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番台区分(ばんだいくぶん)とは、物品などにシリアル番号を振る場合などにおいて、仕様の違うものに対して切りの良い番号に飛ばして付番し、区別・整理する手法のこと。番台は、番代や代と表記する場合もある。
ここでは、鉄道車両において同じ種類(形式番号)の車両を性能・設備などに応じて分けるための番号の区分、特に日本国有鉄道(国鉄)およびJR各社(四国旅客鉄道(JR四国)の一部の車両を除く)が保有する車両の番台区分について記述する。
鉄道車両には、一般に形式ごとに形式称号とは別の固有の車両番号(製造番号)が与えられており、通常は1から順に付番される(必ずしも落成順に与えられているとは限らない)。しかし、同形式の車両ではあるが細部が異なる仕様で製造されたり、改造により後天的に仕様に変化が生じる場合があり、管理上などの面で形式変更をせずにそれまでの車両と区別するため、区分する車両数(前後に既存番台がある場合はその車両数も)を考慮した切りのいい2 - 4桁程度の数字(10・100・1000など。末尾1から始める場合もある[1])から新たに振り直すという作業が行われることがある。これを番台区分といい、前記の例では、10番台・100番台・1000番台と呼ぶ。ただし、想定した車両数を上回る増備が行われ、すでにある別の区分番台に達してしまう場合には、既存の区分番台の後の切りのいい番号へ飛ばし続番として処理する場合もある[2]。
ただし、諸事情により本来別形式とすべきものが番台区分で整理されたり、その逆のケース、また、大幅な仕様変更が行われたり、全く別物に改造されたとしても、改形式や番台区分はおろか改番すら行われないケースもあり、番台区分が行われる基準に明確なものはない。
改番(付番)の手法についても、元番号に決まった千・百・十単位の数を足すことで仕様の違いを表す方法と、末尾0または1から番号を詰めて付番する方法がある。前者の方法は、あらかじめ仕様の変更が想定されているケースや、ある区分の全車が仕様変更の対象となっているケースなどに採られる場合が多く、元番号が容易に類推できるという長所があるが、欠番が生じやすいという短所がある。後者の方法では、欠番が生じにくいという長所があるのに対し、改番を伴う場合は、当初の製造順と無関係に新番号が付されることがあり、新旧の順番が番号の大小と一致しない(製造時期の新しいものが古いものより若番になるなど)という事態が生じる可能性があるという短所がある。いずれの方法も一長一短であり、どちらの方法を採るかについても、明確な基準があるわけではなく、同一形式中に両者が混在するケースもある。
日本の鉄道開業に際しては、イギリスの5社から10両の蒸気機関車が輸入されたが、これらに当初、形式は与えられず、1から10までの連番が与えられた。その後、東西に分かれて配置された機関車を奇数偶数に区分して付番されたりもしたが、形態の異なるものについても奇数または偶数の連番が付され、形式ごとに番号を分けることはなかった。しかし、形式数が多くなったり、同形式が数次にわたって増備されるようになると、同形式であっても番号が飛び飛びになったりして、両数の把握などに不便を生じるようになった。形式によって番号を区分する考え方は、1898年の鉄道作業局発足に伴ってアプト式機関車を500から、車軸配置2-4-2のタンク機関車を800からの連番に改番したのを嚆矢とする。その後、私鉄の国有化を受けて、1909年に実施された鉄道院の車両称号規程では、車両の形式の末尾を原則として0または5とし、その番号からオフセットして付番された。この方式は、番台区分の考え方を取り入れたものといえる。
貨車でも番台が区分されている場合があるが、国鉄時代に製造された車両は形式番号と製造番号が一体となった番号になっているため、番台の区分の仕方が他の車種と多少異なっている。例えば、改造方法によって形式数字の上位や下位に番台を区分する数字がつけられており、番台も形式番号を含めて呼ばれる[3]ことが多い。また、番台区分された車両の塗色を変更して見た目でも番台区分がわかるようにしている場合もある[4]。
私鉄の一部で使用されているいわゆる「インフレナンバー」(5桁の番号)を除けばたいていの番号は4桁の番台で大まかに区分できるため、1000や2000といった4桁の数字が用いられる場合が多い。これは、特に1つの形式が大量に製造される車両において、飛番の回避に有効である。
3桁では切りの良い500のほか、なるべく若い番号になるよう100や200などが主に使用される。これらは細部の仕様変更を表すものとして、4桁区分と組み合わせて使用することもある(1000+500→1500など)。
2桁はJR西日本キハ187系気動車の「10番台」や、同社のリニューアル車両の「50番台」(103系3500番台(播但線用)→103系3550番台(加古川線用)など)など、区分する形式内の車両数が少ない場合に用いられることが多い。
また、系列内に複数の形式がある新性能電車(新幹線を含む)や特急形気動車では、系列全体の仕様変更には4桁(千位)の数字、形式ごとの仕様変更には3桁(百位)の数字というような用い方をしている場合もある。
なお、国鉄およびJRでは車種ごとに特殊な使われ方をする番台区分がある。以下にその例(ただし、複数の系列・形式にまたがるものに限る)を示す。
主に以下のようなものが挙げられる。
国鉄485系電車などは以下の全ての項目に該当する。
全車種 7XY-xyzzとなり、編成組成内では下2桁は同じ番号になる。
千位の数字に着目すると大まかに以下のような区分になる。
連結位置や機器・設備・配線等で区別する。
例:16両編成(0番台 - 5000番台・9000番台)の場合。(N700S系の16両編成は以下と同じ番台を割り当て、形式は78xは74x・77xは73xと読み替える)
8両編成の7000番台・8000番台も、同一形式が2両以上組成されている場合は百位で区別し、1両のみ組成されている車両は0(7000・8000)番台のみとなっている。
JR東海313系電車の場合、1999年 - 2001年と2006年 - 2007年、2010年以降の三度に分けて投入されているが、2006年 - 2007年投入車は前者の増備車という位置づけでありながら製造期間に大きな空白があること、また使用線区が同社の在来線全電化区間に及んでいることなどから、機器・設備などに合わせて非常に細かな番台区分が行われている。
国鉄オハフ33形客車をその経緯によって区分した場合、下記のように区分することができる。
ここまでは構造がほぼ同一であるため連続付番されたが、車体構造が異なる630は番号を空けて区別された。
1960年代に入り客車列車の短編成化が行われたことから不足する緩急車をオハ35形の緩急車化改造[12]でまかなわれ、オハフ33形への改造時に装着されていた台車により下記のように区分された。
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廃車や他の番台区分へ改番などにより使用する車両が1両も無くなった番台区分を廃区分番台(はいくぶんばんだい)と呼ぶ。全ての車両が廃車となり番台区分も全て消滅すると廃形式(はいけいしき)となる。逆に全く新しい車両が造られて新しい形式が誕生すると新形式(しんけいしき)となり、量産化や追加新製・改造などで新たに登場した番台区分を新区分番台(しんくぶんばんだい)と呼ぶ。
日本の一般国道の国道番号は、旧一級国道は1号から、旧二級国道および級廃止以降の国道は101号からという番台区分がなされている。
書籍のISBNで、いくつかの出版社は書名記号に著者ごとの番台区分を採用している。たとえば、最終桁の前の数桁が著者番号となり、最終桁がその著者の著書内での枝番となる。著書が10冊を超えると新しい著者番号が割り振られる。
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