津川駅
新潟県東蒲原郡阿賀町津川にある東日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
新潟県東蒲原郡阿賀町津川にある東日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
旧・津川町の中心駅である。
磐越西線は、私鉄岩越鉄道の手で建設が進められた。1904年(明治37年)までに、郡山駅 - 喜多方駅間を開通させたが、1906年(明治39年)の鉄道国有法成立を迎え、以降の建設は国鉄へ引継がれた。国鉄に引継がれてからの建設は、新潟県側と福島県側双方から進められ、馬下駅 - 当駅間は1913年(大正2年)6月1日に開通した[7]。
津川を含めた東蒲原郡は、江戸時代には会津藩領であった。阿賀野川が津川より上流の野尻付近まで舟運に適さないため、会津盆地からの荷物は野尻付近で陸揚げされて国道49号に近い経路で峠を越えると、津川で再度船へ載せられて河口へ下る輸送が行われていた。このため津川は阿賀野川の河港として栄えた町であった[8]。船着き場付近には会津藩の米倉、塩倉が建ち並び、明治維新後は東蒲原郡郡役所が設置される等、地域行政と経済中心地であった[9]。
岩越鉄道建設に際して、当初は喜多方では無く会津坂下町を通る構想があったことから、津川が会津若松と新津のほぼ中間となって、機関庫が設置される等鉄道拠点となることを地元では期待していた。しかし実際は喜多方経由となり、機関庫は日出谷駅に設置されることとなって、津川は鉄道拠点から外れた[9]。
岩越線最後の延伸区間となる、野沢駅 - 当駅間は1909年(明治42年)から着工されていたが、鹿瀬駅 - 当駅間の赤崎山と阿賀野川に挟まれた区間は地盤が非常に軟弱で、地面が次第に川へ向かって移動して行くような場所で、工事が大難航した。時間を掛けて地盤から排水してようやく線路を敷設したが、以後も要警戒区間であり、約450mに渡り常時速度制限が掛けられている[10]。1914年(大正3年)11月1日に野沢駅 - 当駅間が延伸、岩越線が全通した[7]。
前述の通り、津川は舟運で栄えた町であったが、地元では鉄道が開通しても利用するのは金持ちか役人位であろうと見込んでおり、舟運と鉄道は共存すると考えていた。だが全通するとたちまち需要は転移し、舟運は衰退して津川では多くの失業者を出すこととなった[11]。
昭和初期になると諏訪平や赤崎山等がスキー場として賑わうようになり、週末になると駅がスキー客で混雑するようになった。また隣の鹿瀬に昭和電工鹿瀬工場が進出すると、その通勤客が増加し、最盛期には1日4000人近い乗降客がいる状況であったが、これも鹿瀬工場業務縮小に伴い減少へ転じた[11]。1977年(昭和52年)4月8日に貨物取扱、1985年(昭和60年)3月14日には荷物扱いを廃止した[12]。
2009年(平成21年)9月19日には新駅舎が竣工した[2]。
新津駅管理の無人駅[19]2021年9月30日までは業務委託駅(ジェイアール新潟ビジネス受託)で、みどりの窓口があった。駅舎内には自動券売機、屋内待合室、トイレが設置されている。
ホームと駅舎間は以前構内踏切で連絡していたが、跨線橋新設時に撤去された。また、駅南側には保線車両を留置する側線がある。
ホーム南側にある駅舎は2009年(平成21年)に全面改築されたもので、津川地域の旧市街をイメージした町屋風の建物である[2]。
以前はキヨスクがあったが、改築前の2004年(平成16年)春に撤退した。
JR東日本によると、2000年度(平成12年度) - 2020年度(令和2年度)の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 247 | [利用客数 1] |
2001年(平成13年) | 228 | [利用客数 2] |
2002年(平成14年) | 209 | [利用客数 3] |
2003年(平成15年) | 212 | [利用客数 4] |
2004年(平成16年) | 213 | [利用客数 5] |
2005年(平成17年) | 222 | [利用客数 6] |
2006年(平成18年) | 216 | [利用客数 7] |
2007年(平成19年) | 213 | [利用客数 8] |
2008年(平成20年) | 202 | [利用客数 9] |
2009年(平成21年) | 207 | [利用客数 10] |
2010年(平成22年) | 186 | [利用客数 11] |
2011年(平成23年) | 157 | [利用客数 12] |
2012年(平成24年) | 171 | [利用客数 13] |
2013年(平成25年) | 158 | [利用客数 14] |
2014年(平成26年) | 161 | [利用客数 15] |
2015年(平成27年) | 174 | [利用客数 16] |
2016年(平成28年) | 171 | [利用客数 17] |
2017年(平成29年) | 175 | [利用客数 18] |
2018年(平成30年) | 162 | [利用客数 19] |
2019年(令和元年) | 143 | [利用客数 20] |
2020年(令和 | 2年)111 | [利用客数 21] |
駅は阿賀野川の右岸に位置するが、津川町場中心地は左岸側に位置しているため、駅近くの麒麟橋を渡って徒歩20分程度かかる。
周辺には山が迫って来ている。この辺りは以前林業が盛んであったために一帯の山々もスギを中心とした針葉樹が良く目立つ。
最寄り停留所は駅前の「津川駅前」バス停となる。2019年4月1日現在、新潟交通観光バスにより集落や病院へ向かう以下の路線が運転されているが、本数はいずれも1日に数本程度であり、日・祝日は全便運休する[21]。
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