ヘーレム
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ヘーレム(ヘブライ語:חֵרֶם)とは、ח-ר-ם (IPA : χ–ʁ-m)という語根から派生した名詞である。現代ヘブライ語では「破門;追放;没収;禁制」などを意味している[1][2]。ヘーレムを用いた熟語には「ヘーレム・カルカリー」(経済制裁)、「ヘーレム・ツァルハニーム」(ボイコット)、「ヘーレム・メディニー」(国交断絶)などがある。しかし、聖書ヘブライ語(古代ヘブライ語)の時代においてはその語義に変遷があったとされており、現在ではおおむね下記のごとく3種類に分類されている[3][4]。
- 神や祭司のために人や家畜や財産を聖別すること。(奉納物)
- 戦争時における異民族の虐殺、および破壊行為。(宗教的迫害)
- ある人物を共同体から排斥し、公共社会と接触しないよう遠ざけること。(懲罰)
以上は歴史に準じた序列である。本項ではミシュナーやタルムードの記述に基づいたユダヤ教における懲罰(3)である「破門」を中心に解説し、奉納物(1)についても「祭司のヘーレム(ハラミーム)」にて触れておく。宗教的迫害(2)についての詳細は「聖絶」を参照のこと。また、ヘーレムのギリシア語訳であるアナテマについても当該記事を参照のこと。