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平城京への遷都から2010年で1300周年を迎えることを記念して開催された事業 ウィキペディアから
平城遷都1300年記念事業(へいじょうせんとせんさんびゃくねんきねんじぎょう)は、現在の奈良県奈良市付近にあった平城京への遷都から2010年(平成22年)で1300周年を迎えることを記念して開催された事業。平城遷都1300年祭とも。主催は奈良県などが設立した平城遷都1300年記念事業協会。
平城遷都1300年祭は、奈良県内県内各地で開催された。平城宮跡会場は「メイン会場」で、ほかに県内各地で特別イベントや特別開帳が「巡る奈良」事業として開催された。マスコミ等で「平城遷都1300年祭」と言うときは、平城宮跡会場のみを指す場合が多かった。
特別史跡平城宮跡(Heijō Palace)を舞台に4月24日 - 11月7日に開催された。
尚、平城宮跡会場は閉幕後は、通常の平城宮跡の営業状態へ戻り、既存の施設である平城宮跡資料館、遺構展示館、朱雀門、東院庭園と新しく第一次大極殿が加わり現在も無料で一般公開されている。※定休日あり
平城京歴史館は2011年の4月23日に再オープンし有料で一般公開されていた。2016年6月30日に平城京歴史館は閉館し、今後は平城宮跡歴史公園拠点ゾーンの宮跡休憩展望施設として整備される予定である[1]。
巡る奈良事業として、特別イベントや特別開帳のイベントが行われた。
当初は下記4事業を2010年の1年間を通して実施する計画であったが、その後大幅に変更された。
平城宮跡会場では2010年4月から約半年間、大極殿前広場を映像と音を駆使した大規模な屋外劇場(大極殿シアター)をシンボルに天平の風景を立体映像で疑似体験できる「平城京時空館」や当時の市場のにぎわいを再現し日本各地の名産名品が一大集結する「平城京バザール」、豊かな歴史文化と美しい自然の楽しさを体験できる「なら歳時記ミュージアム」など、歴史体験型パビリオン10棟を特設する予定であった。
しかし、平城宮跡でのパビリオン建設は文化庁が難色を示したため断念された[2]。その具体的な経過は明らかにされていない。
国の2008年(平成20年)度予算案には平城宮跡の国営公園化が盛り込まれており、2008年度から国営公園としての整備が行われる見込みであるが詳細は未定である。国営公園の開設式は平城遷都1300年記念事業に合わせて、2010年春に行われる予定である[3]。
2008年2月に公表された新実施基本計画案では事業規模を大幅に縮小し、記念祝典を中心イベントとすることとされた[4]。「平城京歴史館」(仮称)と「四季のなら館」の2館が建設されることとなったが、これらの施設は国営公園事業の一環として建設され記念事業後も存続するもので、奈良市ではパビリオンではないと説明している[5]。
「語る」「楽しむ」「つくる」の3つの視点で多くの主体の参画を得て、多種多様なイベント展開を目指す(国際会議、シンポジウム、大規模展示・展覧会、フェスティバル、パフォーマンス、コンサート、映画、舞台芸術、飲食スポット、アミューズメントなど)。
総事業費 - 300億円
100億円超の民間資金を予定していたが思うように集まっておらず、事業の全体像がどうなるかは不透明である[6]。
総事業費 - 100億円程度
2008年2月に公表された新実施基本計画案では、総事業費が約3分の1の100億円に大幅に縮小された。民間資金は20億円とされ、入場が原則無料となったため営業収入も見込まないこととなった[4]。また、集客見込みも下方修正された。
4月24日 - 5月9日 会場内を花などの植物で演出した。
8月20日 - 27日 会場内を電飾や映像で演出され、特別に夜間営業も実施された。また、平城遷都祭の演出もあった。
10月1日 - 11月7日
コンセプトは「四神を巡る」である。
2001年4月に県庁企画室に平城遷都1300年記念事業準備室が設置された。2005年(平成17年)5月に任意団体として平城遷都1300年記念事業協会設立、2008年11月に社団法人化。
委員総数153名
委員総数22名
委員総数95名
2007年11月15日現在、総員115名
2010年の遷都祭開催に向け県内北部では道路や鉄道を中心とした交通網の整備が進められた。
道路関係の主な工事としては阪奈道路の第二阪奈道路合流点(宝来ランプ) - 尼ヶ辻間の8車線化工事が挙げられる(国道308号大宮道路)。これは片側2車線(合計4車線)しかなく慢性的に渋滞が発生していた(第二阪奈の開業で車両流入量が増えさらに悪化している)同区間の状況を緩和するべく、新たにこの区間に4車線の高架路を作り遠近分離を図るものであった。また、これにつながる形で三条菅原線(三条大路5丁目-三条栄町)と大森高畑線の一部の4車線化も行われJR奈良駅西口から平城宮跡会場まで渋滞を避けたシャトルバス運行に重用された。旧国道24号線より東側の三条通りの歩道拡幅も行われたが、会期までには完成せず会期中は工事中断とされた。
このほかに西日本旅客鉄道(JR西日本)奈良駅の高架化工事が進められ、会期中の2010年3月に完成した。これは、従来地平を走っていた線路を跨線橋で超えていたものを、付近一帯の線路を高架にし道路を地平に移すことによって踏切を無くす大規模な工事であった。完成後は駅ホームも高架となり、駅舎も現在の仮駅舎に代わって奈良の歴史をモチーフにしたデザインになっている。また駅周辺は西側にホテル誘致(これは失敗に終わったが)・総合保健施設、東側に商業ビルなどの再開発も進んでいる。旧駅舎は観光案内所としてリニューアルされた(「奈良駅」も参照)。しかしながら、駅前広場の再整備は主要部分が事業化されていない状態であり、また当初の計画にあった奈良駅の2階から接続する予定の駅東側のペデストリアンデッキは、旧国道24号線の拡幅工事が予定通りに進まなかった事や、デッキからの降り口をどこに造るかで降り口周辺の店舗とそうでない店舗との調整が出来なかった事などが重なり、建設されていない。
近鉄では、近鉄奈良線大和西大寺駅 - 新大宮駅間に会期中限定の臨時駅を設置する構想があったが断念された[7]。検討されていた設置場所は国道24号奈良バイパスの高架下付近(平城宮跡の東端)だった。なお近鉄奈良線は阪神西大阪線難波延伸工事(阪神なんば線)が完了し、2009年より近鉄奈良駅 - 阪神三宮駅間で相互直通運転を開始している。これに加え会期中の土曜・日曜には近鉄名古屋駅 - 大和西大寺駅間に臨時特急が運転された[8]。
JR西日本も2008年におおさか東線の南区間である久宝寺駅 - 放出駅間を先行開業させて、同線・JR東西線経由で奈良駅 - 尼崎駅間に快速列車を走らせている。当初計画されていた新大阪駅 - 奈良駅間の列車は北区間の工事の遅れにより2010年の会期には間に合わず、新大阪駅 - 奈良駅間に臨時特急列車を運転する予定に変更された。また、当初、関西空港駅から奈良方面への臨時列車の運転が計画され、平城遷都1300年祭の秋季期間(10月9日 - 11月7日)に、天王寺駅・JR難波駅を経由する貸切列車を運転させる予定であったが、実際には運転されなかった。
2009年4月26日、奈良まほろば館(東京都中央区日本橋室町)で公式テーマソングが発表された。制作発表および一般からのキーワード募集の際には「イメージソング」だったが、曲の発表は「公式テーマソング」になった。曲名はラテン語で音楽を意味する「ムジカ」で、作詞・作曲・歌は谷村新司、編曲は千住明。曲はバラード調で、アジア各国の楽器が使われている。[9]
平城遷都1300年記念事業協会は選定委員によって、東京芸術大大学院教授で彫刻家の籔内佐斗司が描いた童子に鹿の角を生やしたキャラクターをマスコットとして選び、500万円で著作権を譲り受けた。4月15日、キャラクターの愛称が「せんとくん」に決定した。
「せんとくん」に対しては、市民から「可愛くない」、また童子が仏に見えることから「仏を侮辱している」「仏に角を生やすのは不謹慎である」等の批判がある他、「平城遷都1300年祭を救う会」を名乗る任意団体が結成され、街頭やウェブ上などで反対運動を展開していた。更に2008年3月27日には奈良市と周辺の寺院の僧侶らで構成される親睦団体南都二六会が「仏をちゃかしたようなキャラクターに嫌悪感を覚える」などとしてマスコットの再考を求める意見書を提出した。
批判は、非公開で行われた選考過程の不透明さや、地方博のマスコットキャラとしては割高な費用にも向けられている[10]。また、着ぐるみの制作費用は、約80万円だという[11]。
選定過程などに疑問を持つ地元のデザイナーらが集まる「クリエイターズ会議・大和」は、独自のキャラクターを一般からの公募で選定し、「まんとくん」として発表した。地元商店街などが歓迎し、ポスターなどに「まんとくん」を採用した[12]。南都二六会は、同会が独自に採用したキャラクター「なーむくん」を活用するとしている[13]。
この騒動で多くの報道が行われたために知名度は抜群となり、いわゆるゆるキャラとは一線を画したキャラクターと相まって徐々に知名度が高まった[14][15]。2010年7月時点で、「せんとくん」関連グッズのライセンス料は30億円に達した。[16]また前述のような批判の動きを報道した新聞記者が、協会職員からなじられたことがある。[17]
2008年10月25日に彦根市で開催された『ゆるキャラまつりin彦根』で、「せんとくん」と「なーむくん」の「仲直り」が行われ、[18]12月以降はきぐるみの製作が遅れていた「まんとくん」も加わり、3キャラクターがそろい踏みしてのイベント出演などが行われた。
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