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『Harlem Beat』(ハーレムビート)は、1994年から1999年まで『週刊少年マガジン』で連載された西山優里子による日本のバスケ漫画。単行本はKC全29巻、KMB全16巻。
増刊『マガジンSPECIAL』で開始。好評だったため数話で週刊連載に移行し、5年に渡って連載された。当時(90年代前半)隆盛だったストリートバスケをテーマに、主人公の成瀬徹の成長譚を描く。開始1年弱が経過した頃(KC6巻)より公式バスケに物語の舞台が移ると、主要キャラクターの増加等で人気が上昇[1][2]。メディアミックスや多数のグッズを製作するなどの展開を見せ、西山の出世作となった。当時の掲載誌のカラーやストリートカルチャーに寄った設定でスタートしたため、高校生の喫煙や飲酒、喧嘩などの描写が含まれる。作中で頻繁に登場するSDキャラクターのやりとりやト書き等、独特な紙面が特徴。物語は1年間を時系列に進む。
身長cm / 体重kgはプロフィール掲載時、ポジション・背番号は物語における現時に則る。声優はPS版ゲーム。
渋谷道玄坂付近の空地を利用したバスケエリア・スリーメンズフープで名を知られる楠田みずきが、スリーメンのシュウからゴールを奪った3人の男子を誘い結成した3on3チーム。名称の意味は「よせあつめ」。打倒スリーメンを目標に掲げて、都内の代表的チームが集う3on3大会「SKY KISS '94」に初出場、準優勝を果たす。生い立ちも性格も全く異なる4人が集まったため衝突も見られたが、強敵と闘い抜く中で互いを認め合い、男女混成チームでありながら深い絆と友情で結ばれていく。
公式編の主舞台。古豪ではあるが近年まで低迷しほぼ廃部寸前の状態であった。2年前に入学した桜井を中心とした部員達が奮起し、前年の都大会で2位に輝く。監督やコーチは現在おらず、練習プランは主将の馬呉と桜井が立案する。桜井の一存で成瀬や澤村を迎えてインターハイ予選を勝ち抜き、大会初出場にしてベスト8の記録を残した。3年生が引退した2学期からは小林が主将の新体制となる。
スリーメンズフープを作った謎の3人組。その正体は1年前の都大会におけるMVPベスト3。圧倒的な強さを誇り、都内ストリートバスケの伝説的存在。SCRATCHはシュウからゴールを奪った全3名をメンバーとしており、主要人物を繋ぐ核チームでもある。SKY KISS出場を以てチームは解散するが上南バスケ部の夏合宿に塩練と里衣が帯同、期間中のミニゲームで実質再結成した。
SKY KISS本戦2回戦でSCRATCHと対戦。パワーやフィジカルで男性に劣る分、女の武器(色仕掛け)を活かし、同じ土俵でバスケを挑む。
SKY KISS本戦2回戦でNOTORIOUS、3回戦でSCRATCHと対戦。後に解散。
都で有数のバスケ名門校であり全国大会の常連として知られる。自主自律を重んじる指導方針で選手を育成、多くの大学推薦を輩出する。前年の都大会で上南に敗れたことから、インターハイ地区予選最大のライバル校として登場する。ウィンター杯東東京代表校。
インターハイ沖縄県代表校。上南の初戦相手。暴力沙汰により1年間の公式大会出場停止をくらっていた為全国的には全く無名だったが、駐留米軍兵士に囲まれた環境でならしたラフなプレースタイルと並外れたパワーバスケで初出場を掴んだ。派手な容姿や礼儀知らずの態度で会場を騒然とさせるが、バスケに対する純粋な信念にいつしか皆を巻き込んでいく。初戦前夜、札幌の街で居合わせたSCRATCHとダンクコンテストを催してギャラリーを湧かせた。部員は9名。
インターハイ / ウィンター杯茨城県代表校。全国より集められた特待生とデータに基づき徹底管理された戦術により優秀な成績を多数残し「勝たなきゃ何の意味もない」を大義とするエリート集団。100名以上の部員を擁するが、コーチの方針でベストメンバーは選りすぐられ試合中も選手交替はほぼ見られない。前年の関東大会初戦で上南を圧伏し大会ワースト記録をもたらした上、今川の怪我に直接関与し謝罪を為さない等の遺恨を残した因縁の相手として登場。インターハイ2回戦(シード校のため初陣)、成瀬をはじめとする上南バスケ部の姿に心動かされ、管理バスケからの解放とバスケへの歓喜を皆が取り戻した。ウィンター杯ではチームの解散を賭した背水の陣で戦い、金北に敗れるも5名の大会MVPを輩出。「プロの傭兵集団」としてのイメージから『新機動戦記ガンダムW』の主人公たちをモチーフにしている。
インターハイ神奈川県代表校。通称「浜国(ハマコク)」。3回戦で上南と対戦したが、展開上ギャグ風の役回りであり学校や各選手の背景は描かれない。
インターハイ / ウィンター杯広島県代表校(女子)。全国大会常連の女子校。大学推薦も多い様子で、ウィンター杯には3年生が引退せず出場し、優勝を掴んでいる。
インターハイ / ウィンター杯石川県代表校。高校バスケ界の王者とも呼ばれる名門男子校。シカゴ・ブルズのトライアングルオフェンスを基本とした高度な戦法と個々の突出した能力で他校を圧倒し、前人未到の公式戦100連勝を前にしたインターハイ準々決勝で上南と初対戦、窮地に追い詰める。校則は厳しく練習も強豪らしいハードさを極めるが、森山監督との信頼関係により部内の空気は常勝校らしからぬ自然体で形成され、多少の校則違反も黙認されている。
単行本の余剰頁には西山による書き下ろし企画が多数収録されているが、おまけ漫画の連載もあった。
コナミよりプレイステーション用ゲームソフトとして1999年10月に発売。当初コナミ側は単行本のおまけ漫画『なるちょの大冒険』をゲーム化したいと打診したが「原作を差し置いてそれはできない」ということで、当時大流行していた恋愛シミュレーションゲームとして製作された。そのためバスケをプレイする設定はない。プレイヤーは成瀬、男子マネージャー、女子マネージャーのいずれかを選択し、原作に沿った物語上で様々なキャラクターとの交流を重ね、理想の相手との結末を目指す。「恋愛」ではない「友情」のシナリオも用意され、男同士でエンディングを迎えるパターンも存在する。講談社から公式攻略本も発売された。
成瀬、澤村、小林を演じる声優はマガジン本誌読者からのアンケートを参考に選ばれ、結果は誌上で発表された。桜井役の井上和彦、希理子役の鶴ひろみのみ西山の希望による配役。
恋愛シミュレーションとしては本編の女性キャラクターが少なすぎるということで、3人のオリジナルキャラクターが製作された。
コナミモバイル・オンラインが携帯電話用アプリとして2022年7月15日から講談社とコラボレーションしたiモードサイト「少年マガジン@コナミ」にて配信[3]。ゴール前の攻防を再現したバスケットミニゲーム。
シナリオライター並木敏による小説版がマガジンノベルスより2冊刊行された。いずれも漫画では描かれていない部分や過去の出来事をテーマにした原作ファン向けの内容。西山がカバー・ピンナップ・挿絵を書き下ろし。漫画版同様、おまけページをふんだんに盛り込んである。
1997年2月刊。成瀬以外の主要キャラクター5人をそれぞれクローズアップした短編を5本収録。
1998年9月刊。当時読者に高い人気を博した澤村、筑波の5人を取り上げた2編から成る。
『Harlem Beat 西山優里子イラストレーションズ AIR』の題で1999年7月に刊行。書き下ろし・未発表を含む160点以上のカラーイラストをテーマ毎に分け、西山の前作『ノーハドル』イラスト等も同時に掲載。巻末には連載前の設定資料や貴重なラフスケッチ、西山のロングインタビューを収録。
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