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滋賀県彦根市にある国立大学 ウィキペディアから
滋賀大学(しがだいがく、英語: Shiga University)は、滋賀県にある国立大学。国立大学法人滋賀大学によって運営されている。略称は滋賀大(しがだい)、滋大(しだい)[注 1]。
滋賀大学 | |
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経済学部講堂(2020年9月)
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大学設置 | 1949年 |
創立 | 1875年 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人滋賀大学 |
本部所在地 |
滋賀県彦根市馬場1丁目1-1 北緯35度16分40.7秒 東経136度14分49.1秒 |
学生数 | 3,702 |
キャンパス |
彦根(滋賀県彦根市) 大津(滋賀県大津市) |
学部 |
経済学部 データサイエンス学部 教育学部 |
研究科 |
経済学研究科 データサイエンス研究科 教育学研究科 |
ウェブサイト |
www |
彦根高等商業学校と滋賀師範学校とを母体に新制大学として1949年に発足して以降、他大学がキャンパスの移転統合や学部の増設・改組を経て画一化していく中、第二次世界大戦前からの彦根・大津の二つの地を拠点に、其々の特色を保持しつつ少数精鋭化を行ってきた。大学発足以来長らく経済学部(本部・彦根)と教育学部(大津)の2学部体制をとっていた。2017年、日本で初めて統計学を教育・研究の核とする「データサイエンス学部」を本部がある彦根に設置した(「データサイエンス学部」の節を参照)。また、 2024年からは経済学研究科に日本初の学位である「修士(経営分析学)」を授与する専攻が設置された(「経済学部」の節を参照)。
学生数は2023年5月時点、学部生3,468人(経済学部2,060人、教育学部976人、データサイエンス学部432人)、大学院生234人(経済学研究科61人、教育学研究科58人、データサイエンス研究科115人)の計3,702人[1]。
2001年より本学と滋賀医科大学、京都工芸繊維大学との間で県をまたいだ統合協議が行われていたが、2002年に協議に加わった京都教育大学との教員養成系大学・学部の再編問題や国立大学法人化への移行準備もあって、2004年にこれを凍結。文部科学省は、滋賀大学・滋賀医科大学・京都教育大学・京都工芸繊維大学は2004年以降の統合を目途に協議を進めていると、発表している[2]。
彦根藩の武家の教養と近江商人の精神を体現した「士魂商才」の伝統を受け継ぎ、広い教養と国際的視野を持つ経済人の養成に取り組んできた。国立大学経済学部において日本最大の規模を誇り、学生数1学年約450名[3]、教員数約80名[4]、5学科(経済学科・ファイナンス学科・企業経営学科・会計情報学科・社会システム学科)17講座を擁する、日本の一般的な経済学部の枠を超えた「総合経済学部」である[5]。また、彦根高等商業学校時代からの同窓会組織である陵水会のOB・OGによる支援や戦前から多数の経済人を輩出してきたことによる伝統などから人事担当者に対する評価がとても高く、卒業生の多くが幅広い業界で活躍している[6]。
また、大学院経済学研究科は、日本で最初にリスクを対象とする教育・研究課程「経済経営リスク専攻」を創設した大学院[7][8]としても知られ、博士前期課程に経済学専攻・経営学専攻・グローバル・ファイナンス専攻の3専攻、博士後期課程に前述の「経済経営リスク専攻」を設置している(「リスク研究センター」併設)。2010年時点で、国立大学の中で、"大学院経済学研究科"という名称で博士後期課程を設置しているのは、本学を含め合計10大学のみとなっている[注 2]。 また、2024年から新たに経済・経営の専門知識にデータサイエンスの実践的知識・スキルを融合させた人材を育成する日本で初の経営分析学専攻が設置され、修了すれば「修士(経営分析学)」(MBAN(Master of Business Analytics))を授与される[9]。
経済学部は全国の文系学部で唯一、前期日程より後期日程の募集人員を多く取っていたが、2021年度入試より前期日程の方が後期日程よりも募集人数が多くなった。近隣の経済学部において後期日程の募集が少ないため、近畿・東海圏の経済学部後期日程におけるシェアは45%を超える。
世界47カ国、1500以上の大学が参加している国際的なNPO団体であるSIFEの2007年と2010年の国内大会で二度優勝し、2010年には米国ロサンゼルスで開催された世界大会(SIFE World Cup)では日本代表としては史上初の準決勝進出を果たした[10][11]。
2014年度より、将来グローバルに活躍できる人材を育成するためのコースを経済学部に設置。英語による授業やプレゼンテーションなどの実践的授業、海外インターンシップを行う。コース生は国内学生と留学生で構成され、2014年度第1期生は国内学生13名(申請者143名)、留学生11名の計24名[13]。
2017年のデータサイエンス学部設置よりデータサイエンスを最大限生かした教育プログラムが設置。経済や経営などの専門分野に加えて、数理・データサイエンス・AIに関する知識や分析スキルを習得する[14]。
日本最初となる、統計学やビッグデータを専門的に研究する学部として、2017年度に新設された[15]。彦根キャンパス内に所在し、同大学本部・同大学経済学部と同じ敷地内にある。
アメリカ合衆国を始めとして海外の主な大学に設置されている統計学部や統計学科は、ビッグデータ、AI時代の到来とともに年々その地位を上昇させており[16][17]、滋賀大学データサイエンス学部は設立時より日本の大学界において統計(データサイエンス)学部創設を率先垂範する役割が期待されている[18]。2021年12月から滋賀大学は文部科学省から数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの教育拠点校として指定され、MOOC教材開発、教育動画の提供、独り立ちデータサイエンティスト人材育成プログラムなどを通じて、積極的な役割を担っている。また政府機関や専門研究機関と連携しつつ[19]、様々な企業等との共同研究を進め[20]、東日本の統計数理研究所に対する西日本の研究拠点形成を目指す方針である[21]。
設立時、学部長には東京大学から前日本統計学会会長の竹村彰通を起用し、クロスアポイントメント制度等を利用して、多くの統計学と情報学の専門家を招集しデータサイエンス学部が設置された。[22]、1学年の定員は約100名。2016年度には先行して「データサイエンス教育研究センター」を開設[23]。2019年度には大学院データサイエンス研究科を発足させた[24]。2022年度には「データサイエンス教育研究センター」は「滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター」として再編された[25]。
データサイエンス学部では文系や理系といった既存の枠組みにとらわれることなく、「文理融合の価値創造の実践」ができるようなカリキュラム構成となっており、情報技術や統計学だけでなく、経済学や経営学などの一般的な文系科目も提供している[26]。 また、一般入試においては数学IIIの科目は選択制であり、大学入学共通テストにおいても理科2科目または地歴・公民のどちらかを入試に用いる形であるため[27][28]、文系の学生も受験が可能である。2022年時点においては学部入学者の4割が文系学生であった[29]。
大学院データサイエンス研究科では、社会のニーズに答えデータサイエンスにおける社会人のリカレント教育を充実させるため、設立時より企業派遣社会人を多数受け入れる方針を採っている。2023年度においては企業派遣と内部進学者の志願者が同程度であった[30]。また、データサイエンス研究科は社会人も通いやすいキャリキュラムや受講スタイルを採っており、全ての授業がオンライン併用で実施されており、遠隔地からの受講が可能となっている[31]。
また、2023年度よりデータサイエンス学部・研究科は独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が公募した高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援事業のハイレベル枠に採択された[32]。これにより、学部と大学院の定員が徐々に増員されることが予定されている[33]。
データサイエンス学部の設立以来、総務省統計局、独立行政法人統計センター、和歌山県、三重県、情報・システム研究機構統計数理研究所、理化学研究所革新知能統合研究センター、トヨタ・トヨタグループ・NTTドコモ・あいおいニッセイ同和損保、第一生命、SMBC信託銀行・MSフィナンシャルグループ、帝国データバンク、田辺三菱製薬、堀場製作所グループ、日立製作所、大阪ガス、NVIDIA、滋賀レイクスターズをはじめ数多くの企業・政府機関・研究機関等との連携が行われている。また、2022年度からは、データサイエンス・AIイノベーション研究推進センターが設置され、これらの連携がより深化している[34][35][36][37][38]。
111カ国、3,000大学以上から、50,000人以上の学生が参加するICPC国際大学対抗プログラミングコンテストのアジア予選大会に2年連続で出場するなど競技プログラミングが盛んに行われている[39]。
130年の伝統を背景に地域教育の中核として、学校教育教員養成課程・環境教育課程の2課程17コース[注 3]、大学院教育学研究科(修士課程)に教育科学コース・障害児教育コース・教材開発コースの3コース13領域が設置されている[40]。日本の大学では稀有の自然環境教育施設を設立し、新入生や一般市民を対象とした琵琶湖での湖上体験学習などを実施している。
第二次世界大戦後の1949年、1922年創立の彦根高等商業学校と、1875年創立の小学校教員伝習所を起源とする滋賀師範学校とを母体に、新制大学として発足。経済学部と教育学部は旧制の伝統をそれぞれ受け継ぎ独自に発展してきた。「豊かな人間性とグローバルな視野を備えた専門性の高い職業人の養成と、創造的な学術研究への挑戦を通して、人類と社会の持続可能な発展に貢献する」という共通理念の下、環境先進県としての知見と琵琶湖という無二の資源を生かして「環境総合研究センター」を設立。経済学部・教育学部共同での特徴ある学際的研究でも成果を収めてきた。2017年には国内で極度に不足しているデータ革命を担う人材:データサイエンティストの組織的育成を図るため、我が国初のデータサイエンス学部を設け、企業や自治体との連携を急速に拡大しつつSciety5.0社会の実現に向けて活発な活動を続けている。
「カモンちゃん」が公式キャラクターとして採用されている。経済学部谷口ゼミが考案したものである。これは2008年に彦根市で開催された「井伊直弼と開国150年祭」の市民創造事業として企画されたもので、市のウェブサイト内には本学学生による「知り隊!教え隊!井伊直弼」なども開設された[41]。2009年の卒業式より使用されている。名前の由来は彦根藩主であった井伊直弼の官位・掃部頭(かもんのかみ)から来ており、また彦根に“COME ON”という意味も掛けられている。「150年祭」閉幕後も地域振興に貢献することを目標として地元の行事などに参加している。
大学本部、経済学部、データサイエンス学部は彦根市馬場に立地し、彦根城に隣接している。琵琶湖のほとりで、平静な自然・文化・歴史的環境に恵まれ、経済経営研究所、リスク研究センター、情報基盤センター等が設置されているほか、経済学部附属史料館では近江商人等の各種歴史的史料の収集・一般公開が行われている。本キャンパスにある本学講堂(経済学部講堂:旧彦根高等商業学校講堂、1924年建築)、陵水会館(旧彦根高等商業学校同窓会館、ヴォーリズの設計により1938年建築)は登録有形文化財になっている。
教育学部は、古典にゆかりの深い石山寺に程近い大津市平津に立地している。琵琶湖の調査・観測・実験に毎年参加しており、琵琶湖研究を積極的に行っている。彦根キャンパスとは直線距離で45km以上離れている。教育実践総合センター、附属図書館分室、情報処理センター分室等が設置されている。
2016年、文部科学省は、全国的な数理・データサイエンス教育強化の拠点校として、北海道大学、東京大学、京都大学、大阪大学、九州大学とともに、滋賀大学を、選定した[44][45]。
国内外の大学のほか、政府系研究機関や地方自治体、企業などと広範な協力関係にある[46]。
2020年(令和2年)、30歳代の教諭が草津市内の路上に落ちていた携帯電話を自宅に持ち帰り、同年4月に草津警察署の調べを受けるまで自宅や自家用車内に放置していたとして、滋賀大学は同年6月10日付で停職6ヶ月の懲戒処分とした。同月11日に処分を発表した[47][48]。
2020年(令和2年)に日本経済新聞社と日経HRが実施した「企業の人事担当者からみたイメージ調査」(全上場企業と一部有力未上場企業4,814社の人事担当者を対象に、2018年4月から2020年3月までの間に採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた調査)において、「全国総合」で全国の781大学中[6]、第20位にランキングされた[49]。
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