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日本の映画監督、CMディレクター ウィキペディアから
市川 準(いちかわ じゅん、1948年11月25日 - 2008年9月19日)は、日本の映画監督、CMディレクター。
本名は、市川 純(読み同じ)。東京都府中市出身。CM演出家を経て1987年に『BU・SU』で映画初監督。以降、幅広い題材に意欲的に取り組み話題作を数多く発表した。
聖パウロ学園高校卒業後、画家を志して東京芸術大学美術学部絵画科への入学を目指すが浪人を繰り返す。1975年にCM制作会社に入社してCM演出家になり、1981年の退社後は無所属で活動する。演出家として禁煙パイポ、タンスにゴン(金鳥)、エバラ焼肉のたれ、ヤクルトタフマン、デューダ等の、テレビCMを手掛ける。1985年にはカンヌ国際広告祭で金賞を受賞している。映画監督となった後も、死去の直前までCMを作り続けていた。
1987年に富田靖子主演の『BU・SU』で映画初監督。暗く閉鎖的なために「性格ぶす」を揶揄される少女が他者と出会って成長していく様子を描いたこのデビュー作で、キネマ旬報ベスト・テン第8位、読者選出第2位の評価を受ける。
1991年に吉本ばなな原作の『つぐみ』を監督。山本周五郎賞を受賞した大ベストセラー小説の映画化で、初めて東京以外を舞台とした作品である。この作品で第15回報知映画賞監督賞と第45回毎日映画コンクール監督賞を受賞する。1993年には、現役医師山崎章郎のベストセラーをドキュメンタリータッチで描いた『病院で死ぬということ』でオルレアン映画祭日本映画ビエンナーレグランプリなどを受賞。
1995年に『東京兄妹』で、第45回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。この作品には小津安二郎へのオマージュも指摘されている。1996年、実在の漫画家たちの若き日を描く群像劇『トキワ荘の青春』を監督。1997年には『東京夜曲』で、第21回モントリオール世界映画祭において日本人として初めて最優秀監督賞を受賞し、この頃から世界的にも名を知られるようになる。この三作は“東京三部作”と呼ばれ、他にも出身地である東京を舞台とした作品が多い。
1999年には初めて大阪を舞台とした『大阪物語』を監督。2002年に三谷幸喜の戯曲が原作の『竜馬の妻とその夫と愛人』を監督する。2004年に村上春樹原作の『トニー滝谷』を監督。市川は長年に渡り村上作品を愛読しており、この作品は第57回ロカルノ国際映画祭で審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査員賞を受賞した。2007年に最後の長編映画となった『あしたの私のつくり方』を監督。第2回KINOTAYO現代日本映画祭グランプリを受賞した。
2008年9月18日、外出先で食事中に倒れ、翌19日未明に脳内出血のため死去[1]。59歳没。次作『ヴィヨンの妻』のクランクインも目前であった[2]。
同年10月の第21回東京国際映画祭で上映された自主制作映画『buy a suit スーツを買う』が遺作となった。翌2009年4月の劇場公開時の同時上映は、市川のパソコンに遺されていたHDカメラで撮り貯めていた映像に市川自身の「詞(コトバ)」を載せた映像作品『TOKYOレンダリング詞集』。
女優を中心に据えた作品が多く、富田靖子、牧瀬里穂、粟田麗、池脇千鶴、田中麗奈、成海璃子、前田敦子など成長期の女優を起用することが多かった。
題名 | 制作年 | 兼任 | |
---|---|---|---|
1 | BU・SU | 1987 | |
2 | 会社物語 MEMORIES OF YOU | 1988 | 脚本 |
3 | ノーライフキング | 1989 | |
4 | つぐみ | 1990 | 脚本 |
5 | ご挨拶(オムニバス第2話「佳世さん」) | 1991 | 脚本 |
6 | 病院で死ぬということ | 1993 | 脚本 |
7 | 第1回欽ちゃんのシネマジャック『きっと、来るさ』 | 1993 | 脚本 |
8 | クレープ | 1993 | 脚本 |
9 | 東京兄妹 | 1995 | |
10 | トキワ荘の青春 | 1996 | 脚本 |
11 | 東京夜曲 | 1997 | 原案 |
12 | たどんとちくわ | 1998 | 脚本 |
13 | 大阪物語 | 1999 | |
14 | ざわざわ下北沢 | 2000 | 原案 |
15 | 東京マリーゴールド | 2001 | 脚本 |
16 | 竜馬の妻とその夫と愛人 | 2002 | |
17 | トニー滝谷 | 2005 | 脚本 |
18 | あおげば尊し | 2006 | 脚本 |
19 | あしたの私のつくり方 | 2007 | |
20 | buy a suit スーツを買う | 2009 | 脚本 |
21 | TOKYOレンダリング詞集 | 2009 | 撮影・編集 |
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