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プロレス技のひとつ ウィキペディアから
ジャーマン・スープレックス(German Suplex)は、プロレス技の一種である。相手の背後から両腕を回して腰をクラッチし、そのまま相手を後方へと反り投げ、ブリッジした状態でフォールを奪う。
ブリッジした際に、踵を上げて爪先立ちになるレスラーとベタ足になるレスラーが存在する。踵を上げるのはフォール時のブリッジによる相手の首の圧迫を狙ったもの(落差ではなく後方へと反り投げる角度に関係する)。その分、ベタ足より、ブリッジとしての安定感は減少する。またプロの場合は観客へのアピールも重要な要素であり、投げる際も観客にわかりやすくダイナミックで美しく見えるようにするため、より高く大きく投げて見せる必要があることから、踵を上げ爪先立ちで大きな弧を描いて投げるという側面もある。
ブラジリアン柔術では、国際ブラジリアン柔術連盟、国際柔術連盟ともに、相手を頭や首から落とすジャーマン・スープレックスは禁止技である。
日本名は原爆固め(げんばくがため)、ホールドしないで投げ捨てた場合は原爆投げ(げんばくなげ)と呼ばれる。また、技を仕掛けた形が華麗なアーチを描くことから、人間橋(にんげんきょう)という別名も付けられている。
ジャーマン・スープレックスという名称について、「ジャーマン」の由来は、カール・ゴッチがドイツ出身とされていたためである。ゴッチは単にスープレックスと呼んでいる。カール・ゴッチは、スープレックスと呼べる技はジャーマンスープレックスだけであり、正確にはジャーマン・スープレックスではなく単にスープレックスであり、他のスープレックスと呼ばれるブリッジしながら相手を後方に投げる技は、サルトと呼ばれるものであると語っていた。
その後、カール・ゴッチは別のインタビューで「あのジャーマン・スープレックスは、グレコローマンスタイルの技なんだ。その源流はフィンランドにある。フィンランドはグレコローマンが強い国で有名だったからね。だからあの技はジャーマンではなく、実はフィン・スープレックスと呼ばれていたんだよ」と述べた[1]。
アメリカでは、ゴッチのジャーマン・スープレックスは、アトミック・スープレックス(Atomic Suplex)と呼ばれている。
日本での「原爆固め」という呼称は、ゴッチがジャーマン・スープレックスを日本で初披露した際に東京スポーツの桜井康雄がインタビューでゴッチに技の名前を聞くと「ジャーマン・スープレックス」と答えたためでデスクに報告したが、ジャーマン・スープレックスの名称では紙面を飾りにくいと考えたデスクが「日本語じゃなんて言うんだ」と聞いた際に、桜井がアメリカではゴッチのジャーマン・スープレックスがアトミック・スープレックスと呼ばれていることを参考に「原爆固めです」と答えたのが命名となったという[2]。。ただし日本は被爆国であることから「原爆固め」の呼称は徐々に使われなくなっており、『週刊プロレス』では原爆の被爆者に配慮して「原爆固め」の名称を使用していない。
ジャーマン・スープレックスの原型は、レスリングでスープレイ(相手の背後に回り込んで後方へと反り投げる)と呼ばれた投げ技を、レスリング出身のカール・ゴッチがプロレスに取り入れたことが始まりである。日本では1961年4月の公開練習で初披露され、5月1日に日本プロレスの東京都体育館大会で行われた対吉村道明戦が試合での初公開となった[3]。このこともあり、ジャーマン・スープレックスとゴッチは切っても切れない関係になり、代名詞と言われるほどとなった[4]。
ヒロ・マツダはゴッチから直接伝授され、日本人レスラーで最初に使用しており[5]、名手として知られた。以後、マツダが国際プロレスに所属していたことから、サンダー杉山とグレート草津に引き継がれた。その後、寺西勇、マイティ井上、剛竜馬が使い手となる。
新日本プロレスではゴッチが同団体に協力していた関係で、アントニオ猪木をはじめ、木戸修、藤波辰爾、藤原喜明、ドン荒川、小林邦昭、長州力、初代タイガーマスク、前田日明、ジョージ高野、平田淳嗣、ヒロ斎藤、谷津嘉章、高田延彦、山崎一夫、高野俊二、後藤達俊らが使い手となる。
全日本プロレスではジャンボ鶴田がアメリカ修行から凱旋後に使い始めたことがきっかけとなり、大仁田厚、渕正信、天龍源一郎、石川孝志、越中詩郎、三沢光晴らが使い手となる。その後、鶴田はバックドロップとバックドロップ・ホールドを使用してからは封印しており、理由は「威力がありすぎる上に調節が難しい」等諸説ある。大仁田は膝の故障以後は封印した。その後、三沢、川田利明、小橋建太、田上明による投げっ放し式(ホイップ式)を使用した攻防が過熱して四天王プロレスと言われる独自のスタイルを確立していく。
女子レスラーでは長与千種、立野記代、ブル中野が使用していた。
外国人レスラーではチャボ・ゲレロ、カネック、アイアン・シーク、スティーブ・カーン、ボブ・バックランド、ジョー・マレンコ、オーエン・ハート、ゲーリー・オブライト、投げっ放し式の第一人者であるリック・スタイナーが使用していた。
かつては圧倒的な威力を誇り、芸術的な美しさを持つ技であったことから「プロレスの芸術品[6]」や「プロレス技の王[要出典]」と称されてきたが、改良を加えた派生技の発展と受身の技術の向上に伴い、中盤の痛め技として使用されていることが多くなっていた。しかし、近年[いつ?]では高山善廣を筆頭に中西学、本田多聞、福田雅一、関本大介、橋本千紘ら多くのレスラーが磨き上げることでフィニッシュ・ホールドとして使用している。
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