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2006年制作の日本のアニメ映画作品 ウィキペディアから
『時をかける少女』(ときをかけるしょうじょ)は、2006年7月15日に角川ヘラルド映画から公開された日本のSFアニメ映画。筒井康隆の同名の小説を原作としている。監督は細田守、アニメーション制作はマッドハウス。各国の映画祭などで多くの賞を受賞するなど、高い評価を受けた(#受賞参照)。キャッチコピーは「待ってられない 未来がある。」。
時をかける少女 | |
---|---|
The Girl Who Leapt Through Time | |
監督 | 細田守 |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
原作 | 筒井康隆 |
製作 |
渡邊隆史 齋藤優一郎 |
製作総指揮 | 角川歴彦 |
出演者 |
仲里依紗 石田卓也 板倉光隆 原沙知絵 谷村美月 垣内彩未 関戸優希 |
音楽 | 吉田潔 |
制作会社 | マッドハウス |
製作会社 | 「時をかける少女」製作委員会 |
配給 | 角川ヘラルド映画 |
公開 |
2006年7月15日 2006年8月8日 2006年11月19日 2007年3月9日 2007年6月14日 2007年7月4日 2007年8月23日 2007年3月3日 2007年5月15日 2010年11月24日 2012年7月3日 2025年1月11日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 2.6億円 |
筒井康隆の同名の小説『時をかける少女』が原作であるが、小説そのものの映画化ではなく、同じ世界を舞台に原作の出来事から約20年後の世界を描いた作品。原作の主人公であった芳山和子の姪である紺野真琴が主人公として繰り広げる青春ストーリー。テーマは「青春」そのもので、現実的に"今"を生きている女子高生の姿を描いている[1]。
主題歌には奥華子の楽曲「ガーネット」が起用された。当時の奥の担当プロデューサーが『時をかける少女』の予告編の音楽にレコーディングエンジニアとして参加していたことがきっかけで細田の手に奥のCDが渡り、主題歌制作のオファーが来た[2]。奥自身は「人生を変える出来事だった」と話している[2]。最初に作られたのは、挿入歌となった「変わらないもの」の方だった[2]。「自由に作ってください」という発注を受けた奥が映画のシナリオなどを読み込んで物語のキーとなる千昭をイメージして制作したが、細田の納得が得られず、そこから何曲もの書き直しをすることになった[3]。締め切りギリギリに細田から「映画を観終わったときに青空を見上げたくなるような曲にしてほしい」というリクエストをもらい、そこから着想を得て主題歌となる「ガーネット」が完成した[3][4]。
東京の下町にある倉野瀬高校2年生の紺野真琴は、医学部志望の津田功介、春に転校してきた間宮千昭という二人のクラスメイト男子と「遊び仲間」として親しく付き合っていた。
7月13日、真琴は偶然立ち入った密室の理科準備室で不審な人影を目撃する。その人物の姿を見ようとしたとき、なぜか真琴は転倒して不思議な空間に入る体験をする。そして気づいたときには誰もいない室内で倒れていた。そんな体験を千昭と功介に話したところ、千昭には笑われ功介には「頭は大丈夫か」と言われてしまう。二人と別れて帰宅する途中、真琴は自転車のブレーキが故障していることに気づく。必死に止めようとするが自転車は猛スピードで電車の接近する踏切に突入し、真琴は死を覚悟する。だが気がつくと彼女は坂道の途中で通行人と衝突しそうになって転んでおり、時計は少し前の時間に戻っていた。
パニック気味になった真琴は博物館に勤める叔母の芳山和子を訪れ、先ほどの体験を話すが「それはタイムリープといって、真琴の年頃の少女にはよくあることだ」と言われてしまう。和子の話に納得できない真琴だったが、帰宅後自らの意思で過去へのタイムリープを試みて成功する。味を占めた真琴はタイムリープを使って、抜き打ちテストでよい成績を収めたり、家庭科の調理実習で被ったトラブルの対象をクラスメイト・高瀬宋次郎に変えたり、カラオケを何時間も延長し続けたりするなど、自らのささやかな欲望を満たしていく。和子からは「真琴がいい目を見ている分、悪い目を見ている人がいるのでは」と忠告されるが、絶好調の真琴は全く意に介さなかった。
そんなある日、功介が部活の後輩・藤谷果穂から告白されたことをきっかけに、真琴は千昭から交際を持ちかけられる。突然の申し出に戸惑った真琴はタイムリープを使って千昭からの告白を「なかったこと」にして、彼を避けるようになる。和子からは「せっかく想いを伝えたのに千昭くんが可哀想」と指摘されるが、友人だった彼と恋人になる姿を想像できない真琴は、気持ちを受け止めることができなかった。一人モヤモヤした気持ちを抱えている真琴に対し、何も知らない親友の早川友梨はことあるごとに千昭の話題を持ち出し、彼のことを探ろうとする。
そしてある昼休み、体調が悪いからと自分とのランチを断った友梨が、千昭にお弁当を渡している姿を目撃してしまう。その後、何やら中庭が騒がしいため駆けつけると、調理実習のトラブルのためにクラスメイトと諍っていた高瀬が消火器を噴射して暴れていた。真琴は高瀬の暴行を止めようと声を掛けるが、逆上した彼から消火器を投げつけられてしまう。その瞬間、千昭が咄嗟に真琴をかばいに入り、消火器を頭に受けそうになる。真琴は千昭の怪我を防ぐためにタイムリープを使い、二人は無事に避けることができたが、壁にぶつかりバウンドした消火器が友梨の背中に当たって傷を負わせた。この一件がきっかけで友梨と交際することになった千昭に、真琴は複雑な表情を隠せない。二人の交際に対して内心面白くなかったものの、真琴はどうすることもできなかった。
加えて、果穂の友人二人から「功介とつきあっているのか」としつこく詰め寄られた真琴は、功介と果穂の間を取り持とうと7月13日まで戻って二人が話し合うきっかけを作った。うまくいったと自画自賛する真琴だったが、直後に功介はブレーキが故障していることを知らずに真琴の自転車を借りていく。真琴は事故を防ごうと通学路にある踏切に向かう。
踏切に着いたところで、何事もなかったと知り安心して歩き出したところで千昭から電話がかかってくる。告白の一件から千昭を避けていた真琴は、久しぶりに他愛のない話ができたことに喜んでいると、突然彼から「タイムリープしているだろう」と問われ、焦った真琴は思わずタイムリープでその会話をなかったことにしてしまい、その時点で真琴のタイムリープの使用回数は終わってしまう。つまらないことに最後の1回を使ってしまったと嘆く彼女の横を、自転車に乗った功介と果穂が走り去る。案の定ブレーキはきかず、真琴は二人を追いかけ転倒しながらも止まれと泣き叫ぶが、自転車は下り坂を暴走しながら遮断機の下りた踏切に突入してしまう。しかし真琴が再び目を開けると、時間は静止しており、目の前には真琴の自転車を押した千昭が立っていた。
戸惑う真琴に千昭は、自分が「未来から来た人間」であると語り、真琴のタイムリープ能力が「本来自分の持っていたもの」であること、事故の犠牲になった功介たちを助けるために自身の最後のタイムリープ能力を使ったことを真琴に打ち明ける。千昭は、「この時代の、この季節の、この場所」にしか所在の確認できない絵を見るために未来からやってきたのだと言う。その絵は和子が修復中の作品だった。未来に帰れなくなった千昭は「タイムリープを過去の人間に知らせてはならない」というルールを破ったからという理由で、真琴たちの前から姿を消してしまう。
翌日、「自主退学した」という千昭の話題で学校が騒然となる中、真琴は「(千昭が)大事なことを話してくれたのになかったことにしてしまった」と功介に話し、屋上で一人号泣する。塞ぎ込む真琴に和子は、高校の頃に好きになったある男性のことを離れてしまった今でもずっと待ち続けていると語り、自分と真琴は違う、待ち合わせに遅れてきた人がいたら走って迎えに行くのが真琴だと慰めた。
その夜、真琴は自身のタイムリープが1度だけ可能になっていることに気づく。千昭がタイムリープをしたため真琴が最後のタイムリープを使う前に戻ったことにより自らの能力が戻ったと察知した彼女は、未来に戻れなくなった彼を助けるため再び7月13日の理科準備室へ最後のタイムリープを行う。時間の流れの中で、真琴は千昭と出会ってから共に過ごした何気ない日々を思い返していた。
無事7月13日に戻った真琴は友梨に対し、千昭が好きだと告げる。真琴の気持ちに気づいていた友梨は一瞬動揺するが、親友の背中を押す。真琴は、千昭の元へ向かいつつ前回同様、功介と果穂の仲を取り持ち自分の自転車を使わないようにと伝え、一人でグラウンドへ行く。待っていた千昭の手首にまだタイムリープ能力が残っていることを確認した真琴は、タイムリープや未来の話は既に聞いていると話す。
真琴に全てを話してしまったことを後悔しながら未来に戻ることになった千昭のために、真琴は絵が未来でも必ず見られるようにすると約束する。別れ際になっても素直な気持ちを伝えることができない二人は、最後まで憎まれ口を叩き合う。千昭が去ったあと真琴は泣きじゃくるが、戻ってきた千昭が真琴を引き寄せ「未来で待ってる」と言葉を残す。真琴は笑って「すぐ行く、走っていく」と呟く。
時は経ち、千昭は表向きの理由として留学のために学校を退学していた。千昭の秘密を何も知らない功介は、千昭が何も言わずに退学したことについて腑に落ちない様子で真琴に不満を述べる。真琴は「(千昭は)やりたいことが決まったんだよ」と返し、「実は私もさ、やること決まったんだ」と続ける。ふと、真琴が空を仰ぐと晴天の青々とした空と入道雲がどこまでも広がっていた。そして、功介に向かってボールを投げたところで物語は幕を閉じる。
本作ではタイムリープ能力はクルミ形の装置を体に接触させて「チャージ」する設定[注釈 2]。可能な回数が痣のような形で肌に2桁の数字で表示される(残り回数が1回の場合は「01」)。真琴の場合、理科準備室で左腕(肘の上)に装置が触れ、その後は左腕にこの数字が表示されていた[注釈 3][注釈 4]。また真琴が「タイムリープ」の能力を発動するためには助走をつけてジャンプする必要があり[注釈 5]、跳躍先で勢いがついたまま転がり回るため、周囲の人間から訝しがられていた。タイムリープの存在を現代人に知らせることは「ルール違反」と千昭は説明しているが、未来人と関わった人間の記憶を消すという原作や1983年版映画での設定は本作では採用されていない。
千昭が真琴のタイムリープに気づいた経緯や理由は本編では説明がない。絵コンテにおいては、高瀬から「仕返し」を受けそうになった真琴がタイムリープでそれを防いだ際に「おまえ……、今…、ありえないことしなかったか…?」と話すカット(本編未使用)があり[8]、『時をかける少女 NOTEBOOK』には「ある事件の際、真琴が『タイムリープ』していると気づく」という本編描写にはない説明がされている[9]。
本作では千昭の未来世界の年代や素性は明確にされていない[注釈 6]。千昭は真琴に現代と未来世界との違いとして「川が地面を流れていること」「空の広さ」「人の多さ」「野球や自転車の存在」を挙げている。千昭が来訪した目的は絵画「白梅ニ椿菊図」(架空の作品)の実物を見ることで、この作品は和子の勤める博物館で修復中だったが、千昭は目にする機会なく未来に帰った。和子はこの作品が「何百年も前の大戦争と飢饉の時代」「世界が終わろうとしていたとき」に描かれたと真琴に説明しており、真琴は千昭に絵と未来世界の関係について尋ねたが千昭は答えなかった[注釈 7]。
キャラクター | 日本語版 | 英語版 |
---|---|---|
紺野真琴 | 仲里依紗 | Emily Hirst |
間宮千昭 | 石田卓也 | Andrew Francis |
津田功介 | 板倉光隆 | Alex Zahara |
芳山和子 | 原沙知絵 | Saffron Henderson |
藤谷果穂 | 谷村美月 | Natalie Walters |
早川友梨 | 垣内彩未 | Kristie Marsden |
紺野美雪 | 関戸優希 | Shannon Chan-Kent |
上杉盛子 | 横張しおり | タバサ・セント・ジェルマン |
野分析美 | 松岡そのか | Maryke Hendrikse |
福島 | 立木文彦 | Brian Dobson |
加藤 | 反田孝幸 | |
おばさん | 山本圭子 | |
老守衛 | 中村正 | |
高瀬宋次郎 | 松田洋治 | David Hurwitz |
真琴の父 | 桂歌若 | ブライアン・ドラモンド |
真琴の母 | 安藤みどり | Nicole Oliver |
監督の細田守がフリーになって初めて手掛けた劇場長編作品で、細田が演出を務めたテレビアニメ『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』第40話[注釈 8]を見た製作会社マッドハウス取締役(当時)の丸山正雄が、「筒井作品をアニメ化しないか」と持ち掛けて実現したもの[12][13][14][注釈 9]。当時、細田は所属していた東映アニメーションからスタジオジブリに出向して監督する予定だった『ハウルの動く城』を降板し、失意の中、会社を辞めて富山に戻って母親の介護をしながら別の仕事をしようと考えていた[15]。その細田に丸山が声をかけ、以降の全細田作品にプロデューサーとして関わり、後に共にスタジオ地図を設立することになるマッドハウスの齋藤優一郎を紹介して実際のプロデュースを任せた[14]。また丸山は制作にあたり、齋藤とは別にもう一人プロデューサーとして外部から角川書店でアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』の編集長を務めていた渡邊隆史を招いた[14][注釈 10]。
アニメ化については原作から大きく変更されているが、これは原作の面白さを伝えるためには今風の主人公を出すべきという細田の考えによるものである[16]。また、脚本の奥寺佐渡子と相談した結果、『時をかける少女』にある「SF」「恋愛」「青春」のうち原作が「SF」を、大林版『時をかける少女』が「恋愛」を描いているとの結論から、「青春」を描くことになった、とも述べている[12]。
作画上の特徴として、作画に影が用いられていないことが挙げられる。これは監督の細田自身の以前からのこだわりの1つであり[17]、通常のアニメ作品で顔や服に付けられる影が記号的に描かれて「アニメ度みたいなもの」が高くなる傾向を避ける(「アニメーションを見慣れていない人にも見やすく」する)ことを目的としている[18]。
作品を印象付ける青空を背景とした雲は、細田が美術監督の山本二三に「『天空の城ラピュタ』のあの雲を表現してほしい」と要望したもので[19]、それ以後、「二三雲」と言われるようになる[19]。
声優に関しては、フレッシュさを出すために[20]大部分は本職の声優ではなく、俳優やモデルなどから起用されており、高校生についてはその多くが現役高校生によって演じられている[21]。
作中の展覧会は、細田と大学時代の同級生で、現在は東京国立博物館で研究員を務める松嶋雅人がキュレーションしている。展示品は、「白梅ニ椿菊図」以外は、画面上ではっきり確認できないものも含めて実在する作品である。ほとんどが東博の所蔵品だが、「白梅ニ椿菊図」の向かって右横にある「隠岐配流図」だけはアメリカ・テキサス州のキンベル美術館の所蔵で、これは細田のリクエストによる[注釈 11]。また、細田は松嶋に作家名が不明なものを選ぶように依頼し、「隠岐配流図」の斜め前方にある「親指のマリア」(カルロ・ドルチ画)以外は、作者がはっきりしない作品で構成されている[23][注釈 12]。
当初、興行規模はミニシアター並みであり、上映館も発表当初は全国で6館のみという単館系作品の扱いだった[25][26]。宣伝規模も極めて小さく、テレビスポットを何度も打つような大々的な宣伝は行われず、マスコミ試写は数少ない一般試写とのジョイントのような形で行われただけでほとんど行われなかった[27][28]。しかし公開されるとインターネットなどによる口コミ効果により話題となり、徐々に動員数を増やしていった。メイン館だったテアトル新宿の公開後1か月を過ぎても連日立ち見が出る様子などが報道されると、配給会社の角川ヘラルド映画は急遽、上映館を増やすなど異例の対策をとった[28]。当時はフィルム方式での公開で、14本しかないフィルムを上映が終わった館から次の上映館へと使い回して各地で順次公開された[27][29]。最終的には40週間(約9カ月)のロングラン上映[注釈 13]、上映館は延べ100館以上、観客動員数18万人以上のヒットとなり、興行収入は2億6,439万円を記録した[26][27][30]。翌年発売されたDVDは出荷本数は約15万枚に達し、作品の質も高く評価され、国内外問わず数多くの映画祭や映画賞に招かれ、23の賞を受賞した[26][31]。
国際映画祭の出品に関連し、時をかける少女公式ブログで英語字幕の一部が閲覧できる。
発売・販売元は角川書店。
本作のDVDは日本では2007年4月20日に発売された。通常版とプレミアムエディション(限定版)があり、プレミアムエディションには特典ディスクが封入されている。Amazon.co.jpでの2007年ベストセラーランキングのDVDビデオ部門では第8位(プレミアムエディションのみ)だった[53]。また、レンタル版もリリースされているが、音声についてはセル版のみ5.1ch仕様で、レンタル版の音声はステレオとなっている[54]。アメリカ合衆国では2008年11月に発売された。
ブルーレイディスク版は日本では2008年7月25日に発売された。音声フォーマットはドルビー TrueHDの他に当時の日本製ブルーレイディスクソフトとしては数少なかったDTS-HDマスターオーディオを採用した作品である。
※地上波全国ネットのみ
回数 | 放送日時 | 放送局 | 放送枠 | 視聴率 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2007年7月21日 土曜 21:00 - 23:10 | フジテレビ系 | 土曜プレミアム | 12.2% | テレビ大分は遅れネット |
2 | 2008年7月19日 土曜 21:00 - 23:10 | 10.0% | |||
3 | 2009年8月11日 火曜 20:00 - 21:54 | 日本テレビ系 | 7.8% | 細田監督による特別編集版 | |
4 | 2015年7月17日 金曜 21:00 - 22:54 | 金曜ロードSHOW! | 13.4% | 『バケモノの子』公開記念
3週連続スペシャルの第3弾 | |
5 | 2018年7月20日 金曜 21:00 - 22:54 | 10.1% | 『未来のミライ』公開記念
夏は、アニ金《第1弾》細田守監督作品SP | ||
6 | 2022年7月1日 金曜 21:00 - 22:54 | 金曜ロードショー | 5.9% | 『竜とそばかすの姫』地上波初放送記念
2週連続細田守監督作品だったが翌週に安倍晋三銃撃殺人事件が発生したため『竜とそばかすの姫』が9月23日に延期 |
本作の主人公の紺野真琴は、アニメの登場人物として初めてアスキーのパソコン雑誌『週刊アスキー』(2006年8月15日号)の表紙を飾った[55][56]。
舞台のモデルの一つとなった東京国立博物館では、2014年10月に本作を夜間に野外上映する催しが行われた[57]。公開10周年となる2016年7月にも2日間企画されたが、うち1日については雨天のため、有料優先券購入者のみを対象とした館内上映となった[58]。野外上映がおこなわれた日は6500人を超える観客が集まり、日本における長編映画の野外上映では最大級の動員となったという[59]。さらに、2020年12月から2021年2月まで、ウェブ上の「バーチャル東京国立博物館」において作中で描かれた展覧会を再現する特別展「アノニマス―逸名の名画―」が実施された[60]。
作中に登場する「倉野瀬商友会」のからくり時計の付いたアーチは、新宿区の中井商友会が設置したアーチ(からくり時計はない)がモデルだったが、中井のアーチは老朽化により2022年に撤去された[61]。
当作は主題歌を担当した奥華子にとっても出世作の一つとなった。奥は自身のライブ・コンサートにて観客にアンケート用紙を書いて提出するよう求めることが多く、アンケート用紙の中に奥を知るきっかけになった経緯を尋ねる質問が設けられることがあり、その質問がある場合は選択欄に「『時をかける少女』関連」という選択項目が設けられている。[要出典]また、奥はこの作品を通じて細田およびスタジオ地図とは現在も交流があり、細田作品の新作が作られる度に公開前に新作を鑑賞させてもらっているという[注釈 16][出典無効]。また、大規模なライブ・コンサートを行う時はコンサート会場に花輪を贈呈されることもある[62]。
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