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二次曲線の一種 ウィキペディアから
放物線(ほうぶつせん、拋物線・抛物線、希:παραβολή「parabolē」、羅、英: parabola、独: Parabel)[1]とは、その名の通り地表(つまり重力下)で投射した物体の運動(放物運動)が描く軌跡のことである。 放物線をその対称軸を中心として回転させた曲面を放物面という。
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質量 m の物体を斜めに投射するとき、投げ出されたあとの物体に掛かる力は、空気抵抗の存在しない理想的な状況下では下向きに掛かる重力 mg のみ(g は重力加速度)である。したがって、運動方程式 F = ma から、物体の加速度は
となる。初速が であるならば、積分して
となり、初期位置を r0 = (0, y0) にとると、さらに積分して
が時刻 t における物体の位置である。t を消去すれば、適当な定数 a, b, c によって
の形に書くことができる。
放物線は、円錐曲線の一つである。数学的な定義としてよく知られたものはいくつかの方法があるが、いずれも適当な枠組みで互いに他を導出することができる等価なものである。
平面幾何学において放物線(ほうぶつせん、parabola)とは、準線 (directrix) と呼ばれる直線 L と、その上にない焦点 (focus) と呼ばれる一点 F が与えられるとき、準線 L と焦点 F とをともに含む唯一つの平面 π 上の点 P であって、P から焦点 F への距離 PF と等しい距離 PQ を持つような準線 L 上の点 Q が存在するようなものの軌跡として定義される平面曲線である。
放物線上の点を P(x, y)、焦点を F(p, q)、準線の式を ax + by + c = 0 とすると、PQ = PF より、放物線の方程式は、
で与えられる。この式は一般形と呼ばれる。
放物線上の点を P(x, y)、焦点を F(0, a)、準線の式を y = −a とすると PQ = PF より、
なので
となる。x と y を入れ替えた y2 = 4ax も放物線の方程式である。この式は標準形と呼ばれる。
焦点と準線による定義から実際に放物線を糸や三角定規などを用いて作図することができる。
直線LとL上にない1点Fを固定し、L上に任意の点Pをとると、 直線PFと直線Lのなす角の2等分線は、直線Lを準線、点Fを焦点とする放物線の包絡線となる。
これを利用して、紙の折り跡から放物線を浮かび上がらせることができる[2]。
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ある曲線 γ が(γ 上の)ある点 P において C2-級ならば、γ は P の十分近くである放物線(の一部)にほぼ一致する。γ が必ずしも一定の平面上にある曲線ではないとしても、P において C2-級という条件から、P の十分近くであれば一定の平面上にほぼ乗っていると考えられる。別な言い方をすれば、任意の C2-級曲線は各点で放物線と二次の接触を持つ。
関数のグラフを放物線によって近似し、その関数の積分を計算する数値積分法にシンプソンの方法がある。このときの近似誤差はテイラーの式の3次の剰余項を適当に評価することで測れる。被積分関数が3次までの多項式関数ならば、シンプソンの公式による数値積分は誤差無しに積分値を得ることができる。
カテナリー曲線(懸垂線)は、見た目が放物線と似ていて混同されることがあるが、全く別物である。共通した性質として、
があり、両者は頂点付近の十分近くで微視的にはほぼ一致するが、巨視的にはかけ離れた形状を示す。
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