『CAN YOU CELEBRATE?』(キャン・ユー・セレブレイト)は、安室奈美恵の単独名義では9枚目のシングルである。1997年2月19日発売。
概要 安室奈美恵 の シングル, 初出アルバム『Concentration 20』 ...
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安室が発表したシングルの中では最大の売上を記録しており、結婚式の定番ソングとなっている。また、小室哲哉が制作したシングルの中でも最大の売上を記録しているほか、発売元のレーベルであるavex traxから発売されたシングルの中でも最大の売上を記録している。
同年12月25日には、安室の結婚を記念して制作されたマキシ・シングル盤「CAN YOU CELEBRATE? -MAXI-」が発売された。
- 『バージンロード』のプロデューサーを務めた栗原美和子は、楽曲制作を依頼する際に「小室流の今世紀最後で、最大のウェディングソングを作って欲しい」とリクエストした[1]。小室から「注文は他にありませんか?色々言われた方がかえってやりやすいんです」と言ったところ、「ハッピーなシーンでも、切なく泣けるシーンでもかけられる曲にしてください」と付け加えた[2]。
- 1996年秋にニューヨークのスタジオで一度完成させたものの、栗原から構成のやり直しを指示された。それに対して小室はすぐにピアノを弾きながら完成予想図を説明し、すぐにレコーディングをやり直され、2週間でデモテープを完成させた。小室の「中途半端な音では、この曲の良さは理解できない」という意向から、デモテープとしては異例の全編フルオーケストラでの構成で録音された[2]。
- この楽曲を作り上げた小室は、すぐさま安室を電話で「すごくいい曲が出来たんだ。」と言って呼び出し聴かせたというエピソードがある。後に安室は、この時鳥肌が立ったと語っている。
- 期間内に222.8万枚を売り上げ、自身初となる1997年度年間シングルチャートで1位を獲得した。
- この曲で、第39回日本レコード大賞の大賞を受賞し、昨年の「Don't wanna cry」に引き続き、2年連続の受賞となった(小室哲哉が制作した楽曲としては3年連続の受賞)。当日には小室が花束を持って祝福に訪れ、楽曲中でピアノ演奏・コーラスも担当。安室は感極まり、涙ながらの熱唱となった。他にも、第11回日本ゴールドディスク大賞ソング・オブ・ザ・イヤー(邦楽部門大賞)などを受賞。
- 『第48回NHK紅白歌合戦』では、この曲で紅組のトリを務めた後、出産・育児のため歌手活動を1年間休業。カムバックした翌1998年の『第49回NHK紅白歌合戦』で1年ぶりに公の前に登場し、2年連続で同曲を熱唱。歌唱中、会場から暖かい拍手と声援に感極まって涙を流すシーンがあった。1998年の安室出演時の歌手別視聴率は64.9%で、歴代歌手最高視聴率を記録した。
- 「TV LIFE」誌発表の、'97 TV LIFE ドラマ大賞・主題歌賞を受賞。「バージンロード」は作品賞も受賞しており、2冠となった。
- オリコン及び出荷ベースで、自身最大の売上のシングルである。楽曲を制作した小室哲哉にとっても提供した楽曲の中で最大の売上となっており、発売元のレーベルであるavex traxから発売されたシングルとしても最高売上を記録している。
- 1997年10月に安室が結婚すると、「安室の将来の運命を予言していた曲」としてさらに話題になり、再びチャートインした(しかし、安室は2002年に離婚している)。
- 累計出荷枚数は約250万枚[4]。この出荷枚数にはマキシシングル盤は含まれていない。
- オリコンチャートにおける累計売上枚数は229.6万枚[5]。
- マキシシングルを合算した場合の累計売上枚数は、275.0万枚に達する。
- 安室は「自分では苦手だと思っていたバラードが沢山の人々に受け入れられて、嬉しく思います。思い出の曲になりました」と思い入れを語っている[6]。
- 歌詞の中にある「Let's a party time tonight」は誤植であり、実際は「It's a party time tonight」であったと小室自身が語っている。また「CAN YOU CELEBRATE?」という表現自体もそうであるように[注釈 1]、意味として和製英語(小室自身の造語)に近いものが歌詞の中には多い。これは歌詞の意味合いよりも「サウンドに気持ちよくはまるフレーズ」を重要視しているためであると小室本人が語っている。事実、小室が書く歌詞には英語に限らず日本語でも文法として不自然なものが存在するが、これも意図的である。
- 『バージンロード』に子役として出演していた大島優子は、後のAKB48時代に『FNS名曲の祭典 秘蔵映像で振り返る55年 -NO MUSIC, NO TV.-』(フジテレビ系)で小室と共演した際、「ずっと心の中にあった」と語っている。
- GLAYのTAKUROは、「当時のJ-POPの最高峰だと思っている。新しい言葉使いで(歌詞の)『永遠っていう』でいいんだと、その自由さが当時の安室さんの心情を出していて、あまりにも感動した僕は一度でいいからこの曲の様な『サビのような、いわゆる“つかみ”が来て、その後にちょっとしたイントロがある』という構成で書いてみたいと思いました」[8]「感動した。建築のような構築美。フェードインしてきて、そこから強力なサビがあって、その後に浮遊感のある、ちょっと別の世界に連れていかれるような、だけどきっちりと『男女のある種の出会い』みたいなものを表現している。こんなに美しい曲が、この世にあるんだ」[9]と熱弁し、その後GLAY初のミリオンヒットを記録した「HOWEVER」の誕生につながるきっかけとなったことを語った[8]。
- オリコン調べによると、1997年のシングルおよび、自身のシングルで最高初動(82.8万枚)。
- 登場2週目でミリオン、登場7週目でダブルミリオンを達成している。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMPパーフェクトランキング・3週連続(97/03/03〜03/17・#104〜106)1位[10]。
- 台湾でもシングルが発売され、台湾国内の総合チャートで5位を記録した。20万枚(人口比からすると日本のミリオンセラーに匹敵する)を超える大ヒット。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP97年上半期・邦楽パーフェクトランキング2位[11]。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMPパーフェクトランキング・3 YEARS BEST 100(95・96・97)15位[12]。
- 1997オリコン年間シングルチャート・年間カラオケリクエスト回数ともに1位。
- CDTV1997年間総合ランキング1位[13]。
- 第48回NHK紅白歌合戦での、歌手別瞬間最高視聴率は59.1%で1位(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP'97年間パーフェクトランキング1位[14]。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP98年上半期パーフェクトランキング46位[15]
- 1998オリコン年間シングルチャート54位(マキシ盤)。
- 1998オリコン年間カラオケリクエスト回数7位。
- 第49回NHK紅白歌合戦での、歌手別瞬間最高視聴率は64.9%で1位(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
- 2005年元日に放送されたテレビ朝日「全部歌えるカラオケ祭り日本の名曲ベスト100」の歴代カラオケランキングで1位。
- 2005年にNHKが実施した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で紅組23位。
- オリコン調べによると、国内のシングルセールス・女性ソロ部門で1位。
- オリジナル版はオリコン歴代14位。参考記録となるが、オリジナルとマキシを合算するとオリコン歴代9位に相当する(12cm盤はオリジナル版を除いたリミックス版であるため、公式にも合算はされない)。
- 1997年度の日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料分配額(国内作品)ランキングで年間1位を獲得し、1998年JASRAC賞の金賞を受賞した[16]。2018年度の同ランキングで年間10位にランクインされた[17]。平成期における著作権使用料分配額ランキングでは15位に入っている[18]。
オリジナル盤
8cmCDシングル
- CAN YOU CELEBRATE? (STRAIGHT RUN)
- CAN YOU CELEBRATE? (SEVENTH AVENUE SOUTH MIX)
- CAN YOU CELEBRATE? (BACK TRACK WITH TK)
マキシ盤
- 12cmCDシングル
- CAN YOU CELEBRATE? (Wedding Mix)
- Dreaming I was dreaming (Subconscious Mix)
- CAN YOU CELEBRATE? (Heavenly Mix)
- CAN YOU CELEBRATE? (Wedding Mix -Instrumental-)
- Dreaming I was dreaming (Subconscious Mix -Instrumental-)
オリジナル盤
[19]
レコーディングメンバー
スタッフ
- Produced : 小室哲哉
- Mixed : Eddie Delena
- Additional Production (#2) : Robert Arbittier, Gary Adante (Noisy Neighbors)
マキシ盤
[19]
CAN YOU CELEBRATE?
- Produced : 小室哲哉
- Piano, Chorus : 小室哲哉
- Strings Arranged : Randy Waldman (#1, #4)
- Mixed & Remixed : Eddie Delena
- Additional Production (#3) : Robert Arbittier, Gary Adante (Noisy Neighbors Productions)
Dreaming I was dreaming
- Produced : 小室哲哉, 久保こーじ
- Piano : 小室哲哉
- Guitars : 松尾和博
- Strings Arranged : Randy Waldman
- MIxed : Eddie Delena
以下、「CAN YOU CELEBRATE?」のカバー。
注釈
「CELEBRATE」は「どんちゃん騒ぎをする」という意味合いが強く、結婚式のようなしめやかな祝福の意味合いはあまりない。「喜びを祝ってくれますか」という意味なら「Wish me well」が正しい[7]。
出典
角川書店刊「CDでーた」1997年3月5日号「安室奈美恵 新曲『CAN YOU CELEBRATE?』発表 自分らしく、自然なままに…」18Pより。
ブティック社刊「月刊歌謡曲」1997年9月号「安室奈美恵 新たな物語は今始まった。」p.225より。
「『ドンチャン騒ぎ出来ますか』って何の曲? 和製英語ポップス花盛り」『朝日新聞』1997年11月1日付朝刊、19頁。