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日本の特撮テレビドラマ ウィキペディアから
『円盤戦争バンキッド』(えんばんせんそうバンキッド)は、1976年10月3日から1977年3月27日まで日本テレビ系で毎週日曜18時30分 - 19時に全26話が放送された、東宝製作の特撮テレビ番組。
当時話題だった空飛ぶ円盤をテーマに[1][2][3][4][5][6][7]、地球を攻撃するブキミ星人と地球を守るバンキッドの戦いを描く。
5人組みの集団ヒーローという設定は『秘密戦隊ゴレンジャー』と同じであるが[4]、メンバーに子供がいる、敵勢力が侵略対象を子供に限定して攻撃する、同じ色のヒーローがいるなど、独自の設定も含んでいる[6][注釈 1]。また、バンキッドの戦闘の他に特撮によるバンキッドマザーとブキミ星人の円盤との空中戦も描かれる。毎回、ラストには場面が暗転し、主人公の天馬昇が視聴者に話しかけて終わるという独特の構成を取っていた[5][注釈 2]。1977年1月2日放送の第14話では、番組冒頭でバンキッドの5人が新年の挨拶を行っている。
玩具メーカーのタカトクトイスがスポンサーであり、同社製品の「沈没ゲーム」が秘密基地への扉を開ける道具として使用されていた。
奥田英二(現・奥田瑛二)の初主演作でもある[4][5]。番組初期では、変身前の俳優が変身後のヒーローも演じていた[5]。
第6話以降のブキミ星人のデザインは、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』のデザインを担当していた成田亨が担当した[1][2][3][4][5][6]。成田が手がけたブキミ星人のデザインは抽象的なものが多く、成田自身も気に入っていたという[4]。
劇中に登場するUFOは、実際の目撃例を参考に描いている[7]。
地球への移住を画策するブキミ星人たちは、20年後に開始される移住計画の障害となる子供たちを狙った侵略活動を開始した。
それに気づいた宇崎博士は、5人の少年少女から成る少年円盤遊撃隊・バンキッドを組織した。地球を守るための戦いは今日も密かに繰り広げられているのだ。
ブキミ星人の襲来を知った宇崎博士が編成した少年円盤遊撃隊[注釈 3]。それぞれの額部分に黄色い星があり、星の数はそれぞれ異なる。ペガサスは両手を頭の上で交差させて「バンキッド・チェンジ!」の掛け声で、ペガサス以外の4人は両手を胸の前で交差させて「バンキッド・ゴー!」の掛け声で変身する。それぞれのメンバーは日常会話でも互いのことをバンキッドでの名前で呼んでいた。
母星が20年後に滅亡するため、地球を征服して移住しようと企む侵略宇宙人。そのために将来、確実に邪魔な存在になるであろう子供を標的とした作戦を遂行する。グザレ司令は地球侵略の先発隊司令官であり、黒幕(首領)については不明である。
一部の者は人間に擬態することもできる。誰か特定の人物に成り切ることも可能で、親しい間柄の者でも見破ることができないが、植物に触れると瞬時に枯れてしまい、飼い犬などは脅えて吠え立てるので正体がバレる。また、初期のエピソードにおいて「この中にブキミ星人がいる」の台詞とともに正体がバレることもあった[1]。
オープニング・エンディングを歌っている「天馬昇三」は奥田英二の変名だと言われているが、後番組の『小さなスーパーマン ガンバロン』の挿入歌「レッツ・ゴー!ダイバロン」も歌っており、2007年にCD化されたガンバロンのサントラのライナーノーツによれば、「当時、東京芸大の声楽科に在籍していた人物」とのこと。エンディングの歌詞は宇宙人との友好を描いており、物語の結末を暗示させている。
参照宇宙船SPECIAL 1998, p. 222
話数 | 放送日 | サブタイトル | 登場怪人 | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1976年 10月3日 |
エンバン編隊“13”の謎 |
|
長坂秀佳 | 金谷稔 |
2 | 10月10日 | モングッチ型落雷の謎 |
| ||
3 | 10月17日 | ハマキ型母船出現の謎 |
| ||
4 | 10月24日 | バラウナ型誘拐事件の謎 |
|
日高武治 | |
5 | 10月31日 | テルーン型宇宙記号の謎 |
| ||
6 | 11月7日 | アダムスキー型消滅の謎 | 金谷稔 | ||
7 | 11月14日 | アベック型蒸発光線の謎 | 加瀬高之 | ||
8 | 11月21日 | ボール型落下物の謎 |
|
長坂秀佳 | 日高武治 |
9 | 11月28日 | 二重型吸水パイプの謎 | |||
10 | 12月5日 | にせものは誰だ! | 野長瀬三摩地 | ||
11 | 12月12日 | ラビよ自信を持て!! |
| ||
12 | 12月19日 | おヘソを狙う宇宙人 | 加瀬高之 | 日高武治 | |
13 | 12月26日 | 名犬オックス危機一髪 |
| ||
14 | 1977年 1月2日 |
スワンの正月大騒動 | 長坂秀佳 | 野長瀬三摩地 | |
15 | 1月9日 | 暴走宇宙人エヌーピィ |
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16 | 1月16日 | 罠にかかった兄弟飛行 |
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日高武治 | |
17 | 1月23日 | 音楽バクダン青黄赤! |
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18 | 1月30日 | ブキミ会議をぶっ壊せ |
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加瀬高之 | |
19 | 2月6日 | パパの変身·SOS! |
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20 | 2月13日 | ママがブキミ星人に? | 長坂秀佳 | 野長瀬三摩地 | |
21 | 2月20日 | よわむし父さん大活躍 | |||
22 | 2月27日 | ママの魔女にご用心! | 加瀬高之 | 日高武治 | |
23 | 3月6日 | ヘンね、パパの超能力 |
| ||
24 | 3月13日 | 危し! 隠居の誕生日 |
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やなせひかる | |
25 | 3月20日 | 来るなら来い! グザレ | 加瀬高之 | ||
26 | 3月27日 | さらば、バンキッド |
|
この節の加筆が望まれています。 |
系列は放送当時のもの。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ | 日本テレビ系列 | 日曜 18:30 - 19:00 | 制作局 |
北海道 | 札幌テレビ | |||
青森県 | 青森放送[15] | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
岩手県 | テレビ岩手[16] | |||
秋田県 | 秋田放送[15] | 日本テレビ系列 | ||
山形県 | 山形放送[17] | |||
宮城県 | ミヤギテレビ[16] | |||
山梨県 | 山梨放送[18] | |||
富山県 | 北日本放送[19] | |||
福井県 | 福井放送[19] | |||
中京広域圏 | 中京テレビ | |||
近畿広域圏 | 読売テレビ | |||
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
広島県 | 広島テレビ | 日本テレビ系列 | ||
山口県 | 山口放送 | |||
香川県 | 西日本放送 | |||
愛媛県 | 南海放送 | |||
高知県 | 高知放送 | |||
福岡県 | 福岡放送 | |||
長崎県 | テレビ長崎 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 |
[注釈 21] | |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
新潟県 | 新潟総合テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
木曜 17:20 - 17:48[20] |
ほかの変身ヒーロー作品と異なり、序盤では変身後の各キャラクターは変身前の役者たちがそのまま演じていた。主演の奥田瑛二によれば「スタッフには吹き替えの役者さんを使うというアイディアがなかった」。そのため、途中から吹き替えのアクターが起用されるようになるまではアクションなどで苦労があったという。実際に作品を製作した東宝の子会社である日本映画新社は記録映画の製作が本来の業務であり、ドラマ、しかも高度で特殊な撮影技法が必要とされる特撮アクション映画に対する技術と経験が全くなかった。さらに同社のスタッフたちが特撮番組を製作することに対し偏見を持っていたことが致命的となった。
成田はティーバス大尉/ティーフン中尉で用いた角と頭部が一体化したデザインを特に気に入っており、後年の作品でも同様の造型を取り入れている[4]。
特殊美術を担当した木目憲悟は、本作品のミニチュアに関わるスタッフは美術と操演をあわせて3人しかおらず、造型から操演まで3人で兼任していたと述べている[10]。また、特撮監督はクレジットされている真野田陽一ではなくチーフ助監督の神澤信一がほとんどやっていたと証言している[10]。本作品について木目は、大変だったけど面白かったと述懐している[10]。
書籍『東宝特撮全怪獣図鑑』では、著作権者の了解を得られなかったとして本作品の掲載を見送っている[22]。
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