当時10代だったにもかかわらず、ブルース色が濃いシンプルなハードロックスタイルで徐々に人気を獲得していく。1970年にシングル「オール・ライト・ナウ」とアルバム『ファイアー・アンド・ウォーター』がヒットする。しかし1971年4月に初の日本公演を行なった直後に、アルバムの商業的不振やメンバー間の不仲が原因で解散を発表。
フリーが解散した1971年、ロジャースはスリーピースバンド、ピースを結成するが、ドラッグに溺れたコゾフを救うために、1972年2月にオリジナル・メンバーによる再結成に参加する。しかしメンバー間の不仲は解消されておらず、すぐにフレイザーが脱退。コゾフのドラッグ癖も悪化して離脱せざるをえなくなったので、フリーは危機に陥るが、山内テツ(ベース)とジョン・バンドリック(キーボード)を迎え[注釈 1]、ロジャーズがギタリストを兼任して、7月に2度目の日本公演を行なった[注釈 2]。その後、コゾフを含むメンバーはフリー名義のラスト・アルバムになった『ハートブレイカー』を1973年に発表し、同年解散。
1974年、ロジャースはフリーの同僚だったカーク、元モット・ザ・フープルのミック・ラルフス(ギター)、元キング・クリムゾンのボズ・バレル(ベース)とバッド・カンパニーを結成する。彼等はアメリカナイズされた楽曲スタイルで「キャント・ゲット・イナフ」など世界的ヒットを飛ばし、多くのアルバムがプラチナディスクを獲得した。しかし、ロジャースは肥大化した活動から落ち着くため1982年に脱退。
1983年、全ての楽器を自ら演奏した初のソロ・アルバム『カット・ルース』を発表するが、商業的には失敗に終わる。1985年にはレッド・ツェッペリンのギタリストだったジミー・ペイジらと組んだザ・ファームがスーパーグループとして話題となったが、期待されたほどの成功を収めることなく、アルバム2枚を残し自然消滅。1991年、フェイセズやザ・フーのドラマーだったケニー・ジョーンズらとロウを結成するが商業的に失敗し、アルバム1枚を残し解散[注釈 3]。
1993年には、一曲ごとに異なるスーパーギタリストと共演したソロ名義のトリビュート作品『マディ・ウォーター・ブルーズ』が起死回生のヒット作となり、グラミー賞にノミネートされた。1990年代中頃にソロで日本公演を行い、1997年には14年振りとなるオリジナル曲のソロ・アルバム『ナウ』を発表。
1998年、オリジナル・メンバーによるバッド・カンパニーの再結成に参加し、新曲をレコーディングした[4]。1999年にバッド・カンパニーとして全米ツアーを行うが、後にバレルとラルフスがツアーへの不参加を表明、ロジャースは1999年にアルバム『エレクトリック』を発表しソロ活動を再開。2002年、新メンバーを加えバッド・カンパニーに参加し、全米ツアーを行う。
2005年から2009年に掛けクイーンのメンバーのブライアン・メイ、ロジャー・テイラーらと組みクイーン+ポール・ロジャースの名で世界ツアーを行い、日本・全米公演を行う。2006年10月からクイーンとスタジオ入りし2008年、ニューアルバム『ザ・コスモス・ロックス』を発表するが、ロジャースは活動に終止符を打ちバッド・カンパニーの再始動へ移行した。2010年10月、バッド・カンパニーとして35年振りとなる日本公演を行う。
2014年、オーティス・レディングやアルバート・キングなど、ソウル・ブルースの名曲を60年代に活躍した一流のバックミュージシャンと共に収録した『ザ・ロイヤル・セッションズ』を発表。
時期により、歌唱スタイルは変化している。オーティス・レディングがインタビューや楽曲で頻繁に取り上げられ、活動初期の音源では歌唱スタイルの類似が確認できる。非常に強力な声の持ち主であることから、「ザ・ヴォイス」などの異名を持つほどである。
他にもインタビューでジョン・リー・フッカーやエルモア・ジェームス、ハウリン・ウルフなど名を挙げており、レイ・チャールズに至っては2010年に英国営放送BBCでジュールズ・ホーランドと共に「クライング・タイム」を演奏した。フリーのファースト・アルバムでは、ハウリン・ウルフの楽曲「Goin' Down Slow」を取り上げている。いずれからも、ブルースやリズム・アンド・ブルースの影響が窺える。
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