国道439号
徳島県から高知県に至る一般国道 ウィキペディアから
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徳島県から高知県に至る一般国道 ウィキペディアから
国道439号(こくどう439ごう)は、徳島県徳島市から高知県四万十市に至る一般国道である。
四国山地に沿って四国地方の中山間地域を東西に縦貫する道路で、総延長は346.0 kmあり、四国の国道では2番目に長い路線である[注釈 1]。主な通過地は起点・徳島市の徳島本町交差点より、剣山、徳島・高知県境の京柱峠、高知県大豊町、仁淀川町、杓子峠を経て、終点・四万十市の国道56号交点に至る。交差する国道のほとんどが四国を縦断するかたちをとるため、各国道同士を連絡する道路としても利用されている。国道439号の数字語呂合わせで「ヨサク(与作)」の俗称がある[1][2]。
起点・徳島市から三好市の剣山までの徳島県内の約80 km区間は、他路線である国道192号・国道438号と重複するため、国道439号が最上位となる区間は剣山以西になる[注釈 2][1][3]。
四国きっての「酷道」として知られ[1]、実態は一部の他国道との重複区間や改良済区間を除く大部分の区間は、対面通行不可能な隘路区間が多い[4]。酷道の代表格として古くからバイク雑誌で「ヨサク」の名で頻繁に紹介されるなど、その知名度は酷道ナンバーワンとも評され[2]、酷道愛好家らのあいだでは日本三大酷道のひとつに数えられている[5]。酷道としては珍しくテレビ番組で特集されることもあり、『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』や『ドキュメント72時間』で特集された実績がある。
また、近年ではその過酷な路線状況を逆手にとった自転車イベント「ツールドにし阿波」が開催されており、開催日である5月上旬は多くの人で賑わう。
一般国道の路線を指定する政令[6][注釈 3]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
徳島県徳島市から剣山までは国道438号と重複している[5]。剣山以西は、国道438号より分岐して国道439号の単独区間となる[注釈 12]。
地図の上では、四国内陸部を袈裟懸けに短絡する道路のように見えるが、起点 - 四国霊場第12番・焼山寺への参道に当たる神山町内の区間(国道438号と重複)、大杉駅(大豊町)付近の国道32号から吉野川沿いに西進して本山町、土佐町を越え国道33号に至る区間を除けば、ほとんどが乗用車1台分の道幅、つまり2.5 m程度しかなく、いわゆる「酷道」と呼ばれる未改良道路である。一般的に言われる悪路であるほか、路面を覆うコケや落ち葉、もろい崖などが通行条件の悪い酷道の要素を持っている[11]。少しずつではあるが各所で改良工事、防災工事が実施されており、全面通行止、時間規制による通行止や重量・幅員制限が実施されていることが多い[12]。
高知県と徳島県境の京柱峠、徳島県コリトリ - 見ノ越(国道438号との重複区間)は冬季閉鎖される。 京柱峠は、羊腸の小径(こみち)と形容されるほどの国道439号きっての難所で[注釈 13]、路面のアスファルトが剥がれた舗装路、うっそうとしたスギ林の中に続く山肌に張り付くようなガードレール無しの隘路、見通しのきかないカーブ道など、通行するにはさまざまな危険要素が重なっている[13]。
高知県大豊町の国道32号分岐から吾川郡仁淀川町の国道33号交点までは、バイパス道路の整備や拡幅改良された2車線の快走路である[5]。仁淀川町の国道33号分岐を過ぎて、仁淀川町と高岡郡津野町にまたがる矢筈トンネルの前後には山肌に張り付くような1 - 1.5車線の狭隘路が残り、離合不能区間が点在している[14]。
津野町の国道197号重複区間分岐から四万十町・四万十市にかけてカーブが連続する狭隘路が続き、特に杓子峠は1車線の山岳路で、落石防止対策やガードレールが未整備な箇所が多い[15]。杓子峠から山を下りたところから四万十市中村市街地まで、整備された2車線の快走路が続く[15]。
“酷道”としてテレビ番組で取り扱われたこともあり、東野・岡村の旅猿では四国酷道走破の旅として国道439号を観光しながら走破するという内容が、ドキュメント20min.では2010年9月6日に酷道にとりつかれたマニアを追ったドキュメンタリー『“酷道”439号』が、2015年7月4日に土曜スペシャル「知られざる国道の旅3」が、2016年6月3日にNHKドキュメント72時間『ゆきゆきて 酷道439』がそれぞれ放送された。
国道438号との重複区間になるが、徳島県美馬市の国道492号との分岐点交差点は、山の中にある小さな交差点で、全国の国道の中でも最も寂しい場所とも評されている[1]。深い山林の中を延々と走り抜けて、いくつかの峠を越えていく地形の険しい地域内の道路であるが、徳島・高知県境の京柱峠(標高1,133 m)は、徳島側・高知側のどちらの絶景をも見ることができ[13]、国道439号の中でも特に展望の良い場所で知られる[1]。京柱峠の東には、西日本第2の標高1,955 mを誇る剣山があり、その北方の鞍部であり沿線最高地点でもある見ノ越(標高1,410 m)を越えてゆくほか[5]、西にある高知県四万十町 - 四万十市境にある、酷道区間としても知られる杓子峠を越えてゆくなど、国道439号が越えていく四国山地の峠の数は多い[2]。沿道には、剣山、奥祖谷の「かずら橋」や観光周遊モノレール、京柱峠や、安徳天皇御陵墓参考地「鞠ケ奈呂陵墓」など平家ゆかりの観光名所が点在し、平家の落人伝承のルートとの見方もされている[2]。沿線の高知県本山町・土佐町の吉野川源流域には、「四国のいのち」ともよばれる1975年完成の早明浦ダムがある[5]。
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