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横浜市緑区の町 ウィキペディアから
長津田(ながつた/ながつだ)は、神奈川県横浜市緑区の町名である。
大辞林によれば「谷津田:やつだ」とは《「谷津:やつ」(低地。たに。また、低湿地。やち。やと)にある湿田。谷地田(やちだ)。》とあり、『長津田』は「長い湿田」の意という。一般に、遷流する岩川上流部の集落を総称して「上長津田」、下流部を「下長津田」という。
多摩丘陵東縁部、鶴見川水系恩田川中流域右岸に位置する。地形は、町域北側に恩田川段丘崖があり、武蔵野層・鶴川層・上倉田層などに分類される洪積台地と恩田川・岩川周辺の10数本の谷戸からなる沖積地で構成される。沖積地は主として水田稲作(近年では糯米が主流)、洪積台地は山林・畠作が多い。町域東南部「馬之背」から十日市場町にかけて断層線がある。
近世には矢倉沢往還(国道246号/東名高速道路/東急田園都市線)と神奈川道(都市計画道路山下長津田線/JR横浜線)の結節地であった長津田宿が発展。戦国時代から江戸時代にかけての武将板部岡江雪斎の子孫の所領があった。大林寺は江雪斎が開基と伝えられている。1843年(天保14年)153戸。1868年(慶応3年)176戸926人。1869年(明治2年)145戸950人。1891年(明治24年)220戸1,397人。1939年(昭和14年)395戸。1980年(昭和55年)6,154世帯18,942人。
横浜開港後、上州・信州・甲州産の絹糸の集散地である八王子から横浜港へ輸送する中継地として発展。明治20年代以降、副業として養蚕が盛んになる。大正期以降、東京・横浜などに向けての商品野菜の栽培が増加。昭和40年代以降、鉄道・道路の開通に伴い、東急電鉄などによる宅地開発や神奈川県住宅供給公社などによる住宅団地造成が促進し人口が急増した。
住宅地の地価は、2024年(令和6年)1月1日の公示地価によれば、長津田3-2-19の地点で29万円/m²[6]、長津田4-4-5の地点で35万2000円/m²[7]、長津田6-8-20の地点で30万9000円/m²[8]、長津田7-9-3の地点で24万5000円/m²[9]、長津田町字柳下2426番11の地点で21万4000円/m²[10]、長津田町字中村4086番2の地点で14万3000円/m²[11]となっている。
かつて横浜市編入前のこの場所は、都筑郡田奈村大字長津田であった。
2024年(令和6年)4月30日現在(横浜市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
国勢調査による人口の推移。
国勢調査による世帯数の推移。
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年4月時点)[26]。
丁目 | 番・番地等 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
長津田一丁目 | 18〜21番 23〜29番 | 横浜市立いぶき野小学校 | 横浜市立田奈中学校 |
1〜17番 22番 | 横浜市立長津田第二小学校 | ||
長津田二丁目 | 1〜18番 21〜48番 | ||
19番、20番 | 横浜市立田奈小学校 | ||
長津田三丁目 | 28番〜32番4号 32番18号〜34番 | ||
1〜27番 32番5〜17号 35番 | 横浜市立長津田第二小学校 | ||
長津田四丁目 | 全域 | ||
長津田五丁目 | 1〜9番 10番5〜13号 | 横浜市立長津田小学校 | |
10番1〜4号 10番14〜32号 11番 | 横浜市立いぶき野小学校 | ||
長津田六丁目 | 19番1〜11号 19番20〜26号 20番14〜21号 21番 | ||
1〜18番 19番12〜19号 20番1〜13号 20番22〜38号 | 横浜市立長津田小学校 | ||
長津田七丁目 | 全域 | ||
長津田町 | 1291〜1304番地、1313〜1317番地 1343〜1349番地、1361〜1372番地 1377〜2105番地、2297〜2367番地 2372〜2375番地、2394〜2395番地 2401〜2403番地、2437番地の1 2666〜3235番地、3303番地 3828番地以降 | ||
2106番地の1〜2296番地 2368〜2371番地、2376〜2393番地 2396〜2400番地、2404〜2436番地 2437番地の2〜2665番地 | 横浜市立長津田第二小学校 | ||
1〜750番地 | 横浜市立いぶき野小学校 |
2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[27]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
長津田一丁目 | 26事業所 | 114人 |
長津田二丁目 | 57事業所 | 605人 |
長津田三丁目 | 19事業所 | 174人 |
長津田四丁目 | 81事業所 | 1,125人 |
長津田五丁目 | 114事業所 | 919人 |
長津田六丁目 | 37事業所 | 440人 |
長津田七丁目 | 27事業所 | 176人 |
計 | 361事業所 | 3,553人 |
長津田町 | 196事業所 | 3,952人 |
経済センサスによる事業所数の推移。なお、長津田と長津田町の合算数となる。
経済センサスによる従業員数の推移。なお、長津田と長津田町の合算数となる。
他、緑区民文化センターの建設計画がある。
横浜市では歴史的財産に富み、かつ、自然が多く残り、景勝地としての良さをも併せ持つ長津田の見どころを選び、中国湖南省瀟湘八景をモデルに「長津田十景」を定めた。
「長津田宿の歴史を活かしたまちづくり研究会」が中心となって2005年(平成17年)3月に選定され、2008年(平成20年)3月には長津田十景をデザインした絵タイルが歩道上に設置された[29][30][31]。
地区内にある長津田駅は東急田園都市線、JR横浜線、東急こどもの国線が乗り入れる横浜北部の主要ターミナルとなっている。しかし、線路が高架化されておらず街が分断されていることなどもあって駅前の街並や道路状態は雑然としており、再開発が急務となっている。ただし、再開発の高層棟の建設には反対の声も聞かれる。しかし、2007年11月16日長津田駅北口再開発計画の計画案が、市都市計画審議会で可決された。
2005年秋頃から、事故が絶えなかった駅前商店街の道路整備を開始し、駅から国道246号へと続く狭い道路幅の拡張工事に着手した。この道路は霧が丘方面へと続くが、2005年11月18日にオープンしたアピタ長津田店の影響もあり、土日は渋滞することが多い。工事に伴い、古くからある魚屋・そば屋などが立ち退きを迫られたが、これを機に廃業する商店も少なくない。同時並行的に駅構内の整備も始まり、2006年8月末にまでに、ローソンと東急による初の共同出店となる駅型コンビニ"LAWSON + toks"等、数店の商業施設がオープンした。
なお、JR横浜線が快速電車の運行を決めた際、長津田駅は不停車だった。その後に停車することになった。
岩川上流の岡部谷戸地区は田畑が続く農業地帯となっており、横浜市の中でも特に素朴な農村風景をとどめている。岩川最上流には「長津田町小川アメニティ」があり、夏にはホタルが観察できる。またこの地区で取れた野菜は近隣の旭区若葉台団地などに直送され、新鮮な状態のまま販売されることも多い。
町内の警察の管轄区域は以下の通りである[33]。
町丁 | 番・番地・地域等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|---|
長津田町 | 全域 | 緑警察署 | 長津田駅前交番 |
長津田 | 東名高速道路以北 | ||
東名高速道路以南 | 霧が丘交番 |
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