日本の貝塚一覧(にほんのかいづかいちらん)は、日本に所在する貝塚の一覧である。
青森県
2012年の文献によると青森県の貝塚は65ヶ所。縄文早期から前期のものが多く、分布は太平洋側に多いが、下北半島、陸奥湾沿岸、日本海側にも分布する[注 1][1]。
秋田県
日本海に面する秋田県内では確認された貝塚の数も少なく以下の通りである[2]。
- 柏子所貝塚(能代市)
- 菖蒲崎貝塚(由利本荘市)
- 新屋浜貝塚(秋田市)
- 角間崎貝塚(男鹿市)
- 萱刈沢貝塚(三種町)
- 女川貝塚(男鹿市)
- 児桜貝塚(秋田市)
- 落合貝塚(能代市)
- 土花貝塚(由利本荘市)[3]
岩手県
- 貝鳥貝塚(一関市)
- 長谷堂貝塚(大船渡市)
- 大洞貝塚(大船渡市)
- 田茂川貝塚(南三陸町)
- 中沢浜貝塚(陸前高田市)
- 下船渡貝塚(大船渡市)
- 崎山貝塚(宮古市)
- 宮野貝塚(大船渡市)
山形県
赤川の河川変更工事中現在の河口付近に出土したらしいが報告すると工期が遅れるため現在は川の底
宮城県
1989年の文献によると宮城県の貝塚は325ヶ所で、千葉県と茨城県についで多い[注 2][4]。
現代では海に面していない栃木県・群馬県・埼玉県にも縄文時代早期末から前期には海が入り込んでいた。(縄文海進)そのため、貝塚が存在する。[5]。
埼玉県
埼玉県には100ヶ所以上の貝塚がある。縄文海進でもっとも海面が高く奥東京湾が広がった縄文前期の物が多く、縄文中 - 後期の貝塚は前期よりは少なくなる[6]。国指定史跡となっている貝塚も4つある。
- 花積貝塚(春日部市)
- 神明貝塚(〃)(国指定史跡)
- 側ヶ谷戸貝塚(さいたま市西区)
- 円阿弥貝塚(さいたま市中央区)
- 大戸貝塚(〃)
- 日向貝塚(さいたま市桜区)
- 別所真福寺貝塚(さいたま市南区)
- 白幡貝塚(〃)
- 大谷場貝塚(〃)
- 大谷場東貝塚(〃)
- 太田窪貝塚(〃)
- 井沼方貝塚(さいたま市緑区)
- 馬場小室貝塚(〃)
- 北宿貝塚(〃)
- 山崎貝塚(〃)
- 大古里貝塚(〃)
- 南中丸貝塚(さいたま市見沼区)
- 中川貝塚(〃)
- 篠山貝塚(〃)
- 八雲貝塚(〃)
- 代山貝塚(〃)
- 真福寺貝塚(さいたま市岩槻区)(国指定史跡)
- 小谷場貝塚(川口市)
- 安行猿貝貝塚(〃)
- 新郷貝塚(〃)
- 関山貝塚(蓮田市)
- 黒浜貝塚(〃)(国指定史跡)
- 小仙波貝塚(川越市)
- 寺尾貝塚(川越市)
- 水子貝塚(富士見市)((国指定史跡)
- 上福岡貝塚(ふじみ野市)
- 栄光院貝塚(松伏町)
- 吹上貝塚(和光市)
千葉県
千葉県にはおよそ700ヶ所もの貝塚があり(近接している貝塚群を1つと数えるか複数で数えるかでも変わってくる)、日本の貝塚のおよそ1/4が千葉県にある[7][8]。千葉県では12の貝塚が国指定史跡になっている。
- 野田貝塚(野田市)(県指定史跡)
- 山崎貝塚(野田市)(国指定史跡)
- 堀之内貝塚(市川市)(国指定史跡)
- 姥山貝塚(市川市)(国指定史跡)
- 曽谷貝塚(市川市)(国指定史跡)
- 取掛西貝塚(船橋市)
- 飛ノ台貝塚(船橋市)
- 藤崎堀込貝塚(習志野市)(県指定史跡)
- 加曽利貝塚(千葉市若葉区)(国の特別史跡)
- 荒屋敷貝塚(千葉市若葉区)(国指定史跡)
- 花輪貝塚(千葉市若葉区)(国指定史跡)
- 東寺山貝塚(千葉市若葉区)(県指定史跡)
- 月ノ木貝塚(千葉市中央区)(国指定史跡)
- 犢橋貝塚(千葉市花見川区)(国指定史跡)
- 園生貝塚(千葉市稲毛区)
- 長谷部貝塚(千葉市緑区)(県指定史跡)
- 上座貝塚(佐倉市)(県指定史跡)
- 山野貝塚(袖ヶ浦市)(国指定史跡)
- 阿玉台貝塚(香取市)(国指定史跡)
- 良文貝塚(香取市)(国指定史跡)
- 下小野貝塚(香取市)(県指定史跡)
- 西の城貝塚(神崎町)(県指定史跡)
- 余山貝塚(銚子市)
- 山武姥山貝塚(横芝光町)
- 鉈切洞穴(館山市)(県指定史跡)
東京都
東京にはおよそ100ヶ所ほどの貝塚があるが、開発で湮滅し詳細不明な貝塚も少なくない
神奈川県
神奈川県立歴史博物館編集『神奈川県貝塚地名表』2008年によると、神奈川県内には小規模な痕跡や歴史時代の物まで含めて292ヶ所の貝塚があるとされている。神奈川の貝塚は特に横浜・川崎に多いが、三浦半島や湘南・西湘にも分布する。
新潟県
- 刈羽貝塚(佐渡市)
- 藤塚貝塚(佐渡市)
- 轟貝塚 (新潟県)(新発田市)
福岡県
遠賀川流域、糸島半島沿岸を中心に貝塚が点在する。
遠賀川流域
糸島半島
- 元岡瓜尾貝塚(福岡市)
- 飛櫛貝塚(福岡市)
- 天神山貝塚(糸島市)
鹿児島県
- 宇宿貝塚
- 市来貝塚
- 柊原貝塚
- 宮坂貝塚
- 高橋貝塚
- 兼久貝塚
- 犬田布貝塚
- 面縄貝塚
沖縄県
- 伊波貝塚(うるま市)
- 室川貝塚(沖縄市)
- 平川貝塚(石垣市)
- 荻堂貝塚(北中城村)
- 大山貝塚(宜野湾市)
- 米須貝塚(糸満市)
注釈
青森県では65ヶ所の貝塚のほかに、貝塚とはいえないが出土品のなかに貝が混ざっている遺跡は58ヶ所ある。青森県の貝塚は縄文早期から前期の物が多く、縄文中期には少なくなり、縄文後期には見られなくなる。弥生時代以降の貝塚も少数見つかっている。-出典は福田友之『青森県の貝塚』北方新社、2012年、pp.7-12
宮城県の貝塚325ヶ所(1989年時点)のうちで縄文時代の物が211ヶ所、弥生時代のものが14ヶ所、古墳時代が5、奈良平安時代が110ヶ所、中近世のものが12ヶ所である。ただし貝塚の時代は複数の時代にまたがって形成されているものがあるので合計の数はあわない。地域では三陸沿岸、北上川中流域、阿武隈川流域、仙台湾沿岸の4群に分けられる。縄文時代は海面が現代より高かったので北上川沿岸の内陸地域である栗原市や登米市にも貝塚はある。-出典は東北歴史資料館『宮城県の貝塚』1989年、pp.1-3
出典
福田友之『青森県の貝塚』北方新社、2012年、pp.7-12
秋田市教育委員会『児桜貝塚』、1965年、p.14。
東北歴史資料館『宮城県の貝塚』1989年、pp.1-3
埼玉県立博物館『さいたまの海 : 縄文人からの伝言 特別展』1990年、p.31
埼玉県立博物館『さいたまの海 : 縄文人からの伝言 特別展』1990年、pp.31-54