株式会社九十九島グループ(くじゅうくしまグループ、英文社名:Kujukushima Group Co.,Ltd)は、長崎県佐世保市に本社を置く製菓会社である。
1948年(昭和23年)3月に長崎県佐世保市で菓子製造及び販売業を創業し[1]、1949年(昭和24年)に通常の煎餅よりも砂糖の混合比率を高めた状態で型を使って焼くことが可能となる技術を開発した[2]。
この技術を活かして、小麦の1.9倍の砂糖を入れた生地にピーナツを混ぜ合わせ、従来の煎餅では出せなかった甘みとピーナツの香りのある独特の煎餅を作ることが出来た[2]。
この煎餅に散りばめられたピーナツを九十九島に見立てた[3]『九十九島せんぺい』として発売し[2]、
登録商標にも地名を取り込んで[2]、
1952年(昭和27年)11月に九十九島せんぺい本舗に屋号を変更した[1]。
会社自体は1972年(昭和47年)に寿製菓株式会社(現・寿スピリッツ株式会社)の子会社である株式会社コトブキ(のちに北陸寿となる)として設立され、2005年(平成17年)に経営不振により破綻した九十九島エスケイファーム他3社からなる旧九十九島グループから菓子の製造・販売事業を譲り受けた際、現在の社名となった経緯がある。事業の譲受価格は6億9000万円[4]。
2013年よりフレンチトースト専門店『Ivorish』を福岡県に出店し、飲食業に進出。2018年には同社が運営する初の海外店舗となる「Ivorish台中店」を台湾・台中市に出店している。
九十九島せんぺい本舗 → 九十九島エスケイファーム(旧九十九島グループ)
- 本社
- 長崎県佐世保市日宇町2566
- 佐世保営業所
- 長崎県佐世保市卸本町20-10
- 長崎営業所
- 長崎県長崎市出来大工町23
- 福岡事業所
- 福岡県福岡市中央区那の津3丁目13-6
- 新事業本部
- 東京都港区北青山1丁目2-7
工場所在地
- 日宇工場
- 長崎県佐世保市日宇町2566
- 黒髪工場
- 長崎県佐世保市黒髪町9-15
- 福岡工場
- 福岡県福岡市中央区那の津3丁目12-10
- 主要商品である「九十九島せんぺい」を販売。店舗は長崎県佐世保市にある1店舗のみ(赤い風船の店舗も兼ねている[広報 13])。
- 上記九十九島せんぺいの贈答サービス。名前は「贈り物・祝儀」「縁起のいい六角形」を意味する「禄」(ろく)と「結び」を合わせた造語[広報 14]。九十九島せんぺいに書く文字をオーダーメイドで指定できる他、専用のパッケージやオリジナル掛け紙、熨斗を選ぶことができる[広報 15]。
- チーズケーキを主とする菓子商品を販売。名前はアルベール・ラモリス監督によるフランスの同名短編映画にちなんでいる[広報 16]。ケーキの他にも焼き菓子『はなかご』を販売しており[広報 17]、上記九十九島せんぺい本舗との共同店を合わせ4店舗を展開[広報 13]。
- 赤い風船同様、チーズケーキを主とする菓子商品を販売。名前はオランダ語で「アニーおばさん」を意味し、「オランダ・ミデルブルグに住む、アニーというケーキ作りのうまい女性が開いた店」というコンセプトストーリーを持つ[広報 18]。ケーキの他にタルトやクッキーを販売[広報 19]。ハウステンボス内に店舗を置いている。
- フレンチトースト専門店であり、同社が運営する唯一の飲食店。店名はフレンチトーストの色である「Ivory」(アイボリー)と「Cherish」(チェリッシュ、"愛情をこめて大切にする"の意)を組み合わせた造語であり[広報 20]、フレンチトーストには独自に開発した専用のパンを使用している[7][8]。この他にもクロックマダムやエッグベネディクト、モンテ・クリスト・サンドイッチといったメニューを提供している[広報 21]。国内外に7店舗を展開(2019年12月現在)[広報 22]。
- I LOVE CUSTARD NEUFNEUF(アイラブカスタード ヌフヌフ)
- 2018年10月11日に洋菓子店「NeufNeuf」(ヌフヌフ)のリブランディングにより、カスタードスイーツ専門店としてリニューアル。商業施設「デイトス」と福岡空港内に店舗を置いている(2019年12月現在)[広報 23]。リブランディング前は博多阪急にも出店していた[広報 24]。
- #99 SWEETS AVENUE(99スイーツアベニュー)
- 長崎空港内に所在する売店スタイルの店舗。
- MISTER CARAMELIST(ミスターキャラメリスト)
- キャラメルを使ったスイーツを専門に販売。
過去に展開していたブランド
- アントルメ・ママン(Entremets maman)
- 福岡県に3店舗展開していた洋菓子店。「お母さんの手作り菓子」をコンセプトに、ヨーロッパの伝統菓子やオリジナルの菓子を販売していた[広報 25]。
- 大丸福岡天神店にて営業していた洋菓子店。原材料に北海道産の生クリームや熊本・阿蘇産のジャージー牛乳を使用した菓子を販売していた[広報 26]。
- アミュプラザ長崎に出店していた洋菓子店。店名そのものに「日本に砂糖文化を広めた妖精」の名前であるというコンセプトストーリーがあり、原材料に黒糖を使った菓子を販売していた[9][10]。
- 焼き菓子『ながさきカステララングドシャ』の販売時に使用していたブランド。名前は「渡来人」と「TRY(トライ)」を組み合わせた造語であり[広報 27]、『カステララングドシャ』は2019年現在でも、公式通販サイトにて販売されている。かつては端島(軍艦島)にちなんだ「軍艦島HISTORY」(竹炭を練り込んだ生地で焼き芋の餡を包んだまんじゅう)が販売されていた[広報 28]。
出典
今林隆 “企業訪問(26) 郷土を愛し土産品産業の先兵となって個性化商品を育てる九十九島せんぺい本舗(佐世保市) ”. 製菓製パン 1987年3月号 (製菓実験社) (1987年3月).pp174-180
『食料品・繊維のモデル工場 中小企業経営改善事例集』 中小企業庁、1968年3月。pp74
鈴木宗康 『日本の名菓』 保育社、1967年4月1日。pp88
広報資料・プレスリリースなど一次資料
グループ会社寿スピリッツ株式会社、2019年1月26日閲覧。
商品情報タンテ・アニー、2019年1月28日閲覧。
店舗紹介 LOVE CUSTARD NEUFNEUF、2019年12月14日閲覧。
“店舗紹介”. NeufNeuf. 2014年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月26日閲覧。
“ラ・ママン”. 会社サイト. 2006年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月26日閲覧。