坪尻駅
徳島県三好市にある四国旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
徳島県三好市にある四国旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
坪尻駅(つぼじりえき)は、徳島県三好市池田町西山にある、四国旅客鉄道(JR四国)土讃線の駅である。駅番号はD19。
阿讃山地の谷あい[3]、徳島県と香川県の県境にある猪ノ鼻峠付近、標高272 m[4]の地点に位置する。周辺に集落は複数あるが、駅まで行ける車道は無い。
勾配がきついためスイッチバック駅になっており、香川県側から来た列車は同駅をいったん通り過ぎてから後退し、香川県側へ向かう列車は一度戻ってから斜面を登っていく[2][5]。
駅利用者が極めて少ない上に、普通列車自体が減便されているため、同駅に停車する定期列車は1日で3本ずつのみ。終列車は、下り(阿波池田行き)16:52発、上り(多度津行き)13:52発となっている(2024年9月時点)。
単式ホーム1面1線を有するスイッチバック式の地上駅で、阿波池田駅管理の無人駅。ホームは2両分のみ嵩上げされている。
ホームが1面1線のみのため、当駅で普通列車同士が行き違う場合はいずれかが必ず通過となる[4]。本線通過制限速度は100 km/hで、通過列車は、横の本線を高速で去っていく。かつてはシーサス・クロッシングポイントが設置されていた(画像参照)が、JR化後の高速化改良工事により撤去され、現在の形となった。
当駅で停車する列車においては、下り列車は引き上げ線に待避してから駅に進入し、上り列車は駅を出発して引き上げ線に待避したのち讃岐財田駅に向かう。運転士は進行方向を変えるごとに必ず前方となる運転台へ移動する(車掌が乗務する列車ではバックで進入させることもある)。
駅舎内の待合室は出入口・ホーム側ともに引き戸となっており閉めることもできるため、虫の侵入を防ぐことができる。また、待合室内には発車時刻表、10分以上停車する列車の時刻表、定期列車の通過時刻表が掲示されている(通過時刻表は踏切にも掲示されている)。このほか、駅ノート[2]や駅スタンプが置かれている。駅スタンプは当初、2008年5月15日に地元の町づくり団体から寄贈されたものが置かれていたが、2010年2月10日に紛失したことが判明し[14]、その2ヶ月後に、青森県の津軽線中沢駅で発見された[15]。しかし、2018年8月に、再び駅スタンプが紛失したことが判明し、今回も盗難に遭ったと見られている[16]。2019年1月時点でも発見できなかったことから、2個目の駅スタンプが設置された[17]。
なお、駅舎内のトイレは閉鎖されており、現在は使用できなくなっている。
駅から徒歩で30分ほど山道を登った所に
1997年6月20日放送の朝日放送(ABCテレビ)製作の『探偵!ナイトスクープ』では、番組に寄せられた「この駅の乗降客数を調べてほしい」という依頼で、調査が行われた[20]。その際の乗降客数は24時間で、一組の夫婦が駅から出かけ、駅へ帰ってきた「のべ4人」だった。鉄道ルポ漫画『鉄子の旅』の作者達が2003年9月にこの駅を訪れた際には、「30分くらい歩いたところに」住んでいる77歳の老人と遭遇したことが描かれている(単行本第2集収録・第16旅)。
1998年4月22日に放送されたテレビアニメ『センチメンタルジャーニー』の第3話「七瀬優 -星降る夜の天使-」にてストーリーの冒頭で当駅が登場したことがあり、熱心な同作品のファンの訪問(聖地巡礼)により利用客が微増していた時期があった。
2010年6月2日に放送されたテレビ朝日系列のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』で、「利用者が1人しか居ない駅」として紹介された。その1人とは『探偵!ナイトスクープ』で紹介された夫婦の夫の方である。その後2014年6月4日に放送された同番組で、その男性は体調を崩し入院中のため利用していないが、駅を見にくる他の利用者がいると紹介された[21]。
2016年9月14日に放送されたフジテレビ系列のバラエティ番組『世界の何だコレ!?ミステリー 日本の謎を大調査SP/消えた秘宝が徳島に眠る?』において、当駅開業当初は1日平均20名の利用者がおり、現在はある意味面白い駅として、全国から利用者がいることが証言されている[22]。
鮎苦谷川沿いの谷に駅が位置するため、車では近づくことができず、到達手段は徒歩のみである[4]。
駅舎を出ると、東側・西側にそれぞれ山道が1本ずつあり、駅舎の南側にある踏切[23] を東側へ渡って10 - 20分程度歩くと徳島県道5号観音寺池田線(旧国道32号。2021年4月に国道指定取り消し)に、西側へ行くと市道に出る。ただし、山道にはゴミが散乱していたり倒木があったりする場合があるほか、降雨時や雨上がりは地面がぬかるんでおり、ごく一部を除いて柵がないため崖下に落ちる危険性もあるため注意が必要。また、季節によってはマムシやハチが出ることもある。
踏切を渡った先にはかつて雑貨店があったが、現在は廃屋となって放置されている(連続強盗殺人の犯人が押し入った店跡である。「四国連続強盗殺人事件」参照)。
当駅は近隣住民の請願によって駅に昇格したこともあり、旧国道32号より駅までの600メートルの山道は、近隣住民による手作りであることが『世界の何だコレ!?ミステリー』で証言されている。
なお、駅が立地しているのは、元は鮎苦谷川(州津川)の川底だった場所である。建設に際して、敷地を確保するため水を流すトンネルを掘削して川の流路を変えた上で川底を埋め立て、駅(当時は信号場)が設置された[24]。線路を通すためにトンネルで川を迂回させた場所は当駅の前後にも1カ所ずつあり、そのうちの1つは坪尻駅より多度津側のトンネルを出た車窓の西側に見える。
駅から直線距離で500メートルほど南東に離れた県道近くの場所[25] に坪尻駅展望台(落展望台)が設けられており[4]、遠目になるがここから駅を眺めることができる。
香川・徳島県道5号線沿いに四国交通の「坪尻」停留所があり、野呂内線のバスが経由する。なお、1月1日は全便運休となる[26]。
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