グランド・セフト・オートシリーズ
アメリカ合衆国のコンピューターゲームシリーズ ウィキペディアから
アメリカ合衆国のコンピューターゲームシリーズ ウィキペディアから
グランド・セフト・オートシリーズ(Grand Theft Auto Series)は、英国のロックスター・ノース開発および米国のロックスター・ゲームス販売によるクライムアクションゲームシリーズ。公式略称はGTA。また、公式略称ではないが日本国内ではグラセフ[1]と略されることもある。全シリーズ11作品が発売されている[注 1]。
街中で突然に人を殺害したり、車両を盗んで走り回る・売却するなどの犯罪を中心にした内容が特徴で、架空又は実在する部隊・人物などが登場する事が大きな特徴。またPCからPSシリーズ、XBOXシリーズなど、幅広く発売している。メインはストーリーモード(オフライン)であるが、最近ではオンライン(マルチモード)にも力を入れている。
2023年11月時点で、全世界でシリーズ累計4億2,000本以上の売り上げ[2]を記録している世界的大ヒット作品(その内、45%以上は『グランド・セフト・オートV』が占めている[3]。)である[4]。
ゲームタイトルは直訳すれば「自動車重窃盗」といった意味("Grand Theft"は重窃盗、"Auto"は自動車)であるが、シリーズでは車に限らず一部の作品には陸海空の様々な「乗り物」が登場する。
ほかのクライムアクションゲームに比べてNPCの行動やしぐさが人間的である。例えば事実上の競合作品の『MAFIA』や『DRIV3R』といったクライムアクションゲームのNPCはただひたすら歩道を歩く人形のようなものだが、『GTA:SA』では主人公が魅力ある服装だとNPCから通りがかりに話しかけられたり、誉めてくれたり、写真を撮られたり、逆にからかわれたりする。それ以外にもNPC同士が会話していたり、警官に反抗的なものがいたりとさまざまで、ほかのクライムアクションゲームには無いNPCの人間描写がある。
なお、暴力的描写が含まれるため、子供のNPCは一切見られず、ストーリーにおいても『GTA:VCS』に少し登場するだけである。
シリーズの多くは序盤(またはオープニングシーンまで)仲間だったキャラクターが後々裏切り、プレイヤーと敵対する関係になるといった、モチーフとしているマフィア・ギャング映画に近いストーリーとなっている。また、いずれの作品もゲームの性質上、主人公が人生のどん底から再起し這い上がって頂点に立つといったストーリー展開が多い。プレイヤーは決められたミッションをこなしてゲームを進めることになるが、ミッションは失敗してもそのまま最初からやり直せる(作品によってはリトライできる場合もある)。
街で殺人を起こすと手配度(星、又は警察バッジのマーク)が増え、警察が主人公を追跡する。手配度が上がるにつれ、より精強な部隊に追われることになる(部隊には戦車隊やヘリコプター隊などが含まれているが、シリーズによっては出ないこともある)。部隊の追跡を免れるためには手配度を何らかの方法で消す必要があり、手配度が高い程消すのも難しくなる[5]。
ライフがなくなって失神したり警察に捕まったりすると、武器と防弾チョッキを没収され、最寄りの警察署や医療施設から再スタートしなければならない(『GTAIV』においては逮捕された場合のみ武器が没収され[6]、『GTAV』では逮捕された場合弾薬のみが没収される)。病院に入院すると治療費をとられる。
また、ほとんどの作品に日本語や日本文化(特に刃物)、半グレなどが登場する。日本語を話すNPCがいたり、街中に落ちている新聞紙や段ボールをよく見ると日本語が書かれていたりする。『GTA:VCS』のミッション名には「Domo Arigato Domestoboto」(元ネタはStyxの「ミスター・ロボット」[要出典])というものがある。
シリーズにおいて登場人物が複数の作品において共通することがある(『GTAIII』系統に登場するフィル・キャシディは『GTAIII』『GTA:VC』『GTA:LCS』『GTA:VCS』の4作品に登場しており、GTAシリーズの登場人物で最も登場回数が多い)。
本作のパロディとして、GTAのゲーム画面風なCGアニメによるコカコーラのCMが流された。CMはGTAの暴力的なイメージをまるっきり逆にしたピースフルな内容である。
1997 | グランド・セフト・オート |
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1998 | |
1999 | グランド・セフト・オート・ロンドン1969 |
グランド・セフト・オート・ロンドン1961 | |
グランド・セフト・オート2 | |
2000 | |
2001 | グランド・セフト・オートIII |
2002 | グランド・セフト・オート・バイスシティ |
2003 | グランド・セフト・オート:ダブルパック |
2004 | グランド・セフト・オート・サンアンドレアス |
グランド・セフト・オート・アドバンス | |
2005 | グランド・セフト・オート:トリロジー |
グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ | |
2006 | グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ |
2007 | |
2008 | グランド・セフト・オートIV |
2009 | グランド・セフト・オートIV・ザ・ロスト・アンド・ダムド |
グランド・セフト・オート・チャイナタウンウォーズ | |
グランド・セフト・オート・ザ・バラッド・オブ・ゲイ・トニー | |
2010 | |
2011 | |
2012 | |
2013 | グランド・セフト・オートV |
グランド・セフト・オート オンライン | |
2014 | |
2015 | |
2016 | |
2017 | |
2018 | |
2019 | |
2020 | |
2021 | グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版 |
2022 | |
2023 | |
2024 | |
2025 | グランド・セフト・オートVI(予定) |
グランド・セフト・オートシリーズは主に3つのシリーズと時系列によって展開されている。
2DシリーズはGTA1→GTA2となっている。このシリーズは追加パッケージ作品「GTA:ロンドン シリーズ」などもある。現在のGTAシリーズとは異なり、見下ろし型の視点となっている。
3Dシリーズは、過去の世界を主な舞台としており、2Dシリーズから一新されている。
時系列はGTA:VCS(1984年)→GTA:VC(1986年)→GTA:SA(1992年)→GTA:LCS(1998年)→GTA:AD(2000年)→GTAIII(2001年)で構成されている。現在、2006年に発売された『グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ』をもって3Dシリーズのストーリーは完結した。2021年11月に発売された『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』はリマスター作品である。そのため15年振りに3Dシリーズの作品が発売された。
GTAIV・TLAD・TBoGT(2008年)→GTA:CTW(2010年)→GTAV[7](2013年[注 2])
3Dシリーズから時系列や舞台が一新されているため、『GTAIII』から『GTA:VCS』までの全作品の世界観は一切共有していない。また、HDシリーズは主にリアルタイムの現代の世界が舞台。
3Dシリーズとは違い、自由度、リアル度が大幅に改善し、グラフィックなども強化(今作からロックスター・アドバンスド・ゲーム・エンジンと呼ばれる高画質のゲームエンジンを使用している)、オンラインモードにも注力されるようになった。
後に上記2作品を1枚のディスクに収めた『グランド・セフト・オート・エピソード・フロム・リバティーシティ』(本編無し)。
『GTAIV』『GTAIV:TLAD』『GTA:TBoGT』の3作品を1枚のディスクに収めた『グランド・セフト・オートIV コンプリートエディション』が発売された。
2022年2月5日にロックスター・ゲームスはGTAシリーズの新作を開発中と発表した[33]。
2023年12月5日、新作を正式発表した[34]。
完全新作という訳ではなく、過去作品をグラフィックや操作を改良し、発売しているソフトの事を指す。
2003年に発売されたリマスター作品。
『グランド・セフト・オートIII』と『グランド・セフト・オート・バイスシティ』の作品が1つのゲームソフトとして販売されている。
2006年に発売されたリマスター作品。
2021年に発売されたリマスター作品。『グランド・セフト・オートIII』、『グランド・セフト・オート・バイスシティ』と『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』の3つ作品が1つのソフトとして発売された他、グラフィック等の向上がなされた[35]。
全体的な操作は『グランド・セフト・オートV』のスタイルを採用した。
GTAシリーズ内の作品中に出てくる舞台は、ニューヨークがモデルの『リバティーシティ』、ロサンゼルスがモデルの『ロスサントス』、ラスベガスがモデルの『ラスベンチュラス』、サンフランシスコがモデルの『サンフィエロ』、マイアミがモデルの『バイスシティ』などがGTAシリーズに存在する架空の都市である。
作品により多少定義が異なるが、各作品には特定のミッションでしか登場しない珍しい車が存在する。どういう点が通常と異なるかは様々だが、大きく分けて次の3種類がある。
通常ではその色で出現したり、塗り替えたりできない車。ただし、塗装屋で塗り替えると元の色に戻せなくなってしまう。また、その色に塗り替えることはできないが、その色で通常出現する車も存在する(『GTA:VC』の白のインフェルナスなど)。
その車自体が該当するミッション以外では現れる。透明な車のものとは異なり、塗装屋に持ってくときえる。多くの作品には霊柩車がこれとして登場する。
銃で壊せないものや燃えないもの、更には基本的な攻撃全てが効かないものもある。ただし、横転や転覆をさせる、戦車で轢くなど特殊な手段を使えば壊せる。入手方法の大半はプログラムの盲点を利用したものである。
米国では2003年6月7日、このシリーズをプレイしていた少年が警察署で警官など数人に発砲してパトカーを奪うという事件が起き、その後被害者遺族からメーカーと販売店に対して民事訴訟が起こされた。
ほか、『GTA:VC』ではゲーム中に多く登場するハイチ人のギャングやマフィアといったキャラクターが暴力的すぎるとして、ハイチ系移民から訴訟を起こされたこともある。
GTAⅢが発売され日本でも人気を博すと、「偏った思想の精神病患者が好き好んでプレイしている」や「急激に凶悪な少年犯罪が増えた」といった根拠のない誹謗が行われた。これに関連してか、神奈川県は2005年6月7日、大手ゲームメーカー「カプコン」が販売するPS2版『グランド・セフト・オートIII』(GTAIII)に残虐な内容が含まれているとして神奈川県青少年保護育成条例の「有害図書」に指定した[注 4]。
同条例に基づき、このソフトは18歳未満への販売が禁止されるとともに店頭での一般ソフトとの区分陳列が義務づけられるようになり、違反者には30万円の罰金が科せられる。また、神奈川県に続き石川県、埼玉県[36]、大阪府[37]も有害図書に指定した。
さらに7月14日に開かれた全国知事会議で全都道府県(長野県の一部を除く)で有害図書に指定された。
この有害図書への指定とその原因とされた一連の出来事を機に、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)は旧区分で「18歳以上対象」とされていたソフトを「Z(18歳以上のみ対象)」と「D(17歳以上対象)」の2区分へ変更するようレーティング制度を改めるとともに各都道府県の青少年保護育成条例において「CERO:Z」区分と審査されたソフトを全て有害図書へ指定するようになった[注 5]。
暴力的なゲームを非難しているアメリカ合衆国の団体・NIMF(全米家族メディア研究所)が2004年に発売された『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』にはインターネットでダウンロードできる「HotCoffee(訳:ホットコーヒー)」と呼ばれるMODを導入することで性的なシーンが見られるとして批判声明を発表(このホットコーヒーは元々からプログラムされていた当該シーンのロックを解除するプログラム)。
ロックスター・ゲームス側は「ゲーム製作者側が意図したものでは無い」と反論したものの2005年7月14日、米上院議員(当時)のヒラリー・クリントンは連邦取引委員会に調査要求を出した。7月20日には同ゲームのESRBのレーティングを「ESRB:Mature」(M:17歳以上向け)から「ESRB:Adults Only」(AO:18歳未満禁止のソフト)へと引き上げられることになった[38]。
その後性的シーンを無効にする(幾つかのバグフィックスも含む)パッチがリリースされた。また、流通されているソフトは一旦全て回収を行い、レーティングが、「ESRB:Adults Only」に該当する要素を削除したバージョンとして現在も、再出荷されている。
2022年9月、『グランド・セフト・オートV』の次回作にあたる最新作の開発初期段階のプレイ映像90本ほどが流出する事件が発生[39]した。この一連の事件はゲーム業界の歴史において最悪の出来事となった。ロックスターは公式声明を出し、このプレイ映像が本物であることを認め、今後の開発内容について発表した[40]。アメリカ合衆国連邦政府(アメリカ合衆国司法省)の連邦捜査局(FBI)が直接調査する事になり、英国警察と共同調査でイギリス在住の少年が逮捕された。この少年はUber Eatsなどにも同様の事をしていたことが判明[41]した。
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