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ニコン Zシリーズ (Nikon Z series)は、ニコンが製造販売しているミラーレスカメラシリーズ[注 1]である。専用のレンズマウント「Z マウント」を採用する。2018年7月25日に発表された。
ℤシリーズとして最初に発売されたZ 7。 マウントを強調するために、ファインダーの前方への出っ張りを極力抑え、前から見ると全部マウントに沿ったデザインとなっている[1]。 |
2018年7月25日に新規格のレンズマウントを持つ35mmフルサイズの撮像素子を採用したミラーレスカメラとして発表された[2]。同年9月28日にミラーレスカメラ「Z 7」と新マウントであるZマウントのレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」およびマウントアダプター「FTZ」が発売された。フルサイズのミラーレスカメラを発売するのはニコンとしては初であり、2013年のソニー「α7」、2015年のライカ「SL」[注 2]についで3社目である[注 3]。
2019年11月22日にはZシリーズ初のAPS-C(DXフォーマット)製品として「Z 50」ならびにレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」および「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」が発売された。
「Z」は究極・最高を意味し、アルファベット最後の文字として、未来への懸け橋を想起させるものとして定められた[3]。ロゴには黒板太字の「ℤ」が使用される。
従来のFマウントレンズはマウントアダプターFTZ(FTZ II)をかますことでZマウントボディに装着する。FTZはFからZという意味のネーミングである[4]。
Zマウントシステム発表時は、カメラボディの名称には、「Z」の後に「_」(半角スペース)を付けることとなっていたが、2024年6月17日の『Nikon Z6III』発表では半角スペースがなくなっており[5]、それ以前に発売されたボディの表記も半角スペースなしとなっている。飯田ともきは、この半角スペースは「検索避け」のためだったのではないかとしている[6]。
Zマウントは内径55mm(バヨネット爪の内側の径52.0mm[7])、フランジバック16mmであり、 35mmフルサイズ用レンズマウントとして最大の内径、最短のフランジバックの規格である。 大口径の新マウントの採用により、レンズ設計の自由度が上がり、光学性能の向上を実現したとされる[3]。
「Zマウントによって生まれ変わったニッコール」を象徴するレンズとして、ニコン史上最高の開放f値0.95の「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」が計画され[8]2019年、2020年に発売された。
ニコンFマウントと比較すると、内径はFマウントの47mmから8mm拡大され、内爪をFマウントの3本から4本爪とすることでFマウント以上の強度を保ちつつ、レンズの交換時の回転角度をFマウントの60度から40度に抑え、効率的なレンズ交換を可能にした[9]。
高画素化やハイフレームレート化に対応するために、Fマウントよりレンズ・ボディー間の通信の高速化、大容量化、分解能の向上がされている[9]。
機種 | 発売日 | センサー 有効画素数 ISO感度 |
シャッター 高速連続撮影 シャッタースピード |
ファインダー 倍率 |
ほか主な装備 | 質量 | 画像処理エンジン | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FXフォーマット(フルサイズ) | |||||||||
Z9 | 2021年
12月24日 |
4571万画素
ISO 64-25600 |
約20コマ/秒
(約120コマ/秒) |
約369万ドット 約0.8倍 |
ボディ手ブレ補正 4軸チルト式モニター 肩液晶 Real-Live Viewfinder |
約1340g | EXPEED 7 | 縦グリップ一体型のフラッグシップモデル 高速読み込みセンサーを採用しメカシャッターレスという大胆な設計を採用。 「EXPEED 7」の採用によりZ 7II比で約10倍の高速処理を実現 CFexpress (Type B)(XQDカード)のダブルスロット採用 8K収録など動画面での性能が強化されている カメラグランプリ2022大賞・あなたが選ぶベストカメラ賞を同時受賞 | |
Z8 | 2023年 5月26日 |
約20コマ/秒 (約120コマ/秒) 1/32000~30秒 |
約910g | Z9から縦グリップを除いた体積比30%の小型化・430g軽量化したボディに、Z9とほぼ同等な性能と機能を凝縮して、機動力を高めたモデル。 有線LAN・シンクロターミナル・音声マイク・GPS機能は省略されたが、 USB (Type-C) はデータ用と充電用の2ポート端子を備える。 CFexpress (Type B) とSD (UHS-II) の2種類の異なるダブルスロットを採用。 DGPイメージングアワード2023総合金賞を受賞 | |||||
Z7 | Z7II | 2020年 11月12日 |
4575万画素 ISO 64-25600 |
約10コマ/秒 1/8000~30秒 |
ボディ手ブレ補正 チルト式モニター 肩液晶 |
約705g | デュアルEXPEED 6 | Z 7の性能向上モデル。「デュアルEXPEED 6」の搭載により処理速度が向上している。 CFexpress (Type B)とSDのダブルスロット採用 | |
Z7 | 2018年 9月28日 |
約9コマ/秒 1/8000~30秒 |
約675g | EXPEED 6 | プロ・ハイアマチュアをメインターゲットとした高画素機 →詳細は「ニコン Z 7」を参照 | ||||
Z6 | Z6III | 2024年
7月12日 |
2450万画素 ISO 100-64000 |
約14コマ/秒
(約120コマ/秒) |
576万ドット
約0.8倍 |
ボディ手振れ補正 バリアングル式モニター 肩液晶 |
約760g | EXPEED 7 | Z6IIの後継機。世界初の部分積層型CMOSセンサー搭載により、センサー読み出し速度がZ6II比で3.5倍に高速化。プリキャプチャーも可能なFXで最大60コマ/秒、DX (JPEG) で最高120コマ/秒の静止画撮影のほか、6K/60p N-RAW、5.4K 60p、4K UHD 120p (DX) および、フルHD/240p など多彩な動画撮影モードに対応した。「EXPEED 7」搭載により、Z9/Z8ゆずりのAF性能を継承。
ファインダー (EVF) はミラーレス史上最も明るい最大4000カンデラと、576万ドットの高解像度を実現した。 CFexpress (Type B) とSDのダブルスロットを採用。フォーカスポイント手ぶれ補正機能と、8段分のボディ内手ブレ補正機能を搭載。「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」により、ユーザー好みのピクチャーコントロールを書き出し・登録が可能。 |
Z6II | 2020年 11月6日 |
2450万画素 ISO 100-51200 |
約14コマ/秒 1/8000~30秒 |
約369万ドット 約0.8倍 |
ボディ手ブレ補正 チルト式モニター 肩液晶 |
約705g | デュアルEXPEED 6 | Z 6の性能向上モデル。「デュアルEXPEED 6」の搭載により処理速度を向上している。 CFexpress (Type B)とSDのダブルスロット採用 | |
Z6 | 2018年 11月23日 |
約12コマ/秒 1/8000~30秒 |
約675g | EXPEED 6 | 高感度性能にも優れたオールラウンドモデル | ||||
Zf | 2023年 10月27日 |
2528万画素 ISO 100-64000 |
約14コマ/秒 (約30コマ/秒) 1/8000~30秒 |
ボディ手振れ補正 バリアングル式モニター 肩液晶(F値のみ) |
約710g | EXPEED 7 | Z fcのヒットにより企画が実現 ニコンDfのミラーレス版とも言えるヘリテージデザインの35mmフルサイズ機 Z f の「f」には「Fusion=融合」という意味と、ニコンFに象徴される歴史的な思いが込められている。 軍艦部に、真鍮製のシャッタースピード・露出補正・ISO感度の各ダイヤルを装備。 モノクローム撮影に瞬時に切り替え可能な専用レバーを搭載。4K UHD動画撮影に対応。 Z 6IIの撮影機能を全体的にパワーアップし、世界初のフォーカスポイント手振れ補正機能と、8段分のボディー内手ブレ補正機能を搭載。 SD (UHS-II) とmicroSD (UHS-I) のダブルスロットを採用 DGPイメージングアワード2023審査員特別賞を受賞 | ||
Z5 | 2020年 8月28日 |
2432万画素 ISO 100-51200 |
約4.5コマ/秒 1/8000~30秒 |
ボディ手振れ補正 チルト式モニター |
約675g | EXPEED 6 | 携行性を重視したフルサイズミラーレスエントリー機 Zシリーズとして唯一SDダブルスロット採用 | ||
DXフォーマット(APS-C) | |||||||||
Z50 | 2019年 11月22日 |
2088万画素 ISO 100-51200 |
約11コマ/秒 1/4000~30秒 |
約236万ドット 約1.02倍 |
チルト式モニター 内蔵フラッシュ |
約450g | EXPEED 6 | DXフォーマット(APS-Cサイズ)のミドルレンジ機 | |
Zfc | 2021年 7月23日 |
2088万画素 ISO 100-51200 |
約11コマ/秒 1/4000~30秒 |
約236万ドット 約1.02倍 |
バリアングル式モニター | 約445g | ニコンFM2にインスパイアされたヘリテージデザインのAPS-C機 ボディーの人工皮革部分の張替に対応する。 ZマウントAPS-C機として初めて動画瞳AF/動物AF、Type-C端子による給電に対応。 カメラグランプリ2022企画賞を受賞 | ||
Z30 | 2022年 8月5日 |
2088万画素 ISO 100-51200 |
約11コマ/秒 1/4000~30秒 |
なし | バリアングル式モニター | 約405g | 「小型軽量のZマウント入門機」及び「Vlogger向けビデオカメラ」として設定 4K30pの動画撮影にも対応 Vlogger向けに、三脚兼用グリップ同梱セットも発売 |
S | S-Lineを意味する上位レンズに冠する号。ナノクリスタルコートが施されている。 |
---|---|
VR | 手ブレ補正機構「Vibration Reduction」(Vibration:振動 Reduction:減少)を搭載したレンズ。 |
MC | マイクロ(マクロ)レンズ。 |
DX | イメージサークルが「APS-C」及び「スーパー35」に対応するレンズ。 |
TC | テレコンバーターを内蔵したレンズ。 |
以下、発売中もしくは発売日の決定しているZレンズの一覧を示す[注 4]。
電子接点を搭載したレンズを製造するメーカーを示す。 メーカー名はアルファベット順[注 4]。
ニコンとのライセンス契約で開発・製造したレンズ。
ニコンとのライセンス契約で開発・製造したレンズ。
中国深圳の光学メーカーである銘匠光学科技有限公司がTTartisanブランドで製造したレンズ[10]。
中国深圳の光学メーカーである深圳市爵影科技有限公司がViltroxブランドで製造したレンズ[11]。
中国深圳の光学メーカーである永諾撮影器材株式会社がYongnuoブランドで製造したレンズ[12]。
Tマウント等のアダプタが前提のレンズを除く。
電子接点を備えたマウントアダプターを以下に示す。
レンズ側 マウント |
品名 | メーカー | 発売日 | AFおよび EXIF記録 |
レンズ内 手振れ補正 |
三脚座 | 他機能 | 質量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニコンF | FTZ II | ニコン | 2021年 12月24日 |
〇[注 5] | 〇 | - | - | 125g | FTZから三脚座を取り除いたモデル |
FTZ | ニコン | 2018年 9月28日 |
〇[注 6] | 〇 | 固定 | - | 135g | ||
キヤノン EF/EF-S |
EF-Z | Viltrox | 2020年 1月4日 |
〇 | 〇 | - | - | ||
FR-NZ1[13] | Fringer | 2020年 1月20日 |
〇 | 〇 | 着脱式 アルカスイス互換 |
- | |||
TZC-01[14] | TECHART | 2020年 3月3日 |
〇 | 〇 | - | ファンクションボタンによる 「クイックフォーカス機能」 |
108g | ||
CM-EF-NZ[15] | Commlite | 2020年 6月11日 |
〇 | 〇 | 固定 | - | |||
EF-NKZ-FSN | Fotodiox | 2020年 12月13日 |
〇 | 〇 | - | ファンクションボタン(L-Fn) | |||
キヤノンEF | EF-Z2 0.71x | Viltrox | 2020年 8月31日 |
〇 | 〇 | 着脱式 | スピードブースター | 268g | イメージサークルがAPS-Cサイズとなり 焦点距離0.71倍、1段明るくなる。 |
ソニーFE/E | ETZ21 | Megadap | 2022年 5月27日 |
〇 | 〇 | - | |||
ETZ11 | Megadap | 2021年 8月 |
〇 | 〇 | APS-CのZボディにも取付可能 | ||||
TZE-02 | TECHART | 2021年 9月17日 |
〇 | 〇 | - | - | 41g | 動作を安定させたTZE-01の後継モデル | |
TZE-01[16] | TECHART | 2019年 7月23日 |
〇 | 〇 | - | - | 41g | ||
ライカM | TZM-01 | TECHART | 2020年 11月21日 |
〇 | - | - | 4.5mmの繰り出しにより 最短撮影距離を短縮 |
モーターを内蔵。 ライカMマウント用のマウントアダプターを併用することで他マウントレンズもAF化可能。 | |
MTZ11[17] | Megadap | 2020年 12月16日 |
〇 | - | - | 6.5mmの繰り出しにより 最短撮影距離を短縮 |
150g | モーターを内蔵。 ライカMマウント用のマウントアダプターを併用することで他マウントレンズもAF化可能。 特許取得の新構造により重いレンズを使用した際のぐらつきを回避。 | |
LM-NKZ-PRN | Fotodiox | 2021年 10月20日 |
〇 | - | - | 5mmの繰り出しにより 最短撮影距離を短縮 |
170g | ||
コンタックスG | TZG-01 | TECHART | 〇 | - | - | - | |||
マミヤ7 | Fotodiox Pro Fusion Mamiya7 | Fotodiox | - | - | - | - |
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