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流氷ノロッコ号(りゅうひょうノロッコごう)は、かつて北海道旅客鉄道(JR北海道)が釧網線網走駅 - 知床斜里駅間にて運行していたトロッコ列車(臨時列車)ノロッコ号の内の一つである。
本項では同区間で現在運行されている流氷物語号や、かつて同区間で運行されたその他の臨時列車についても触れる。
厳冬期にオホーツク海沿岸まで押し寄せる流氷展望と「しばれ[注釈 1]体験」を目的に、通常より速度を遅く設定して運行される観光列車である。運行開始時は「しばれ体験」に重点が置かれ、当時の一部車両は窓と暖房がなく毛布が用意されていた。
「ノロッコ」の名称は、速度が遅い(のろい)とトロッコを合わせた造語である。当初は設定期間内の週末や祝日を中心に運行されていた。
2015年(平成27年)11月、牽引するディーゼル機関車が老朽化し必要な数の確保が難しいこと、維持費もかかり赤字となっていることにより、同年度冬期で廃止することが報道された[新聞 1]。
しかし、観光への影響を懸念する地元から存続の強い要望があり、機関車で客車を引く方式での運行を2016年(平成28年)2月28日を最後に終了するものの、来季以降は普通列車用ディーゼル車を使っての運行継続を検討するとし[新聞 2]、2017年(平成29年)よりキハ54形の専用ラッピング車2両による「流氷物語号」が運行されている。
くしろ湿原ノロッコ号と同一車両を使用していた。
※機関車は網走方に位置し、知床斜里方の先頭車両(オクハテ510-1)最前部には運転台が設けられていた。下り網走発知床斜里行き列車は、オクハテ510-1から最後尾の機関車を制御して推進運転[4]であった。
3号車にあるカウンターにおいて乗車記念品や弁当、土産品の車内販売を行っている。そのため、ワゴンサービスは行っていなかった。
展望車には大きな窓に面したベンチ座席が設置され、オホーツク海を一望できるようになっていた。客車にはダルマストーブが設置され、車内の売店で売られているスルメを自分で焼いて食べることもできた。
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いずれの列車も春から夏にかけてに設定された。
オホーツク流氷ノロッコ号と同じ車両を使用し、1991年(平成3年)に運行開始されたノロッコ号の内の一つ[5]。1994年(平成6年)の運行[6]を最後に設定されていない。同年時点では、6月12 - 26日の毎日、午前に斜里発網走行きを、午後に網走発斜里行きを、それぞれ1本運行するダイヤであった[7]。停車駅は以下のとおり。
網走駅 - 北浜駅 - 原生花園駅 - 浜小清水駅 - 斜里駅
キハ54形500番台気動車に専用客車を連結。2000年(平成12年)に運行を開始し[8]、翌2001年(平成13年)にはスタンディングトレイン専用車両として、レストバーが設けられているのみで座席はないハテ8000形が用意された[9]。2003年(平成15年)の運行を最後[10]に設定されていない。
ノースレインボーエクスプレス車両を使用し2006年(平成18年)に運行開始[JR 1]。往路は札幌発知床斜里行き、復路は網走発札幌行きで設定され、釧網線内は快速列車として運行された。2008年(平成20年)の運行を最後に設定されていない。
2011年(平成23年)から2013年(平成25年)にかけて石北線北見駅 - 網走駅 - 知床斜里駅間で運行された蒸気機関車 (SL) 牽引による臨時列車。牽引機関車はC11 207、補助機関車はDE15形、客車は14系4両が使用された[11]。いずれも6月または7月の2日間のみ運行された。初年度はSLが知床斜里方を向いていたが、翌年からは北見方を向くようになった[JR 2]。毎年この2日間は「オホーツクSLフェスタ」と名付けられ、網走駅前ではイベントも開催されるなど人気の列車であった[12]が、2014年(平成26年)は他の地域で蒸気機関車を運行し、整備に時間がかかるとして運行を取りやめた[13]。そのため、2013年6月23日の運行を最後に設定されていない。停車駅は以下のとおり[JR 2]。
2017年(平成29年)1月28日に運行を開始した、釧網線網走駅 - 知床斜里駅間にて運行する臨時列車(普通列車[JR 3])である。2020年(令和2年)からはキハ40形「北海道の恵み」シリーズ2両で運行されている。
2016年(平成28年)2月28日の流氷ノロッコ号の運行終了に伴う観光への影響を懸念する地元から、観光列車存続の強い要望があり、JR北海道は2017年以降の観光列車運行継続を検討した。その結果、普通列車用の気動車で観光列車を運行することとなり、オホーツク総合振興局・網走市・斜里町・小清水町との共同企画で運行されている[JR 4]。毎年2月上旬から3月上旬にかけて運行される。列車の名称は、冬のオホーツクの雄大な景色から「物語」を感じてほしいという思いから名付けられた[14]。
2月上旬から3月上旬の流氷観光期に、1日2往復運行する。
下り網走発知床斜里行き列車は北浜駅で、上り知床斜里発網走行き列車は浜小清水駅で長時間停車を行い、途中駅での観光に対応する[JR 5]。
2020年(令和2年)までの使用車両はキハ54形500番台気動車2両。原則として専用ラッピングを施した車両が使用された。各座席にはクリオネのデザインが入った特製ヘッドカバーが付いていた[17]。しかし2020年(令和2年)10月に釧網本線内で、キハ54 508とタンクローリーの衝突事故が発生し[18]、翌年から使用車両が変更されている。
キハ54形のラッピング車両は以下のとおり[19][JR 8]。「流氷物語号」運行期間外には定期列車で運用される[JR 8]。
2021年(令和3年)から使用を開始したキハ40形1700番台気動車「北海道の恵み」シリーズでは、以下の2両が使用されている。
すべての列車において、車内で網走市観光ボランティアによる観光案内、車内販売が行われる[JR 4]。
JR北海道釧路支社によると、利用実績や運行実績は以下のとおりであった。
年度 | 乗車人員 (1日平均) (単位:人) |
乗車人員 (計) (単位:人) |
運転日数 (単位:日) |
備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2006年度(平成18年度) | 546 | 25,100 | 46 | [JR 9] | |
2007年度(平成19年度) | 553 | 25,400 | 46 | [JR 9] | |
2008年度(平成20年度) | 505 | 18,700 | 37 | 流氷の接岸が前年度より遅れた影響により、乗車人員が前年度比減少 | [JR 9] |
2009年度(平成21年度) | 527 | 19,000 | 36 | [JR 10] | |
2010年度(平成22年度) | 538 | 19,900 | 37 | 前年度までと比較して、流氷の接岸日数が長かった影響により、乗車人員が前年度増加 | [JR 10] |
2011年度(平成23年度) | 499 | 24,950 | 50 | 流氷の接岸が前年度より遅れた影響により、乗車人員が前年度比減少 | [JR 11] |
2012年度(平成24年度) | 600 | 21,690 | 36 | 訪日客増加により、乗車人員が前年度増加 | [JR 12] |
2013年度(平成25年度) | 570 | 19,530 | 34 | [JR 13] | |
2014年度(平成26年度) | 628 | 11,950 | 19 | 暴風雪の影響により、計画運転本数の約半分の運休が発生 | [JR 14] |
2015年度(平成27年度) | 602 | 18,080 | 30 | 運転最終年度 | [JR 15] |
JR北海道釧路支社によると、近年の利用実績や運行実績は以下のとおりである。
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