東京科学大学
日本の東京都目黒区に本部をおく国立大学 ウィキペディアから
日本の東京都目黒区に本部をおく国立大学 ウィキペディアから
東京科学大学(とうきょうかがくだいがく、英: Institute of Science Tokyo)は、東京都目黒区に本部を置く日本の国立大学。略称はScience Tokyo[1]。
2022年10月14日、それぞれ「指定国立大学」に認定されている東京工業大学と東京医科歯科大学は、2022年8月9日に開始を発表した統合に向けた協議[4]の結果、両法人並びに両法人がそれぞれ設置する大学を統合し、1法人1大学とすることについて、「法人統合及び大学統合に関する基本合意書[5]」を締結した[6]。2024年度中を目処として、できる限り早期の統合を目指している[6]。統合によりh5-指標で東京大学に次ぐ日本第2位の研究機関となる[7]。
ふたつの大学の統合に至る経緯は、もともと月1回行われていた四大学連合学長懇談で頻繁に話す機会があったことなどから、工学系大学との連携の必要性を感じていた田中雄二郎東京医科歯科大学学長から益一哉東京工業大学学長に、2020年に、東海国立大学機構のような方式での統合の可能性を示唆したところ、反応が薄かったため、代わりに大学等連携推進法人制度を利用した共同の研究所の設置・運営が提案された。これを受けた益一哉学長から、さらに踏み込んだ形で1大学1法人方式での法人統合が提案された[8]。
両大学は2022年11月25日から12月8日まで、新大学の名称案についてホームページで提案を受け付けた[9]。「新大学の目指す姿、組織文化にふさわしい名称であること」等を条件に、在学生や教職員、同窓生ほか、一般からの提案も受け付けた[9]。
2023年1月19日、新大学名称を「東京科学大学(仮称)」として大学設置・学校法人審議会への提出を決定した[2][3]。決定した理由として、「両大学の統合の目的は、両大学のこれまでの伝統と先進性を活かしながら、統合によってこれまでどの大学も為しえなかった新しい大学のあり方を創出することにあることを踏まえ、新大学の目指す姿・方向性を表す名称としました」等と発表している[3]。
同年10月31日には国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合して国立大学法人東京科学大学とする『国立大学法人法の一部を改正する法律案』が閣議決定され[10][11][12]、国立大学法人東京工業大学が国立大学法人東京科学大学に改称し、国立大学法人東京医科歯科大学は施行時に吸収合併され解散することが決定された[12]。この『国立大学法人法の一部を改正する法律案』は第212回国会に於いて審議され、12月13日に参議院本会議にて可決・成立した[13][14]。これにより新大学の発足は2024年10月1日となる予定[12]。特設サイトによれば、10月の統合直後の組織は、両大学の学部、大学院研究科、学院をそのまま引き継ぐとしている[15]。2025年4月からは、自身の専門分野とは異なる分野を体系的に学び、異分野間の交流と協働の経験を得る「医歯理工融合教育プログラム」が開始予定[15]。
ふたつの大学の統合に伴い、大学ファンドの運用益の配分を得られる「国際卓越研究大学[16]」への認定を目指しているとの報道がある[17]。
初代理事長(経営担当)は、東京工業大学の大竹尚登が候補者として決定した[18][19][20]。
初代学長・大学総括理事(教育・研究担当)は、東京医科歯科大学の田中雄二郎が内定した[21]。
(一法人一大学での理事長-学長体制)
2024年(令和6年)10月に、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合し開学した。当校は、統合前の2つの大学の学部や大学院などはそのまま引き継がれたうえ、新たに3つの研究組織を立ち上げ医学や歯学、理工学といったそれぞれの強みを連携させた世界トップクラスの研究開発を進めていくとしている。
年表 旧・東京工業大学
分析化学教室(1931年)、現・西1号館:登録有形文化財
旧・東京医科歯科大学
東京工業大学と東京医科歯科大学の学部学科、学院コースは、両大学統合後も同じ体系のまま維持されている。
学院・学部 | 類・学科 | 系・専門職学位課程 | コース・専門職学位課程 |
---|---|---|---|
理学院 | 第1類 | 数学系 | 数学コース |
物理学系 | 物理学コース | ||
化学系 | 化学コース | ||
エネルギーコース | |||
地球惑星科学系 | 地球惑星科学コース | ||
工学院 | 第4類 | 機械系 | 機械コース |
エネルギーコース | |||
エンジニアリングデザインコース | |||
ライフエンジニアリングコース | |||
原子核工学コース | |||
第4類・第5類 | システム制御系 | システム制御コース | |
エンジニアリングデザインコース | |||
第5類 | 電気電子系 | 電気電子コース | |
エネルギーコース | |||
ライフエンジニアリングコース | |||
原子核工学コース | |||
情報通信系 | 情報通信コース | ||
ライフエンジニアリングコース | |||
第3類・第4類 | 経営工学系 | 経営工学コース | |
エンジニアリングデザインコース | |||
物質理工学院 | 第2類 | 材料系 | 材料コース |
エネルギーコース | |||
ライフエンジニアリングコース | |||
原子核工学コース | |||
第3類 | 応用化学系 | 応用化学コース | |
エネルギーコース | |||
ライフエンジニアリングコース | |||
原子核工学コース | |||
情報理工学院 | 第1類 | 数理・計算科学系 | 数理・計算科学コース |
知能情報コース | |||
第5類 | 情報工学系 | 情報工学コース | |
知能情報コース | |||
生命理工学院 | 第7類 | 生命理工学系 | 生命理工学コース |
ライフエンジニアリングコース | |||
環境・社会理工学院 | 第6類 | 建築学系 | 建築学コース |
エンジニアリングデザインコース | |||
都市・環境学コース | |||
土木・環境工学系 | 土木工学コース | ||
エンジニアリングデザインコース | |||
都市・環境学コース | |||
第4類・第6類 | 融合理工学系 | 地球環境共創コース | |
エネルギーコース | |||
エンジニアリングデザインコース | |||
原子核工学コース | |||
社会・人間科学系 | 社会・人間科学コース(修士課程・博士後期課程のみ) | ||
イノベーション科学系 | イノベーション科学コース(博士後期課程のみ) | ||
技術経営専門職学位課程 | 技術経営専門職学位課程 | ||
医学部 | 医学科 | 6年制 | - |
保健衛生学科 | 4年制 | 看護学専攻 | |
検査技術学専攻 | |||
歯学部 | 歯学科 | 6年制 | - |
口腔保健学科 | 4年制 | 口腔保健衛生学専攻 | |
口腔保健工学専攻 |
教育面では、基礎科学を重視するとともに、文化・芸術も学習できる。
2006年4月、日本国内最速となるスーパーコンピュータ「TSUBAME」を稼働させ、教育や研究に無料ないし低い利用料で提供するとともに、日本の大学としては初めて学部学生でも研究やレポートの作成用として自由に利用できるようにした。また、このスパコンを利用した教育活用として Supercomputing Programming Contest が開催されている。
大学評価の世界的指標の一つである、クアクアレリ・シモンズによる「QS世界大学ランキング 2022」における総合評点の世界順位は、56位であった(国内大学中は第3位)[22]。
英『タイムズ』紙系の教育専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』によるTHE世界大学ランキングでは、毎年上位にランクされている。「2023(2022-2023年シーズン)」(2022年度)は世界ランク第301-350位、アジア同点47位、国内同点5位(名古屋大学と同順位)だった[23]。また、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションがベネッセと連携して日本の大学の評価を発表している『THE世界大学ランキング日本版2022』では、同点の大阪大学と競り合いながらも総合順位を同点第3位に確保した[24][25]。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
世界ランク | 141 | 201-250 | 251-300 | 251-300 | 251-300 | 251-300 | 301-350 | 301-350 | 301-350 |
アジア順位 | 13 | 16 | 28 | 28 | 28 | 28 | 33 | =39 | =47 |
国内順位 | 3 | 3 | 4 | 5 | 3 | 3 | 4 | =4 | =5 |
(注記)順位の数字の前にイコール記号が付く場合は、 原典の表記の通り、同点順位であることを表す。 (2021年度分から明記) |
2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
世界ランク | 51 | 99 | 118 | 90 | 61 | 55 | 112 | 108 | 128 | 125 |
アジア順位 | 9 | 16 | 16 | 13 | 11 | 11 | 14 | 10 | 13 | 13 |
国内順位 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 |
敷地面積は244,643 m2。大岡山キャンパスは、中心の大岡山地区、公道の下を通るトンネルの南側にある石川台地区(大田区)、東急線の線路を挟んで北側にある緑が丘地区の3つに大きく分けられる。正門を入ると桜並木が連なる。その正面にある本館は関東大震災の教訓から、非常に剛健な造りとなっている。体育館の裏手に位置するグラウンドは区と区の境界に当たり、バッターボックスの右が大田区、左が目黒区である。
また、学内の東急線上に架かる陸橋は東京富士見坂に指定されており、空気の澄んだ冬には富士山を見ることができる。
敷地面積は225,244 m2。キャンパスの中心に位置する学内通称「加藤山」周辺は、学生たちの憩いの場ともなっている。
2001年5月25日に「長津田キャンパス」から現名称へ改称した。「すずかけ」の名は当大学名誉教授であった谷口修が学問と関係の深い植物ということで、プラトンが開設したアカデメイアに多く植えられていたというスズカケノキ(プラタナス)を駅名とすることを学内で提案。賛成が得られたため、大学として東京急行電鉄へ要望を実施したという経緯がある[27]。
敷地面積は23,223.15m2。2016年に定められた30カ年計画により再開発計画の検討が進められている[28]。この再開発では、地上32階建て、地上24階建て、地上9階建ての3棟総延べ18万m2の高層ビルを建設し、研究スペースの拡充と産学官連携、国際化拠点を整備することが目的とされた。附属高校は2026年4月に大岡山キャンパス(緑が丘地区)へ移転することが計画されている[2][29]。
湯島キャンパスは元々、東京女子高等師範学校(現:お茶の水女子大学)の敷地の一部を間借りしていたものである。東京高等歯科医学校(旧制)時代、建築物の拡張の必要性に伴って、文部省は1930年に同校およびこれに隣接した東京高等師範学校(東京教育大学を経て、現:筑波大学)を文京区大塚に移転させ、本校の拡張が行われた。このような経緯もあり、湯島、駿河台キャンパスは限られた土地に建蔽率一杯の高層建築物が密集した形で配置されている。特に研究棟は超高層であり、国立の研究機関としては特異な外観を呈している。
湯島キャンパスの敷地面積は, 45,114㎡。
一橋大学、東京外国語大学との三大学で『三大学連合憲章』を2001年(平成13年)3月15日に締結。相互教育研究プログラムを展開している。
2018年9月時点
2018年9月時点、世界35の国・地域に146機関との部局間協定に加え、1つのコンソーシアムを形成、4つの大学院協定を締結している。
大学関係者と組織 ==
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