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中国のアクション2部作映画 ウィキペディアから
『レッドクリフ』(中題:赤壁、英題:Red Cliff)は、ジョン・ウー(呉宇森)監督による中国のアクション映画。中国文学の四大古典小説とされている羅貫中の『三国志演義』を基に、史実やオリジナル創作を交えながら前半のクライマックスシーンである赤壁の戦いを描く。
レッドクリフ Part I | |
---|---|
タイトル表記 | |
繁体字 | 赤壁 |
簡体字 | 赤壁 |
拼音 | Chìbì |
英題 | Red Cliff Part I |
各種情報 | |
監督 | 呉宇森(ジョン・ウー) |
脚本 |
呉宇森 陳汗(チェン・ハン) 盛和煜(シェン・ホーユー) 郭筝(グオ・ヂョン) |
製作総指揮 | 張家振(テレンス・チャン) |
出演者 |
梁朝偉(トニー・レオン) 金城武(かねしろ・たけし) 張豊毅(チャン・フォンイー) 張震(チャン・チェン) 趙薇(ヴィッキー・チャオ) 胡軍(フー・ジュン) 中村獅童 林志玲(リン・チーリン) |
音楽 | 岩代太郎 |
主題歌 | alan(阿蘭) |
撮影 |
呂楽(ルー・ユエ) 張黎(チャン・リー) |
編集 |
デビット・ウー 林安児(アンジー・ラム) 楊紅雨(ヤン・ホンユー) |
アクション指導 | 元奎(コリー・ユン) |
衣装 | 葉錦添(ティン・イップ) |
美術 | 葉錦添 |
製作会社 |
狮子山娯楽公司 中国電影集団 |
配給 |
中国電影集団公司 サミット・エンターテインメント 20世紀フォックス 美亜娯楽 ショーボックス 東宝東和/エイベックス |
公開 |
2008年7月10日 2008年11月1日 |
上映時間 | 145分 |
製作国 |
中華人民共和国 日本 韓国 アメリカ合衆国 |
言語 | 中国語(普通話) |
製作費 | 100億円(PartI、Part II 合計)[1] |
興行収入 |
3億200万人民元[2] 50.5億円[3] |
2部構成となっており、前編にあたる『レッドクリフ Part I』(原題:赤壁)が2008年、後編にあたる『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』(原題:赤壁2:決戦天下)が2009年に公開された。当初は一作のみの予定であったが5時間を超える長編になってしまったために、一部の地域を除き2部構成に分けての上映となった[5]。
中国映画過去最高額の投資と言われ、物語冒頭における阿斗を救出する趙雲の獅子奮迅の活躍や、関羽・張飛が奮闘する八卦の陣での合戦シーンがある。また、周瑜とその妻小喬の愛や小喬に懸想する曹操の執着などのロマンス要素、周瑜と諸葛亮の間で板ばさみになる魯粛の描写などユーモラスな描写もある。
中国では2008年7月10日に公開。初日興行収入は2700万人民元、上映開始から11日目に2億人民元を超え、どちらも『トランスフォーマー』の記録を超える。公開から1か月で3億200万人民元となり、『王妃の紋章』を抜き中国国産映画の興収新記録となる[2]。
日本では第21回東京国際映画祭のオープニング作品として上映された後、2008年11月1日に一般公開。キャッチコピーは「三国志の完全映画化」「信じる心、残っているか」。2008年の年度別映画興行成績は50.5億円で、同年度4位となる。本編の前に物語の背景や主要人物のキャラクターを説明するナレーションを加え、本編中に役名や地位のテロップを挿入する日本版独自の仕様がある。また、エンドロール終了後に『Part II』の特報がある。また、PartIIの公開に先駆けて2009年4月12日にDVDリリースから僅か一ヶ月という異例の早さでテレビ朝日の日曜洋画劇場枠にて初のテレビ放送が行われた。当日は同時間帯1位の19.9%(関東地区、ビデオリサーチ社調べ)の高視聴率を記録。
三国時代の中国。漢の丞相の曹操(のちの魏の礎を築いた)は、北部を平定した後、南部も制圧するために兵を進める。その目的は、天下統一に邪魔な劉備・孫権の抹殺だけでなく、今は周瑜の妻となった天下一の美人小喬の奪取にもあった。荊州にいた劉備軍は南下して軍を立て直そうとするが、途中の当陽県長坂にて追いつかれ、敗走する。
夏口へ逃げた劉備は、部下の諸葛亮(孔明)の提案に従い、孔明を孫権(のちに呉を建国)のもとへ派遣する。孔明は孫権の総司令である周瑜と意気投合し、2つの勢力は共に曹操と戦う同盟を結ぶ。孫権は数万の軍勢を派遣し、劉備軍とともに長江の赤壁付近で曹操軍と相対し、両者互いに決戦のために水軍と陸軍を動かすのだった。
『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』(赤壁2:决战天下 / 赤壁2:決戦天下 / 赤壁2:決戰天下、拼音: 、英語: Red Cliff II)は、2009年1月8日に中国で公開。日本では、同年4月10日に劇場公開。赤壁の戦いをクライマックスとした一大決戦を舞台に、強敵を前に知略を競う周瑜と諸葛亮の活躍を軸に、曹操・孫権・劉備ら各陣営の英雄、周瑜の妻・小喬や孫権の妹・尚香らヒロインそれぞれの戦いが様々に交錯して展開する。
前作に比して、火攻めで火達磨になる敵味方の兵士たちの描写や、孫尚香の友の無惨な死など、戦争そのものの悲惨さを強調した描写が目立つ。
西暦208年の中国。天下統一を目論む後漢の丞相・曹操は、蜀の劉備、呉の孫権の連合軍と戦った。圧倒的な兵力を持ちながら敗退した曹操軍は、連合軍5万の拠点である長江の赤壁の対岸に、80万の大陣営を設置した。
孫権の妹・尚香は兵士に化けて曹操軍に加わり、伝書鳩を使って孔明に情報を送っていた。曹操軍に疫病が広がっている事を知り、奇襲の好機と進言する孔明。だが、呉の周瑜は堂々と攻める作戦を選んだ。
疫病で死んだ兵士たちの死体を筏に積んで、連合軍側ヘ流す曹操。連合軍にも疫病が発生し、劉備は自軍を赤壁から撤退させた。取り残された呉軍と共に留まった孔明は、草を載せた舟を曹操軍に射らせて10万本の矢を調達した(草船借箭の計)。
周瑜の幼馴染として、降伏を説きに来る曹操軍の将幹。周瑜は逆に、曹操軍に裏切り者がいると将幹に思い込ませ、張允ら水上戦に長けた2将軍を殺させることに成功した。
総攻撃を決定する曹操軍。西南の風を利用して赤壁を火攻めにするために、軍船に硫黄が積まれた。曹操軍から脱出し、呉軍に敵の布陣を報告する尚香。孔明は気象の知識によって真夜中に風向きが変わることを予見した。真夜中まで曹操軍が動かなければ、逆に呉軍が敵船を火攻めに出来る。それを聞いて、密かに単身で曹操軍に向かう周瑜の妻・小喬。かねてから曹操に狙われていた美女の小喬は、和平の交渉と見せかけて曹操の出陣を遅らせた。
真夜中に風向きが変わり、火攻めを決行する呉軍。加えて敵陣の背後から急襲する蜀軍。劉備の撤退は味方をも欺く偽装だったのだ。船を繋いでいた曹操軍は焼き払われ、小喬も救い出されて連合軍は勝利した。僅かに残った配下と共に、曹操は敗走した。
欧米向け配給用に、1本にまとめた145分版[5]がフランスで公開された。上映開始から5日間の興収は、161万5459米国ドル。
2012年11月18日には、ジョン・ウー監督が自ら編集して1本にまとめた合体版との触れ込みで、テレビ朝日系・日曜洋画劇場において『レッドクリフ 特別版〜RED CLIFF INTERNATIONAL VER.〜』として日本国内で初放送された。なお、放映時間は通常放送よりも変則的なものだった上、野球中継の延長により放送開始時間が1時間遅延して放映された。
2007年2月、ジョン・ウー監督が発表した出演決定キャストは、周瑜 = 周潤発(チョウ・ユンファ)、諸葛亮 = 梁朝偉であった[7]。その直後にアン・リー監督作『ラスト、コーション』の撮影が長引いた梁朝偉が、心身の不良等を理由に降板、代役に金城武を立てたものの、今度はクランクイン初日に周潤発が突然降り(ギャラなどの契約条件で折り合わなかったと報道された[8])、替わって梁朝偉が監督に支援を申し出、再び出演を決める[9]という、二転三転のキャスト変更劇が展開され、衆目を集めた。
その他出演者候補として名前が挙がった俳優に、渡辺謙(曹操役)[10]を始め、張静初(チャン・ジンチュー、大喬役 = 本作に登場しなかったキャラクター)[11]、チョン・ウソン(趙雲役)[12]、鄒兆龍(コリン・チョウ、趙雲役)[13]、小雪(役柄不明)[14] 等がいる。
なお、中村獅童の役名は当初は甘寧であったが、史実にない出番が増えた為、甘寧をモデルとした甘興[15]というオリジナル登場人物となった[6]。
日本語版制作スタッフ
2011年8月に、劇団EXILE公演にて舞台化された。舞台版は、「戦」をテーマにした曹操の物語の『レッドクリフ 〜戦〜』と、「愛」をテーマにした周瑜の物語の『レッドクリフ 〜愛〜』の2バージョンが、それぞれ2つの劇場で同時上演された。主演は『レッドクリフ 〜戦〜』がMAKIDAI、『レッドクリフ 〜愛〜』はAKIRA(共にEXILEのメンバー)が務めた。
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