『グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦』(THE GOONIES II -[注釈 1]、グーニーズツー フラッテリーさいごのちょうせん)は、コナミが1987年3月18日に発売したファミリーコンピュータ用のゲームソフト。
映画『グーニーズ』(1985年)を原作とし、ファミリーコンピュータ用ゲームとして発売された『グーニーズ』(1986年)の続編作品。基本的には前作同様サイドビューのアクションゲームであるが、本作では3D画面のダンジョンが追加され、アドベンチャーゲームの要素も加わった。また、前作は欧米のNintendo Entertainment System(NES)では発売されなかったが、本作はNESでも『The Goonies II』として発売された。
なお、本作のストーリーはゲーム独自のものであり、登場キャラクターの一人「アニー」もゲームオリジナルキャラクターである。表記は全部カタカナ。
システム
主人公のマイキーを操作し、捕らわれたグーニーズと人魚アニーを救出するのが最終目的。表と裏2つのステージに分かれており、各所に置かれたワープの部屋を通して行きしながら、アニーの待つ部屋へと目指していく。グーニーズを6人全員助けた後、最後にアニーを助けるとエンディングとなる(5人以下しか助けていない場合でもアニーの居場所に行くことは可能だが、助けることは出来ない)。
前作同様ライフ制と残機制を併用。ライフは初期状態が2ゲージで、グーニーズの仲間を1人助けるごとに1ゲージずつ増えていく(最大は8ゲージ)。敵の攻撃や滝などのトラップに当たるとライフが減り、ライフが0になったり、穴や海底・溶岩湖に落ちると自機が減る(なお、前作で存在した時間制限は撤廃されている)。自機が0になるとゲームはいったん終了し、任意の選択画面に移行する(詳細は#自機が0になった場合の扱いを参照)。
マイキーの通常の攻撃手段はヨーヨーだが、該当のアイテムを入手することで遠距離攻撃のパチンコ・ブーメラン、特殊攻撃の爆弾・火炎瓶が使用可能。ヨーヨー・パチンコ・ブーメランはBボタンで、爆弾と火炎瓶は上ボタン+Bボタンで使用する。なお、水中ステージでは水中銃がメインの武器になり、アイテム武器は爆弾のみ使用可能。
アクション画面ではスタートボタンでサブ画面の切り替えができる。サブ画面では、所持アイテムや自機数の状況およびマップ(表ステージと裏ステージの切り替えはBボタンで行う)の確認、また武器や靴の交換が可能。マップは赤い丸がマイキーの居場所、青い丸(アイテムの受信機を入手すると表示)が仲間の居場所を示している。
アクション画面の各所には扉が設けられており、そこから3Dダンジョンへと出入りする。ダンジョンでは中にいる人から話を聞いたり、アイテムを入手したり、牢屋に閉じ込められているグーニーズの仲間を助けたりする。また、特定の壁を素手やハンマーで叩くことで、アイテムや隠し扉が出現することもある。なお、表と裏のステージを行き来することが出来る場合は、画面の手前側(下ボタン)が表ステージ、奥側(上ボタン)が裏ステージとなる。
プレイヤーが0になった場合の扱い
今作では、プレイヤーが0になってもゲームオーバーとはならず、フラッテリー一味が画面に現れ、コンティニューをするか、パスワードを取るかの選択を迫ってくる。この画面で、スタートボタンを押すとコンティニューを、セレクトボタンを押すとパスワードを取ることになる。
コンティニューをすると、最後にやられた画面から以下の条件で再開する。
- マイキーの自機数は3。
- 鍵・爆弾・火炎瓶についてはストックが0となり、パチンコは消滅する。
- その他のアイテム、すでに助けたグーニーズはそのまま残る。
- ライフは4ゲージ分回復する。
一方「パスワードを取る」を選ぶと、カタカナ14文字のパスワードが画面に出てくる。パスワードを入力することによってゲームを再開できるが、この場合はスタート画面から始めることになる。その他の条件はコンティニューした場合と同じ。
アイテム一覧
鍵・爆弾・火炎瓶は敵を倒すとランダムで現れ、取ると残り個数がそれぞれ3増える(それぞれキーホルダー・ボンブボックス・ファイアーボックスを入手しないと出てこない)。また、キーホルダー・ボンブボックス・ファイアーボックスを入手すると、そのアイテムが入手後の最大値まで補給される。
- 武器
- ヨーヨー
- マイキーの初期装備。射程は短いが、使用回数制限はない。
- ブーメラン
- 遠距離攻撃が可能。行って戻ってくる特性から、一撃で倒せない敵にも2度ダメージを与えることができる。任意の方向の十字ボタンを押しつつ発射することで各8方向へと発射できるが、上方へは爆弾・火炎瓶使用の操作と重なるため、ジャンプしてボタン入力する必要がある。使用回数制限はないが、アイアンマスクに食べられて消滅することがあり、その場合はあった場所まで取りに行かなければならない。威力はヨーヨーと同じ。
- パチンコ
- 画面の端まで攻撃可能な射撃武器。弾数は40。威力はヨーヨーと同じ。無くなった場合はあった場所まで取りに行くか、敵を倒した際にまれに入手することができる。
- 爆弾
- その場に置いて敵を攻撃したり、隠し扉を見つけるのに使用。ヨーヨー・ブーメラン・パチンコよりも威力のある攻撃が出来る。スケルトン系の敵を一撃で倒すことが出来る。水中でも使用可能。また前作と異なり、爆風に巻き込まれてもライフが減るだけで即死とはならない。場所によって素手で叩くと「ボンブボックス」を入手することで所持できる上限が5増える(最大20)。なお、発音としてはBombの"b"は読まないので誤った表現である。
- 火炎瓶
- 敵に投げつけて攻撃するアイテムで、投げると前方に放物線状に飛ぶ。威力は爆弾と同じだが、剣を持つ白いアーマー系の敵(アーマ・ゲッターなど)とアイアンマスクに限り、耐久値に関係なく一撃で倒すことが出来る。場所によって素手で叩くと「ファイヤーボックス」を入手することで所持できる上限が5増える(最大20)。
- 靴
- 普通のシューズ
- 最初から装備している。速度・ジャンプともに他の靴に劣るが、氷のステージでは滑りにくいという利点もある。
- ジャンプシューズ
- 底にバネのついた青い靴。マイキーのジャンプ力が3倍になる、水中ステージで手にはいる。
- ハイパーシューズ
- 翼のついた赤い靴。マイキーの移動速度が2倍になり、アイアンマスクから逃げやすくなる。2ヶ所で手に入れることが出来るが、1足入手するともう1ヶ所のハイパーシューズは無くなる。
- 3Dダンジョンで使用するアイテム
- 鍵
- 金庫・牢屋を開けるために必要。
- キーホルダー
- 鍵を持てる上限が2増える(最大8)。素手で叩くと手にはいる場所もある。
- ハンマー
- 壁や天井を叩いて、隠し扉・金庫・抜け穴などを見つける。
- ロウソク
- 暗い場所を明るくする。ある場所を叩いて入手できる。
- 眼鏡
- 見えない扉などが見えるようになる。隠し場所を開けるには鍵とハンマーが必要。
- トランシーバー
- 仲間からヒントを聞くことが出来る他、ゴエモンやツインビーといったコナミキャラからの励ましの言葉、フラッテリーからの脅迫、コナミスタッフによるメッセージ[注釈 2]を聞く事ができる。ある場所を叩く事で入手できる。
- 潜水服
- 水中のステージに行くのに必要。水中ではAボタンを押すことで泳ぎ、Bボタンで2連射まで可能な水中銃が使用できる。
- 梯子
- 天井や床の穴に入る時に使う。ある場所を素手で叩くと手にはいる。
- その他のアイテム
- ハートと手紙以外は持っているだけで効果を発揮する。
- ハート
- 敵を倒すとランダムで現れ、取るとライフが2分の1ゲージ回復する。
- 受信機
- 仲間の居場所が分かる。仲間の数だけ存在し、取らないで仲間を助けた場合、その仲間に対応する受信機は無くなる。全部で6つ。
- ヘルメット
- 氷のステージで氷柱のダメージを防ぐ。見つけるにはメガネが必要。
- カッパ
- 滝や間欠泉のダメージを防ぐ。
- 防弾チョッキ
- 敵からのダメージを半分に減らす。ギャングの銃弾や矢のダメージも受けなくなる。
- 手紙
- 3Dダンジョンの金庫を開けると表示されるメッセージ。部屋を入り直せば何度でも見ることができるが、見るたびに鍵を消費することになる。
前作『グーニーズ』で海賊船の財宝を手に入れ、フラッテリー一味を一旦は壊滅させたグーニーズ。それから1年後、壊滅したと思われていたフラッテリー一味が、グーニーズの仲間に加わった人魚のアニーを人質に取り、最後の挑戦を仕掛けてきた。「一人ずつ来い」という条件の下、グーニーズはアニーを助けようとするが次々に捕えられ、残ったのはマイキー一人。マイキーは仲間たちとアニーを救うため、フラッテリーのダンジョンに乗り込んでいった。
敵キャラクター
- ネット
- クモ。ジャンプで左右に移動する。
- スネイキー
- ヘビ。床の上を左右に移動する。先のステージになるとマイキーが同じ高さに来たときダッシュするようになる。
- スコッピィー
- 大型のサソリ。床の上を左右に動き、時おり尻尾から弾を撃ってくる。
- クロウ
- カラス。後方から波型に飛んできて、マイキーに近づくとスピードを上げて水平に突っ込んでくる。
- バッピー
- コウモリ。空中を飛びまわり、マイキーに突っ込んで姿を消す事もある。
- ゴースティ
- 特定の場所にしか現れないお化け。実体化するまでは攻撃が効かない。
- アイアンマスク
- つり橋にしか現れない灰色の頭蓋骨のような敵。マイキーに向かって飛んでくる。接触してもダメージを受けないが、マイキーがブーメランを持っていると奪われてしまう。こちらからブーメランを当てた場合も同様。
- フラッテリーママ
- 後半のステージに登場し、爆弾を投げてくる。後述の通常ギャング達と同じ性質で倒す事が出来ず、かつダウンを奪うにしても何発かダメージを与える必要がある。
- フラッテリーギャング
- 通常の人間大のギャング。マイキーに向かってきて、床の切れ目にくると大きくジャンプする。前作のギャングように倒してもダウンするだけで、一定時間で復活する。2種類おり、前方へ銃弾を放つもの(ジェイク)と前方3方向へ弓で矢を放つもの(フランシス)がいる。前作のギャングとは異なり、音符攻撃や梯子の昇降はしない。
- リトルギャング
- 小柄なギャング。攻撃や方向転換はせずひたすら一方向に歩き、床の切れ目や壁にくるとジャンプする。上述のギャングと異なり倒すと他のザコ敵のように消滅する。
- スケラー
- 動く骸骨。耐久力は高い。
- スケラーシールド
- スケラーが剣と楯を装備したキャラ。
- スケラーウイング
- 翼のような骨のある骸骨で、ジャンプでマイキーに向かってくる。耐久力がかなり高い。
- ロッグラー
- ゴーレムのように岩でできている。耐久力がかなり高い。
- アーマゲッター
- まっすぐな剣と丸い楯、そして鎧で身を固めたキャラ。
- アーマラウド
- 湾曲のある剣と大きな楯を持ったキャラ。ゲーム終盤で出現。
- コナゴン
- 地底溶岩のステージのみ出現するライトグリーン色をした怪獣。口から炎を吐く。同じコナミのゲーム『謎の壁 ブロックくずし』にも登場する。
- ペギー
- ペンギン。氷のステージに登場する。左右に歩く。
- スノー
- 氷のステージに登場する。防寒着をまとい、斧を投げつける。
- ホワイトボビー
- 白クマ。氷のステージに登場し、一定の範囲を左右に往復する。
- キバラ
- セイウチ。氷のステージに登場し、氷の上を滑ってくる。
- キャピラ
- ピラニアのような魚。水中のステージで泳ぐ。
- オックル
- タコ。水中のステージに登場し、ジャンプするように左右に動く。
- ロブス
- ロブスター。水中のステージに1箇所だけに登場し、ピョンピョン跳ねる。水中銃では倒せない。
- チョッキニー
- カニ。水中のステージに登場し、床の上を左右に動く。
- ジェラー
- クラゲ。水中のステージに登場し、一定の範囲を上下に往復する。倒すことはできない。
- ギャンビー
- サメ。水中のステージに登場し、S字を描くように左右に往復する。
3Dダンジョン内の登場人物
- 座布団ばあさん
- 主に情報を提供してくれる。ある場所で数回叩くとアイテムが入手できる。
- 仙人
- おもにワープの部屋にいる。
- コナミ大使
- 主に情報を提供してくれる。
- エスキモー
- 「ワタシ、エスキモー」としか言わないキャラ。
- 半魚人
- アイテムをくれたり1UPしてくれたりする。
- コナミマンタロウ
- 無償で体力を回復してくれる。但し、何度も叩くと次以降は回復してくれなくなるので注意。
※スタッフ個人の役割は明記されていない。
- イワサ
- 赤松仁司
- ウエヤマ
- ミウラ
- カワニシ
- 山田善朗
- ヤン
- タテイワ
- ハマダ
- 前沢秀憲
- ダイブツキノシタ(きのしたまり)
- シモネタケンジ(霜出健治)
- プレスワタナベ
- 寺島里恵(作曲、編曲担当)
さらに見る 項目, 総合 ...
項目 |
キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ |
総合 |
得点 |
3.64 | 3.66 | 3.46 | 3.58 | 3.27 | 3.19 |
20.80 |
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- ゲーム誌『ユーゲー』では、「前作に比べるとやや操作性に難があるが、前作に劣らぬ人気を博した」と評している[6]。
- 前作同様ゲーム中のBGMには、原作映画の主題歌「グーニーズはグッドイナフ」(1985年)をアレンジしたものが使われている。ただし、今作ではマップが広くなった分オリジナルの曲も増加した。
- 前作と違ってスコアの概念がなく、自機を増やすためには1UPを取るしかないのだが、絶対数が少なく入手までの過程も難しい。
- アニーが閉じ込められている部屋に入ると、アニーが閉じ込められている扉しか見えない。このため、仲間が6人揃っていない、もしくは鍵を持っていない状態で入った際に戻る必要がある場合、コマンド「ススム」を使用しても部屋から出ることが出来ず、一見「詰まり」状態に陥ったように感じるが、「潜水服」を使用すれば部屋から出ることが出来る。
- エンディング終了後に画面に現れるテロップは、「THE END」ではなく「GAME OVER」である。
- 発売当時、「マイキーくん愛用の(?)ヨーヨーが当たる」という抽選プレゼントキャンペーンが行われた。
注釈
パッケージなどの日本語ロゴ表記ではアラビア数字の「2」だが、ゲーム中のタイトル画面における英語表記ではローマ数字の「II」になっている。
出典
遠藤昭宏「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、8頁、雑誌17630-2。