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ナムコが1986年に開発したアーケードゲーム ウィキペディアから
『源平討魔伝』(げんぺいとうまでん)は、1986年10月、ナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)が開発したアーケードゲーム。
ジャンル | 横スクロールアクション |
---|---|
対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | ナムコ(源平プロジェクト) |
発売元 | ナムコ |
シナリオ |
高橋由鬼夫 大久保良一 中潟憲雄 |
プログラマー | 大久保良一 |
音楽 | 中潟憲雄 |
美術 |
阿部信彦 高橋由鬼夫 穴田悟 |
シリーズ | 源平討魔伝シリーズ |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア |
業務用基板 (1.54メガバイト) |
稼働時期 |
1986年10月1日 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象) ESRB:T(13歳以上) PEGI:12 |
コンテンツアイコン | 暴力 |
デバイス |
8方向レバー 2ボタン |
システム基板 | マザーボードシステム86 |
CPU |
M6809 (@ 1.536 MHz) ×2 HD63701 (@ 1.536 MHz) |
サウンド |
YM2151 (@ 3.57958 MHz) Namco 8-channel WSG (@ 6 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 288×224ピクセル 60.61Hz パレット512色 |
その他 | 型式:GT |
鎌倉時代の源平合戦を題材にした浄瑠璃『出世景清』をモチーフにしたアクションゲーム。
主人公・平景清が、「ぷれいや」なる異次元の者からの布施により復活して三種の神器を集め、平家の仇敵源頼朝を討ち取るべく鎌倉へと東上する内容となっている。
家庭用はX68000やPCエンジンに移植された他、ファミリーコンピュータではゲームジャンルを変更して発売された。その他、PlayStation用ソフト『ナムコミュージアム VOL.4』にも収録された他、Wiiのバーチャルコンソール、PlayStation 4とNintendo Switchのアーケードアーカイブスでも配信された。
アーケード版は、ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第1回ゲーメスト大賞」(1987年度)にて読者投票により大賞6位。PCエンジン版は『ファミコン通信』内「クロスレビュー」にてゴールド殿堂入り。
鎌倉時代の源平合戦を題材にした浄瑠璃『出世景清』をモチーフにしたアクションゲーム。単純な横スクロール系のアクションゲームに留まらない独自の構成がなされており、一般的な横スクロールモード、キャラクターが大きくなるBIGモード、トップビューである平面モードの3つのモードからなる複数のステージで構成されている。
当時としては珍しい純和風の世界観を緻密に表現したグラフィックやサウンドが特徴である[1][2]。音楽は中潟憲雄、美術は穴田悟が担当。また、この作品を手がけたチームは後に「源平プロ」として、『超絶倫人ベラボーマン』を制作する。
当初はナムコ社内でも非公式に開発が行われ、スタッフはそれぞれ別タイトルの作業を進行し、時間外に開発していた。後に中村雅哉社長(当時)に社内コンペティションで気に入られ、正式に開発許可が下りた。また、アーケード版のデモ画面で版権表示は出ない[注釈 1]。
1185年の壇ノ浦の戦いで戦死した主人公・平景清が、「ぷれいや」なる異次元の者からの布施により復活して義経や弁慶と戦い、三種の神器を集めて平家の仇敵源頼朝を討ち取るべく鎌倉へと東上する内容となっている。
操作には8方向レバーと攻撃ボタンおよびジャンプボタンが使われる。
また、ステージごとに「横モード」「BIGモード」「平面モード」の3つのゲームモードがあり、モードによりアクションが異なる。特にジャンプについては、横モードではボタンを連打することにより高度が延びる他、滞空時間も延びる。BIGモードではジャンプの高さに規定値+ランダム要素が導入されており、1回のジャンプだけでは取れないアイテムなども登場することがある。平面モードでのジャンプは使用しなくてもクリア可能。
いずれのゲームモードでも、攻撃の基本は武器である日本刀にて敵を斬る。BIGモードではいくつかの斬り方が用意されている。
なお、武器には耐久度および攻撃力を現す、剣○○と表現される数値がある。この値が0を示すと、刀が折れ攻撃力が大幅に低下する。刀が折れる表現はBIGモードのみ。剣の値は紫の玉や剣アイテムを得ると上昇し、「浮遊している小島」「要石(大)」「中ボスの武器」などの破壊できない物、通常では破壊できない「要石(小)」、破壊できるが硬い「狛犬」を切り付けると低下する。
巻物アイテムを取ることにより、横・平面モードでは霞切り、BIGモードでは必殺技「必殺旋風剣」が使用可能となる。三種の神器の一つ「草薙剣」を取ることにより剣の値が低下しなくなる。BIGモードのみ、草薙剣を入手すると剣が光るようになる。
いずれのゲームモードも、マップ中に配置されている鳥居に入るとステージクリアとなり、次のステージに移る。BIGモードでは鳥居は一つしかないが、横モードおよび平面モードのステージでは鳥居が複数あるステージも存在し、鳥居によって行き先のステージが変わる。特に黄泉以外の平面ステージはいずれも鳥居が複数存在し、分岐するルートを選ぶ重要な位置づけとなる。武蔵では最初に現れる鳥居は相模行きのものだが、その奥にある9つの鳥居は大和、伊賀、若狭、黄泉の中からランダムで行き先が決まる。横モードでは苦労して奥の鳥居へ辿り着いても手前の鳥居と行き先が同じであることもあるが、ボーナスステージやだじゃれの国などの隠しステージに行ける場合もある。
終了判定は、ろうそくの本数と長さにより表現される体力がなくなることと、「黄泉の国」にある生死のつづらで死を当てることである。ろうそくの上限値はゲーム開始時5本で、最大10本まで増やせる。ろうそく1本につき体力10。ろうそくは青い玉のアイテムで回復できるほか、ろうそくアイテムを取ると完全回復するうえ、ろうそくの上限値が1本分増える。また、体力が満タンの時に茶の玉を取っても上限値が1(ろうそくの10分の1)増える。ただし、黄泉に落ちた場合はろうそくが2本以下となり、上限値も5本に戻る。ろうそくが残り1本以下になると、表示部分が点滅するとともに、安駄婆が「風前のともし火」と警告して来る。
一一九二年、闇は来たれり。闇の源を頼朝といふ。頼朝、あまたの魔族を率いて地を征す。対せし平家の者ことごとく討たれ、壇ノ浦に沈みたり。天帝、世の乱れを大いに憂い、三途の川の渡守安駄婆に命じて、平家の亡者よりひとりの豪の者を選ぶ。その名を景清といふ。景清、ぷれいやなる異世界の者の布施により、地獄よりよみがえりたり[1]。
No. | ステージ名 | ルート | モード | ボス | アイテム | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 地獄 | 共通 | 横→BIG | 骸骨 | ||
2 | 長門 | 共通 | 平面 | 石見、周防、豊前への分岐点がある | ||
3 | 石見 | 上 | BIG | 義経 | ||
4 | 出雲 | 上 | 横 | |||
5 | 伯耆 | 上 | BIG | 弁慶 | ||
6 | 因幡 | 上 | 横 | |||
7 | 但馬 | 上 | BIG | 琵琶法師 | ||
8 | 丹後 | 上 | 横 | 龍 | ||
9 | 周防 | 中 | BIG | 義経 | ||
10 | 安芸 | 中 | 横 | |||
11 | 備後 | 中 | BIG | 弁慶 | ||
12 | 備中 | 中 | 横 | |||
13 | 美作 | 中 | 横 | ボーナスステージ | ||
14 | 豊前 | 下 | BIG | 義経 | ||
15 | 豊後 | 下 | BIG | |||
16 | 伊予 | 下 | BIG | 弁慶 | ||
17 | 讃岐 | 下 | 横 | |||
18 | 備前 | 共通 | BIG | 琵琶法師 | ||
19 | 淡路 | 共通 | 横 | ボーナスステージ | ||
20 | 播磨 | 共通 | 横 | 龍 | ||
21 | 摂津 | 共通 | 横 | 八坂瓊勾玉 | 駄洒落の国 | |
22 | 丹波 | 共通 | 横 | |||
23 | 山城 | 共通 | BIG | 義経 | ||
24 | 京都 | 共通 | 平面 | 若狭、近江、大和への分岐点、またこれ以降黄泉からの脱出点 | ||
25 | 若狭 | 上 | BIG | 義経 | ||
26 | 越前 | 上 | 平面 | 八咒鏡 | ||
27 | 加賀 | 上 | BIG | 義経 | ||
28 | 越後 | 上 | 横 | |||
29 | 佐渡 | 上 | 横 | ボーナスステージ | ||
30 | 越中 | 上 | 横 | 八咒鏡 | 駄洒落の国 | |
31 | 上野 | 上 | BIG | 弁慶 | ||
32 | 伊賀 | 中 | BIG | 弁慶 | ||
33 | 近江 | 中 | 横 | |||
34 | 美濃 | 中 | BIG | 義経 | ||
35 | 信濃 | 中 | 横 | 三首竜 | 草薙剣 | |
36 | 甲斐 | 中 | BIG | 弁慶 | ||
37 | 大和 | 下 | BIG | 義経 | ||
38 | 伊勢 | 下 | 横 | 八尺瓊勾玉 | ||
39 | 志摩 | 下 | 横 | ボーナスステージ | ||
40 | 尾張 | 下 | BIG | 義経 | ||
41 | 三河 | 下 | 横 | |||
42 | 遠江 | 下 | BIG | 弁慶 | ||
43 | 駿河 | 共通 | 横 | |||
44 | 武蔵 | 共通 | 平面 | 相模へ行く他、若狭、近江、大和への逆戻りが可能 | ||
45 | 相模 | 共通 | BIG | 弁慶、義経 | ||
46 | 鎌倉 | 共通 | BIG | 頼朝 | 最終面 | |
47 | 黄泉 | 共通 | 平面 | 横モード面の穴に落ちた時に飛ばされるステージ |
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 源平討魔伝 | 1988年4月 |
X68000 | 電波新聞社 | マイコンソフト | 5"-2HDフロッピーディスク | 3205004 | - | |
2 | 源平討魔伝 | 1988年10月21日 |
ファミリーコンピュータ | ナムコ | ナムコ | 1.5メガビットロムカセット[6] | NAM-GT-4900 | - | 別ジャンルでのリメイク作品 |
3 | 源平討魔伝 | 1990年3月16日 |
PCエンジン | ナムコ ナウプロダクション |
ナムコ | 4メガビットHuCARD[7] | NC90001 | - | |
4 | ナムコミュージアム VOL.4 | 1996年11月8日 1997年6月30日 1997年8月 |
PlayStation | ナムコ | ナムコ | CD-ROM | SLPS-00540 SLUS-00416 SCES-00701 |
- | アーケード版の移植 |
5 | ナムコミュージアム VOL.4 PlayStation the Best |
1999年10月28日 |
PlayStation | ナムコ | ナムコ | CD-ROM | SLPS-91161 | - | 廉価版 |
6 | ULTRAシリーズ 源平討魔伝 |
2002年2月1日 |
Windows | ナムコ | メディアカイト | CD-ROM | MKW-219 | - | アーケード版の移植 |
7 | 源平討魔伝 | 2004年9月17日[8][9][10] |
900i専用 (iアプリ) |
ナムコ | ナムコ | ダウンロード (アプリキャロットナムコ) |
- | - | |
8 | 源平討魔伝 | 2006年6月1日[11] |
BREW対応端末 (EZアプリ) |
バンナム | バンナム | ダウンロード (ナムコEZゲームス) |
- | - | |
9 | 源平討魔伝 | 2007年10月2日 |
Wii | バンナム | バンナム | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | - | PCエンジン版の移植 |
10 | 源平討魔伝 | 2009年3月31日[12] |
Wii | バンナム | バンナム | ダウンロード (バーチャルコンソールアーケード) |
- | - | アーケード版の移植 |
11 | ナムコミュージアム VOL.4 | 2013年12月11日 |
PlayStation 3 PlayStation Portable (PlayStation Network) |
バンナム | バンナム | ダウンロード (ゲームアーカイブス) |
- | - | アーケード版の移植 |
12 | 源平討魔伝 | 2021年10月7日[13][14][15][16] |
PlayStation 4 Nintendo Switch |
ナムコ | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | - | アーケード版の移植 |
本作の脚本、音楽を担当した中潟憲雄によると、ファミリーコンピュータ用ソフトの音楽を多数手掛けていた中潟は、自ら企画したゲームを制作したいとの欲求から大久保良一、高橋由鬼夫を集めて3人のプロジェクトを組むことを決定した。しかし、ナムコ社内でも非公式のプロジェクトであったため、予算も開発機材も与えられない中、綱島のナムコのサービスセンターに捨ててあった基板を持ち出し、勤務外の時間に会社に泊まり込むような形で制作を進めていった[3]。
本作のプロトタイプが出来上がった頃に、社内で発表したところ好評を得たため、当時社長であった中村雅哉の前でプレゼンを行うこととなった。中村は本作をとても気に入り、すぐに開発コードと予算を与えられ正式に開発が始まった。しかし、社内では風当りが強いとの助言を得た開発陣は、ナムコ本社近くのビルの一室で作業を進めていく[3]。
その後、大久保が日本史のパロディを作りたいと要望したことから、日本を東西に分けて戦った「源平合戦」をテーマに製作することが決まり、別の部署でデザインを担当していた穴田悟を半ば強引にプロジェクトに参加させた。穴田は自転車で事故を起こし、生死を彷徨っている最中に自らの唾液や鼻の油などを使用して執念で絵を描き、それを見た開発陣の中でビジュアル設定や世界観が固まり始める[3]。
また、本作の主人公を決める際に、源義経では在り来たりで面白くないと判断した一同は、穴田からの「今回のテーマは怨念だよ」との一言を聞き、「怨念」をテーマに主人公を探し始める。その時に高橋由鬼夫が人形浄瑠璃の演目である『出世景清』を見つけ出したことから主人公とテーマが定まった[3]。
本作で中潟は映画製作に参加していたこともあり、喋ることに拘った結果、システム基板に音声合成用の拡張ロムを搭載することになり、プロの声優を起用して音声を収録した[3]。出演者については公表されていない。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.83 | 3.47 | 3.61 | 3.61 | 3.61 | 3.85 | 21.90 |
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.38 | 4.26 | 3.91 | 4.15 | 3.88 | 3.99 | 24.57 |
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