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1983年のスパイ/アクション映画 ウィキペディアから
『007/オクトパシー』(ダブルオーセブン オクトパシー、原題: Octopussy)は、ジョン・グレン監督の1983年のスパイアクション映画。映画「ジェームズ・ボンド」シリーズの第13作目。
007/オクトパシー | |
---|---|
Octopussy | |
監督 | ジョン・グレン |
脚本 |
ジョージ・マクドナルド・フレーザー リチャード・メイボーム マイケル・G・ウィルソン |
原作 | イアン・フレミング |
製作 | アルバート・R・ブロッコリ |
製作総指揮 | マイケル・G・ウィルソン |
出演者 |
ロジャー・ムーア モード・アダムス ルイ・ジュールダン クリスティナ・ウェイボーン カビール・ベディ スティーヴン・バーコフ ロバート・ブラウン ジョフリー・キーン デスモンド・リュウェリン ロイス・マクスウェル |
音楽 | ジョン・バリー |
主題歌 |
「All Time High」 リタ・クーリッジ |
撮影 | アラン・ヒューム |
編集 | ジョン・グローバー |
製作会社 |
イーオン・プロダクションズ ダンジャック メトロ・ゴールドウィン・メイヤー ユナイテッド・アーティスツ |
配給 |
MGM/UA Entertainment Co. UIP MGM/UA=CIC |
公開 |
1983年6月6日 1983年6月13日 1983年7月2日 |
上映時間 | 130分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $27,500,000[1] |
興行収入 |
$187,500,000[1] $67,900,000 |
配給収入 | 19億2000万円[2] |
前作 | 007/ユア・アイズ・オンリー |
次作 | 007/美しき獲物たち |
ジョン・グレン監督の2作目。前作『007/ユア・アイズ・オンリー』のシリアス路線からロジャー・ムーアの持ち味を活かしたコミカル路線へと戻っている。アクションも多く取り入れ、列車の屋根の上での敵との肉弾戦やラストのビーチクラフト機の格闘など見所も多い。また、非イオン・プロ作品の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』と同年に公開され、二人のジェームズ・ボンド(ショーン・コネリーとロジャー・ムーア)の戦いは注目を集めた。結果として本作が興行収入2位で勝利する。(『ネバーセイ・ネバーアゲイン』は興行収入4位)。
ボンド(ロジャー・ムーア)は中南米某国のトロ大佐に変装し、開発中の高性能偵察機を破壊すべく空軍基地に侵入していた。本物の大佐に見つかり一旦は拘束され、仕掛けた爆弾も撤去される。基地の外に連行されたボンドは、CIA女性アシスタントのビアンカが敵兵を誘惑して注意を逸らした隙に、用意していた超小型ジェット機(通称:アクロスター)で逃走。地対空ミサイルに追尾されるものの、前述の偵察機の格納庫内をすり抜けた直後にミサイルが格納庫を直撃、結果的に任務に成功する。
その頃、東ベルリンでピエロに成りすましサーカス団に潜入していた009は『レディーの卵(ファベルジュの卵)』(ロシア皇帝献上品)を持ち出したのを見つかり、サーカス団の双子の投げナイフ芸人兄弟ミーシカとグリーシカに致命傷を負わされ、西ベルリン英国大使館公邸に『卵』を持ち込み死亡する。
ボンドはM(ロバート・ブラウン)と美術鑑定部ファニング(ダグラス・ウィルマー)から、サザビーズのオークションに参加して『レディーの卵』の秘密をつかむように指令を受ける。ボンドらはソ連の外貨稼ぎと考えていたが、売り専門のアフガニスタン亡命貴族であるカマル・カーン(ルイ・ジュールダン)が現れてレディーの卵を買おうとするのに不審感を抱き、ボンドはオークション会場で出展品を手に取って確かめる振りをして、発信機を仕込んだニセ物とすり替えた。
ボンドはレディーの卵を相場以上の高額で落札したカマルを追ってインドへ。ホテルのカジノで彼とバックギャモンで対決し、彼のいかさまを逆手にとって勝利する。ボンドはカマルと行動を共にする女性マグダ(クリスティナ・ウェイボーン)に接近するが卵を奪われ、自らもカマルの居城に捕らえられる。部屋から抜け出したボンドはソ連軍のオルロフ将軍(スティーヴン・バーコフ)が城を来訪し、カマルが用意した偽物の宝飾品を運び出し、二人がカール=マルクス=シュタットでの再会を約する現場を目撃する。間一髪でカマルの城から脱出したボンドは、マグダの主人で、カマルのビジネスパートナーでもある謎の女性オクトパシー(モード・アダムス)が住む湖の城に潜入する。しかし、多数の女性を配下に従えたオクトパシーこそ、表向きこそサーカス団を含めたビジネスを多角展開しているが、裏では宝石泥棒一味のリーダーであった。ボンドはオクトパシーに一味に入るよう誘われたが断り、またしても捕らえられてしまう。
そして事件の背後には、カマルと組んだソ連タカ派のオルロフ将軍の陰謀が隠されていた。NATOとの軍縮交渉を進めても国益を損なわないというKGBの情勢分析に耳を貸さず、優勢な兵力を背景に西ヨーロッパへの侵攻を主張するオルロフは、盗んだ宝石をサーカス列車で密輸しているオクトパシーにロシアの宝飾品を西ドイツへ運ばせる。しかし実は人間大砲に隠した宝飾品を核爆弾にすりかえ、興行先の米空軍基地で核テロを起こそうとしていたのだ。ベルリンで東ドイツに入ったボンドは、カール=マルクス=シュタットでの公演を終えたサーカス団の列車に潜入して、カマルたちが人間大砲を貨車ごとすりかえ、核爆弾の時限装置を起動させる現場を目撃する。いったんはオルロフを抑えるがソ連兵たちと銃撃戦になり、人間大砲から抜き取られた宝飾品を積んだ彼の公用車を奪い、西ドイツへ向かったサーカス団の列車を追う。列車に乗り移ったボンドはカマル一味に見つかり、追われるうちに列車から転落する。一方、ボンドの登場に焦るオルロフ将軍は、東西ドイツ国境の駅で列車に駆け寄ろうとして東ドイツ警備兵に撃たれ、駆け付けたKGBのゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)の目前で絶命するが、「明日になればソ連邦英雄だ」との言葉を遺す。
ボンドはたどり着いた西ドイツの町で自動車を奪い、地元警察に追跡されながらも、サーカス団が上演を始めた米空軍基地に突入。とっさの判断でサーカス団のピエロに変装したボンドは客席の基地司令やオクトパシーに爆弾の存在を訴えるが、突然のことで信用されない。しかし宝飾品のひとつ「ロマノフの星」をボンドから見せられたことで、オクトパシーは裏切られていたことを悟る。警備兵や地元警察官、サーカス団員たちが入り乱れる混乱の中、遂に爆弾が見付かり、ボンドは爆発の寸前で起爆装置の取り外しに成功する。
カマルはオクトパシーたちを見殺しにする形でインドに戻り、逃亡の用意を進めていた。そこへオクトパシーが一味を率いて攻め込み、空からボンドとQも合流する。オクトパシーを捕らえたカマルは邸宅を脱出し、双発の小型飛行機に乗って飛び立つが、離陸の寸前に跳び乗ったボンドが片方のエンジンを停止させ、昇降舵の動きを妨げたことで飛行機ごと墜落。ボンドは墜落の直前にオクトパシーと脱出し、生還を果たす。
本作は1983年の映画の世界興行成績ランキングで、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』に次ぐ第2位にランクインした。ショーン・コネリーがジェームズ・ボンド役に復帰した「番外編」である『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の第4位を凌いだが、この年は2本の007映画が上位を占める結果となった[3]。日本では1983年度の外国映画配給収入で第4位、全体配給収入6位だった[4](『ネバーセイ・ネバーアゲイン』は1984年度の外国映画配給収入で第6位であった[5])。米国では1980年代の007シリーズ最大のヒットとなった。
アメリカの女性シンガー、リタ・クーリッジが起用され、映画とは別タイトルの「All Time High」が主題歌となった。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位75位、アメリカの「ビルボード」誌では、最高位36位と両国共にチャートでは振るわなかった。さらに、ジョン・バリーが担当した同サウンドトラック・アルバムは、チャート入りを果たせなかった。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
役名 | 俳優 | TBS版[11] | ソフト版 | 機内上映版 |
---|---|---|---|---|
ボンド | ロジャー・ムーア | 広川太一郎 | 羽佐間道夫 | |
オクトパシー | モード・アダムス | 来宮良子 | 唐沢潤 | |
カーン | ルイ・ジュールダン | 田口計 | 森田順平 | |
マグダ | クリスティナ・ウェイボーン | 榊原良子 | 櫨山めぐみ | |
オルロフ | スティーヴン・バーコフ | 坂口芳貞 | 成田剣 | |
ゴゴール | ウォルター・ゴテル | 大宮悌二 | 島香裕 | |
M | ロバート・ブラウン | 石森達幸 | 中博史 | |
マネーペニー | ロイス・マクスウェル | 好村俊子 | 泉裕子 | |
Q | デスモンド・リュウェリン | 丸山詠二 | 白熊寛嗣 | |
サドルディン | アルバート・モーゼス | 沢木郁也 | 宗矢樹頼 | |
ビジャイ | ビジャイ・アムリトラジ | 秋元羊介 | 羽多野渉 | |
ゴビンダ | カビール・ベディ | 西村知道 | 五王四郎 | |
ミシカ/グリシカ | デイヴィッド・マイヤー アンソニー・マイヤー | 星野充昭 | ||
グレイ国防大臣 | ジェフリー・キーン | 伊井篤史 | 佐々木省三 | |
ジム・ファニング | ダグラス・ウィルマー | 加藤正之 | 佐々木睦 | |
ビアンカ | ティナ・ハドソン | 伊倉一恵 | ||
ペネロプ・スモールボーン | ミカエラ・クラヴェル | 滝沢ロコ | ||
ソビエト連邦議長 | ポール・ハードウィック | 小関一 | ||
レンキン | ピーター・ポーテウス | 塚田正昭 | ||
シェッツィ | ブレンダ・カウリング | 巴菁子 | ||
赤い車のティーンエイジャー | ゲイリー・ラッセル | 菅原淳一 | ||
『007号/ベルリン脱出』(Octopussy、またはOctopussy and The Living Daylights)はイアン・フレミングの小説007シリーズ第2短編集(単行本としては14冊目でフレミング作としては最後)で、1966年、ジョナサン・ケープより出版された。日本では1966年に『007号/ベルリン脱出』のタイトルで、早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売され、1983年に文庫化された際『オクトパシー』に改題された。
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