十三湖
青森県の湖 ウィキペディアから
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十三湖(じゅうさんこ)は、青森県津軽半島北西部の日本海岸にある汽水湖である。地元津軽地区では「十三潟(じゅうさんがた)」とも呼ばれる。
津軽国定公園内に位置しており、周辺自治体は五所川原市(旧市浦村)、北津軽郡中泊町(旧中里町)、つがる市(旧車力村)である。周囲約30キロメートル、水深は最大3.0メートルに過ぎず、南方より岩木川が流入する。この川が日本海に向かう途中、砂州によって塞き止められ汽水湖となった。独特の荒涼とした風景に囲まれている。
特産物はシジミであり、宍道湖、小川原湖と並ぶ日本有数のシジミ産地である。シジミ漁については十三漁業協同組合、車力漁業協同組合がある。資源保護のために1日の漁獲制限や禁漁区禁漁期間を決めるなどしてヤマトシジミの資源維持につとめている。ジョレンを船で引っ張って採る。
中世(13世紀初頭〜15世紀前半/鎌倉時代〜室町期)には日本海沿岸の交易港「十三湊」の在った場所であり、津軽地方の有力豪族であった安倍氏・安藤氏(安東氏)の拠点として栄えたが、近世以前に衰退した。資料は少ないが、1991年から発掘調査が行われ研究が進められており、実態が明らかになってきている[4][5][6][7]。この「十三湊遺跡」は、2005年(平成17年)7月に国の史跡にも指定されている。
また、オオハクチョウ、コハクチョウの渡来地として知られ、「十三湖のハクチョウ」として県の天然記念物に指定されている。
十三湖や十三湊の名称の由来は、日本海と湖の間にある砂州に13の集落があった、13の川が流入しているなどの他に、アイヌ語で「湖の傍ら」を意味する「トー・サㇺ」に由来するとの説もあるが、詳細は不明である。なお、南方にある十二湖とは無関係である。
シジミ生産は遅くとも明治時代に始まり、島根県の宍道湖と日本一を競う漁獲量を誇り、2016年12月に「十三湖産大和しじみ」として「地理的表示保護制度」(GI制度)に登録された[8]。
十三湖周辺の店では特産物のシジミを使った料理や加工品、アクセサリー、さまざまなおみやげ品などが提供されている。主なシジミ料理として、しじみラーメンやしじみカレー、しじみ丼、しじみ握りずしなどがある。
また、十三湖ではシジミの禁漁区および禁漁期間が指定されているが、中の島ブリッジパークなど湖北側の一部が一般開放区域に指定されており[9]、定められた時期(毎年4月下旬〜10月上旬)および時間帯(午前9時〜午後3時)に限り一袋300円でしじみ採りをすることが可能である。なお、しじみ採りは素手のみで行い(ジョレンなど道具の使用は密漁にあたる)、一般開放区域外での採取は関係法令により罰せられる[10]ので、採る場所などは事前によく確認する必要がある。
十三湖西側の十三地区(五所川原市十三、十三湖大橋南部の日本海と湖に挟まれた地域)から発見された中世の交易港「十三湊」に関する遺跡[4][5]。
十三湖に浮かぶ小島を利用したパーク。湖西岸(青森県道12号鰺ケ沢蟹田線側)とは「中の島遊歩道橋」で接続。パーク内には宿泊施設や文化施設(資料館)があり、これらの施設は毎年12月〜3月には冬季休業となる[11]。なお、島内からは奈良時代の遺跡(中島遺跡)が発見されている。
十三湖周辺には中世に「十三千坊」と呼ばれる神社仏閣群があったと伝えられている。また実際に宗教遺跡や城跡などが今に残っている。これらは同時代に栄えた安東氏の本拠地とされる十三湊に近いことからその影響下にあった可能性があり、同氏との関連が指摘される遺跡・遺構もいくつか存在する。なお、下記の十三地区、相内地区はいずれも現在の五所川原市に位置している。
ここでは、十三湖西部に浮かぶ小島「中の島ブリッジパーク」付近へのアクセスを掲載する。なお五所川原駅方面から来た場合、「十三南口」バス停辺りよりかつて十三湊(檀林寺跡地区)のあった場所となる[5][16]。
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