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日本のNHKテレビ番組、笑福亭鶴瓶の冠番組 ウィキペディアから
『鶴瓶の家族に乾杯』(つるべのかぞくにかんぱい)は、1995年8月16日からNHK総合で毎週月曜日の19時57分 - 20時42分に放送されている紀行・バラエティ番組である。
鶴瓶の家族に乾杯 | |
---|---|
ジャンル | 紀行番組 / バラエティ番組 |
企画 | 山名啓雄[注 1] |
構成 | 井上知幸 |
演出 | 鈴木康之 |
出演者 |
笑福亭鶴瓶 小野文惠(NHKアナウンサー) 他 ゲスト1名 |
ナレーター |
三宅民夫 (本編ナレーション) 常盤貴子 (コーナーナレーション) |
オープニング | さだまさし「Birthday」 |
エンディング | 同上 |
製作 | |
プロデューサー |
井上繭子 杉山賢治 友杉徳孝(制作統括) |
制作 | NHK |
放送 | |
放送チャンネル | NHK総合 |
映像形式 | 文字多重放送 |
音声形式 | ステレオ2・解説放送(2011年5月より) |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1995年8月16日 - |
放送時間 | 月曜日 19:30 - 20:43→19:57 - 20:42 |
放送分 | 73→45分 |
公式サイト | |
特記事項: 番組初期は『さだ&鶴瓶のぶっつけ本番ふたり旅』、1996年9月の放送のみ『鶴瓶のにっぽん家族に乾杯』のタイトルで放送。 2013年4月22日放送分で392回目。 |
司会を務める笑福亭鶴瓶の冠番組。番組の通称および略称は「家族に乾杯」。字幕放送、ステレオ放送を実施。2011年度からはNHK総合のみ解説放送(ステレオ2音声)も実施。
司会の鶴瓶とゲストが旅人として各地を訪れ、「家族」をテーマにして地元の人々と触れ合いながら旅をしていく番組である。
この手法を最初に採用したのは毎日放送の『夜はクネクネ』であったが、同番組は関西ローカルだったため、全国ネットでの本格的な紀行バラエティ番組は本番組が事実上初であった。
「土曜特集」の枠では毎月1回の放送だったが、2005年4月からの定時番組編成からは放送時間が短縮、1つの旅を2回に分けたシリーズで紹介した。2016年4月から放送時間が73分に拡大、前編と後編を統合し1回で完結するように戻った。2022年4月からは再び45分番組の前後編になった。
番組のオープニングでは、下記のような番組の主旨が書かれた文章が流れる(まれに「再会編」など放送回によって異なる場合もある)。
この番組は鶴瓶さんとゲストがステキ(素敵)な家族を求めて日本中をめぐるぶっつけ本番の旅番組です。
旅先の待ち合わせ場所にいるゲストのもとへ鶴瓶が合流するシーンで始まる。まず鶴瓶とゲストが一緒に行動するが、後に2人は別々に行動する。旅先で撮影したビデオ映像を編集し、東京のスタジオ=NHK放送センターに戻って振り返るという構成である。
スタジオの司会はNHKアナウンサーの小野文恵、VTRのナレーションは三宅民夫[2]。
スタジオでは鶴瓶たちが画面だけでは伝えられなかった細かいエピソードを折り込む。鶴瓶らの旅ロケとは別に、スタッフが旅の舞台となった町の魅力を取材。また鶴瓶らが出会った家族のもとへ再訪問し、感想や後日談、出演者へのメッセージを取材。これを織り込みながら進行する。
制作側はゲストに「どのような場所へ行きたいか」リクエストしてもらい、どこの町に行くかだけを決めて、現地では両人に自由に動いてもらう。収録チームも両人に一組ずつ付く。撮影する自治体は現地の市町村役場に連絡する以外は徹底的に秘密にされており、スタッフは局内のホワイトボードにも出張先を一切書かないようにしているという。
『さだ&鶴瓶』時代の1、2回目は、途中で出会った人を一堂に集めて最後にさだが歌を披露するというものだったが、3回目で都合により現地でさだと鶴瓶が一度も出会えなかったことが現在の番組の流れにつながっている。なお「家族に乾杯」に移行後も1998年7月18日の山本譲二(沖縄県竹富町竹富島)、2003年5月3日のさだまさし(山形県高畠町)、2010年10月11日の上田正樹(北海道余市町)、2011年12月19日の村治佳織(長崎県平戸市)が現地の人を集めて歌や演奏を披露しているほか、2011年5月30日の「宮城県石巻市 再会編」では、同じ会場で鶴瓶が落語を、さだが歌をそれぞれ披露している。
75分時代の前期には、メインのVTRの他に、現地の人にアンケートのように取材したVTRを流すコーナーがはさまれていた。またゲストが今回の旅と関係ない思い出を語ったり、視聴者からの手紙を紹介するコーナーもあった。視聴者からは川柳も募集している。
第25回放送文化基金賞を受賞した[3]。また、笑福亭鶴瓶は本番組への出演で第45回ギャラクシー賞(2008年)奨励賞を受賞している[4]。
もともと本番組は、さだまさしにNHK側から「さだと、さだがコンサートで行く地域の人々とふれあう姿をテレビにしたら面白いのでは」という発想のもと番組化され、さだの友人である笑福亭鶴瓶との二人旅という形で始まった[注 2]。1995年8月に特別番組『素晴らしきニッポン さだ・鶴瓶のぶっつけ本番二人旅』として放送[5]。当初はさだがメイン、鶴瓶はさだの旅のパートナーとして番組にかかわっていた。第1回は、さだが村の歌を頼まれて作ったが村自体への訪問はないという岐阜県谷汲村を訪ねるというものだった。『さだ&鶴瓶』では3回(谷汲村、三重県美杉村、熊本県湯前町)放送した。さだが作った谷汲村の歌「風の谷から」の歌詞は「終着駅を降りたら」で始まるが、『さだ&鶴瓶』の行き先は、いずれも鉄道の終着駅があるという条件で選ばれていた(なお、第1回の名鉄谷汲線は2001年に廃止されている)。
さらに、鶴瓶と内海好江、大島智子の3人旅で特番『鶴瓶のにっぽん家族に乾杯』を放送。舞台は岡山県牛窓町。その後、現タイトルで1997年3月から月1回レギュラー化、4月には「土曜特集」枠内での放送が始まった[6]。
『NHK年鑑』には番組の開始は1997年と書かれている。「土曜特集」での第1回は、特番時代メインのさだと鶴瓶の二人旅だった(その後も「土曜特集」時代初年度は合計3回はさだと鶴瓶の二人旅)。しかし、さだのスケジュールの都合で定期的な出演が困難になり、さらに後になり出演そのものを固辞したため、鶴瓶とゲストとの旅という今の形に落ち着いた(さだはその後2000年、2003年、2005年、2021年にゲスト出演している)。さだは、以後も番組の主題歌「Birthday」を歌っている。
2005年7月15日の鹿児島県喜入町の回では、鶴瓶がさだそっくりな一般人を見つけて、以後の旅に終始連れて歩いた。
さだは2024年現在、NHK総合でほぼ月1回深夜に放送されている『今夜も生でさだまさし』のメインパーソナリティーを務めているが、同番組は『家族に乾杯』の構成作家である井上知幸が構成作家兼アシスタントを担当しているほか、小野文惠もコントVTRなどに不定期で出演している。2008年元日の放送では、オープニングで『第58回NHK紅白歌合戦』の白組司会を終えた鶴瓶が出演した。鶴瓶は自分が紅白の司会に決まると真っ先にさだに「Birthday」を歌うように頼んだといい、紅白では「Birthday」に合わせて画面には『家族に乾杯』でのさだと鶴瓶の映像が放送された。2009年秋の放送ではさだが画面から「(正月の番組は)小野さんのスケジュール待ちです」と呼びかけ、2010年元日の番組に小野は、実家へ帰省する切符をキャンセルして出演した。2012年元日は、小野は帰省中にもかかわらずこの番組のために大阪へ往復した。
2011年5月23日と5月30日の放送では、再会編として東日本大震災で被災した宮城県石巻市を再訪[注 3]。この時、パートナーとしてさだまさしが同行し、6年ぶりに「さだ+鶴瓶」による家族に乾杯が実現した。
2015年7月6日と7月13日の放送では、さだの青年時代を描いたドラマ『ちゃんぽん食べたか』でさだの役を演じた菅田将暉がパートナーとしてさだの出身地を巡り、さだがVTR出演した。
2021年5月24日と6月7日の放送では、千葉県を訪れ、「ゴールデンコンビ復活SP さだまさしと千葉で春探し」と題し、久々のさだ・鶴瓶のコンビ復活が実現した。
当初は45分番組だったが(「家族に乾杯」のタイトルでの第1回は50分、第2回と1997年の年末スペシャルは60分)、1998年4月から75分番組になる。しかし1999年3月に45分番組に、2000年4月からまた75分番組になる。スタジオ収録は、番組初期は鶴瓶とゲストのタレントのみでの進行だったが、1998年4月に75分枠になった際に酒井ゆきえがスタジオ司会となる。しかし酒井は1回限りで降板し、5月はNHKアナウンサーの伊東敏恵が担当(当時、この回の舞台であった岡山放送局に所属していた)。
1998年6月20日放送分から小野が起用され現在に至る(ただし、1998年12月19日放送分は伊東、1999年4月17日放送分は当時甲府放送局アナウンサーの島津有理子が代役登板で出演)。なお小野は、それ以前にもナレーターとして登場している(1997年前半まで、1年先輩でアナウンサーの山本志保と交互に担当)。小野の初登場での「アナウンス室の秘密兵器と呼ばれています」などといったやりとりは、週刊誌にも取り上げられた。
2005年4月からは毎週金曜日20時から45分のレギュラー番組となり、1ゲストで2週間分放送(前編・後編)という形態で放送されるようになった。この当時は地域番組を編成するために差し替えを行うこともあった。特に北海道では札幌放送局制作の地域番組を(原則)毎週放送していた(ただ、2004年度以前とは異なり、同日放送を行った回もある)。地域番組に差し替えた場合、翌日土曜日10時台またはその翌日以降に時差放送を行った。
2006年4月3日放送分からは、これまで『生きもの地球紀行』『地球・ふしぎ大自然』など生物・自然環境の教養番組を放送していた月曜日20時からの放送となった(北海道地方も後日放送ではなく当日放送になった)。ここから視聴率も徐々に上がって15%前後を確保し、同時間帯1位を獲得することも多い。なお祝日は特別番組編成となり放送回数は少なく、3週間に1度のペースでロケを行う。NHKが2006年に公開した「ジャンル別番組制作費」によると、制作費は1本約1250万円かかるとされる。
2007年12月10日と12月17日の旅の目的地が宮城県になったことにより、47都道府県全てを回ったことになる。これに関しては、放送が十数年にわたるにもかかわらず栃木と宮城に行っていなかったことにスタッフが気付き、2007年最後の2回の旅であわてて両県に行ったというエピソードがある。
2010年7月5日の放送は当初、過去に放送した場所を再訪する番外編を放送予定だったが、大相撲野球賭博問題に関する『NHKスペシャル』の放送に変更となり、予定されていた番外編は同年9月27日に延期となった[7]。
2011年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に際しては、総合が震災関連の報道体制をとっていたために3月14日以降の放送が休止され、レギュラー放送は5月2日に再開された。これ以降、毎年3月前半の放送分では必ず東日本大震災の被災地の自治体を訪問している(2022年を除く)。
2011年度からデジタル放送に限り、解説放送を開始(ステレオ2。アナログ放送は従来通り解説なし、ステレオのみ)。
2016年4月から、放送時間が30分繰り上がり、19時30分から20時43分までの73分枠に拡大、番組もこれまでの前後編から1話完結にスタイルを改められた[8]。
2022年4月から、放送時間が27分縮小され19時57分 - 20時42分までの45分になり、前後編に戻った。
2022年9月19日(敬老の日)は当初広島県尾道市から番組初の生放送スペシャル(ゲスト:井ノ原快彦)を予定していたが、本番組の放送時間帯に9月8日に死去したエリザベス2世の国葬がイギリス・ロンドンにて行われるのに伴い、前座番組『NHKニュース7』の放送枠を拡大することになったため、生放送スペシャルは中止となり、収録の上で同年10月10日(スポーツの日)に放映した[9][10][11]。生放送スペシャルは2024年2月12日(振替休日)に実現し、広島県府中市(ゲスト:ムロツヨシ)から行われた[12]。
2024年9月2日と9日はスタジオ司会を林田理沙が務め、25年ぶりに小野以外が担当した。
2024年9月16日(敬老の日)に、同年の能登半島地震の被災地である石川県輪島市から生放送スペシャルが放送された。ゲストは2015年に同市門前町を訪ねた常盤貴子。なお、9月23日(振替休日)10:05-11:30に予定された再放送は、9月21日にこの地域で豪雨災害が発生し、大雨特別警報の発令による緊急特別編成差し替えにより『土スタ』の代替放送(10:05-11:00。11:00-11:30は別編成)が行われることになり、編成の都合がつかなくなった関係で中止された。
初期は水曜日17時台に過去の回のリバイバル放送が行われていたが、首都圏はローカル情報番組のため、関西地区はローカル番組の再放送枠のため放送されなかった。
2006年度以降、以下の時間帯で定期的に再放送されているが、特別番組などにより放送休止の機会も少なくない。また、これ以外の時間帯に再放送される回もある。
2009年からNHKオンデマンド、2020年3月2日放送分からNHKプラスでも配信され(NHKオンデマンドの当初は放送後1週間程度、その後、10日程度、2週間程度と延びる)、インターネットで随時見られるようになった[注 7][17]。
2012年3月に、東日本大震災被災地での「再会編」を収録したDVDが発売された。震災以前にその場所を訪ねた回と併せて収録されている[18]。
2016年から、通常の再放送とは別に『鶴瓶のひとり旅スペシャル』と題して、過去の放送回のうち鶴瓶の登場するシーンのみを再編集した番組を放送している。
タイトル | 放送日時 | 備考 |
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鶴瓶のひとり旅スペシャル #1 | 2016年9月22日 1:15 - 2:00 | 2016年4月 - 5月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル #2 | 2017年3月20日 22:50 - 23:30 | 2016年5月 - 7月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル #3 | 2017年6月10日 16:15 - 17:00 | 2016年8月 - 12月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2017 #1 | 2017年8月12日 20:15 - 21:00 | 2017年1月 - 3月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2017 #2 | 2017年11月25日 8:45 - 9:30 | 2017年4月 - 7月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2017 #3 | 2018年3月21日 10:05 - 10:50 | 2017年7月 - 9月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2018 #1 | 2018年10月13日 17:15 - 18:00 | 2017年11月 - 2018年2月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2018 #2 | 2018年12月30日 18:05 - 18:50 | 2018年3月 - 6月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2018 #3 | 2019年3月18日 19:30 - 20:13 | 2018年7月 - 10月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2019 #1 | 2019年12月14日 17:15 - 17:58 | 2018年11月 - 2019年3月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2019 #2 | 2020年2月23日 17:10 - 17:52 | 2019年4月 - 7月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2019 #3 | 2020年3月22日 1:50 - 2:32 | 2019年8月 - 12月放送分から再編集 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 蔵出し映像編 | 2021年2月20日 3:25 - 4:07 | 番組開始以来の映像からの総集編 |
鶴瓶のひとり旅スペシャル 2020年上半期名場面集 | 2021年2月28日 12:15 - 12:56 | 2020年1月 - 5月放送分から再編集。井上知幸がプレゼンする |
2016年3月に開始した、地元で愛される一杯の料理を訪ねるコーナー。ナレーションは常盤貴子。2018年11月19日の常盤自身がゲストだった回は放送がなかった。
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