バッカーノ!
成田良悟によるライトノベル ウィキペディアから
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成田良悟によるライトノベル ウィキペディアから
『バッカーノ!』(BACCANO!)は、成田良悟による日本のライトノベル。イラストはエナミカツミが担当している。電撃文庫(メディアワークス→アスキー・メディアワークス→KADOKAWA)より2003年2月から刊行されている。メディアミックスとして、ドラマCD、漫画、テレビアニメ、ゲームも制作されている。2015年10月時点でシリーズ累計部数は204万部を記録している[2][3]。
バッカーノ! | |||
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ジャンル | アクション[1]、群像劇[1] | ||
小説 | |||
著者 | 成田良悟 | ||
イラスト | エナミカツミ | ||
出版社 | メディアワークス →アスキー・メディアワークス →KADOKAWA | ||
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レーベル | 電撃文庫 | ||
刊行期間 | 2003年2月10日 - | ||
巻数 | 既刊22巻(2016年8月時点) | ||
アニメ:BACCANO! -バッカーノ!- | |||
原作 | 成田良悟 | ||
監督 | 大森貴弘 | ||
シリーズ構成 | 高木登 | ||
脚本 | 高木登 | ||
キャラクターデザイン | 岸田隆宏 | ||
音楽 | 吉森信 | ||
アニメーション制作 | ブレインズ・ベース | ||
製作 | Project Baccano! | ||
放送局 | WOWOW | ||
放送期間 | 2007年7月26日 - 11月1日 | ||
話数 | 全13話+番外編3話 | ||
ゲーム:DS電撃文庫ADV バッカーノ! | |||
ゲームジャンル | ETC | ||
対応機種 | ニンテンドーDS | ||
発売元 | メディアワークス | ||
プレイ人数 | 1人 | ||
発売日 | 2008年2月28日 | ||
漫画:バッカーノ! 1931 The Grand Punk Railroad | |||
原作・原案など | 成田良悟 | ||
作画 | 吟遊詩人 | ||
出版社 | メディアワークス →アスキー・メディアワークス | ||
掲載誌 | 月刊電撃コミックガオ! | ||
レーベル | 電撃コミックス | ||
発表号 | 2007年2月号 - 2008年4月号 | ||
漫画:BACCANO! -バッカーノ!- | |||
原作・原案など | 成田良悟 | ||
作画 | 藤本新太 | ||
出版社 | スクウェア・エニックス | ||
掲載誌 | ヤングガンガン | ||
レーベル | ヤングガンガンコミックス | ||
発表号 | 2015年21号 - 2017年2号 | ||
漫画:バッカーノ!~from the 1700s~ | |||
原作・原案など | 成田良悟 | ||
作画 | 藤田かくじ | ||
出版社 | GIGATOON Studio →CLLENN | ||
掲載サイト | DMMブックス | ||
発表号 | 2022年12月25日 - 2023年6月25日 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | ライトノベル・アニメ・コンピュータゲーム | ||
ポータル | ライトノベル・アニメ・コンピュータゲーム |
タイトルの「バッカーノ」とは、イタリア語で「馬鹿騒ぎ」を意味する言葉[1]。多数の登場人物が織り成すスリリングながらもにぎやかな群像劇であり、シリーズを通して固定された主人公は存在しない。錬金術師達が作り出した不死の酒を巡って起こった、不死者と人間の物語となっている。
最初の作品は1930年、二作目は1931年と、ひとつの話につきひとつの年で物語がつづられている。ただし上下巻や同時進行の物語もあり、必ずしも一冊で一話となっているわけではない。最初に発表された作品は禁酒法時代のアメリカを舞台とした話であるが、続編には2000年代を舞台にした現代編、1700年代を舞台にした過去編もある。
刊行順序は、書籍情報を参考のこと。太字は、メディアミックス作品。
詳細はバッカーノ! (1700年代)を参照
詳細はバッカーノ! (1930年代)を参照
詳細はバッカーノ! (2000年代)を参照
300年前、洋上の船アドウェナ・アウィス号で錬金術師達が、不老不死を求めて悪魔の召喚を試みた。召喚は成功し、悪魔は不老不死になる酒を錬金術師たちに与え、その酒の製造法を召喚主のマイザー・アヴァーロに教えた。
しかし、翌日の夜、1人の錬金術師が仲間を喰い始め、彼ら不老不死となった錬金術師達は、その魔手から逃れるために、世界中に散らばった。
そして1930年、禁酒法時代のアメリカで不死の酒を巡る馬鹿騒ぎ(バッカーノ)が始まる。
以下を参照のこと。なお、複数の年代で登場する人物については、その年代でのことについて記述してある。
成田は、大好きなギャング映画とファンタジーを組み合わせた作品を書きたいという思いが、執筆のきっかけになったと電撃小説大賞出身作家へのインタビューの中で述べており、初期構想が「主人公が、悪の魔法使いの使い魔であるサキュバスのエニスに一目ぼれし、ギャングによる数の暴力によって彼女の雇い主である悪の魔法使いを倒して彼女を奪う」という内容だったことも明らかにした[4]。
成田は「異世界を1から造るのは、言語や文化、経済まで設定しないといけないだろう」という考え、実在の町ならば資料収集と取材のみで済むという短絡的な考えから、実在の町を舞台とすることを思い立ったものの、取材と資料収集の苦労を思い知らされた上、授賞式の際に審査員から、実際にニューヨークに行ったことがないことを指摘されたと成田は振り返っている[4]。
作家としてのデビューが決まった時、成田は大学4年生であり、単位不足から卒業が危ぶまれていたため、当時の成田を担当していた編集長の鈴木一智から「卒業するまで小説は一切書くな」と言い渡され、卒業するまでの間成田は単位取得に専念した[4]。 成田は、無名の新人が半年間も間を空けられては忘れられてしまうという不安を抱いており、『バッカーノ! 1931』が分冊になるという話を聞いた際は、3か月連続で刊行すれば話題性が得られる上、遅筆というレッテルを張られなくて済むだろうという考えから、「1か月以内に『1932』を執筆して3か月連続刊行はできないか」と編集者に提案した[4]。 成田はインタビューの中で、この取り組みはマーケティングとしては浅はかだったと述べており、自分はマーケティングに向いていなかったのではないかと振り返っている[4]。
本作は第9回電撃ゲーム小説大賞にて金賞を受賞した[1]。審査員の一人である安田均は、ボリュームがありながらも気楽に読める点を評価した一方、「『理想形』には力量がいま一歩という感もある」と指摘した[5]。同じく審査員を務めた深沢美潮は、実験的な姿勢を評価した一方、登場人物の多さから二回読まないと内容が理解できない点を指摘した[5]。広井王子は映画を思わせる内容を評価した一方、登場人物の多さを指摘した[5]。審査員を務めた、メディアワークスの社長(当時)である佐藤辰男は、コメディーやファルスとしての正統性を認め、「不死の酒」を得ると、独自の「ゲームのルール」がついてくるという設定を評価した一方、禁酒法時代のニューヨークが読者にはなじめないのではないかと述べた[5]。電撃文庫編集長(当時)の鈴木一智はライトノベルには珍しい舞台設定と登場人物の多さと構成の複雑さに触れつつも、登場人物のキャラ立ちと独特のユーモアのセンスを楽しめたと評した[5]。
文芸評論家の榎本秋は本作について、「多数のキャラクターを登場させるのは、作者が制御しきれなかったりひとりの出番が減ってしまい読者へのアピールが不十分になる」、「章ごとやシーンごとに違う人物の視点で物語を追いかけるのは、読者が混乱してしまう」、というような理由でライトノベルでは多くの場合に禁じ手とされる手法を使っているが、高度なレベルで完成させ多くの読者に受け入れられていると紹介している[6]。また、当初は全然関係なく動いている様々な登場人物たちの行動や思惑が物語が進むにつれてかみ合い、そして影響し合いながら盛り上がりを見せる群像劇のような作りであるとしており、本作を「良質な映画」を思わせる作品と称賛した[1]。
日経BP社がインターネットで実施したアンケートを基に公表した「2003年度ライトノベルランキング」では9位を獲得している[7]。『このライトノベルがすごい!』作品部門では2005年版で5位を獲得している[8]。
原作の1931鈍行編、特急編を基にラジオ電撃大賞内にて2005年10月から11月までラジオドラマとして放送され、後にドラマCDとして発売された。
吟遊詩人の作画によるコミカライズが『月刊電撃コミックガオ!』2007年2月号-2008年4月号に連載された。単行本全2巻。『1931 The Grund Punk Railroad』のエピソードをコミカライズしているが、オリジナルキャラクターの登場など漫画版独自の設定も見受けられる。
『ヤングガンガン』2015年21号から2017年2号まで藤本新太の作画で再びコミカライズされた。単行本全3巻。
『DMMブックス』先行掲載にて、2022年12月25日から2023年6月25日まで『バッカーノ!~from the 1700s~』が藤田かくじの作画でコミカライズされている[37][38]。1700年代編のコミカライズである[37]。電子書籍のみの単行本全2巻。
「BACCANO! -バッカーノ!-」のタイトルで2007年7月26日から11月1日まで、WOWOWノンスクランブル枠で放送された。その後、2008年2月から4月までアニマックスにて、2009年12月から2010年3月までAT-Xにて放送された。
全13話で、『(1930) The Rolling Bootlegs』『1931 The Grund Punk Railroad』『1932 Drug & The Dominos』のエピソードを中心としているが、第7話のみ1711年のエピソードとなっている。一話ごとにこれら3年のエピソードをシャッフル(各エピソードごとの時系列は原作同様)する、という独特の構成になっている。尺の都合か32年のエピソードは大幅に短縮・改編されている。
オープニング映像は、原作に大きな影響を与えた映画『スナッチ』冒頭のパロディである[39]。
DVDには限定エピソードとして番外編3話が新たに収録されている。
本作の設定を構築するにあたり、美術担当の伊藤聖がニューヨークでのロケーション・ハンティングで撮影した写真や、1930年代当時の写真集、映画などを基に、大森と伊藤の話し合いが行われた[40]。
本作の監督を務めた大森貴弘は、映像化の方針として「あまり見た目のハデさを追うような事はせずに、小説を読んだ時の読者の想像力と同じ部分を刺激出来るような工夫をしています」と公式サイト内のインタビューの中で述べている[41]。
また、大森は、本作の音楽を務める吉森信へ、ジャズをベースとしつつも、懐古趣味に走ることなく、もっと『バッカーノ!』らしい自由気ままで多様性にあふれた曲作りを目指してほしいと依頼した[41]。
脚本を務めた高木登は、最初に読んだ際はこれがアニメになるのかと疑ったが、根が枝葉になり幹が末節になるという成田の方法論を楽しむことが魅力であると公式サイトのインタビューの中で振り返ると同時に、「キャラクターを感情で立ち上げるものだと考えていたため、成田との考えの違いに苦労した」と振り返っている[42]。 また、高木は「十二話まで書いて、キャラクター三人削ってまた頭から直し、なんて作業につきあわせられる方はいません。」という理由で全話一人で執筆したと公式サイトのインタビューの中で述べており、自分本来のやり方に合っていたため、とても楽しい作業だったと振り返っている[42]。
群像劇である本作の収録には多数の声優が参加しており、その中にはベテランの声優も多く含まれる[43]一方、2005年に制作されたラジオドラマ版とは一部を除きキャストが異なっている。 音響監督を務めた岩浪美和は、ランダムな時系列故にシーンを分けて表現するのが難しいため、テンポを大事にする方針をたてたと公式サイトのインタビューの中で述べている[43]。
アニメ!アニメ!の仲瀬コウタロウは、2017年の記事の中で、「ガイ・リッチーの『スナッチ』を元にしたOPから始まる各エピソードはシャッフルされ、繰り返し楽しめるような構成が取られている」と述べている[39]。
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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1 | 副社長は自身が主役である可能性について語らない | 大森貴弘 | 佐藤豊 | 高田晃 |
2 | 老婦人の不安をよそに大陸横断鉄道は出発する | 大畑清隆 | 中野英明 | 青野厚司 |
3 | ランディとペッチョはパーティの準備で忙しい | 寺東克己 | 米田光宏 | 米田光宏 久木晃嗣 |
4 | ラッド・ルッソは大いに語り大いに殺戮を楽しむ | 大森貴弘 | 松浦錠平 | 石川晋吾 |
5 | ジャグジー・スプロットは泣いて怯えて蛮勇を奮う | 寺東克己 | 佐藤豊 | 小谷杏子 |
6 | レイルトレーサーは車内を暗躍し虐殺をくりかえす | 神戸守 | 小丸敏之 羽山賢二 | |
7 | すべてはアドウェナ・アウィス号の船上からはじまる | 神戸守 | 原博 | 鈴木信吾 |
8 | アイザックとミリアは我知らず周囲に幸福をまきちらす | 大畑清隆 | 亀谷響子 | |
9 | クレア・スタンフィールドは忠実に職務を遂行する | 寺東克己 | タムラコータロー | 青野厚司 |
10 | チェスワフ・メイエルは不死者の影に怯え策略をめぐらせる | 大畑清隆 | 小坂春女 | 田中良 小谷杏子 |
11 | シャーネ・ラフォレットは二人の怪人を前に沈黙する | 神戸守 | 久木晃嗣 をがわいちろを | |
12 | フィーロとガンドール三兄弟は凶弾に倒れる | 名村英敏 | 川越淳 | 青野厚司 福田紀之 |
13 | 不死者もそうでない者もひとしなみに人生を謳歌する | 大森貴弘 寺東克己 | 大森貴弘 | 高田晃 |
14 <番外編・上> |
グラハム・スペクターの愛と平和 | 大畑清隆 | 亀谷響子 | |
15 <番外編・中> |
高級住宅街に辿り着いた不良少年たちはそれでもいつもと変わらない | 神戸守 | 青野厚司 | |
16 <番外編・下> |
物語に終わりがあってはならないことをキャロルは悟った | 寺東克己 |
WOWOW 木曜24:30枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
MOONLIGHT MILE「Lift off」
(スクランブル枠、リピート放送) |
バッカーノ!
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枠消滅
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ジャケットは岸田隆宏描き下ろしである。 初回限定封入特典には、成田良悟・エナミカツミ書き下ろしの外伝小説(文庫換算各50ページ)と、設定資料やキャスト・スタッフからのメッセージなどが掲載されたオールカラーブックレットが付いている。
タイトルは「フィーロ・プロシェンツォ、ピエトロ・ゴンザレスの五十三回目の死を目撃す」。アニメ製作スタッフ・声優陣らにより、オリジナルストーリーのドラマCDが制作された(2007年10月24日発売)。
2008年2月28日にメディアワークスより、ニンテンドーDS用ソフト『DS電撃文庫ADV バッカーノ!』が発売された。DS電撃文庫第5弾として発表された本作は、『1931 鈍行編 / 特急編 The Grand Punk Railroad』の2作を原作としている。 CERO:C(15才以上対象)。
本作は、場面ごとに視点となる主人公が選択できるザッピングシステムを採用しており、各章の始めにプレーヤーが選択した登場人物がその場面における主人公となるので、1つの事件を異なる複数の視点から経験することができる。これにより、「複数の登場人物の行動が複雑に絡み合って事件が発展していく」という原作の特徴を活かすことに成功している。プレイヤーの選択により主人公の行動および物語の展開が変化し、選択肢によっては、事件が原作とは異なる展開を迎え、新たな方向で終結を迎えることもある。 50以上存在するifエンディングのうち、『小気味良い男編』『死亡勇戯編』は、原作者成田良悟の書き下ろしであり、原作では明かされなかった設定・登場しなかったキャラクターが現れるシナリオとなる。
予約特典として、96ページのゲームブックである『バッカーノ! 1931 時刻表 The Grand Punk Railroad』(非売品)が付属する。
ファミ通の40点満点のクロスレビューでは28点だった[46]。
また、2009年3月19日にアスキー・メディアワークスより発売された、ニンテンドーDS用ソフト『電撃学園RPG Cross of Venus』に遊技場の主人としてフィーロが登場した。
声はラジオドラマ/アニメの順
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