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入金して積み立てておき、商品やサービスの売買を行うカード ウィキペディアから
プリペイドカード(英: prepaid card 略語:プリカもしくはプリペ)とは、予め入金して積み立てておく形(前払い)で一定金額の価値を有し、商品やサービスを提供してもらう権利のあるカード型の有価証券(金券)。プリペイドカードはトラベラーズチェックなどと同じく前払式決済の一種である[1]。ただし、クレジットカードや預金口座から即時引き落とされるデビットカードとは異なる。
この記事に雑多な内容を羅列した節があります。 |
デビットカードと混同されやすいが、プリペイドカードの場合には入金した後は出金して現金化することができないタイプも多いので、注意が必要である。
また、プリペイドカードは未成年でも発行することができる物もある。
プリペイドカードとは次のような特徴を有する磁気カードなどのカード類である[2]。
事前に代金を支払って購入するもので、商品券と異なり、残額がゼロになるまで繰り返し利用できる。発行者側には、使用完了までの間に資金運用が可能、少額決済のために釣り銭の用意や販売機等に投入された硬貨の回収の手間が省けるなどの利点がある。また利用者側には、小銭を持ち歩く必要がなく、軽くて持ち歩きやすい、カードによってはプレミアム(おまけ)やポイント還元により現金での決済より有利、などの利点がある。
基本的には磁気で記録するカードであるため、記録するデータ量がさほど多くなく、また市販のカードリーダ/ライタで偽造が行いやすい。そのため、偽造カードの流通が大きな社会問題となっており、高額カードの発売および利用停止(テレホンカード(NTT)やオレンジカード(JRグループ)など)や、さらにプリペイドカードシステムそのものが廃止(ハイウェイカード(旧・道路関係四公団)、オレンジカード、ふみカード(日本の郵便局)など)されたものもある。
偽造対策のために開発されたICカードの一部や、国際ブランドのプリペイドカードでは、繰り返し代金を追加して利用できるカードもあり、一部の電子マネーに相似する。
また、モバイラーズチェックのように、磁気式ではなく、スクラッチカード印刷で一意の番号を記入したカードもある。これらのカードは、購入後、一意の番号を携帯電話等に登録して購入金額分の利用権を登録する形で利用する。また、コンビニエンスストアなどでは金券類などの盗難対策として、チケット用紙ないしは感熱式のレシートなど、シートに登録用の番号を印字して発行されていたが、最近ではプリペイドカードの裏面のバーコードをPOSレジに通し、購入処理が行われたことによってプリペイドカードの残高が有効になるシステム(POSA〈Point Of Sales Activation、POSアクティベーション〉方式)が導入されたことにより、カード式での販売が再び行われるようになった。
カードは多種多様に富んだデザインの物が発行されており、チャージが出来ないものは残額を使い切ったあとは使用用途が無くなる。使用済みプリペイドカードは回収してリサイクルされて別のプラスチック製品の原料になるほか、コレクターが収集目的で買い取る事がある。これを利用して、援助団体が発展途上国への援助活動などの活動資金の資金源として使用済みプリペイドカードを回収している事がある[3]。また、一部のプリペイドカード採用事業者では、使用済みカードを特定枚数集めて特定金額の未使用カード1枚と交換するシステムを実施している事業者がある。
クレジットカードの場合と異なり、基本的にチャージ済み残高の不正使用(偽造も含まれる)や、プリペイドカードの紛失・盗難・障害に関する補償は無い[注 1]。カード使用の際も、基本的に信用照会、与信照会は行われず、残高チェックだけが行われる。ただし、ブランドによっては、個人情報を登録しなくても利用できるカードにおける個人情報の登録や、特定の有料会員サービスを事前に契約しておくと、紛失や不正使用分が補償されるサービスもある。
基本的に無記名式のプリペイドカードは残高再発行は不能である。記名式(名義あり)であっても、プリペイドカードでは残高再発行に対応しないブランドが多数である。
ブランドカード型のプリペイドカードは、クレジットカードと同様に裏面の署名欄があるが、ここに署名するだけでは不正使用等に対する補償はされない。
プリペイドカードでオートチャージ機能を使用している場合、不正使用、盗難や紛失が発覚した場合には速やかに利用停止措置を取る必要がある。この点は、プリペイド(前払い)式の電子マネーと仕組みはほぼ同様である。詳細は「電子マネー」参照。
なお、ブランドカード型のものではICカード対応によりカード自体の偽造防止対応が進んでいるが、2024年現在でもICカード対応が完了していないカードも存在し、取引の際にサインが必要な場合がある。それ以外のハウス型カードでは磁気カードのままの物も多数ある。
アメリカ合衆国はプリペイドカードの先進国となった国であり1976年に地下鉄で利用されたのが始まりである[2]。
プリペイドカードについて米国では州により規制が異なる。プリペイドカード発行のための法的な資格要件が定められておらず所持人に対する特別の保護もないところもあるが、州の法律によって発行条件が厳格に規制され発行主体の倒産時の所持人保護について規定している州もある[4]。
アメリカでは詐欺まがいの使用できないテレホンカードが流通して社会問題になったことがある[1]。
ブランドプリペイドカードとしては、日本では発行、販売されていないアメリカンエキスプレスのプリペイドカードも存在する。
日本では1982年に旧電電公社がテレホンカードを発行したのが最初とされている[2]。
プリペイドカードの多くは資金決済に関する法律、それに基づく政令である資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)、内閣府令である前払式支払手段に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第三号)によって規制される前払式支払手段の一種である。日本では1989年(平成元年)の前払式証票の規制等に関する法律により法規制が行われ同法はプリペイドカード法と呼ばれていた[5]。前払式証票の規制等に関する法律に代わって2010年(平成22年)に施行されたのが資金決済に関する法律である。
資金決済に関する法律、前払式支払手段に関する内閣府令によって、通常、発行主体は内閣総理大臣(財務局)への届出か申請を必要とし、毎年3月・9月末時点で発行したカードの未使用残高が1000万円を超える場合、残高の半分以上の発行保証金を供託しておく義務などを負う[6]。ただし、交通機関の回数券などは別の制度によって保全され、ハイウェイカードなどのような特殊法人が発行するものは、この法律の適用から除外されている。
日本ではこれらの法令のほかプリペイドカード取引標準約款及び加盟店規約例も定められている[5]。
下記のものがあるが、その他に、SBI新生銀行等の外貨預金利用者を対象に、当該口座からチャージして国外で引き出すためのプリペイドカードも発行されている。
下記2サービスは海外で始まったサービスで、現在は日本からアカウントの登録、カードの申し込みが可能。複数の通貨を容易に扱えるマルチカレンシー口座の残高から支払われるカード(口座紐づけ)という事で、扱い上は「デビットカード」となっているが、日本の従来の銀行や信用金庫といった金融機関の口座と直接紐づけするという意味ではなく、そのサービスのアカウント内・アプリ内の口座にVISA/Masterのクレジットカードか一般の金融機関からの銀行振込にて資金をチャージしてからカードを使うので、日本ではブランドデビットというよりはブランドプリペイドのイメージに近い。
上記プリペイドカード一覧内のキャッシュパスポートのように、海外専用で国内の店舗では一切使えないカードも存在する中、RevolutとTransferWiseのカードは海外発のサービスながら日本国内の店舗でも利用できる。
バーチャルカードとはインターネット上の決済のみで使えるカードである。下記のものの他、三菱UFJニコスやオリエントコーポレーション、ジャックス等が、すでに自社のクレジット会員を対象として、クレジットのショッピング枠からチャージして、本来のクレジットの会員番号とは別の番号でネット決済できるプリペイド式のバーチャルカードが設定されている。
国際ブランドが付与されているが追加チャージ機能がないカード。テレホンカード等の使い切りタイプはハウスカードにあたる為後述の欄参照。
ハウスカードとは決済に使用できる対象が特定の会社の製品やサービスに限定されているものをいう。
※アルファベット順、五十音順(後継カードがある場合のみ直下に掲載する場合がある)
上記の他、交通系のカードが多数存在する。
VISA・MasterCardなど、国際ブランドが付与されていて、クレジットカードと同じように使用できるプリペイドカードをブランドプリペイドカード(ブランドプリカ)と呼ぶことがある。
これらのカードは実店舗で利用できるようにカードを発行するタイプと、ネットショップでの利用を前提としてカードそのものは発行せずにカード番号の発行のみを行うバーチャルタイプのカードが存在する。
カードによっては店頭に置いてあるカードに署名をすればすぐに入金して利用できるタイプのものもあり、これらのカードには表面の契約者名の部分に『CARD HOLDER』や『CARD MEMBER』など、個人名が記載されていない事がある。端末機器に名前が表示される、あるいは伝票に名前が印字される場合はカードに記載されたこのような名前が表示あるいは印字される。
残高以上の決済がされないように利用の都度信用照会による確認が必要なため、クレジットカードとは異なり信用照会端末やインターネット以外での決済には対応していないことが多く、インプリンタによる決済ができないようにカード番号などのエンボス加工がされていないものがほとんどである(ただし手書きで処理可能な場合はそれで決済できてしまうこともある)。
支払いしようとした金額がカード残高を超えた場合、信用照会が通らないため利用することが出来ず、カード決済の性格上、他の決済手段と併用して支払うことも出来ない(不足分を現金で決済することが可能な店舗もごく稀に存在する)。その他、定期的に支払いを行う処理(公共料金の月額利用料の支払い等)や、決済金額がその場で確定しない処理(ガソリンスタンドにおける給油料金の支払い)には利用できないが、例外としてKyash Cardやバンドルカードプラスではデポジットを預かることでガソリンスタンドに対応[97][98]、au PAY プリペイドカードは出光興産のガソリンスタンドのうち出光ブランドあるいは出光ブランドから転換されたapollostationでのみ利用可能。飛行機の機内販売や、高速道路の料金所はその時点ではオフライン扱いの取引の為、利用が出来ない。
上記でもあるように公共料金や会員サイト等の定額支払いには利用できないのは勿論であるが、ネット通販等でその時限りの決済の場合でもエラー表示となり利用できないケースも少なくない。ブランドプリペイドやブランドデビットは、カードの性質上ネット通販での購入申し込み時の信用照会、商品発送時の本決済の二重引き落としが発生するリスクがあり、こういったトラブルを避けるために本当のクレジットカードのみ受け付けるように設定されているものと思われる。ブランドカードは頭4桁〜8桁で発行会社やカードの種類が決まっているためそれらを受け付けないようにされているか、多くのブランドプリペイドで11円以上でないと決済出来ないようになっている事から、カード番号登録や購入申し込み時に10円以下の承認を取って利用可能カードか判別する通称「1円オーソリ」を実施しているサイトの可能性が高い。なお、実質利用できるサイトでの利用で二重決済が発生してしまった場合でも、本決済以外の利用承認分は店舗からの正式な請求データーが送られない為に、期間は数日から1か月以上要するがその分の残高が復活するとされている。
1度入金した残高は現金での払い戻しに対応していないものがほとんどだが、手数料を支払うことにより残高を現金で引き出すことが可能なものもある。
2016年以降、国外での決済やATM引出に対応するカードの場合は、個人番号を届け出ないと発行できない場合がある(あるいは、発行可能であっても国内利用のみに制限される場合もある)。
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