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スズラン
スズラン亜科スズラン属の多年草 ウィキペディアから
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スズラン(鈴蘭、学名: Convallaria majalis var. manshurica)は、スズラン亜科スズラン属に属する多年草の一種。狭義にはその中の一変種Convallaria majalis var. keiskeiを指す。学名のConvallariaはラテン語の谷(Convallis)に由来する[6]。君影草(きみかげそう)[7][9]、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)の別名もある。
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本種は「ラン」と付いているがラン科ではなくキジカクシ科(旧科名ユリ科)に分類される[10]。スズランの別名を持つ植物にラン科のカキランがあり、『日本草木植物総検索誌』(1979年)の和名索引ではともに「スズラン」とされ科名で区別されている[11]。他にイチヤクソウやベンケイソウもスズランと呼ばれていたことがある[11]。
高原などに群落を作って生育している[12]。草丈は15 - 30センチメートル[12]。葉はふつう2枚が抱き合って伸び、葉の間から花茎を伸ばして白い釣鐘形の花を咲かせる[12]。
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種類
スズラン属は北半球に数種がみられるが、これらに関しては1種で2変種または3変種、あるいはそれぞれ独立種とされることもあり見解が分かれる[6][13]。
- Convallaria majalis var. keiskei - 温帯アジア(北海道、本州、九州、サハリン、東シベリア、中国、朝鮮半島)に分布[7]。
- C. majalis var. majalis(ドイツスズラン)[13] - ヨーロッパ原産[7]。葉がやや小型だが花が大きく芳香が強い[7]。
- C. majalis var. montana(アメリカスズラン)[13] – 北米のアパラチア山脈一帯に分布[6][7]。
日本などで自生しているスズランは花茎が短く花の数も少ないため、市場で出回っている園芸上のスズランは一般的にドイツスズランである[14]。両者は花の大きさ、葉の質、花冠の形、葯や花粉、花糸の基部の色に違いがある[15]。
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利用
香水として利用される。聖なる香りと言われ、愛しい人にふりかけると振り向いてくれるという言い伝えも残る[16]。また、全草に強心配糖体のコンバラトキシンなどを含んでいる[7]。
香水
バラ、ジャスミン、ライラック、スズランは、香料の世界では四大フローラルと呼ばれており、特にバラ、ジャスミン、スズランは三大フローラルとも呼ばれている。
生薬
強心作用や利尿作用があることから生薬や製薬の原料とされる[7]。
毒性
全草、特に根茎に毒成分が多く、誤食すると嘔吐、頭痛、眩暈、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重傷の場合、心不全から死亡に至ることもある[12]。強心配糖体のコンバラトキシン(convallatoxin)、コンバラマリン (convallamarin)、コンバロシド (convalloside) などを含む有毒植物。有毒物質は全草に持つが、特に花や根に多く含まれる。花壇などに植えられているドイツスズランも有毒である[12]。
山菜として珍重されるギョウジャニンニクと外見が似ていることもあり[12]、誤って摂取し中毒症状を起こす例が見られる。スズランを活けた水を飲んでも中毒を起こすことがあり、上野正彦著「死体は語る」には、五歳の子どもが枕元に置いてあったスズランの活けられた花瓶の水を飲み死亡した例が書かれている。
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文化
花言葉は「清浄」「幸福」[7]。フランスでは5月1日はミュゲの日といい、愛する人にスズランを贈る習慣がある[17]。ゲルマン神話では、春の女神オスタラがスズランの守護神となっている。別名「聖母の涙」ともいわれる[16]。
他方、有毒植物であることからアイヌでは「毒の花」として親しまれなかった[7]。
国花など
フィンランドの国花であり、スウェーデンのイェストリークランド地方の花でもある。
日本の自治体・行政区の花
国指定文化財
日本では以下が、天然記念物として国の文化財の指定を受けている。
画像
脚注
参考文献
外部リンク
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