高浜市(たかはまし)は、愛知県の三河地方にある市。
窯業が盛んであり、「日本三大瓦」[注 1]に数えられる三州瓦の主産地として知られている。瓦を専門とする全国で唯一の美術館である高浜市やきものの里かわら美術館・図書館がある。
愛知県の市では岩倉市に次いで面積が小さい。人口が少ないため人口密度は次に小さい知立市より低い。
地形
三河平野の西南部に位置し、標高5メートル程の洪積台地と河川流域や海岸一帯の沖積層の標高2メートル程の低地からなる[1]。
- 河川
- 港湾
- 衣浦湾(衣浦港)の東岸に位置する平坦な土地である。大山公園と高浜市役所付近の土地は比較的高台になっている。衣浦湾の対岸の半田市(知多半島)との間には衣浦大橋が架かっている。
市内の町名
市制施行とともに町名が設置されている。
高浜町(旧高浜町高浜、1992年廃止)
高取町(旧高浜町高取、1992年廃止)
吉浜町(旧高浜町吉浜、1991年廃止)
- 新田町1 - 5丁目(1987年に1丁目が吉浜町地先の埋立地より、1989年に2 - 5丁目が吉浜町の一部よりそれぞれ成立)
- 神明町1 - 8丁目(1988年に2 - 3・7丁目が高浜町・高取町の各一部より、1989年に1・8丁目が高浜町・高取町・吉浜町の各一部より、1990年に4丁目が、1992年に5丁目がそれぞれ高取町の一部よりそれぞれ成立)
- 湯山町1 - 8丁目(1988年に1・4・7 - 8丁目が、1989年に2 - 3・5 - 6丁目がそれぞれ高浜町・高取町の各一部より成立)
- 八幡町1 - 6丁目(1988年に1・6丁目が、1989年に2 - 5丁目がそれぞれ吉浜町の一部より成立)
- 豊田町1 - 3丁目(1988年に1丁目が吉浜町の一部より、1990年に2 - 3丁目が高取町・吉浜町の各一部よりそれぞれ成立)
- 小池町1 - 6丁目(1988年に2 - 4丁目が、1989年に1・5 - 6丁目がそれぞれ吉浜町の一部より成立)
- 屋敷町1 - 7丁目(1988年に5丁目が、1989年に1 - 4・6 - 7丁目がそれぞれ吉浜町の一部より成立)
- 呉竹町1 - 7丁目(1988年に4 - 5丁目が、1989年に1 - 3・6 - 7丁目がそれぞれ吉浜町の一部より成立)
- 芳川町1 - 4丁目(1989年、吉浜町・高浜町の各一部より成立)
- 本郷町1 - 6丁目(1990年、高取町・高浜町の各一部より成立)
- 清水町1 - 8丁目(1990年に1 - 3・5 - 8丁目が、1992年に4丁目がそれぞれ高取町の一部より成立)
- 向山町1 - 6丁目(1990年、高取町の一部より成立)
- 論地町1 - 5丁目(1990年、高取町・高浜町の各一部より成立)
- 春日町1 - 7丁目(1991年、高浜町・吉浜町の各一部より成立)
- 沢渡町1 - 5丁目(1991年、高浜町の一部より成立)
- 青木町1 - 9丁目(1991年、高浜町の一部より成立)
- 稗田町1 - 5丁目(1991年、高浜町・高取町の各一部より成立)
- 碧海町1 - 5丁目(1992年、高浜町の一部より成立)
- 二池町1 - 6丁目(1992年、高浜町・高取町の各一部より成立)
- 田戸町1 - 7丁目(1992年、高浜町の一部より成立)
人口
愛知県の市の中では、弥富市、新城市に次いで人口が少ない。
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高浜市と全国の年齢別人口分布(2005年)
| 高浜市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 高浜市 ■緑色 ― 日本全国
| ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
高浜市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
| 31,102人
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1975年(昭和50年)
| 32,191人
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1980年(昭和55年)
| 31,548人
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1985年(昭和60年)
| 31,270人
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1990年(平成2年)
| 33,478人
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1995年(平成7年)
| 36,029人
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2000年(平成12年)
| 38,127人
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2005年(平成17年)
| 41,351人
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2010年(平成22年)
| 44,027人
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2015年(平成27年)
| 46,236人
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2020年(令和2年)
| 46,106人
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総務省統計局 国勢調査より |
隣接する自治体
- 愛知県
- (衣浦湾を挟んで)
沿革
- 1889年(明治22年)10月1日 - 町村制施行により碧海郡高浜村・吉浜村・高取村が発足する。
- 1900年(明治33年)7月9日 - 碧海郡高浜村が町制を施行して碧海郡高浜町が発足する。
- 1906年(明治39年)5月1日 - 高浜町が吉浜村と高取村を合併する。
- 1956年(昭和31年) - 衣浦大橋が開通する。
- 1970年(昭和45年)12月1日 - 高浜町が市制施行して高浜市が発足[注 3]。これに伴い碧海郡が消滅する[注 4]。
さらに見る 郡, 明治22年以前 ...
郡 |
明治22年以前 |
明治22年10月1日 |
明治23年 - 明治45年 |
大正1年 - 大正15年 |
昭和1年 - 現在 |
碧 海 郡 |
高浜村 |
高浜村 |
明治33年7月9日 町制 高浜町 |
明治39年5月1日 合併 高浜町 |
高浜町 |
昭和45年12月1日 市制 高浜市 |
吉浜村 |
吉浜村 |
吉浜村 |
高取村 |
高取村 |
高取村 |
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- 市長:吉岡初浩(よしおか はつひろ、2009年9月9日就任)
歴代市長
さらに見る 代, 氏名 ...
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
1 | 井野一郎 | 1968年(昭和43年)2月5日 | 1973年(昭和48年)8月20日 | |
2 | 石川敏治 | 1973年(昭和48年)9月9日 | 1989年(平成元年)9月8日 | |
3 | 森貞述 | 1989年(平成元年)9月9日 | 2009年(平成21年)9月8日 | |
4 | 吉岡初浩 | 2009年(平成21年)9月9日 | 現職 | |
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姉妹都市・提携都市
国外
- フレンドシップ相手国
2005年に開催された愛知万博では「一市町村一国フレンドシップ事業」が行われた。名古屋市を除く愛知県内の市町村が、120の万博公式参加国をそれぞれフレンドシップ相手国として迎え入れた[2]。
国内
- 姉妹都市
- 提携都市
- 多治見市(岐阜県)
- 2005年(平成17年)11月2日 災害時相互応援協定締結
愛知県議会
- 定数:1人
- 選挙区:高浜市選挙区
- 任期:2019年4月30日 - 2023年4月29日
- 執行日:2019年4月7日
さらに見る 候補者名, 当落 ...
候補者名 | 当落 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 |
杉浦孝成 | 当 | 71 | 自由民主党 | 現 | 無投票 |
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衆議院
- 選挙区:愛知13区(碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市)
- 任期:2021年10月31日 - 2025年10月30日
- 投票日:2021年10月31日
- 当日有権者数:422,731人[3]
- 投票率:61.56%
第一次産業
吉浜地区では養鶏も盛んである。市全体で「高浜とりめし」を名物にしている。
第二次産業
衣浦港に面した臨海地区で、木材加工や自動車製造関連を中心とする工業が発達している。
- 主な工場
窯業
産出する粘土を用いた窯業が伝統的にさかんで、三州瓦生産の中心地である。鬼瓦を始めとする飾り瓦も有名である。江戸時代の1700年頃には民家にも瓦が使用されるようになり、この頃に三河国が瓦の産地となっていったとされる[4]。春日神社の狛犬は享保8年(1723年)に高浜村の瓦屋によって奉納されており、この年には高浜に瓦の専門業者があったことが明らかとなっている[4]。1874年(明治7年)の『府県物産表』によると愛知県の瓦生産量は全国第4位だったが、大正初期には高須金之助らの日本洋瓦がフランス瓦を製造して輸出なども行い、またスパニッシュ瓦の様式をいち早く取り入れて日本の風土にあったS型瓦を開発した[5]。1928年(昭和3年)には世界初の塩焼瓦が開発され、1953年(昭和28年)には燻し瓦の生産量を上回ったが、三州の粘土でないと独特の美しい小豆色が出ないという[6]。1929年(昭和4年)には碧海郡高浜町に町立の窯業試験所が設立されているが、資金難から数年で閉鎖されている[7]。
第三次産業
近年では、国道419号沿いで商業がめざましく発達している。
- 主な商業施設
当市の中学生は三河地方の県立普通科高校の他、調整特例として、東浦町の愛知県立東浦高等学校普通科への進学が可能。しかし、衣浦大橋を挟んで隣接する半田市の愛知県立半田東高等学校への進学は不可。
かつて高浜市立港小学校の北側には愛知県立高浜高等技術専門校があったが、2019年(平成31年)3月に廃止された。
名所・旧跡
- 観音寺(衣浦観音)
- 常照院
- 正林寺
- 専修坊 - 浄土真宗の「浜の三か寺」のひとつ。
- 恩任寺 - 浄土真宗の「浜の三か寺」のひとつ。
- 大聖寺
- 大日寺
- 春日神社 - 大タヌキ像がある。
- 高取神明宮
- 津島神社
- 服部天満宮
- 吉浜神明社
祭事・催事
藤末さくらの漫画作品「さんかく屋根街アパート」は高浜市を舞台としている。
注釈
衣浦臨海鉄道碧南線の線路が高浜市と東浦町を直接結んでいるが、道路橋等は無く徒歩や自動車で直接行き来することはできない。
ウィキメディア・コモンズには、
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