日本製鉄名古屋製鉄所
愛知県東海市にある製鉄所 ウィキペディアから
愛知県東海市にある製鉄所 ウィキペディアから
日本製鉄名古屋製鉄所(にっぽんせいてつなごやせいてつじょ)は、愛知県東海市東海町5-3[注釈 1]にある日本製鉄の製鉄所である。
名古屋港に面する愛知県東海市東海町5-3に所在する。敷地面積は約623万m²(約189万坪、東京ドーム130個分)、従業員数は3、246人となっている(2021年3月31日時点)[1]。高炉は2基あり、年間の粗鋼生産量は約600万トン(日本で第7位)。
中部地方唯一の銑鋼一貫製鉄所であり、トヨタ自動車など工業の街・中部を支えている。 2003年9月3日の爆発事故によって一時的に生産量が衰えた際には、自動車メーカーや機械類を製造する工場は生産ラインの一時停止や関西などからの緊急的な鉄鋼調達に追われた。
名古屋製鉄所の構内から名古屋臨海鉄道の名古屋南貨物駅へ続く専用線が存在する。この専用線は、コンテナによる製品の発送や、製鉄の副原料として使用される石灰石搬入のために使用されている[注釈 2]。
2010年1月、名古屋製鐵所から水質汚濁防止法で定められた基準(水素イオン濃度(pH)5〜9)を大幅に上回る高濃度のアルカリ水(pH 12.1〜12.3)が、名古屋港に漏出しているのが見つかった。同製鐵所の敷地内には、護岸ブロック付近で埋め立て材としてスラグ(鉱滓)が使われていたが、これが雨水などと混合してアルカリ化し、岸壁に入っていた亀裂から漏出した模様である。名古屋海上保安部は同年11月1日に、同製鐵所で水質検査などを担当していた男性社員ならびに新日鐵本社を同法違反容疑で書類送検した[2]。
名古屋製鐵所から製造過程で発生する鉄粉・粉塵により住宅や自動車などに被害があると東海市市民から非常に多くの苦情が発生している。人害への影響や公害・環境問題の観点からもこれはかなり深刻な問題だが、新日本製鐵や東海市はこれに対して未だに対策をしていない。
2014年1月17日、所内の自家発電所で電気系統が不具合を起こし停電が発生、この停電の影響でコークス炉ガスを次工程に送るためのガス排送関連設備についても停止したため、コークス炉ガスを無害化するためにコークス炉上で燃焼(燃焼放散)させ、その際大量に発煙する事故が起きた。さらに3日後、この事故の復旧過程で別の電気系統も過電流で不具合を起こし、同様にコークス炉ガスの燃焼放散を実施したため大量に発煙する事故が起きた。なお、いずれの事故も死者・負傷者は発生していない[3]。
2014年7月27日、4回目の停電が起き、再度黒煙が噴出[4]。
2014年9月3日に製鉄所内の第1コークス炉で、黒煙が上がり、いったん収まった後に爆発が発生し、15人が重軽傷を負う事故となった[4]。
2014年9月4日、愛知県警が業務上過失傷害容疑で実況見分を行った。同日、愛知労働局や愛知県防災局と環境部、総務省消防庁、東海市消防本部なども合同で立ち入り調査を行った[5]。
新日鉄住金では、2014年8月上旬に、東海市からの再発防止要請を受け、社外有識者を含めた一連の事故についての対策委員会を設置して、10月末をめどに再発防止策をまとめることになっていた[6][7][8]が、原因および再発防止策の発表は予定より約1ヶ月遅れの2014年11月25日にずれ込んだ[4]。
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