飯舘村
福島県相馬郡の町 ウィキペディアから
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福島県の浜通り夜ノ森以北、阿武隈高地の中腹、新田川の上流に位置する村である。新田川の上流に当たるので、新田川の下流に位置する南相馬市(旧原町市)との関係が深い。 標高は500m前後で、浜通りの中でも高い位置に存在する。また、浜通りでは唯一郵便番号の上二桁が「96」に属する自治体でもある。
寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。冬季は-15℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。
飯舘(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 14.4 (57.9) |
19.8 (67.6) |
23.0 (73.4) |
29.3 (84.7) |
31.6 (88.9) |
33.8 (92.8) |
35.2 (95.4) |
36.0 (96.8) |
35.8 (96.4) |
28.3 (82.9) |
24.1 (75.4) |
21.3 (70.3) |
36.0 (96.8) |
平均最高気温 °C (°F) | 3.4 (38.1) |
4.4 (39.9) |
8.5 (47.3) |
15.0 (59) |
20.3 (68.5) |
22.8 (73) |
26.5 (79.7) |
27.7 (81.9) |
23.6 (74.5) |
18.1 (64.6) |
12.7 (54.9) |
6.5 (43.7) |
15.8 (60.4) |
日平均気温 °C (°F) | −1.1 (30) |
−0.6 (30.9) |
2.9 (37.2) |
8.6 (47.5) |
14.0 (57.2) |
17.6 (63.7) |
21.4 (70.5) |
22.4 (72.3) |
18.4 (65.1) |
12.4 (54.3) |
6.7 (44.1) |
1.6 (34.9) |
10.3 (50.5) |
平均最低気温 °C (°F) | −6.0 (21.2) |
−6.0 (21.2) |
−2.6 (27.3) |
2.1 (35.8) |
7.7 (45.9) |
12.7 (54.9) |
17.4 (63.3) |
18.3 (64.9) |
14.0 (57.2) |
7.2 (45) |
0.9 (33.6) |
−3.2 (26.2) |
5.2 (41.4) |
最低気温記録 °C (°F) | −21.3 (−6.3) |
−20.9 (−5.6) |
−18.3 (−0.9) |
−13.9 (7) |
−2.7 (27.1) |
2.7 (36.9) |
7.3 (45.1) |
7.2 (45) |
1.7 (35.1) |
−4.6 (23.7) |
−7.6 (18.3) |
−21.0 (−5.8) |
−21.3 (−6.3) |
降水量 mm (inch) | 60.5 (2.382) |
41.1 (1.618) |
77.4 (3.047) |
103.1 (4.059) |
97.8 (3.85) |
131.7 (5.185) |
174.2 (6.858) |
189.5 (7.461) |
204.4 (8.047) |
170.5 (6.713) |
56.3 (2.217) |
48.4 (1.906) |
1,367.4 (53.835) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 7.7 | 6.6 | 9.0 | 8.9 | 9.8 | 12.2 | 14.2 | 12.1 | 12.3 | 9.6 | 7.0 | 8.2 | 117.6 |
平均月間日照時間 | 151.6 | 155.7 | 182.7 | 192.3 | 201.4 | 150.9 | 138.9 | 163.0 | 125.9 | 139.2 | 142.6 | 137.0 | 1,881 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[3] |
この村は、何度も複雑な合併を繰り返し、現在の名前に落ち着いている。
まず、町村制施行の1889年(明治22年)に飯樋村と比曽村、大倉村と佐須村が合併し、合成地名でそれぞれ飯曽村、大須村となった。
つづけて、1942年(昭和17年)に飯曽村が石橋村(この地名も合成地名である)を編入し、同年、大須村と新舘村が対等合併し、合成地名で大舘村となった。
最後に下記の年表にあるように、飯舘村という合成地名に落ち着いた。かろうじて、飯樋村と新舘村の一文字だけが、現村名として存続している[4]。
大字として、「飯樋」、「比曽」、「大倉」、「佐須」の名称は現在も受け継がれている。地図でみると、前者2つは南西部、後者2つは北東部に所在する。なお、下表に示した明治22年以前の18の村名すべてが大字として現存している[5]。
「飯樋」は東日本によく見られる地名で、池の水を田地におくる設備のこと、「比曽」は「檜の生える土地」という意味だと思われる。「佐須」は「焼き畑」を意味する言葉から来たもので、美方郡香美町香住区の「佐津」という地名が由来であるらしい。「大倉」とは「大きな倉」ではなく「大きな崖山」という意味だと地形図から読み取れる。「新舘」の「たて」は、「射楯(いたて)」の意味で、「伊達」と同語源で、住吉神社系統の海神を「イタテの神」と呼んだことに由来し、西日本(播磨国など)からこの地に移住して開墾したものと推定される[6]。
飯館村村域の変遷表 | |||
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明治22年以前 | 明治22年 - 昭和17年 | 昭和17年 - 昭和31年 | 昭和31年 - 現在 |
飯樋村 | 飯曽村 | 飯曽村 | 飯舘村 |
比曽村 | |||
前田村 | 石橋村 | ||
須萱村 | |||
二枚橋村 | |||
臼石村 | |||
関根村 | |||
松塚村 | |||
大倉村 | 大須村 | 大舘村 | |
佐須村 | |||
八木沢村 | 新舘村 | ||
芦股村 | |||
草野村 | |||
関沢村 | |||
沼平村 | |||
小宮村 | |||
伊丹沢村 | |||
深谷村 |
2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、飯舘村は震度6弱(観測地点:伊丹沢地区)を記録した[11](cf. 東日本大震災)。 地震動そのものによる被害は他地域との比較の上で極めて軽微であったが、地震とそれに伴う津波によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故(東京電力)の影響は深刻なものとなった。飯舘村はその全域が、放射線量が年間積算20ミリシーベルト[12]に達するおそれがあるとする「計画的避難区域」(1カ月以内を目安として住民全員の避難が指示される区域。より深刻な「警戒区域」の外側)に指定され、土壌からは放射性物質が検出されたが、2023年5月現在は一部地域を除き避難区域は解除された[13]。
飯舘村(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
村立小学3校は川俣町に移転。2018年度より震災前の飯舘中学校校舎に小学校も移転[28]。村内小学校3校は、2020年3月末で閉校。
村立幼稚園2施設は福島市飯野町大久保に移転後、認定こども園へと形態を変更し飯舘中学校校舎内に移転。
現在、村内の郵便局は二枚橋郵便局を除いて営業休止(2015年5月現在)
村内を鉄道路線は走っていない。震災前には、JR東日本福島駅および原ノ町駅から路線バスが走っていた。全村避難終了後、バス運行再開。
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