愛してナイト

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愛してナイト』(あいしてナイト)は、多田かおるによる日本漫画作品。また、これを原作とした同名のテレビアニメ、および実写版。

概要 愛してナイト, 漫画 ...
愛してナイト
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漫画
作者 多田かおる
出版社 集英社
掲載誌 別冊マーガレット
アニメ
原作 多田かおる
シリーズディレクター 葛西治
キャラクターデザイン 山口泰弘
音楽 青木望
アニメーション制作 東映動画
製作 テレビ朝日東映
東映エージエンシー
放送局 テレビ朝日系
放送期間 1983年3月1日 - 1984年1月24日
話数 全42話
小説
著者 馬嶋満
出版社 集英社
レーベル コバルト文庫
巻数 全3巻
ドラマ
監督 大江利哉
配信サイト Yahoo! JAPAN
配信期間 2004年 -
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメライトノベル
ポータル 漫画アニメ文学ドラマ
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原作漫画

要約
視点

関西を舞台に、お好み焼屋「まんぼう」の一人娘・"やっこ"こと三田村八重子とロックシンガー・加藤剛の乙女チックな明るい恋物語を描く。『別冊マーガレット』(集英社)で連載された。

「愛してナイト」というタイトルは、MBSの深夜ラジオ「ヤングタウン」がきっかけとなっている。この「ヤングタウン」の月曜日のコーナー(パーソナリティーは笑福亭鶴瓶中村行延ら)で、リスナーから詞を送ってもらい、シンガーソングライターである中村が曲をつけて番組内で発表するというコーナーがあり、そこで採用された歌詞のひとつが「愛してナイト」だった[1]。著者と鶴瓶は知り合いだったため、新連載の際にこのタイトルを頂戴したのだという。

登場人物

登場人物の名前は、時代劇俳優をもじったものになっている。

三田村 八重子
主人公。お好み焼き屋・まんぼうの看板娘で、「やっこちゃん」と呼ばれ、周囲の誰からも親しまれている。心優しく、天真爛漫だが意地っ張りなところがあり、剛と恋仲になってからも、紆余曲折を繰り返す。
そそっかしいのか、皿を割ったり、返し損ねたお好み焼きを剛や里見にぶつけたりと不器用な一面が目立つが、店の手伝いを積極的にこなす孝行娘であり、親一人子一人で育ったためか、なんやかんやいいながらも口うるさい父との絆も強い。
昼間は店に出ているため、夜間大学の英文科(剛と同じ大学・アニメでは定時制高校)に通っている。物語当初はアメリカでお好み焼き屋を開くのが夢だった。
このやっこちゃんをめぐり、さまざまな男たちが愛憎劇を繰り広げるというのがストーリーの骨子である。見た目こそ派手ではないが、妙に男の気を引くタイプらしい。
加藤 剛
大学生。ロックバンド「ビーハイヴ」のボーカリスト。最初は意識しないながらも、少しずつ純粋で一途なやっこに惹かれていく。白黒マンガではいまひとつわかりづらいが、髪の色は前面が真っ赤でそれ以外は金髪というかなりパンクな髪型をしている(しかしビーハイヴはパンクバンドではない)。
加藤 橋蔵
剛の腹違いの弟で、本名は英樹。就学前の児童。パーマのかかった青い髪が特徴。やっこと剛を恋人同士にさせるために、里美を遠ざけようとするなど、けなげにもあの手この手で作戦を仕掛ける。
ジュリアーノ
剛が飼っている猫で、いつも橋蔵と行動を共にしており、橋蔵が抱きかかえると前が見えなくなるくらいのデブ猫である。鳴き声が「ふみ〜」と「ぶみ〜」しか言わない。目つきが悪く、ふてぶてしい。特に女性に懐くことは滅多にない。お好み焼きの『ぶた玉』が好物。
八重子の父(三田村 しげまろ)
お好み焼き屋・まんぼう店主。口は悪いが一人娘のやっこを溺愛しており、悪い虫が寄り付かないよう常にやっこを監視している。人情的な話をされると、無理な頼みも断れなくなってしまう性格である。
大川 里美
剛の高校時代からの親友でロックバンド「ビーハイヴ」のキーボーディスト。愛称は「サミー」。見た目は女性よりも色っぽく、あらゆる楽器を弾きこなし、初期ではピアノ講師のアルバイトもやっていた。剛とならぶ人気者。剛と知り合うずっと以前からやっこに一目惚れして、まんぼうに通い詰めていたが、八重子の父がロック嫌いだったため、オカマバーに務めていると嘘をついていた。剛とやっこの急接近をよく思っておらず、先に告白し、一度はやっこと交際に至るが、剛への想いを知って、身を引く。
藤木
東野 英次
ギタリスト。いつもサングラスをかけており、強面風だったが、実はかわいい顔をしており、涙もろい。剛にフラれた五十鈴を慰めているうちに意気投合し、部屋に押しかけてきた五十鈴にプロポーズし、結婚する。
梶原 芽衣子
高校生。「ビーハイヴ」のおっかけ。
東野(藤田) 五十鈴
やっこの親友。地味なやっことは裏腹に派手で美人。「ビーハイヴ」の大ファン。剛に惹かれ、里美の恋人になったやっこを利用して、自分も剛の恋人になろうと目論むが、二人が惹かれあっていることにショックを受ける。その上でやっこの人のいい性格を見越して、風邪を引いたと嘘をつき、剛に見舞いに来てもらうが、きっぱりとフラれる。
その後、東野に慰めてもらっているうちに意気投合し、電撃的にプロポーズされ、結婚に至る。
ベーシスト。最年長かつ皆のまとめ役。父親が倒れたのを皮切りに実家の呉服店を継ぐ決意をし、バンドから脱退する。屈指の実力者であったため、抜けた穴は大きく、剛たちは苦悩することとなる。
北大路良太郎

テレビアニメ

要約
視点

1983年3月1日から1984年1月24日まで火曜日19:30から20:00の時間帯においてテレビ朝日系で放送。全42話。

原作漫画は関西が舞台であったが、アニメ版は東京を舞台に変えられて設定された。本放送中期以降、エンドテロップ代わりに「やっこの恋占い」と称し、やっこ(堀江美都子)が「○○座のあなた、今週は…」と星座占いを紹介するコーナーが挿入された。

テレビ朝日の火曜19時30分枠でアニメが放送されるのは、1979年3月27日終了の『星の王子さま プチ・プランス』(朝日放送制作)以来4年振り、テレビ朝日制作作品は、1975年3月18日まで放送していた『カリメロ』(第1作。4月以降は30分繰上げ)以来8年振りだが、『カリメロ』は日伊合作作品であるため、純国産では1965年8月31日終了の『少年忍者風のフジ丸』以来、実に18年振りである。

声の出演

三田村 八重子
- 堀江美都子
加藤 剛
声 - 佐々木功
ささきは劇中の歌唱場面では歌っていない。これは、ささき自身がアニソン歌手・またはロカビリー歌手というイメージがあることや、ささき自身の歌声が演じた剛自身に似つかない所があること、ささき自身が固辞した為ではないかと言われる[誰に?]。劇中ではアイ高野が歌唱している。
加藤 橋蔵
声 - 三田ゆう子
ジュリアーノ
声 - 雨森雅司(第1話-第38話) → 兼本新吾(第39話-第42話)
初代声優の雨森雅司は、近所の親父役も演じて2役をこなしていたが、中途で降板、番組終了後の3カ月後に肝硬変で急死し、この作品が遺作となった。
八重子の父(三田村 しげまろ)
声 - 青野武
舞台設定が関西から東京に変更されたため、べらんめえ口調の江戸っ子堅気のキャラクターになっている。口癖は「車とわけえ男には気をつけろよ!!」。
大川 里美
声 - 森功至
最も設定が異なっているキャラクターの一人。大富豪の御曹司であり、赤のスポーツカーを乗り回したり、やっこに薔薇の花束を届けるなどしている。
藤木
声 - 麦人
東野 英次
声 - 塩沢兼人
梶原 芽衣子
声 - 川島千代子
藤田 五十鈴
声 - 間嶋里美
声 - 堀秀行(第10話)→小林通孝(第13話以降)

スタッフ

主題歌

「恋は突然」
堀江美都子によるオープニングテーマ。作詞は藤公之介、作曲は小田裕一郎、編曲は久石譲
「ぼくのジュリアーノ」
平塚たかあきによるエンディングテーマ。作詞は藤公之介、作曲は小田裕一郎、編曲は久石譲。
挿入歌レコードとして、劇中で剛が所属する架空のロックグループ「ビーハイヴ」名義で「FIRE」、「FREE WAY」が実際に発売された。メインボーカルはアイ高野が担当。「アイ高野とビーハイヴ」はこの後LPを2枚発表する。「アイ高野とビーハイヴ」には、茶々丸こと藤村幸宏も在籍していた。また、『おもしろクイズBOX』で「恋は突然」のフレーズが流れた。
オープニングの、画面左から橋蔵、やっこちゃん、ジュリアーノが並んで歩く冒頭場面で、第6話までは足の動きがあとずさりするような動きだったが、第7話のオープニングからは自然な動きのものに修正された。

各話リスト

さらに見る 話数, 初回放送日 ...
話数初回放送日サブタイトル脚本(絵コンテ)
演出
作画監督美術
11983年
3月1日
坊やと猫とキザな奴馬嶋満葛西治山口泰弘田中資幸
23月8日女嫌いのジュリアーノ福島和美笠原彰勝井和子
33月15日キッスはまだ早い西沢信孝
吉沢孝男
福地信之田中資幸
43月22日めぐりあいロックンロール八沖繁男冨沢雄三勝井和子
53月29日剛とやっこの結婚人形葛西治野田拓実池田祐二
64月5日真夜中のプラトニック・ラブ富田祐弘福島和美小室常夫
74月12日乙女チックな三角関係馬嶋満正延宏三笠原彰勝井和子
84月19日忘れ物ラブソング芹川有吾山口泰弘池田祐二
94月26日カン違いのキッス富田祐弘八沖繁男冨沢雄三勝井和子
105月3日愛のバースデー・プレゼント馬嶋満福島和美荒木伸吾池田祐二
115月10日さよなら剛さん葛西治福地信之田中資幸
125月17日恋のジグソーパズル富田祐弘正延宏三笠原彰勝井和子
135月24日悲しみのフリーウェイ馬嶋満芹川有吾荒木伸吾池田祐二
145月31日愛と別れのノクターン八沖繁男富沢雄三勝井和子
156月7日さらわれた橋蔵ちゃん福島和美荒木伸吾池田祐二
166月14日ずぶ濡れロックンロール葛西治山口泰弘伊藤英治
176月21日男一匹ジュリアーノ富田祐弘正延宏三笠原彰勝井和子
186月28日やっこ虹色のスキャット馬嶋満芹川有吾荒木伸吾池田祐二
197月5日橋蔵ちゃんの誕生日富田祐弘八沖繁男富沢雄三勝井和子
207月12日夜ふけのロンリー坊や馬嶋満福島和美福地信之宮前光春
217月19日GO!剛!ビーハイヴ葛西治山口泰弘伊藤英治
227月26日夜明けのロングビーチ富田祐弘正延宏三笠原彰勝井和子
238月2日白樺林の熱いキッス馬嶋満芹川有吾荒木伸吾池田祐二
248月9日嵐の中のデュエット腰繁男笠原彰勝井和子
258月16日夏祭りのサンバ富田祐弘(葛西治)
貝沢幸男
永木龍博池田祐二
268月23日湖畔の熱いヴォーカル馬嶋満正延宏三笠原彰勝井和子
278月30日恋のインターチェンジ葛西治山口泰弘山本善之
289月6日やっこのファースト・キッス八沖繁男笠原彰勝井和子
299月13日ベイビー・アイラブユー(福島和美)
貝沢幸男
荒木伸吾田中資幸
309月20日星空のラブコール腰繁男笠原彰勝井和子
319月27日帰ってきた結婚人形芹川有吾永木龍博伊藤英治
3210月11日愛と哀しみのウェディング田村多津夫腰繁男多賀かずひろ勝井和子
3311月1日ひとりぼっちのマイハート葛西治山口泰弘伊藤英治
3411月8日別れのプレリュード馬嶋満腰繁男笠原彰勝井和子
3511月22日こわれたリズムボックス芹川有吾荒木伸吾伊藤英治
3611月29日愛の炎・ファイヤー田村多津夫(西沢信孝)
腰繁男
笠原彰勝井和子
3712月6日パリからの子守唄馬嶋満葛西治永木龍博伊藤英治
3812月13日小さな星のメロディー腰繁男笠原彰勝井和子
3912月20日ちびっこ天使のロック芹川有吾山口泰弘伊藤英治
401984年
1月10日
雪色のバラード腰繁男笠原彰勝井和子
411月17日恋人たちのコンチェルト貝沢幸男荒木伸吾伊藤英治
421月24日ウェディングベルは剛さんと(葛西治)
腰繁男
笠原彰勝井和子
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ネット局

放送系列は放送当時のもの。新潟テレビ21を除く放送日時は個別に出典が掲示されているものを除き、1983年9月中旬 - 10月上旬時点のものとする[2]

さらに見る 放送対象地域, 放送局 ...
放送対象地域放送局放送系列放送期間放送日時備考
関東広域圏テレビ朝日テレビ朝日系列1983年3月1日 - 1984年1月24日火曜 19:30 - 20:00
(同時ネット)
制作局
北海道北海道テレビ放送
宮城県東日本放送
福島県福島放送
静岡県静岡けんみんテレビ現・静岡朝日テレビ
中京広域圏名古屋放送現・名古屋テレビ放送、通称・メーテレ
近畿広域圏朝日放送現・朝日放送テレビ
広島県広島ホームテレビ
香川県
岡山県
瀬戸内海放送
福岡県九州朝日放送
鹿児島県鹿児島放送
長野県テレビ信州日本テレビ系列
テレビ朝日系列
新潟県新潟テレビ21[3]テレビ朝日系列1983年10月11日 - 1984年1月24日第32話より放送開始。
山形県山形放送日本テレビ系列
テレビ朝日系列
水曜 16:30 - 17:00
富山県北日本放送日本テレビ系列1983年4月27日 - 1984年2月29日[4]水曜 17:30 - 18:00
石川県石川テレビフジテレビ系列1984年4月17日 - 6月19日[5]月曜 - 金曜 16:55 - 17:25本放送終了後に放送
福井県福井放送日本テレビ系列1983年3月11日 - 1984年1月27日[6]金曜 17:00 - 17:30
山梨県テレビ山梨TBS系列日曜 7:05 - 7:35[7]
鳥取県島根県日本海テレビ日本テレビ系列本放送終了後の1995年に放送月曜 - 木曜 16:00 - 16:30[8]
山口県山口放送日本テレビ系列
テレビ朝日系列
土曜 17:00 - 17:30
長崎県長崎放送TBS系列水曜 17:20 - 17:50[9]
宮崎県宮崎放送木曜 17:25 - 17:55
沖縄県沖縄テレビフジテレビ系列金曜 17:30 - 18:00[9]本放送終了後に放送
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ドラマ

イタリア版

1986年から1988年にかけて、イタリア国内で本作品を翻案したテレビドラマシリーズが放映された。1985年に放映されたアニメ版がヒットした後、イタリアでは続編を求める声がテレビ局に殺到。しかし日本では第2シーズンを作る計画は無かったため、制作元の許諾を得た上で続編として独自に実写ドラマを製作した経緯がある。これもイタリアでヒットし、第4シーズンまで作られる人気作となった。

舞台となるお好み焼き屋は『Polpette』(ポルペッテ、ミートボールのこと)の食堂という設定に変更されているが、やっこちゃんの父親は原作と同じ格好をしている。しかし、かっぽう着が理解できていないため、これに代えて妙なフリルつきの白衣を着た格好になっている。

「Licia」の名前で分かるとおり登場人物の名前はアニメのイタリア放映版と同様に変更されており、やっこちゃんの父は「Marrabbio」(マッラッビオ、怒るの意)となっている。主人公リーチャ(やっこちゃん)役は、イタリアのアニソン女王として知られるクリスティーナ・ダヴェーナが演じた。本来歌手である彼女の女優デビュー作である。

国内版

ネットシネマとして2004年にドラマ化された。全12話[10]

小説

1983年7月から集英社コバルト文庫シリーズにて全3冊が刊行。著者はテレビアニメ版も担当の脚本家・馬嶋満。内容は、舞台が東京である、橋蔵の髪の毛が藍色など、アニメ版の設定でのノベライズ。

関連項目

脚注

外部リンク

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