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日本プロ野球における選手契約制度のひとつ ウィキペディアから
育成選手制度(いくせいせんしゅせいど)とは、日本のプロ野球(日本野球機構、NPB)において育成を目的として球団の選手契約枠を拡大する制度。
この制度下で在籍する選手は育成選手と呼称され、その選手契約は育成選手契約ないし育成契約と呼ばれる。
その名の通り、実戦よりも育成を主目的とした選手契約のための制度であり、この制度下に置かれる育成選手は一軍の公式戦に出場できないなどプロ野球選手としての活動に大幅な制限が掛けられる。育成選手はドラフト会議における育成ドラフトで獲得するほか、所属球団から自由契約になった後に育成選手登録に切り替えることができる。また外国人選手を育成選手とすることもできる。
社会人野球(日本野球連盟登録チーム)に在籍する選手は、「『技術向上と社会教育』という育成制度の理念から外れる」として育成ドラフトでの指名は原則行われていない(明確な規定があるわけではない)。ただし、退部したのち独立リーグ球団所属選手として育成ドラフトで指名された例や、通常のドラフトで支配下登録選手として入団後、故障や引退試合出場などの事情で育成選手として再契約した例はある。
育成契約を行う目的については厳密に運用されているわけではなく、育成という観点からは外れた以下のような契約事例も見られる。
なお、上記の岩瀬は45歳で中日ドラゴンズと育成契約を結んでおり、育成選手の最年長記録である。また育成契約期間が最も長かったのは成瀬功亮(巨人・8年間)である。
基本的に支配下選手よりも下部に位置する概念とされ、支配下登録から育成登録に切り替えられた場合は「育成降格」や「育成落ち」、逆に育成契約から支配下登録された場合は「支配下昇格」などと表現される。
NPBでは、1965年にドラフト制度が導入されてから、支配下登録選手枠の上限である60人を越えた場合、以前は練習生(公式戦の出場は出来ないが、チームの練習には参加可能)という扱いとなっていた。
しかし、その制度を利用して球団が有望な学生を他球団のスカウトから接触を絶つ目的で、球団職員という名目で契約してユニフォームを着せ、球団施設で練習をさせて囲い込むという形の練習生とする例(伊東勤、大豊泰昭、中込伸)が発生した。また、怪我や米国への野球留学で出場機会のない選手を、任意引退公示によって支配下から外す形の練習生とする例(荒木大輔、工藤公康、吉村禎章ほか多数)も一般的であり、これを理解していなかった河野博文が球団からクビを宣告されたと思い失踪騒動を起こしたことがあった。
そこで、1992年以後は練習生契約は禁止され、支配下登録選手枠の上限も70人に拡大された。しかし、アマ野球、特に社会人野球での廃部が相次ぎ、野球選手の裾野の狭まりへの対策と将来の有望な若手選手らを育成する観点から、2005年に「準支配下登録選手」の制度設置を審議。11月に開かれた実行委員会の席で正式に導入されることが決まった。導入決定の背景には、広島東洋カープ常務取締役球団本部長の鈴木清明の方針をヒントにした、清武英利(当時読売ジャイアンツ代表)の強い推進があった。
なおこの時、一部の球団より「選手枠の上限を撤廃すべき」という主張もあったがルール改正には至らなかった。
2007年に中日ドラゴンズが上限一杯となった支配下登録選手枠を空けるため金本明博をウェイバー公示にかけた上で育成選手として再契約を行おうとしたことに日本プロ野球選手会が抗議するなど、制度が定着するに従って一部で論議が発生している。この騒動を受けて、シーズン中の支配下選手から育成選手への契約切り替えは禁止されることになった。
上記の通り育成選手は一軍公式戦に参加することはできないため、シーズン中はファームの試合に出場することになる。ただしファーム公式戦でもなお育成選手の参加人数に制限があるため、一部の球団は二軍よりもさらに下部のチームとして三軍や四軍を設置し、大学や社会人のチームとの間で実戦機会を確保している。
かつてイースタン・リーグでは、試合の出場機会に恵まれぬ選手を主対象に育成選手中心の連合チームが結成され、これまでにイースタン・リーグ チャレンジ・マッチにおける「フューチャーズ」と、社会人チーム・独立リーグチームとの練習試合を目的とした「シリウス」が結成された。このうちシリウスは2009年・2010年の2年活動したが、2011年以後は事実上活動休止となっている。
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
001 | 加藤廉 | 内野手 | 2020年育成ドラフト12位 |
003 | 鈴木大和 | 外野手 | 2021年育成ドラフト1位 |
004 | 村山源 | 内野手 | 2023年育成ドラフト2位 |
005 | 田上優弥 | 内野手 | 2023年育成ドラフト4位 |
006 | 坂本勇人 | 捕手 | 2020年育成ドラフト6位 |
007 | 宇都宮葵星 | 内野手 | 2023年育成ドラフト3位 |
008 | 相澤白虎 | 内野手 | 2022年育成ドラフト5位 |
009 | 笹原操希 | 外野手 | 2021年育成ドラフト4位 |
010 | 大津綾也 | 捕手 | 2021年育成ドラフト10位 |
011 | 笠島尚樹 | 投手 | 2020年育成ドラフト3位 |
012 | 三浦克也 | 投手 | 2023年育成ドラフト1位 |
013 | フリアン・ティマ | 外野手 | 2021年新外国人 |
015 | 川嵜陽仁 | 投手 | 2021年育成ドラフト9位 |
016 | 千葉隆広 | 投手 | 2023年育成ドラフト6位 |
018 | 木下幹也 | 投手 | 2020年育成ドラフト4位 |
019 | 園田純規 | 投手 | 2023年育成ドラフト5位 |
020 | 戸田懐生 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
021 | 小沼健太 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
022 | 亀田啓太 | 捕手 | 2021年育成ドラフト3位 |
023 | 田村朋輝 | 投手 | 2022年育成ドラフト2位 |
024 | 前田研輝 | 捕手 | 2020年育成ドラフト5位 |
025 | 岡本大翔 | 内野手 | 2020年育成ドラフト1位 |
026 | 吉村優聖歩 | 投手 | 2022年育成ドラフト3位 |
027 | 北村流音 | 内野手 | 2022年育成ドラフト8位 |
028 | 富田龍 | 投手 | 2021年育成ドラフト8位 |
030 | 山﨑友輔 | 投手 | 2020年育成ドラフト10位 |
031 | 三塚琉生 | 外野手 | 2022年育成ドラフト6位 |
033 | 平山功太 | 外野手 | 2023年育成ドラフト7位 |
034 | 森本哲星 | 投手 | 2022年育成ドラフト9位 |
035 | エルビス・ルシアーノ | 投手 | 2023年新外国人 |
037 | マレク・フルプ | 外野手 | 2024年新外国人 |
041 | 黃錦豪 | 投手 | 2024年新外国人 |
044 | 大城元 | 外野手 | 2022年育成ドラフト7位 |
047 | 鴨打瑛二 | 投手 | 2021年育成ドラフト5位 |
051 | 舟越秀虎 | 外野手 | 2023年ソフトバンクを自由契約→育成契約 |
063 | 花田侑樹 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
069 | 萩原哲 | 捕手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
201 | 竹内龍臣 | 投手 | 2020年自由契約→育成再契約 |
202 | フランク・アルバレス | 投手 | 2022年新外国人 |
204 | 垣越建伸 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
205 | 加藤翼 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
207 | 星野真生 | 内野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
208 | 石川翔 | 投手 | 2021年自由契約→育成再契約 |
209 | 福元悠真 | 外野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
210 | 岡田俊哉 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
212 | 野中天翔 | 投手 | 2022年育成ドラフト2位 |
213 | 森山暁生 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
214 | 近藤廉 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
215 | 日渡騰輝 | 捕手 | 2023年育成ドラフト1位 |
216 | 菊田翔友 | 投手 | 2023年育成ドラフト2位 |
218 | 川上理偉 | 内野手 | 2023年育成ドラフト4位 |
220 | カルロス・モニエル | 外野手 | 2024年新外国人 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
003 | 中田惟斗 | 投手 | 2019年育成ドラフト3位 |
004 | 平野大和 | 外野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
020 | 山中尭之 | 外野手 | 2021年育成ドラフト1位 |
032 | 入山海斗 | 投手 | 2022年育成ドラフト3位 |
035 | 村上喬一朗 | 捕手 | 2022年育成ドラフト5位 |
041 | 寿賀弘都 | 投手 | 2023年育成ドラフト1位 |
042 | 大江海透 | 投手 | 2023年育成ドラフト2位 |
043 | 宮國凌空 | 投手 | 2023年育成ドラフト3位 |
044 | 芦田丈飛 | 投手 | 2023年育成ドラフト4位 |
045 | 河野聡太 | 内野手 | 2023年育成ドラフト5位 |
123 | 木下元秀 | 外野手 | 2023年広島を自由契約→育成契約 |
124 | 上野響平 | 内野手 | 2022年日本ハムを自由契約→育成契約 |
126 | 香月一也 | 内野手 | 2023年巨人を自由契約→育成契約 |
130 | 小野泰己 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
120 | 佐藤宏樹 | 投手 | 2020年育成ドラフト1位 |
122 | 藤野恵音 | 内野手 | 2021年育成ドラフト1位 |
123 | 大泉周也 | 外野手 | 2023年育成ドラフト1位 |
124 | 桑原秀侍 | 内野手 | 2020年育成ドラフト3位 |
125 | 古川侑利 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
126 | 宮里優吾 | 投手 | 2023年育成ドラフト2位 |
128 | 伊藤大将 | 内野手 | 2019年育成ドラフト3位 |
129 | 佐倉俠史朗 | 内野手 | 2023年育成ドラフト3位 |
130 | 勝連大稀 | 内野手 | 2019年育成ドラフト4位 |
131 | 中澤恒貴 | 内野手 | 2023年育成ドラフト4位 |
133 | 星野恒太朗 | 投手 | 2023年育成ドラフト5位 |
134 | 大城真乃 | 投手 | 2020年育成ドラフト7位 |
135 | アレクサンダー・アルメンタ | 投手 | 2022年新外国人 |
136 | 大竹風雅 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
139 | 井﨑燦志郎 | 投手 | 2021年育成ドラフト3位 |
141 | マイロン・フェリックス | 投手 | 2022年新外国人 |
142 | 藤原大翔 | 投手 | 2023年育成ドラフト6位 |
143 | 村上舜 | 投手 | 2019年育成ドラフト7位 |
144 | マルコ・シモン | 外野手 | 2022年新外国人 |
145 | ハモンド | 投手 | 2021年育成ドラフト5位 |
146 | 藤田淳平 | 投手 | 2023年育成ドラフト7位 |
147 | 加藤洸稀 | 投手 | 2021年育成ドラフト6位 |
148 | 山崎琢磨 | 投手 | 2021年育成ドラフト7位 |
149 | 佐久間拓斗 | 内野手 | 2021年育成ドラフト8位 |
150 | 山本恵大 | 外野手 | 2021年育成ドラフト9位 |
151 | 加藤晴空 | 捕手 | 2021年育成ドラフト10位 |
152 | 瀧本将生 | 投手 | 2021年育成ドラフト11位 |
153 | 三代祥貴 | 内野手 | 2021年育成ドラフト12位 |
154 | 佐藤琢磨 | 投手 | 2021年育成ドラフト13位 |
156 | ルイス・ロドリゲス | 投手 | 2022年新外国人 |
157 | 小林珠維 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
158 | 赤羽蓮 | 投手 | 2022年育成ドラフト1位 |
159 | 山下恭吾 | 内野手 | 2022年育成ドラフト2位 |
160 | 長水啓眞 | 投手 | 2023年育成ドラフト8位 |
161 | 内野海斗 | 投手 | 2022年育成ドラフト4位 |
162 | 岡植純平 | 投手 | 2022年育成ドラフト5位 |
163 | 佐々木明都 | 投手 | 2022年育成ドラフト6位 |
164 | 水口創太 | 投手 | 2022年育成ドラフト7位 |
165 | 宮﨑颯 | 投手 | 2022年育成ドラフト8位 |
166 | 重松凱人 | 外野手 | 2022年育成ドラフト9位 |
168 | 佐藤航太 | 内野手 | 2022年育成ドラフト11位 |
169 | 飛田悠成 | 内野手 | 2022年育成ドラフト12位 |
170 | 西尾歩真 | 内野手 | 2022年育成ドラフト13位 |
171 | 盛島稜大 | 捕手 | 2022年育成ドラフト14位 |
172 | 渡邊佑樹 | 投手 | 2022年楽天を自由契約→育成契約 |
173 | ホセ・オスーナ | 外野手 | 2023年新外国人 |
174 | 鍬原拓也 | 投手 | 2023年巨人を自由契約→育成契約 |
175 | デービッド・アルモンテ | 内野手 | 2024年新外国人 |
176 | ダリオ・サルディ | 投手 | 2024年新外国人 |
177 | 齊藤大将 | 投手 | 2024年西武からトレード |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
111 | 濵田泰希 | 内野手 | 2023年育成ドラフト1位 |
112 | 平田大樹 | 外野手 | 2023年育成ドラフト2位 |
113 | 加藤大和 | 投手 | 2023年育成ドラフト3位 |
114 | 松本遼大 | 投手 | 2020年育成ドラフト1位 |
115 | 齊藤伸治 | 投手 | 2020年育成ドラフト2位 |
124 | 阿部和広 | 外野手 | 2021年育成ドラフト4位 |
125 | 藤田大清 | 外野手 | 2022年育成ドラフト1位 |
126 | 中山晶量 | 投手 | 2022年育成ドラフト2位 |
127 | 山口アタル | 外野手 | 2022年育成ドラフト3位 |
128 | 山本晃大 | 投手 | 2022年育成ドラフト4位 |
137 | 柿木蓮 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
168 | 松岡洸希 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
196 | 孫易磊 | 投手 | 2024年新外国人 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
120 | 田中楓基 | 投手 | 2021年育成ドラフト1位 |
121 | 土肥星也 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
124 | 古谷拓郎 | 投手 | 2022年自由契約→育成再契約 |
125 | 永島田輝斗 | 投手 | 2021年育成ドラフト3位 |
126 | 村山亮介 | 捕手 | 2021年育成ドラフト4位 |
127 | 吉川悠斗 | 投手 | 2022年育成ドラフト1位 |
128 | 白濱快起 | 投手 | 2022年育成ドラフト2位 |
129 | 勝又琉偉 | 内野手 | 2022年育成ドラフト3位 |
130 | 黒川凱星 | 内野手 | 2022年育成ドラフト4位 |
133 | 武内涼太 | 投手 | 2023年育成ドラフト1位 |
134 | 松石信八 | 内野手 | 2023年育成ドラフト2位 |
135 | 髙野光海 | 外野手 | 2023年育成ドラフト3位 |
136 | 藤田和樹 | 外野手 | 2023年育成ドラフト4位 |
137 | 富山紘之進 | 捕手 | 2023年育成ドラフト5位 |
138 | アンディ・マーティン | 外野手 | 2024年新外国人 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
100 | 蓮 | 内野手 | 2022年育成ドラフト2位 |
101 | 草野陽斗 | 投手 | 2022年育成ドラフト5位 |
102 | 清水麻成 | 投手 | 2023年育成ドラフト2位 |
103 | 村川凪 | 外野手 | 2021年育成ドラフト1位 |
105 | ウィルニー・モロン | 投手 | 2024年新外国人 |
106 | 渡辺明貴 | 投手 | 2022年育成ドラフト4位 |
107 | ハンセル・マルセリーノ | 投手 | 2022年新外国人 |
108 | 今野瑠斗 | 投手 | 2022年育成ドラフト3位 |
110 | アレクサンダー・マルティネス | 投手 | 2024年新外国人 |
116 | 九鬼隆平 | 捕手 | 2023年ソフトバンクを自由契約→育成契約 |
122 | 庄司陽斗 | 投手 | 2023年育成ドラフト4位 |
125 | 小笠原蒼 | 内野手 | 2023年育成ドラフト3位 |
130 | 近藤大雅 | 捕手 | 2023年育成ドラフト5位 |
133 | 粟飯原龍之介 | 内野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
144 | 小深田大地 | 内野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
193 | 高見澤郁魅 | 内野手 | 2023年育成ドラフト1位 |
背番号 | 名前 | 守備位置 | 入団経緯 |
---|---|---|---|
112 | 粟津凱士 | 投手 | 2021年自由契約→育成再契約 |
113 | 伊藤翔 | 投手 | 2021年自由契約→育成再契約 |
114 | 上間永遠 | 投手 | 2021年自由契約→育成再契約 |
115 | 佐々木健 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
116 | ビクター・ロペス | 投手 | 2024年新外国人 |
118 | 野村和輝 | 内野手 | 2022年育成ドラフト1位 |
119 | モンテル | 外野手 | 2022年育成ドラフト2位 |
120 | 井上広輝 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
121 | 三浦大輝 | 投手 | 2022年育成ドラフト3位 |
122 | 是澤涼輔 | 捕手 | 2022年育成ドラフト4位 |
123 | ジョセフ | 外野手 | 2020年育成ドラフト3位 |
125 | シンクレア | 投手 | 2023年育成ドラフト1位 |
126 | 谷口朝陽 | 内野手 | 2023年育成ドラフト2位 |
127 | 森脇亮介 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
129 | 川下将勲 | 投手 | 2023年育成ドラフト3位 |
130 | 金子功児 | 内野手 | 2023年育成ドラフト4位 |
131 | 木瀬翔太 | 投手 | 2023年育成ドラフト5位 |
134 | 川野涼多 | 内野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
135 | 仲三河優太 | 外野手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
136 | 赤上優人 | 投手 | 2023年自由契約→育成再契約 |
育成選手制度には育成選手の他に研修生という登録形態も設けられており、ドラフト会議を得ずに獲得できるなど育成選手とは大きく制度が異なる。ただし研修生として登録された選手は一人もいない。
2005年にスタートした同制度であるが、早くも2006年5月23日に福岡ソフトバンクホークスの小斉祐輔と西山道隆が支配下選手登録を受け、同月28日には西山が一軍初登板を、6月3日には小斉も一軍初出場を果たした。その後、西山は一軍未勝利のまま2009年限りで戦力外となったが、小斉は2007年8月23日に育成出身選手としての初安打を、2008年5月6日には初本塁打を記録している。
育成出身選手として初めて一軍の主力クラスに成長したのは、巨人の山口鉄也である。山口は2007年5月9日に育成出身選手としての初勝利を挙げると、2008年にはセットアッパーに定着して11勝を挙げ、育成出身選手として初めての新人王に輝いた。2009年にはWBC日本代表にも選出され、世界一に貢献。シーズンでも最優秀中継ぎ投手を受賞し、育成出身者初のタイトルホルダー、そして初の年俸1億円プレーヤーとなった。
同じく巨人のウィルフィン・オビスポは2009年7月2日に育成出身選手として先発での初勝利を挙げるなど、外国人枠の関係で出番は限られたがシーズン6勝を記録。ポストシーズンではこの年のクライマックスシリーズの2ndステージ第2戦、日本シリーズ第3戦に先発してそれぞれ勝利投手となり、育成出身選手のポストシーズン初勝利、日本シリーズ初勝利を記録した。また巨人での育成選手から支配下選手への昇格第1号となった松本哲也は、2009年に2番・中堅手のポジションを獲得し、シーズン通して3割前後の打率を維持した。そして育成枠出身選手初のゴールデングラブ賞、育成枠出身野手初の新人王を獲得。2年続けて育成枠出身選手が新人王を受賞。2009年の新語・流行語大賞に『育成選手』がノミネートされた[2]。
東北楽天ゴールデンイーグルスの中村真人、内村賢介は2008年のシーズン後半に1・2番コンビを組み、中村に関しては「悪球打ち」でも話題になった。2007年に広島東洋カープに在籍したエスマイリン・カリダは、2009年にシカゴ・カブスで育成制度出身者としては初となるメジャーリーグ昇格を果たした。
2017年以降、福岡ソフトバンクホークスにおける育成出身選手の活躍は目覚ましく、育成出身選手として史上初となる日本シリーズの開幕投手を務め、同初となるノーヒットノーランの達成及び最多奪三振のタイトルを獲得し、奪三振率のNPB記録を樹立した千賀滉大を筆頭に、チームの正捕手に定着した甲斐拓也、代走能力を買われ支配下登録1年目ながら日本代表に選出された周東佑京、一軍の戦力として定着しているリバン・モイネロ、石川柊太、牧原大成、大竹耕太郎(現阪神)、など数多くの選手を輩出しチーム戦力の大きな向上に繋げている[3][4][5]。2020年度には千賀が最優秀防御率、最多奪三振、最多勝、石川が最多勝、最高勝率、モイネロが最優秀中継ぎ、周東が最多盗塁のタイトルを獲得し、育成出身選手による投打7冠を達成した[6]。2022年シーズンにも広島東洋カープを戦力外となり四国アイランドリーグplusを経て育成契約から開幕直前に支配下登録された藤井皓哉、支配下2年目で先発ローテーションに抜擢された大関友久、プロ初スタメンで初打席から2打席連続本塁打を放った渡邉陸など、多くの元育成選手の活躍が目立つ。2023年には、千賀がFA権を行使してニューヨーク・メッツに入団し、育成ドラフト出身の選手としては初となるメジャーリーガーとなり[7]、石川のノーヒットノーラン(8月18日)、周東が育成出身野手初となる大樹生命月間MVPを獲得した。[8][9]
このような状況を受け、各球団の育成選手数、支配下選手への昇格例も増加傾向にある。2010年秋のドラフトにおいては、総指名者97名のうちほぼ3割に当たる29名が育成選手として指名を受けるなど、この傾向はさらに顕著になっている。育成選手制度には独立リーグとの軋轢などの問題(詳細は後述)も指摘されるが、不況によって活動停止に追い込まれる社会人野球チームが増える中、若手選手の有効な発掘・育成の場として一定の成果を挙げつつあるといえる。
なお、育成選手としてプロ入りした選手で規定打席に到達した選手は、2011年のロッテの岡田幸文とオリックスのアーロム・バルディリスが初であり、規定投球回を投げた投手は2012年のソフトバンクの山田大樹が初である(単なる「育成選手契約経験者」を含めると、2007年に中日と育成選手契約した中村紀洋が同年規定打席に到達している)。
一方、埼玉西武ライオンズは「全選手が育成すべき選手である」という方針により育成選手を獲得していなかったが、2011年の育成ドラフトで初めて藤澤亨明を指名[10]し、捕手の中田祥多を支配下選手から育成登録した。北海道日本ハムファイターズも「実戦体験に勝る練習は無い」という方針により育成選手を獲得していなかったが、2018年の育成ドラフトで初めて海老原一佳を指名し、内野手の森本龍弥を支配下選手から育成登録した。
2007年4月26日、中日ドラゴンズは入団2年目の金本明博を投手から野手へと転向させる。それに伴いこの年中の一軍昇格はないと判断し、さらに加えて上限の70名まで埋まっている支配下登録選手枠に空きを作りたいという思惑から、金本をウェイバー公示にかけて他球団から獲得の意思がなかった場合に育成選手として再契約することを決めた。この手法に対して選手会は「戦力補強の抜け道になりかねない。本来の制度趣旨と違う」と中日球団に抗議。これに対して中日監督の落合博満は「本人と充分に話し合って同意を得た上で、決められたルールに従ってやったことだ。本来なら金本は、8月には整理リストに入っていても(解雇の候補に挙がっても)おかしくない選手。育成選手枠の存在があるからこそ、金本は今も中日のユニフォームを着ていられるんだ」と真っ向から反論した。
5月1日、セントラル・リーグの会長の豊蔵一は金本のウェイバー公示の取り消しを中日球団に通告。「育成選手枠の本来の趣旨と違う」「総合的に判断して決めた。ウェイバー公示の一方的な取り消しは規約違反だと分かってはいるが、承知の上」と弁明。だが落合監督は「正規のルールに従ってやっていることなのに、なぜそういうことになるのか」と重ねて反論。
5月7日、中日球団はウェイバー公示を再申請したものの、セ・リーグはこの申請を却下。中日球団はこの決定を不服とし、「申請の不受理は野球協約違反」を理由にコミッショナーに提訴する方針を発表した。
5月11日、中日の球団社長の西川は「ズルズルいくと球団にも金本にも益がない。他球団ともぎくしゃくした関係が生じかねない」として、コミッショナーへの提訴を断念した。これに対し、豊蔵は「中日球団が球界全体の利害を考慮し、現実的で穏当な判断をされたものと思う。連盟の不手際などで金本選手は不安な思いだっただろうが、今後は野球に専念し、グラウンドでいい結果を残してくれるよう活躍を期待する」との談話を発表した。ただし中日球団は「あくまでもルール通りにやったことでこちらに一切不備はない」と強調。連盟に対して育成選手枠に関してのルールの見直しを強く要求している。
10月29日、球団は金本へ戦力外通告するとともに自由契約とし、育成選手での再契約を提示するが、金本はこれを拒否し引退を選択した。
日本プロ野球選手会の会長の東京ヤクルトスワローズの宮本慎也は一連の騒動において、「球界のためにもいい制度であってほしい。金本君と一度会って、今後のことも含めて話をしたい」と語っていたが、実際に会談が行われたかは不明。
この一連の事例は育成制度導入前に問題点と指摘されていたが、ルール上問題なしとされていた(ただし選手会との合意が取れていたかは不明)。
2007年10月1日のプロ野球運営実行委員会で、千葉ロッテマリーンズの球団社長の瀬戸山隆三は、5〜8人程度の育成選手を獲得した上で、独立リーグである四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスに派遣する構想を表明した[11][12]。当日の委員会では結論が出ず、継続審議の扱いになった[11]。一部球団からは「イースタン・リーグの混成チームであるフューチャーズの活用が先ではないか」といった意見が出された[13]。その後、社会人野球側から「育成選手制度の本来の趣旨と異なる」という指摘がなされ、NPB内部の他に社会人野球側とも調整が必要な状況となった[14]。
11月6日のプロ野球運営実行委員会でも合意には至らず、引き続き継続審議となったが、次回の委員会の前にドラフト会議を迎えるため、翌年の派遣については困難という報道がなされた[13]。この点について、瀬戸山社長はドラフトで6人程度を指名した上で引き続き他球団や社会人野球に理解を求めていくと表明した。
ロッテは、2007年11月11日にトライアウトを実施。その結果をもとに、11月19日に開かれたドラフト会議でアイランドリーグ所属の3人を含む5人を育成枠で指名した[15]。入団後は支配下登録を目指して当面イースタン・リーグやフューチャーズで育成しながら、独立リーグの球団へ育成選手を派遣する構想も引き続き持っていた。
その後、この構想については具体的な進展がない状態がしばらく続き、2007年に指名された育成選手のうち、支配下登録されていなかった4人は2009年のシーズン終了後に戦力外通告を受けた。2012年3月、プロ野球運営実行委員会の承認後に育成選手の独立リーグ(四国アイランドリーグplusおよびベースボール・チャレンジ・リーグ)への派遣を認めるとする規則ができた。これに従い、同年のシーズンに広島東洋カープから3選手が四国アイランドリーグの2球団に派遣された。派遣対象となる選手は入団2年目以降となっていたが、2013年度から外国人選手に限って1年目から派遣が認められることになった[16]。
年 | NPB所属球団 | 名前 | 独立派遣球団 |
---|---|---|---|
2012年 | 広島東洋カープ | 山野恭介 | 香川オリーブガイナーズ |
永川光浩 | 徳島インディゴソックス | ||
中村亘佑 | |||
2013年 | 広島東洋カープ | 池ノ内亮介 | 愛媛マンダリンパイレーツ |
永川光浩 | 香川オリーブガイナーズ | ||
塚田晃平 | 高知ファイティングドッグス | ||
小松剛 | 徳島インディゴソックス | ||
オリックス・バファローズ | 稲倉大輝 | 福井ミラクルエレファンツ | |
山崎正貴 | |||
2014年 | 横浜DeNAベイスターズ | 今井金太 | 群馬ダイヤモンドペガサス |
広島東洋カープ | 辻空 | 愛媛マンダリンパイレーツ | |
森下宗 | |||
2015年 | 中日ドラゴンズ | 川崎貴弘 | 香川オリーブガイナーズ |
阪神タイガース | 田面巧二郎 | 福井ミラクルエレファンツ | |
トラヴィス | |||
東北楽天ゴールデンイーグルス | 高堀和也 | 福島ホープス | |
埼玉西武ライオンズ | 前川恭兵 | 武蔵ヒートベアーズ | |
2016年 | 中日ドラゴンズ | 岸本淳希 | 香川オリーブガイナーズ |
川崎貴弘 | 福島ホープス | ||
阪神タイガース | 一二三慎太 | 石川ミリオンスターズ | |
広島東洋カープ | 木村聡司 | 愛媛マンダリンパイレーツ | |
松浦耕大 | |||
オリックス・バファローズ | 戸田亮 | 福井ミラクルエレファンツ | |
2017年 | 中日ドラゴンズ | 浜田智博 | 香川オリーブガイナーズ |
オリックス・バファローズ | 角屋龍太 | 福井ミラクルエレファンツ | |
2018年 | オリックス・バファローズ | 神戸文也 | 福井ミラクルエレファンツ |
2019年 | 横浜DeNAベイスターズ | レミー・コルデロ | 信濃グランセローズ |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 下妻貴寛 | 埼玉武蔵ヒートベアーズ | |
千葉耕太 | |||
野元浩輝 | |||
2020年 | 横浜DeNAベイスターズ | レミー・コルデロ | 神奈川フューチャードリームス |
ジョフレック・ディアス | |||
フランディー・デラロサ | |||
宮城滝太 | |||
2021年 | 横浜DeNAベイスターズ | レミー・コルデロ | 神奈川フューチャードリームス |
スターリン | |||
ジョフレック・ディアス | |||
フランディー・デラロサ | |||
千葉ロッテマリーンズ | ホセ・アコスタ | 栃木ゴールデンブレーブス | |
埼玉西武ライオンズ | 大窪士夢 | 埼玉武蔵ヒートベアーズ | |
出井敏博 | |||
2022年 | 横浜DeNAベイスターズ | 勝又温史 | 神奈川フューチャードリームス |
加藤大 | |||
スターリン | |||
ハンセル・マルセリーノ | |||
2023年 | 横浜DeNAベイスターズ | 加藤大 | 神奈川フューチャードリームス |
スターリン | |||
2024年 | 横浜DeNAベイスターズ | 粟飯原龍之介 | 神奈川フューチャードリームス |
今野瑠斗 | |||
アレクサンダー・マルティネス | |||
蓮 | |||
2024年から二軍戦に参加するオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブとくふうハヤテベンチャーズ静岡については、戦力格差を避けるため、既存12球団から最大5人の育成選手の派遣を受けることができる[17]。
同年7月に読売ジャイアンツの木下幹也がくふうハヤテに派遣されることが発表され、第1号となった[18]。
年 | 所属球団 | 名前 | 派遣球団 |
---|---|---|---|
2024年 | 読売ジャイアンツ | 木下幹也 | くふうハヤテベンチャーズ静岡 |
2011年のドラフト会議で、ソフトバンクが広島の社会人チーム「伯和ビクトリーズ」の星野雄大を育成ドラフトの指名リストに入れていたが、「企業所属の選手は技術向上と社会教育という育成制度の理念から外れるので、指名するならば支配下選手として指名すべき」という日本野球連盟からの申し入れにより指名を断念した。なお、星野は2012年は四国アイランドリーグplus・香川に在籍し、2012年のドラフト会議でヤクルトから支配下選手として5位指名を受けている[19]。
2018年のドラフト会議でも「山岸ロジスターズ」の則本佳樹の所属を巡って育成ドラフト会議が中断し、クラブチーム所属の確認が取れた後に再開した[20]。
なお、出自によるドラフトでの指名に明確な規定や制限はないが、過去には2006年に巨人がJR東日本の鈴木誠を育成1位で獲得した例がある[21]。
故障者が続出し二軍戦に出場できる選手が不足しているなどの理由で、一度現役を引退してコーチやチームスタッフを務めている者と、所属球団が育成選手契約を結び一時的に現役復帰させた例がある。特に捕手の復帰事例が多く見られる。
前述の通り、シーズン途中に育成選手をトレードにより移籍する事も可能であり、その交換要員に支配下登録選手を充てる事も可能となっている。
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