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2001年前期のNHK連続テレビ小説第64作 ウィキペディアから
『ちゅらさん』は、2001年度上半期に放送されたNHK『連続テレビ小説』のテレビドラマ[1]。
ちゅらさん | |
---|---|
「民宿こはぐら荘」のロケ地として使用された大盛家住宅(登録有形文化財) | |
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 岡田惠和 |
出演者 |
国仲涼子 小橋賢児 真野響子 勝野洋 平良とみ ゴリ 山田孝之 宮良忍 前原絵理 川田広樹 藤木勇人 小西真奈美 丹阿弥谷津子 村田雄浩 菅野美穂 戸田恵子 余貴美子 北村和夫 田中好子 堺正章 |
ナレーター | 平良とみ |
オープニング | Kiroro「Best Friend」 |
製作 | |
プロデューサー | 菅康弘 |
制作 | NHK放送センター |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
ちゅらさん | |
放送期間 | 2001年4月2日 - 9月29日 |
放送時間 | 月曜日 - 土曜日 8:15 - 8:30(NHK総合での本放送時間) |
放送枠 | 連続テレビ小説 |
放送分 | 15分 |
回数 | 156 |
ちゅらさん2 | |
放送期間 | 2003年3月31日 - 4月28日 |
放送時間 | 月曜日 21:15 - 21:58 |
放送枠 | 月曜ドラマシリーズ |
放送分 | 43分 |
回数 | 6 |
ちゅらさん3 | |
放送期間 | 2004年9月13日 - 10月11日 |
放送時間 | 月曜日 21:15 - 21:58 |
放送枠 | 月曜ドラマシリーズ |
放送分 | 43分 |
回数 | 5 |
ちゅらさん4 | |
放送期間 | 2007年1月13日 - 1月20日 |
放送時間 | 土曜日 21:00 - 21:58 |
放送枠 | 土曜ドラマ (NHK) |
放送分 | 58分 |
回数 | 2 |
番組年表 | |
前作 | オードリー |
次作 | ほんまもん |
岡田惠和が脚本を担当した本作は、連続テレビ小説第64作であり、初めて沖縄県(小浜島)が主要な舞台となった[2][3]。また、21世紀最初の連続テレビ小説である[4]。
シリーズ化され、続編としてパート2、3、4も制作された[3]。
沖縄と東京を舞台に、八重山列島の小浜島で育ったヒロイン・古波蔵(上村)恵里(国仲涼子)が那覇へ移り住み、やがて上京して看護師を目指す成長物語。恵里と上村文也(小橋賢児)との恋の行方や家族との強い絆、個性的な「一風館[注釈 1]」の住人たち、看護婦として働く職場の人々の人間模様を描いた群像劇。
国仲はヒロインオーディションで2,084人の応募者から選ばれ、2000年10月17日の記者会見で発表された[6]。
連続テレビ小説では初めて沖縄県出身者をヒロインとして起用し、ガレッジセールや平良とみのように沖縄出身、ゆかり、拠点として活動している芸能人が多数起用された[注釈 2][2]。
2001年の地上波での初回放送時の平均視聴率は22.2%で、最高視聴率は29.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)であった[7]。また、視聴者からも評価されており[8]、『連続テレビ小説』としては『おしん』に続き2作目となる、全話を収録した完全版VHS・DVDが発売された。日本国内における再放送については、2004年4月からBS2で全156話について実施されたのを皮切りに、LaLa TV(2005年4月および2006年4月から)、チャンネル銀河(2009年10月から)、NHK BSプレミアム(2013年9月30日から)およびBS12 トゥエルビ(2020年10月から)でも実施されており、2024年4月からは初回本放送から数えて23年ぶりに総合での全話再放送が行われている。
NHKがテレビ放送50周年を記念して2003年に行った「もう一度見たいあの番組リクエスト」の連続ドラマ部門で、第1位となった[2]。
続編については、2003年3月31日から4月28日(3月31日は2本立て)まで総合の「月曜ドラマシリーズ」として『ちゅらさん2』(全6話)が、2004年9月13日から10月11日まで『ちゅらさん3』(全5話)が放送された。これは、NHKのドラマの続編(2作目)としては『私の青空』(2000年放送の『私の青空2002』)以来2作目、続々編(3作目)の制作は史上初であった。さらに2007年1月には「土曜ドラマ」として『ちゅらさん4』(全2話)が放送され、朝ドラの続編制作の記録をさらに更新した[3]。
副音声の解説は1作目の『ちゅらさん』のみであり、続編『ちゅらさん2』以降はステレオ放送のみ実施されている。
派生作品として、河あきら作画によるコミック版が双葉社から発売された。
1話あたりの長さ | 話数 | 計 | |
---|---|---|---|
ちゅらさん(1作目) | 14分 | 156 | 39時間(1週分は15分×6話で90分) |
ちゅらさん2(2作目) | 43分 | 6 | 4時間18分(朝ドラ換算で約3週分) |
ちゅらさん3(3作目) | 43分 | 5 | 3時間35分(朝ドラ換算で約2.5週分) |
ちゅらさん4(4作目) | 58分 | 2 | 1時間56分(朝ドラ換算で約1.3週分) |
タイトルの「ちゅらさん」という言葉は、「清らかだ」、「美しい」、「きれいだ」という意味の沖縄語(沖縄中南部方言)の形容詞の終止形である[9][10]。「さん」は形容詞の終止形を形成する語尾であり、人を指す接尾辞の「さん」の意味はない[9]。
沖縄、八重山列島の小浜島。古波蔵恵里は沖縄が本土復帰した日に誕生した少女。時は1983年11月、11歳の恵里は、両親が始めた民宿「こはぐら荘」に東京から宿泊に来た上村和也・文也兄弟と仲良くなるが、難病の和也は病死する。数日後、上村家が島を去る際に、恵里は文也に「みんさー織り」のお守りを、文也は恵里にスーパーボールを渡し、将来結婚すると約束して別れる。
それから7年後の1990年7月、恵里は那覇北高校野球部のマネジャーになっていたが、文也との約束は忘れていなかった。ある日、突然、恵里の長兄である恵尚が帰宅し自作のキャラクター商品「ゴーヤーマン」人形を作って売ることを提案。古波蔵家は必死に人形を売り込むが身内にしか売れず、恵尚は再び失踪。そんな中、恵里は東京の大学に進学することを決め受験勉強に励む。沖縄で知り合った池端容子を頼って上京した恵里は、受験当日に文也の住所を訪ねるが引っ越したあとだった。同じころ小浜島に墓参りに来ていたおばぁのハナは文也と再会。恵里に会えないまま文也は帰京する。その夜恵里は雑踏で文也とすれ違ったと確信する。沖縄に戻った恵里はおばぁから文也の話を聞き上機嫌になるが、受験は不合格。それでも恵里は東京に行きたいと訴える。家族は反対するが、恵里の気持ちを理解し黙って見守る。早朝、恵里は一人で上京。アパート「一風館」の住人となる。
恵里は沖縄料理店「ゆがふ」で働きだす。恵里は昼にランチメニューを出すことを思いつき、おばぁや母親の勝子に教わった沖縄の家庭料理を客にふるまう。店は繁盛するが、常連客が寄り付かなくなり、店主の兼城も望んでいないことを知った恵里はランチ営業を取りやめる。「一風館」の住人の島田が倒れて入院し、恵里は熱心に看病する。病院の看護婦の下柳聡子と話したのをきっかけに、恵里は看護婦になることを決意する。さらに病院で文也に再会するが、文也が自分を「初恋の思い出」としていることにショックを受ける。立ち直った恵里は猛勉強の末看護大学に合格。学生寮に入るため一風館を出る。
看護大学を卒業した恵里は一風館に帰還。文也が研修医を務める病院で看護師として働き始める。文也と打ち解け話す仲になるが、文也の同僚西宮遥は恵里をライバル視する。文也と遥が恵里と同じ内科勤務になる。恵里はついに思いを告白するが文也は答えない。失恋した恵里を城ノ内真理亜が小浜島に連れ出す。そこへ兄との約束を思い出した文也が駆け付け、恵里にプロポーズする。
恵里と文也は忙しい仕事の合間を縫って、東京と沖縄で結婚式を挙げ、一風館で新婚生活を始める。やがて恵里は妊娠。出産に不安を覚えた恵里は臨月に産休をとると、沖縄に帰郷。古波蔵家で自宅出産する。生まれた男児に恵里と文也は「和也」と名付ける。
4歳になった和也は一風館で可愛がられ、幼稚園に通いだすが、突然家の外で話せなくなり、選択性緘黙と診断される。原因がわからず恵里と文也は戸惑う。恵里は胃痛を感じ、西宮に検査してもらう。西宮は悪性腫瘍と診断するが、恵里は周囲にそのことを隠し、文也を連れて思い出の小浜島へ向かう。
※名字表記は、基本的に現姓とし、括弧内は劇中で姓が変わる前の旧姓とする。また、〔〕内の数字は出演したシリーズを記す(1は連続テレビ小説版、回想・写真のみの場合は除外する)。
放送週 | 回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|---|
第 | 1週1 - 6 | 2001年4月 | 2日 - 4月 7日美(ちゅ)ら海の約束 | 榎戸崇泰 |
第 | 2週7 - 12 | 2001年4月 | 9日 - 4月14日帰ってきた兄(に)ぃ兄(に)ぃ | |
第 | 3週13 - 18 | 2001年4月16日 - 4月21日 | やまとの誘惑 | 遠藤理史 |
第 | 4週19 - 24 | 2001年4月23日 - 4月28日 | ハイサイ!東京 | |
第 | 5週25 - 30 | 2001年4月30日 - 5月 | 5日涙のアンダギー | 大友啓史 |
第 | 6週31 - 36 | 2001年5月 | 7日 - 5月12日哀愁のオキナワンボーイ | |
第 | 7週37 - 42 | 2001年5月14日 - 5月19日 | 迷子のマブイ(魂) | 榎戸崇泰 |
第 | 8週43 - 48 | 2001年5月21日 - 5月26日 | 東京ゆんたく | 遠藤理史 |
第 | 9週49 - 54 | 2001年5月28日 - 6月 | 2日暁(あかちち)のアリア | 大友啓史 |
第10週 | 55 - 60 | 2001年6月 | 4日 - 6月 9日太陽(てぃだ)、見つけた! | 高橋練 |
第11週 | 61 - 66 | 2001年6月11日 - 6月16日 | 運命の交差点(あじまあ) | 藤井靖 |
第12週 | 67 - 72 | 2001年6月18日 - 6月23日 | 恋しくて肝(ちむ)どんどん | 遠藤理史 |
第13週 | 73 - 78 | 2001年6月25日 - 6月30日 | おばぁの秘密 | 高橋練 |
第14週 | 79 - 84 | 2001年7月 | 2日 - 7月 7日ガジュマルの樹の下で | 大友啓史 |
第15週 | 85 - 90 | 2001年7月 | 9日 - 7月14日古酒(くーす)で乾杯! | 渡辺一貴 |
第16週 | 91 - 96 | 2001年7月16日 - 7月21日 | ちばりよー!一人前 | 堀切園健太郎 |
第17週 | 97 - 102 | 2001年7月23日 - 7月28日 | 花嫁美(ちゅ)らさよー | 榎戸崇泰 |
第18週 | 103 - 108 | 2001年7月30日 - 8月 | 4日家族の風(かじ) | 大友啓史 |
第19週 | 109 - 114 | 2001年8月 | 6日 - 8月11日かりゆしの出逢い | 渡辺一貴 |
第20週 | 115 - 120 | 2001年8月13日 - 8月18日 | めんそーれ ベイビー! | 榎戸崇泰 |
第21週 | 121 - 126 | 2001年8月20日 - 8月25日 | なんくる 子育て | 大友啓史 |
第22週 | 127 - 132 | 2001年8月27日 - 9月 | 1日お母さん(あんまー)は大忙し | 渡辺一貴 |
第23週 | 133 - 138 | 2001年9月 | 3日 - 9月 8日近くにあるカフー(幸せ) | 榎戸崇泰 |
第24週 | 139 - 144 | 2001年9月10日 - 9月15日 | 和也の涙(ナダ) | 大友啓史 |
第25週 | 145 - 150 | 2001年9月17日 - 9月22日 | 美(ちゅ)ら海の願い | |
第26週 | 151 - 156 | 2001年9月24日 - 9月29日 | 命(ぬち)どぅ宝 | 榎戸崇泰 |
ちゅらさん 大百科
ちゅらさん 海の日特集「美ら海の約束」
ちゅらさん 総集編
※これ以降、NHK総合などで再放送が実施されている。(詳細は後述)
※各75分×3回の構成となっている。
第1作から半年後の設定。テーマは「夫婦」。
※数字は視聴率(ビデオリサーチ社調べ・関東地区)
※連続テレビ小説からの出演者はパート1を参照
放送回 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
第1回 | 2003年3月31日 | ハイタイ!恵里、元気です |
第2回 | 2003年3月31日 | 対決!男(いきが)対女(いなぐ) |
第3回 | 2003年4月 | 7日兄ぃ兄ぃの涙(なだ) |
第4回 | 2003年4月14日 | それぞれの出立(んじたち) |
第5回 | 2003年4月21日 | 太陽(ていだ)のように |
最終回 | 2003年4月28日 | おばぁの祝宴(すーじ) |
※数字は視聴率(ビデオリサーチ社調べ・関東地区)
※連続テレビ小説からの出演者はパート1を参照
放送回 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
第1回 | 2004年 | 9月13日御(う)祝(ゆ)えーがいっぱい |
第2回 | 2004年 | 9月20日親子(うやっくわ)の思(うむ)い |
第3回 | 2004年 | 9月27日太陽(てぃだ)を心に |
第4回 | 2004年10月 | 4日かりゆしの笑顔 |
最終回 | 2004年10月11日 | 美(ちゅ)ら海がくれた命 |
テーマは「家族の愛・人の絆」。ハイビジョン製作(NHK総合では16:9の画像サイズで放送)。今回では恵里、容子、真理亜の関係にもスポットを当てている。
※連続テレビ小説との同キャストはパート1を参照
放送回 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
前編 | 2007年1月13日 | おばぁの涙(なだ) |
後編 | 2007年1月20日 | ゆんたく三姉妹 |
この番組で、古波蔵恵尚(ゴリ)が考え出した「ゴーヤーマン」という沖縄特産野菜・ゴーヤーをモチーフにしたキャラクターが登場した。劇中では恵尚がそれを売り出そうとしたところほとんど売れず、家族に莫大な借金を残す結果となったが、現実世界ではその後NHKの関連会社・NHKソフトウェア(現在はNHKエンタープライズに合併)からゴーヤーマンのグッズが発売され人気を集めた[33][34]。なお、このキャラクターは、「劇中当時(1991年)では受けないが、2001年現在では人気を集めるようなキャラクター」というコンセプトで考え出されたという。
また夏休み中の期間に限り、各話のエンディング5秒の「明日もお楽しみに」の映像がゴーヤーマンの映像に変わった(例:茶碗の中に湯が入っていて風呂のように浸かっている・ゴーヤーと共に吊るされている)。また、2001年10月から11月にかけて「天下無敵のゴーヤーマン☆」(歌・ガレッジセール)が『みんなのうた』で放送された。当時沖縄以外の人々にはあまり知られていなかったゴーヤーの知名度を格段に上げた立役者でもある。
『ちゅらさん』以外では、2022年度前期の連続テレビ小説『ちむどんどん』にゴーヤーマンが登場している。ゴリがタクシー運転手役で最終回に登場し、彼が運転するタクシーのミラーにゴーヤーマンがぶら下がっている[注釈 5]。
また番組内でメルヘン童話作家として登場した城ノ内真理亜(菅野美穂)が、2004年のちゅらさん3の放送をきっかけとして、『ガジュマルの樹の下で』(ポプラ社)で実際に文壇デビューを果たした。書籍の表紙に記された作者は城ノ内真理亜だが、実際に手がけたのは、ちゅらさんの小説ノベライズ版などをはじめ、岡田惠和脚本のノベライズ執筆を多く手がける蒔田陽平。
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