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デジタルカメラのブランド ウィキペディアから
α(アルファ)は、レンズ交換式一眼レフカメラ・ミラーレス一眼カメラのブランドおよびそのシリーズである。
1985年にミノルタが開発し、商品展開を行った。第一号はα-7000である。実質的に世界初のオートフォーカス(AF)機能を搭載したシステム一眼レフカメラであった。その後、ミノルタは2003年8月にコニカと経営統合し、コニカミノルタとなったが、カメラ事業が新会社『コニカミノルタ カメラ』に移行するとともにαブランドも新会社へ引き継がれた。
2005年、ソニーはαマウントを採用したデジタル一眼レフをコニカミノルタと共同開発するとの発表を行なった。ソニーは撮像素子を製造していることもあり、コニカミノルタの光学技術との融合が期待された[1]。またソニーはカール・ツアイスと協業しており、当時から「サイバーショット」シリーズのレンズをカール・ツァイスが設計・供給していた。
2006年1月、コニカミノルタは不採算事業のリストラを理由[2]にカメラ事業から撤退すると発表した。これに伴い、ソニーにカメラ開発に必要な技術、国内及びマレーシア工場の移管と約200人のカメラ技術者の異動が行なわれた。同時にコニカ・ミノルタ・コニカミノルタのカメラサポートをソニーが担当する[注釈 1]することになり、コニカミノルタのカメラ事業は幕を閉じた。
2010年6月、Eマウント規格を搭載したα NEXシリーズである、ミラーレス一眼カメラNEX-3及びNEX-5が発売された。2013年9月のα3000(日本未発売)の発売から、α NEXシリーズのカメラはαブランドに変更された。
2013年11月に、初のフルサイズミラーレスカメラであるα7とα7Rが発売された。
スポーツ写真の分野ではキヤノンとニコンの一眼レフがシェアを二分していたが、2020年代ごろから多彩な機能を備えたαシリーズのプロ向けミラーレス一眼がシェアを伸ばしている[4]。
それまでに他社から市販されていたオートフォーカス一眼レフカメラは数少ない専用レンズに電源やモーターを搭載し、同スペックのマニュアルフォーカスレンズと比較してレンズが大きく重く高価になる割にピント合わせが遅いため、一般ユーザーに受け入れられるレベルではなかった。しかし、ミノルタは、レンズマウントを更新しレンズ駆動用のモーターや電源をカメラボディ内に搭載することで交換レンズの外径や価格を同スペックのマニュアルフォーカスレンズと遜色ないものにし、1985年にオートフォーカスの速度や精度も一般的ユーザーのマニュアルフォーカスを上回るレベルにしたミノルタα-7000を発売した。このことでミノルタαシリーズは、実質的に世界初のオートフォーカス一眼レフシステムカメラとなった。同時に発売されたαレンズは当初より13本を数え、全レンズがオートフォーカス対応であるほか、ROMの搭載によりズームレンズの画角によって露出のプログラムを変更したり、フラッシュの照射範囲を変更させたりと、より高度な自動撮影が可能になっていた。ヨーロッパでは、ダイナックス(Dynax)、北米大陸ではマクサム(Maxxum)としてブランド展開していた。
α7000/α9000時代には、裏蓋を交換してユニットを取り付けるデジタルスチルカメラシステムを導入したこともあり、またRD-175というαマウント対応デジタル一眼レフカメラや、ベクティスS-1用Vマウント仕様のディマージュRD3000も登場したが、ミノルタはレンズ一体型のディマージュ7/Aシリーズの開発に傾倒しており、結局α-7 DIGITALでようやく価格や性能面で一般ユーザーに受け入れられるレベルのレンズ交換式デジタル一眼レフカメラが登場することになる。
マウント名はΑマウント[注釈 9]。新マウントの採用で従来の製品と互換性を排除し、絞りリングをなくしてボディ側で制御するようになっている。このやり方には以前からパンフレット等に旧来のマウントを堅持するという一文を加えていたこともあって反対意見も挙がり、実際マウントの変更に伴いプロ~ハイアマチュアのシェアを大幅に低下させたと言われている。後発メーカー各社が最終的には絞りの制御をボディ側で行なうようになり、キヤノンとコンタックスがマウント変更を行ったことから、当時時代の最先端を行っていたともいえる。
2021年現在は、いくつかのモデルがソニーレンズとして再発売され、カールツァイスブランドのレンズも登場している。
GシリーズはAマウントの高級レンズ群。SSMは超音波モーター搭載レンズを搭載しフルタイムマニュアルフォーカスが可能でミノルタα-7以降に発売されたカメラに対応する[注釈 10]。xiシリーズはα-xiシリーズの電動ズームに対応する(SONYブランド以後SAMと名称が変更される)。
DT(Digital Type)はデジタルカメラAPS-Cセンサー専用である。フルサイズ機にも装着は可能だが、AE精度が悪くなる等の制限がある。また35mmフィルムカメラには装着できない。
商品名 | 発売開始年 | レンズ構成 | 最短撮影距離 | フィルター径 | 特記 |
---|---|---|---|---|---|
AFマクロズーム3×-1×F1.7-2.8セット | ? | 5群7枚 | 0.04m(x1)
0.025m(x3) |
φ46mm | マクロレンズ |
AF16mmF2.8フィッシュアイ | 1986年 | 8群11枚(内一枚特殊フィルター) | 0.2m | フィルター4種内蔵 | |
AF20mmF2.8ニュー | 1993年 | 9群10枚 | 0.25m | φ72mm | |
AF20mmF2.8 | 1986年 | 9群10枚 | 0.25m | φ72mm | |
AF24mmF2.8ニュー | 1994年 | 8群8枚 | 0.25m | φ55mm | |
AF24mmF2.8 | 1985年 | 8群8枚 | 0.25m | φ55mm | リアフォーカス採用。花形バヨネットフード採用。 |
AF28mmF2ニュー | 1999年 | 9群9枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF28mmF2 | 1986年 | 9群9枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF28mmF2.8 | 1985年 | 5群5枚 | 0.3m | φ49mm | 遮光フード内蔵 |
AF35mmF1.4Gニュー | 1998年 | 8群10枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF35mmF1.4 | 1987年 | 8群10枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF35mmF2ニュー | 1999年 | 6群7枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF35mmF2 | 1987年 | 6群7枚 | 0.3m | φ55mm | |
AF50mmF1.4ニュー | 1998年 | 6群7枚 | 0.45m | φ55mm | |
AF50mmF1.4 | 1985年 | 6群7枚 | 0.45m | φ49mm | 遮光フード内蔵 |
AF50mmF1.7ニュー | 1990年 | 5群6枚 | 0.45m | φ49mm | 遮光フード内蔵 |
AF50mmF1.7 | 1985年 | 5群6枚 | 0.45m | φ49mm | 遮光フード内蔵 |
AFマクロ50mmF2.8(D) | 2001年 | 6群7枚 | 0.2m | φ55mm | マクロレンズ、ADI調光対応 |
AFマクロ50mmF2.8ニュー | 1993年 | 6群7枚 | 0.2m | φ55mm | マクロレンズ |
AFマクロ50mmF2.8 | 1985年 | 6群7枚 | 0.2m | φ55mm | マクロレンズ |
AFマクロ50mmF3.5 | 1994年 | 5群5枚 | 0.23m | φ55mm | マクロレンズ |
AF85mmF1.4G(D)リミテッド | 2001年 | 6群7枚 | 0.85m | φ72mm | 限定で700本しか製造されなかったプレミアムモデル |
AF85mmF1.4G(D) | 2000年 | 6群7枚 | 0.85m | φ72mm | ADI調光対応 |
AF85mmF1.4Gニュー | 1993年 | 6群7枚 | 0.85m | φ72mm | |
AF85mmF1.4 | 1987年 | 6群7枚 | 0.85m | φ72mm | |
AF100mmF2 | 1987年 | 6群7枚 | 1m | φ55mm | |
AFソフトフォーカス100mmF2.8 | 1994年 | 7群7枚 | 0.8m | φ55mm | 特殊効果レベルが三段階で設定可能 |
AFマクロ100mmF2.8(D) | 2000年 | 8群8枚 | 0.35m | φ55mm | マクロレンズ、ADI調光対応 |
AFマクロ100mmF2.8ニュー | 1993年 | 8群8枚 | 0.35m | φ55mm | マクロレンズ |
AFマクロ100mmF2.8 | 1986年 | 8群8枚 | 0.35m | φ55mm | マクロレンズ |
AF135mmF2.8 | 1985年 | 5群7枚 | 1m | φ55mm | |
STF135mmF2.8[T4.5] | 1999年 | 6群8枚 | 0.87m | φ72mm | APDエレメント1群2枚内蔵で実効絞り数値としてTナンバーが併記。自動絞り9枚+手動絞り10枚 |
ハイスピードAFアポテレ200mmF2.8G | 1988年 | 7群8枚 | 1.5m | φ72mm | |
AFアポテレ200mmF2.8G | 1986年 | 7群8枚 | 1.5m | φ72mm | |
AFアポテレマクロ200mmF4G | 1999年 | 8群13枚 | 0.5m | φ72mm | マクロレンズ |
AFアポテレ300mm F2.8G(D)SSM | 2003年 | 12群13枚(内一枚がフィルター) | 2m | 後差込φ42mm | ADI調光対応 |
ハイスピードAFアポテレ300mm F2.8G | 1988年 | 12群13枚(内一枚がフィルター) | 2.5m | 前φ114mm、後差込φ42mm | |
AFアポテレ300mm F2.8 | 1985年 | 9群11枚(内一枚がフィルター) | 2.5m | 前φ114mm、後差込φ42mm | |
ハイスピードAFアポテレ300mmF4G | 1994年 | 7群9枚(内一枚がフィルター) | 2.5m | 前φ82mm、後差込φ42mm | |
ハイスピードAFアポテレ400mmF4.5G | 1995年 | 7群9枚(内一枚がフィルター) | 3m | 前φ95mm、後差込φ42mm | |
AFレフレックス500mmF8 | 1989年 | 5群7枚(内一枚がフィルター) | 4m | 前φ82mm、後差込φ42mm | 反射望遠レンズとしては唯一のオートフォーカスレンズ |
ハイスピードAFアポテレ600mmF4G | 1989年 | 9群10枚(内一枚がフィルター) | 6m | 後差込42mm | |
AFアポテレ600mm F4 | 1986年 | 9群10枚(内一枚がフィルター) | 6m | 後差込42mm |
商品名 | 発売開始年 | レンズ構成 | 撮影最短距離 | フィルタ径 | 特記 |
---|---|---|---|---|---|
DT11-18mm F4.5-5.6(D) | 2006年 | 12群15枚 | 0.25m | φ77mm | ADI調光対応 |
AFズーム17-35mmF2.8-4(D) | 2004年 | 11群14枚 | 0.3m | φ77mm | ADI調光対応。 タムロン SP AF17-35mmF/2.8-4 Di LD Aspherical[IF]のOEM製品。 |
AFズーム17-35mmF3.5G | 1997年6月 | 12群15枚 | 0.3m | φ72mm | ガラスモールド非球面レンズ1枚、複合非球面レンズ2枚を含む。 |
DT18-55mm F3.5-5.6(D)SAM | 2005年? | 7群8枚 | 0.25m | φ55mm | ADI調光対応。SAL1855 |
DT18-70mm F3.5-5.6(D)SAM | 2005年 | 9群11枚 | 0.38m | φ55mm | ADI調光対応。SAL1870 |
DT18-200mm F3.5-6.3(D) | 2005年 | 11群13枚 | 0.45m | φ62mm | ADI調光対応 |
AFズーム20-35mmF3.5-4.5 | 1997年11月30日 | 11群13枚 | 0.5m | φ72mm | ガラスモールド非球面レンズ1枚を含む。 |
AFズーム24-50mmF4ニュー | 1992年 | 7群7枚 | 0.35m | φ55mm | |
AFズーム24-50mmF4 | 1987年 | 7群7枚 | 0.35m | φ55mm | |
AFズーム24-85mmF3.5-4.5ニュー | 1997年6月20日 | 12群14枚 | 0.5m | φ62mm | 光学系は従来を踏襲しつつ絞りを円形に改良。ローレットパターンを変更している。α-807siと同時発売 |
AFズーム24-85mmF3.5-4.5 | 1993年11月 | 12群14枚 | 0.5m | φ62mm | α-707siと同時発売 |
AFズーム24-105mmF3.5-4.5(D) | 2000年 | 11群12枚 | 0.5m | φ62mm | ADI調光対応 |
AFズーム28-70mmF2.8G | 1993年 | 11群16枚 | 0.85m | φ72mm | |
AFズーム28-75mmF2.8(D) | 2004年 | 14群16枚 | 0.33m | φ67mm | ADI調光対応。タムロン SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROのOEM製品。 |
AFズーム28-80mmF4-5.6(D) | 2001年 | 7群8枚 | 0.4m | φ55mm | ADI調光対応 |
AFズーム28-80mmF4-5.6Ⅱ | 1997年 | 10群10枚 | 0.38m | φ62mm | |
AFズーム28-80mm xi F4-5.6 | 1993年 | 7群7枚 | 0.38m | φ55mm | |
AFズーム28-85mmF3.5-4.5ニュー | 1992年 | 10群13枚 | 0.25m | φ55mm | |
AFズーム28-85mmF3.5-4.5 | 1985年 | 10群13枚 | 0.25m | φ55mm | |
AFズーム28-100mmF3.5-5.6(D) | 2003年 | 8群10枚 | 0.48m | φ55mm | ADI調光対応 |
AFズーム28-105mmF3.5-4.5ニュー | 1997年6月20日 | 10群13枚 | 0.5m | φ62mm | 光学系は従来を踏襲しつつ絞りを円形に改良。ローレットパターンを変更している。α-807siと同時発売 |
AFズーム28-105mmF3.5-4.5 | 1994年 | 10群13枚 | 0.5m | φ62mm | |
AFズーム28-105mm xi F3.5-4.5 | 1991年 | 10群13枚 | 0.5m | φ62mm | |
AFズーム28-135mmF4-4.5 | 1985年 | 13群16枚 | 0.25m | φ72mm | |
AFズーム35-70mmF3.5-4.5 | 1993年 | 7群7枚 | 0.5m | φ49mm | |
AFズーム35-70mmF4 | 1985年 | 6群6枚 | 0.303m | φ49mm | |
AFズーム35-80mmF4-5.6Ⅱ | 1999年 | 8群8枚 | 0.38m | φ49mm | |
AFズーム35-80mmF4-5.6パワーズーム | 1991年 | 8群8枚 | 0.5m | φ49mm | |
AFズーム35-80mmF4-5.6 | 1988年 | 8群8枚 | 0.5m | φ46mm | |
AFズーム35-105mmF3.5-4.5ニュー | 1988年 | 10群13枚 | 0.41m | φ55mm | |
AFズーム35-105mmF3.5-4.5 | 1988年 | 12群14枚 | 0.402m | φ55mm | |
AFズーム35-200mm xi F4.5-5.6 | 1991年 | 15群17枚 | 0.5m | φ62mm | |
AFアポテレズーム70-200mm F2.8G(D)SSM | 2003年 | 16群19枚 | 1.2m | φ77mm | |
AFズーム70-210 F4.5-5.6 II | 1999年 | 10群10枚 | 1.1m | φ49mm | |
AFズーム70-210 F4.5-5.6 | 1993年 | 10群10枚 | 1.1m | φ49mm | |
AFズーム70-210mm F3.5-4.5 | 1988年 | 12群12枚 | 1.1m | φ55mm | |
AFズーム70-210mm F4 | 1985年 | 9群12枚 | 1.1m | φ55mm | |
AFズーム75-300mm F4.5-5.6(D) | 2001年 | 10群13枚 | 1.5m | φ55mm | ADI調光対応 |
AFズーム75-300mm F4.5-5.6Ⅱ | 1999年 | 10群13枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFズーム75-300mm F4.5-5.6ニュー | 1995年 | 10群13枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFズーム75-300mm F4.5-5.6 | 1986年 | 11群13枚 | 1.5m | φ55mm | |
ハイスピードAFアポテレズーム80-200mmF2.8G | 1993年 | 13群16枚 | 1.8m | φ72mm | |
AFズーム80-200mm F2.8 APO | 1987年 | 13群16枚 | 1.8m | φ72mm | |
AFズーム80-200mm xi F4.5-5.6 | 1991年 | 9群9枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFズーム80-200mm F4.5-5.6 | 1988年 | 9群9枚 | 1.5m | φ46mm | |
AFズーム100-200mm F4.5 | 1987年 | 7群8枚 | 1.9m | φ49mm | |
AFアポテレズーム100-300mm F4.5-5.6(D) | 2000年 | 10群11枚 | 1.5m | φ55mm | ADI調光対応 |
AFアポテレズーム100-300mm F4.5-5.6 | 1993年 | 10群11枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFズーム100-300mm xi F4.5-5.6 | 1991年 | 9群11枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFズーム100-300mm F4.5-5.6 | 1988年 | 9群11枚 | 1.5m | φ55mm | |
AFアポテレズーム100-400mmF4.5-6.7 | 1995年 | 11群14枚 | 2m | φ72mm |
2006年3月のコニカミノルタによるカメラ事業撤退に伴い、αマウントシステムをはじめとしたデジタル一眼レフカメラ関連事業が一括してソニーへと譲渡された。[9]旧ミノルタ時代のαシリーズは海外では別のブランドで展開してきていた(前述)が、ソニーは世界中でαブランドに統一して使用している。
ソニーに旧コニカ・旧ミノルタの技術者もその多くが吸収雇用されており[10]、それぞれが培ってきた一眼レフカメラの技術や光学テクノロジーをベースにCCDイメージセンサの開発やサイバーショットの画像エンジンなどのソニーの技術を活かしたシステムとなっている。特にコニカミノルタ時代には自社技術として持ち得なかった半導体技術を、ソニーから大幅に取り入れられたことで、デジタルカメラとして大きく進歩した部分があるという[要出典]。保有するカメラ関連事業の特許については引き続きコニカミノルタが保有し、ソニーに許諾する形となっている。
イメージカラーは鮮やかなオレンジのシナバー(辰砂色)が採用され、ロゴはもちろんボディのマウント部分やレンズのマウント、パッケージにもこの色が使用されている。ボディやボディキャップのロゴも黒に統一され、パッケージは真っ黒の地にオレンジのラインが入った箱が採用されている。2009年までに発売されたモデルについては、光学ファインダーを搭載していたが、2010年以降に発売されたモデルについては、トランスルーセント・ミラーテクノロジーを搭載し、電子ビューファインダー(EVF)を搭載している[11]。
日本向けモデルの型番(NEXシリーズ以外)は、光学ファインダー搭載機種はDSLR-Axxxαβ、トランスルーセント・ミラーテクノロジー搭載機種はSLT-Axxxαβ、2014年6月発売のソニーα77 IIからはILCA-xxxαβで構成される(製品名の「ソニーα」を「DSLR-A」・「SLT-A」・「ILCA-」に読み替えればよい)。「ILCA」は「Interchangeable Lens Camera / A-mount」の略である。型番のαにはGPS搭載機はサイバーショットの型番と同様に「V」が、βにはズームレンズキットには「K」「L」「Q」、ダブルズームレンズキットには「W」「Y」、高倍率ズームレンズキットには「H」、DT16-105レンズキットには「P」が付く。また、日本国内向け機種では、海外での使用は考慮されておらずメニュー表示も日本語のみとなっている[12]。
基本的にミノルタ・コニカミノルタが発売していたαシステム用のアクセサリーの多くはソニーαで利用できる。ストロボはHS(D)シリーズのみ、全ての機能が使える(ADI調光・ストロボオートズーム・ハイスピードシンクロ・AF補助光等)。それ以前の製品ではズーム機能は使用できず最大光度の発光のみ、またはアダプターを経由しての最大発光のみをサポートする。アンダー・オーバーが発生するのでカメラ本体ないしストロボ側のいずれかが露光補正を必要とする。リモートストロボ対応機種はリモート時カメラから情報を受け取らないので制約はない。マルチインターフェースシュー搭載モデルでは、αシリーズではなくハンディカムシリーズに準じた扱いになる(α99ではオートロックシューアダプターが付属する)。
ミノルタ・コニカミノルタ製のレンズはAPS-C専用か否かを注意すればそのまま使える。距離エンコーダー内蔵レンズではADI調光が利用できる。レンズ側ピン数とボディ側ピン数を揃える必要はない。キヤノン製品のように変換アダプターを介する必要もなくレンズをボディに直接装着できる(足りない接続端子は無視される)。半導体センサーの表面反射率は銀塩フィルムより大きくミラーボックス内で乱反射を起こすため、視野外から入射した太陽光などがゴースト・フレアとして現れることがある[注釈 11]。本体モーター駆動タイプのレンズはDMFモードでダイレクトマニュアルフォーカスが使用できる。電動AFモーター(SAM,SSM)は自動的に認識され、本体モーターが停止する。オートフォーカスはF8まで対応する。それを超える場合、STFレンズ、等倍以上の倍率でのマクロ撮影、レンズや本体と電気的に接続されていないコンバージョンレンズやエクステンダー使用時にはマニュアルフォーカスとなる。JPEG撮影時レンズ補正機能、デュアルAF機能は、ソニーαレンズのみ機能する。
サードパーティ製レンズも使用できるが、前述のADI調光に必要な距離エンコーダーを搭載していないレンズではP-TTL調光しか使えない。AUTO露光モードは都度手動で切り替えない限りADI調光に必ずリセットされる。プログラムモードでは設定は維持される。またAF微調整において、サードパーティ製レンズは最も特性の近いレンズのIDを割り当てているため、サードパーティ製レンズと純正レンズを同時にAF微調整すると誤動作が起きることがある。例として、AF28-100mm F3.5-5.6とSIGMA HYPERZOOM LD 28-200mm F3.5-5.6は同じIDが割り当てられており、どちらかで微調整すると両方とも調整後のピント位置になる。タムロン・Diシリーズ、シグマ・DC/DGシリーズは、αシリーズで未使用の128番が割り当てられており、純正レンズに誤動作をもたらすことはない[13]。
全く新しいコンセプトに基づく新シリーズ。従来のクイックリターンミラーの替わりに、固定式透過ミラーを用いている。これにより、ミラー動作にともなう振動による画質劣化がなくなり、オートフォーカスの追従性の向上や連写機能の高速化が技術的に容易となった。また、光学ファインダーの替わりに電子ビューファインダーを搭載している。そのため、この世代からは「一眼レフカメラ」ではなく、「一眼カメラ」と呼称が変わっている。
トランスルーセントミラーは約1/3段(約20%)の光の損失があり、面での乱反射が起こることがある[14]。
α55とα33に搭載されたこの技術は、ヨーロッパで権威のある写真・映像関連の賞“TIPA” (Technical Image Press Association)のBEST IMAGING INNOVATION 2011を受賞している[15]。その他に、オペレーティングシステムが第3世代までのμTRONから、Linuxに変更され、BIONZプロセッサが改良がなされている。新型番にはSLT(Single Lens Translucent )が使われている。
2010年2月21日にカリフォルニア州アナハイムで開催されたPMA 2010にてEマウントが発表。2010年6月3日に同マウント規格を搭載したミラーレス一眼カメラNEX-3およびNEX-5が発売された。当初はNEXシリーズのマウントとして展開していたEマウントだが、2013年9月のα3000(日本未発売)の発売から、NEXブランドを廃止し、αブランドに統一することになった。2013年11月に、初のフルサイズミラーレスカメラであるα7とα7Rが発売された。
Eマウントカメラは、Aマウントカメラに対してミラーと光学ファインダーを廃して、フランジバックを44.5mmから18mm(=Eighteenの頭文字EがEマウントの由来[19])に、レンズマウント(内径)を50mmから46mm[20]にまで縮めている。フランジバックを短くし、レンズマウントを小さくすることでボディとレンズの小型化を実現した。また、小型でありながらも将来的にフルサイズセンサーの搭載も視野に入れて設計されており[21]、通信プロトコルも映像製作を念頭に考えられた設計がなされ、従来のAマウントレンズとの互換性も考慮された[22]。
Aマウントレンズもマウントアダプター「LA-EA5(円筒型)」、「LA-EA4(フルサイズ対応、トランスルーセントミラー・テクノロジー搭載)」、「LA-EA3(フルサイズ対応)」、「LA-EA2(APS-Cサイズ、トランスルーセントミラー・テクノロジー搭載)」、「LA-EA1(APS-Cサイズ)」を介して使用可能である[注釈 14]。
また、通信プロトコルの基本仕様開示には比較的柔軟な姿勢をとっており、申請した法人に対して審査を行いそれに通過した法人に情報開示を行っているのも特徴といえる[23]。その結果、現在までにオートフォーカスに対応するレンズはサードパーティ製を含め100以上となり、AF制御の為の電子接点付マウントアダプターを製造する企業も多岐にわたることとなった。ただし、開発が許されるのはレンズとマウントアダプターのみとされ、カメラ側の通信プロトコルの情報開示を行っているわけではない。
ソニー初のミラーレス一眼カメラ。型番の「NEX」は「New E-mount eXperience」という意味[24]。
2013年9月に、α3000(日本未発売)を皮切りに展開した「α NEX」の後継シリーズ。型番の「ILCE」は「Interchangeable Lens Camera / E-mount」の略である。
α3000シリーズ
α5000シリーズ
α6000シリーズ
QXシリーズ(レンズスタイルカメラ)
2013年10月に、Eマウント搭載のフルサイズ機であるα7およびα7Rが発表され、11月15日から発売された。ミラーレスとしては世界で初めてのフルサイズ機となる[32][注釈 15]。
レンズはαマウントシステムを引き継いだ当時、コニカミノルタとの共同開発によるものが中心だった。また生産工場はコニカミノルタの工場(大阪府堺市堺区)が流用されており、ソニーへ卸す形態であった。後に、ボディと共にソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ幸田サイト(愛知県額田郡幸田町)およびソニーイーエムシーエス美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市。2013年3月閉鎖。国内生産は幸田サイトに集約[46])が生産を受け継いだ。
αマウントシステムにおけるハイグレードレンズとなるGレンズも2020年現在[47]、35mm F1.4 G、70-200mm F2.8 G SSM II、70-300mm F4.5-5.6 G SSM II、70-400mm F4-5.6 G SSM II 、300mm F2.8 G SSM II、500mm F4 G SSMの6種類が発売されている。また、新たにカール・ツァイスレンズがαマウント用に開発された。コニカミノルタの「AF 85mm F1.4 G(D) Limited」は、デジタルカメラへの対応を考慮した光学系の設計変更と、T*コーティングが施され、カール・ツァイスレンズ「Planar T* 85mm F1.4 ZA」として販売されている。
特筆すべき特徴としては、レンズの新旧を問わずソニーのAマウントカメラ全機種においてオートフォーカス[注釈 16]と手ぶれ補正機能が特別な追加なしに等しく使える。これはΑマウントに対応している互換機メーカーのレンズ製品においても同様である[注釈 17]。
カール・ツァイスレンズを含めた新規開発のαレンズや、これまで発売されたミノルタ・コニカミノルタ製αマウントシステム用のレンズは、すべてのAマウントのカメラで利用可能な互換性を保っている。また、マウントアダプターを介してのEマウントカメラにも使用可能である。
問題点としては、ミノルタ時代に較べて小売価格が高価になった点[注釈 18]や、85mmのGレンズ(limtedでないもの)や17-35mmGなどミノルタ時代に評価が高かったレンズが数種が発売されていないことが挙げられる。また、2015年6月以降[48]、Aマウントの新レンズは1本も発売されていない。
鏡筒の肉厚、ねじの位置、、距離指標窓、レンズ表面のコーティング剤などの改善が随所にみられる。ADI調光非対応のものはP-TTL調光のみ使用可。
商品名 | SAL- | 発売開始年 | レンズ構成 | 撮影最短距離 | ADI調光対応 | フィルタ径 | 特記 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
16mm F2.8フィッシュアイ | SAL16F28 | 2006年 | 8群11枚(内一枚特殊フィルター) | 0.2m | 非対応 | ||
20mmF2.8 | SAL20F28 | 2006年 | 9群10枚 | 0.25m | 非対応 | φ72mm | |
28mmF2.8 | SAL28F28 | 2006年 | 5群5枚 | 0.3m | 非対応 | φ49mm | |
35mmF1.4G | SAL35F14G | 2006年 | 8群10枚 | 0.3m | 対応 | φ55mm | |
50mmF1.4 | SAL50F14 | 2006年 | 6群7枚 | 0.45m | 対応 | φ55mm | |
50mm F2.8マクロ | SAL50M28 | 2006年 | 6群7枚 | 0.2m | 対応 | φ55mm | マクロレンズ |
プラナー T* 85mm F1.4 ZA | SAL85F14Z | 2006年 | 7群8枚 | 0.85m | 対応 | φ72mm | AF85mmF1.4Gの後群に補正レンズを組み込んだため8枚構成に変更されている |
100mm F2.8マクロ | SAL100M28 | 2006年 | 8群8枚 | 0.35m | 対応 | φ55mm | マクロレンズ |
135mm F2.8 [T4.5] STF | SAL135F28 | 2006年 | 6群8枚(APDエレメント1群2枚含む) | 0.87m | 非対応 | φ72mm | |
300mm F2.8 G SSM II | SAL300F28G2 | 2012年 | 12群13枚(内一枚フィルター) | 2m | 対応 | 後差込φ42mm | |
300mm F2.8 G SSM | SAL300F28G | 2006年 | 12群13枚(内一枚フィルター) | 2m | 対応 | 後差込φ42mm | AFアポテレ300mm F2.8G(D)SSMの光学系を受け継いだ後継機 |
2010年6月からはミラーレス一眼「NEXシリーズ」用として新たにEマウントレンズが加わった。本体の小型化に伴って、マウント径がAマウントよりも狭くなり、一部のレンズを除きレンズ側に手ブレ補正を付けているのが特徴である。仕様上、Aマウントカメラ等のフランジバックが長いカメラでは使用不可。
2013年にα7が登場し、同時にフルサイズ対応のEマウントレンズ(FEレンズ)も発売された。
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