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レンズマウント (Lens Mount) は、レンズ交換式の光学機器において、レンズとボディーを接続する機構である。
レンズマウントは、カメラボディ(本体)とレンズの接合機構であるため、両者が共に一定の前提を満たさなければ、ボディとレンズの互換性を保つことが出来ない。機械的には、両者の嵌合部の構造や寸法など、光学的にはボディのフランジバックなどが問題になる。近年ではそのほかに、ボディとレンズの間での信号を伝達する電気系の互換性も必要になる。
レンズマウントの機構はその装着形態から「ねじ込み式」と「バヨネット式」、「スピゴット式」の3種類に分けられる。スピゴット式もバヨネット式の一種という解釈もあるが、当記事においては区分して扱うものとする。原理的には前2者は装着時にレンズがボディに対して回転し、後者は回転しないという差異がある。このほか機械的にはマウント開口部の大きさや、フランジバックの長さも当初設計上の重要な点である。
ねじ込み式マウントとは、マウントとレンズ接合部とにネジが切られており、レンズを回転してボディにねじ込んで装着する形式である。スクリューマウントともいう。ライカスクリューマウントやM42マウント(プラクチカスクリューマウント)がその代表例である。レンズ交換式フィルムカメラの黎明期には「レンズ脱着でネジの磨耗はあってもマウントフランジ部の擦削がなくフランジバックが狂わない」という理由でねじ込み式マウントの堅牢性を支持する見解もあった[要出典][注釈 1]ものの、レンズの脱着に手間が掛かるのと、カメラの電子化・多機能化への対応に制約があったため、ほとんどのメーカーは新規格・新機能を採用する際にバヨネット方式へ移行し、現行機としては、多機能を必要としない特定機材に古い規格のマウントが存続しているのみである。現在では多くのメーカーが撤退したため、便宜上当時の公式名称よりもネジ径でM○○マウントという呼称が使われることが多い。
かみ合わせ用の爪がマウントとレンズ接合部につけられており、ボディ側の空いている箇所にレンズ側の爪を差し込み、そのままひねる事で装着が可能。語源はソケット式の銃剣 (Bayonet ) を銃に装着する動作とレンズを装着する動作が酷似していることから来ている。レンズの脱着が簡単であり、ボディとレンズの各種連動機能への対応も容易なことから、多数のメーカーのマウント規格に採用されている。
ボディ側のマウント内周にかみ合わせ用の爪がある内爪型と、ボディ側のマウント外周にかみ合わせ用の爪がある外爪型があり、バヨネット規格として主流になっているのは内爪型であるが、内側がねじ込み式で外爪バヨネットを併設、あるいは内外双方に爪を持つダブルバヨネット式を採用したマウントもある。外爪型はスピゴット式と見た目が酷似するため紛らわしくなっているが、レンズ側のマウント部が回転せず、締め付けリングを回転させて装着するのがスピゴット式で、レンズ側のマウント部を回転させて装着するのがバヨネット式である。ほとんどのマウントはレンズを装着する時、焦点を無限遠から合わせる時、絞りを開放側に合わせる時は時計回りにレンズを操作するが、コンタックスマウントとその準互換マウントであるニコンSマウント、及びニコンFマウントやオリンパスペンFマウントなど、反時計回りに操作するものも存在する。
また、フィルムカメラのマウントには絞り制御やオートフォーカス対応等でばねやレバーやシャフト等による機械的な連動機能を有しているものもあるが、カメラの電子化が進展したキヤノンEFマウントや、デジタルカメラの新規格として開発されたミラーレス一眼カメラでは、ボディとレンズの連動機能をすべて電子接点を介した電気的通信によって実現している。
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レンズ本体は回転させない、ないし回転による位置決めがあるものもあるが固定のためではなく、別体となっているリング(スピゴット)をバヨネットのように、あるいはネジで締め付け、レンズを固定する。語源は水道配管などに使われる締め付け式の「栓」(Spigot )から。レンズを回転させずに装着できることからボディーとのより高い連動性を期待されたが、大型レンズの取り付けなどに難があった(片手でカメラを保持、反対の手でレンズを保持したとすると、スピゴットを操作するために3本目の手が必要になる)ため、採用メーカーは数社にとどまった。
ライカスクリューマウント、プラクチカスクリューマウント、エクサクタマウントが典型例であるが、一つのレンズマウント規格に合わせて多数のメーカーがカメラやレンズを作り上げた場合、そのレンズマウントを「ユニバーサルマウント」と呼ぶ。
以前はペンタックスKマウントを一眼レフカメラにおけるユニバーサルマウントとして仕様公開し実際リコー、シグマ等が採用した。だが1983年に旭光学工業がスーパーAを発売した際、電子接点を搭載したKAマウントを採用しプログラムAEを実現したが、他社にKAマウントの仕様を公開せず、独自規格とした。これを端緒とし、一眼レフカメラのオートフォーカス化AE化によってレンズとボディとの電子通信が必要になるにつれ各社ごとに規格を抱え込むようになってしまい、結局ユニバーサルマウントとしては成功しなかった。ちなみに1984年にリコーがXR-Pを発売する際にはRKマウントという独自規格の電子接点を採用し、プログラム自動露出の互換性は崩れている。交換レンズメーカーのシグマとトキナーとコシナはこの対応に対しKマウント交換レンズにペンタックスKAとリコーRKの両方の電子接点を設ける事で解決、タムロンはアダプトールIIでペンタックスKAとリコーRK用の両方を発売して解決し、カメラメーカー純正より交換レンズメーカー製のレンズの方が互換性が高いという妙な事態となった。以後各社が独自マウントを採用しているのもオートフォーカス・自動露出が必須になり、各社独自仕様が必要であるからだといえる。
デジタル一眼レフが普及しはじめた2003年にはオリンパスとコダックによってデジタル一眼レフカメラ向けにフォーサーズシステム、マイクロフォーサーズシステムが提唱され、レンズマウントもその規格の中に盛り込まれている。2010年現在、パナソニック、ライカカメラ、シグマ、コシナが参画。
カメラボディのレンズマウント規格とレンズのボディマウント規格が一致しないときに、両者を仲立ちして装着・使用を可能にするための器具をマウントアダプター(レンズアダプター、マウントコンバーターとも)とよぶ。マウントアダプターの存在理由は、カメラ・レンズメーカが規格の変更を行ない過去の互換性のためやむなく製作したものなどもあるが、他社のレンズを別の規格のボディで楽しむ・歴史的な名レンズを楽しむなど、積極的に写真制作に活用できる場合もある。
マウントアダプターは一般にただレンズをカメラボディに取り付けるだけのものであり、通常は自動絞りや絞り値連動・オートフォーカスや電力・信号接点などの機能まで変換するものではない。
マウントアダプターはフランジバックの長い規格のレンズを短い規格のボディに取り付けるためには使えるが、逆に短い規格のレンズを長いボディに使うことには色々問題が出る。もし光学的性能を無視して単にレンズとボディの機械的結びつきを提供するだけであれば後者も可能だが、その場合は接写リングを挟んだのと同じ状態になり、無限遠側のピントが出ず近距離専用となる。この問題を解決するためにマウントアダプタに補正用の光学系を内蔵することにより、レンズ側が要求するフランジバックよりも長いフランジバックを持つカメラで使えるようにしているマウントアダプタも存在するが、内面反射が増えること、焦点距離が変化してしまうこと、写りに大きな影響を及ぼす最後玉に非純正レンズを採用することへの抵抗感、またレンズ部分の後玉の後退によりアダプターのレンズに衝突し結局無限遠が出なくなってしまうなどの欠点があるため、あまり好まれない。例外として、マニュアルフォーカス一眼レフカメラの全盛期には接写撮影専用としてフランジバックを無視し一眼レフカメラにライカスクリューマウントレンズやシネカメラ用レンズを取り付けるアダプターが一部のメーカーに存在した。
単純にフランジバックの短いカメラならフランジバックの長い別のマウントのレンズもマウントアダプターを使って取り付けられるとは限らない。たとえば組み合わせる2つのマウントのフランジバックが近接している場合、マウントアダプター分の厚みが確保できない場合がある。さらに、マウント口径の大小や、突起物の干渉によっても制限を受ける。また物理的な問題とは異なるが、マウントそのものの人気・普及度などの問題もある。
取り付けはできてもレンズによっては絞りの制御が不可能になってしまう場合もある。たとえば、自動絞り/実絞り切り替えのない自動絞りM42マウントレンズを絞り込みピン押し込み機構のないタイプのM42マウントアダプターに装着した場合、絞りを絞り込むことができない。また、キヤノンEFマウントのようにボディ側からレンズに電源を供給し電磁絞りを制御するものは、アダプタ使用の場合は絞り込むことができないため開放絞りで使うことになる。さらにニコンFマウントのGタイプレンズは、電磁絞りではないが絞り環がなく最小絞りで固定された状態であるため、アダプタ使用の場合は最小絞りで使うことになる。自動絞り機構自体は機械的にレバーを跳ね上げて動作させるため、レンズの絞り込みレバーにプラスチック片を挟み込んで絞り開放に固定して使う者もいる。
カメラメーカーがカメラのレンズマウントを更新する場合、旧来のユーザーに配慮してマウントアダプターを用意するということがしばしばあった。
代表的なのが旭光学工業(現リコーイメージング)の純正アダプターである。初期のアサヒフレックスに用いられていたM37マウントからアサヒペンタックスのM42マウントへの移行の際にもマウントアダプターを提供していたほか、M42マウントのレンズを現在採用しているKマウントに移行する際にもアダプターを用意し、2019年7月現在でもメーカー希望小売価格5,000円(消費税別)で供給している。
これは同社がマウントを移行させる際フランジバックを同一に設定したことによりフランジバックを変換する必要がなく、工作精度の要求が比較的低いためである。フランジバックが同じであるためM42ネジを切っただけのアダプタはKマウント内にねじ込まれ、フランジ面はカメラのものを使う。このアダプタは単純に機械的な接合を変換しているだけで、自動絞りなどには対応していない。
ペトリも最初M42マウントだったがバヨネット式マウントに移行するときにアダプターを用意した。
フジも最初M42マウントだったがバヨネット式マウントに移行するときにアダプターを2種類用意した。X-SアダプターはフジカAX-1、フジカAX-3用で絞り込みAEが可能。X-DアダプターはフジカAX-5用でマルチプログラムAEに対応した。
旭光学工業(現リコーイメージング)は他に同社のペンタックス67マウントやペンタックス645マウント用レンズをペンタックスKマウントで使えるようにするアダプターも製造している。また、マニュアルフォーカスからオートフォーカスに切り替わった時もそれまでのマニュアルフォーカスレンズをオートフォーカスで使えるようにしたAFアダプタ「F AFアダプタ1.7X」を発売し現在まで現行品であり、1.7倍のテレコンバーター部分のレンズを駆動することによりオートフォーカスを可能にしている。ニコンも1.6倍のAFテレコンバーター「TC-16A」を発売していたが現在は発売していない。
ライカを始め各社から発売されているライカスクリューマウント用のレンズをライカMマウントボディーに装着するために用いる外側がMバヨネット、内側が螺子になっているアダプタも金属製リングである。この場合Mマウントの方がライカスクリューマウントよりフランジバックが1mm短いので、マウントアダプターの厚みによりこれを調整している。距離計連動式なのでフランジバックを高い精度で一致させる必要があり、メッキを掛けた上から削りなおすなど細心の注意が払われている。また、Mマウントが持つファインダーのブライトフレーム切り替え機能にも対応させるため、3種類のアダプターをレンズの焦点距離に応じて使い分けるようになっている。
ソビエトのゼニット一眼レフカメラでも、初期のM39マウントと後のM42マウントではほぼ同じフランジバックに設定されており、ペンタックスと同様のアダプターリングが用意されていた。ただし、わずかにM39マウントのほうがフランジバックが短く、厳密な無限遠は出すことができない。なお旧ソ連には、エギザクタ互換・M42互換・ニコンFマウント互換などのカメラが多数存在していたため、現在でもこれらの間のアダプターなどはロシア製のものを多くみかける。
デジタル時代のユニバーサル規格であるフォーサーズマウントはフランジバックが短いため他社用アダプタも多いが、さらに口径・フランジバックが短いマイクロフォーサーズ規格が登場したため、フォーサーズからマイクロフォーサーズへのアダプタは純正で用意されることになった。マイクロフォーサーズはフォーサーズのサブ規格であるため、アダプタでは情報・電力伝達などの接点規格も変換される。 マイクロフォーサーズがフォーサーズと電気的にも互換性を取るマウントアダプターを出す規格設計をして以後に出てきた、ソニーE-mount、ニコン1 CXマウント、キヤノンEOS-Mマウントでも自社の先行マウントのレンズと電子的互換を取るマウントアダプターが作れるマウント規格となっている。これはAF化までのカメラの歴史のなかでマウント変更がユーザーの所有レンズ、自社レンズラインナップが振り出しに戻ってしまうリスクに対しての大きな軽減要素となっている。既存ユーザーが同じメーカー内の新マウントにとどまる(既存のレンズをメーカー公式のマウントアダプター経由でとりあえず使えるため)大事な要素となる。一方通信protocolがわかれば他社レンズを電子互換にするマウントアダプターが技術的には可能だが、今のところは完成度が低く、大きな動きにはなっていない(ロシアの dandelion 、KIPONのEFレンズ用マウントアダプター)
なお、伝統的にマウント規格を変えていないことを詠っており、工業用レンズなどのユニバーサル規格にもなったニコンFマウントでは、細かくみると絞りピンの制御方式など機械的規格、電気接点の有無など複数の規格が存在する。ニコンではAi以前のレンズを新ボディで使いたいユーザのために、アダプタではなく(フランジバックを変えるわけにもいかないためでもある)、レンズの絞り環をAi方式対応のものに交換するAi改造サービスで対応していた。同様に、ライカMマウントレンズは、デジタル時代になってボディにレンズ情報を伝達するための接点の追加をレンズ改造サービスで対応することになった。
一方、自社では採用していなくても、M42マウント・エクサクタマウントレンズはフランジバックが長いことや、多数のレンズが流通していたこともあり、比較的多くのカメラボディのための純正のマウントアダプターの設定があった。しかし現在では、オートフォーカス化・デジタル化によってマウントアダプターを作ることが困難になってきたため、カメラメーカー純正のマウントアダプターの多くは姿を消してしまった。代わりに、いくつかの写真用品メーカーからさまざまなマウントの間でレンズを装着可能にするアダプターが発売されており、これによって例えばニコンFマウントのレンズをキヤノンのEOS(EFマウント)のボディに装着可能になる。
アダプター用途に適した例として、比較的フランジバックが短く口径が大きいキヤノンEOSボディ用、あるいはデジタル一眼レフカメラのフォーサーズシステムおよびマイクロフォーサーズシステムや、ソニーのEマウントのボディ用には純正・非純正を含めかなり多くのアダプターが存在する。
フランジバックが短いことを売り物にしたアルパ(アルパ_(カメラ)#アルパアルネア4からアルパ11si用レンズアダプター参照 )、ミランダカメラ(ミランダのカメラ製品一覧#ミランダマウント一眼レフカメラ用アダプター参照 )、オリンパスペンF(オリンパス・ペンF#ペンFシステムのアクセサリ参照 )、コニカFマウント(ニコンFマウントレンズ用、エクサクタマウントレンズ用)、コニカARマウント(ニコンFマウントレンズ用、エクサクタマウントレンズ用、M42マウントレンズ用)には多数の自社製マウントアダプターが用意されていた。また種類は少ないながらカメラボディのメーカーが用意した自社製マウントアダプターは以下の製品があった。
逆にフランジバックが長く、アダプターを使うのに不利なニコンFマウントボディ用のアダプターはほとんど存在せず、あっても補正レンズ入り、または中判・大判のレンズ用がほとんどである。ただし例外として、デッケルマウントはニコンFマウントよりフランジバックが短いが口径がニコンFマウントより極端に小さいため、ボディにめり込ませる形で無限遠が出せ、ボディからレンズへの絞り指示ピンもアダプター周囲の環で操作できる面白い製品もある。またアダプターとは呼べないが、ライカRマウント、オリンパスOMマウント等のレンズのマウント部分を専用品に交換してニコンFマウントにしてしまうという製品も存在する。
ミラーボックスが必要ない距離計連動式カメラは、構造上フランジバックを短くできるため、ライカスクリューマウントやライカMマウントに各社一眼レフカメラ用レンズを取り付けるマウントアダプターが多く存在するが、これらは距離計に連動しない。かつてハンザから距離計連動式を謳う一眼レフカメラレンズマウントアダプターが発売されていたが、これはカメラの距離計を単体距離計として使い、その結果に手動でレンズの距離目盛を合致させるもので、距離計連動ではない。
レンズ専業メーカーでは、異なる規格のボディに同一レンズを装着するために中間マウント規格を提唱し、発売するレンズはそのマウント1種類で、各社のボディへはアダプタにて対応するという方式をとる場合があった。
タムロンがマニュアルフォーカスレンズにおいて採用していたアダプトールシステムはこの代表である。同じレンズを各社のマニュアルフォーカスカメラで共通して使えるように、自動絞りや絞り値連動など各社マウント固有の機能まで含めて変換するように設計されたシステムである。複数の会社のカメラを併用するユーザーにとっては便利な存在であった。オートフォーカスカメラの普及に伴いタムロン製レンズもマウント固定式に移行し、2006年にタムロンより製造中止のアナウンスがあった。このような変換マウントシステムはほかのレンズ専業メーカーのトキナー、シグマ、三協光機などにも存在したが、タムロンだけが普及に成功し、他社は比較的早期に固定マウントへ路線変更した。
試作では1986年のフォトキナにてシグマがXYレンズと称するミノルタAマウントとニコンFマウント2種のマウント交換式オートフォーカス交換レンズを参考出品した経緯があるが、やはりカメラボディ側の進歩にレンズ側のアップデートが追いつかない事情から発売は断念されている。
これとは別に、主に望遠鏡のマウントであるTマウントを変換マウントとして用いるレンズをタムロン、日東光学などが製造していたが、自動絞りに対応できなかったため早期に姿を消した。しかし今でも特殊用途(望遠鏡、ピンホールレンズ取り付けなど)向けにTマウントアダプターが写真用品メーカーなどから販売されている。Tマウントは、M42マウントによく似た42mm口径のねじ込みマウントだが、ねじピッチ0.75mmであり、フランジバックも異なる。
AE/AF機能が普及した以降のマウント規格は、単なる形状の変換・絞りピンの力伝達(まれにレンズシャッターの巻上げやシャッターのトリガー)のみならず、フォーカシングモータの力伝達、レンズ内モータやCPU・手ぶれ補正機構への電力伝達、レンズ内CPUとの情報伝達(レンズの歪曲補正や周辺減光補正情報まで伝達するものもある)などを担うことになる。通常のアダプタではこれらの変換は不可能であるため、アダプタを使用すると一部の機能を犠牲にすることになる。
AEカメラでレンズアダプタを使う場合、絞り優先で実絞り(絞り込み状態で測光)で使うかマニュアルモードで使うことになる。つまりレンズ側の実絞りを設定し、測光後適切なシャッター速度をカメラが決定するモードになる。一眼レフカメラでは絞り込まれた状態ではピント合わせの障害になるが、ライブビューでピントを合わせられるデジタル機種ではその障害も軽減される。アダプタの使用を念頭においた設計では (望遠鏡・フィールドスコープの使用においても必要になる)、プログラムモードは絞り優先モードに・シャッター速度優先モードはマニュアルモードに自動的に切り替わるものもある。またアダプターには電子接点がないため、カメラによってはレンズ未装着と認識しシャッターが切れなくなる場合があるが、この場合は望遠鏡アダプタなどの使用を考慮し強制的にシャッターを切るモードで対処できるカメラが多い。
2008年8月、パナソニックから、ミラー(レフレックス)機構を省略し、光学ファインダーの替わりにEVFを持つ初のミラーレスカメラが発売された。ミラーレスカメラは、従来のデジタル一眼レフカメラと比較し、劇的にフランジバックが短いため、多数のマウントに対応したアダプタが発売された。2014年にはSONYから初のフルサイズミラーレスカメラが発売された。フルサイズミラーレスカメラでは、フィルムと同じサイズのセンサーが搭載されているため、過去のフィルム用のレンズでも同じ画角で撮影が可能になった。ただし、これらのミラーレスカメラでは、デジタル特有の問題であるレンズの像側テレセントリック性の不足により周辺減光などが起きること、などには留意したい。2018年、キヤノンとニコンがフルサイズミラーレスカメラに参入し、EFマウントのレンズやFマウントのレンズにAE・AF・手ブレ補正機構・電子補正などに完全に対応したマウントアダプターが発売されている。
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