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日本の映画 ウィキペディアから
『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』(かいじゅうだいふんせん ダイゴロウたいゴリアス)は、1972年12月17日に「東宝チャンピオンまつり」の一作として公開された東宝[2][6]・円谷プロダクション[2]製作の特撮映画作品。企画時のタイトルは『怪獣大奮戦』[7]。
キャッチコピーは「みなしご怪獣ダイゴロウ。おなかがすいたら怪獣だって食べちゃうぞ!?」。
円谷プロダクション十周年記念作品[出典 3]。円谷プロの記念作品の第1弾[7]。円谷プロとしては初の完全新作オリジナル怪獣劇場映画でもある[出典 4]。監督の飯島敏宏によるファンタジックな世界観が特徴の心優しい怪獣映画となっており[11]、怪獣との共存や環境をテーマとしている[4][7]うえ、風刺のニュアンスのためにリアルな社会の描写も重視している[7]。ストーリーは「現代童話」が意図されている[7]。
本作撮影当時、飯島は所属会社のTBSからの出向辞令により、木下惠介プロダクションでプロデューサーとしてテレビドラマの製作を担当していた。同社社長で松竹出身の木下惠介は飯島が監督する本作が東宝系で配給されることに不快感を示したが、飯島から脚本を見せられた際に「君、怪獣映画なんか撮るんだ」と述べ、おおむね納得したという[13]。
飯島は、本作品について「ゴジラには勝った」と自負していたが、同時上映であった『パンダコパンダ』には驚愕したという[13]。
東宝と円谷プロによる東宝チャンピオンまつり用映画としては、1970年に『ゴジラ・レッドムーン・エラブス・ハーフン 怪獣番外地』が企画され、金城哲夫と満田かずほによるプロットが執筆されたが、実現には至らなかった[14][注釈 2]。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
東京湾に姿を現した怪獣が自衛隊によって退治され、その怪獣の子供が後に残された[4]。この子供怪獣はダイゴロウと名付けられ、国の管理下で飼育されることになった。しかし、ダイゴロウは驚くべき大食漢であり、国税ではエサ代をまかないきれなくなったため、成長抑制剤・アンチグロウを投与されそうになる[4]。
それを知った子供たちと発明おじさんや熊五郎ら気のいい大人たちは立ち上がり、ダイゴロウのエサにもっと予算をつけてくれと要求するが、役人の鈴木は追加予算を認めようとしない。また、発明おじさんはダイゴロウに腹一杯食わせてやろうと、賞金狙いでさまざまな発明品を作り出すが、なかなか上手くいかない[4]。ところが、「瞬間雨降りミサイル」を披露した際には雪が降り始めて成功とみなされ、見事に賞金を獲得できたため、おじさんは釈然としない。「失敗したはずなのに、なぜ雪が降ったんだ?」
それは宇宙から隕石に乗って現われ、周囲の熱エネルギーを吸収する凶暴な怪獣ゴリアスの仕業だった[4]。ダイゴロウはゴリアスに勇敢に立ち向かうもあえなくダウンし、勢いに乗ったゴリアスはコンビナートに出現して大暴れする[4]。通常兵器ではゴリアスを倒せず、ついには核兵器の使用も検討され始めてしまう。
「このままでは海も死んでしまう」と子供たちは危惧する。息を吹き返したダイゴロウは母親同様に火炎を吐けるのではないかと気付いたおじさんたちと共に特訓を開始するが、そこにゴリアスが出現する。
日本に上陸して暴れた怪獣の子供。瓦礫の中から発見され、孤島に隔離される形で飼育されていた。人懐こく、聞き分けが良い。そのため、食欲による予算過多を理由に成長を薬品で止められる際には、それを理解したかのように従う。反面、野生を失ったわけではなく、遥か彼方に飛来したゴリアスに対し、ライオンのように怒りを露にした。ただし特訓したものの格闘能力は低く、母譲りの高熱火炎でゴリアスを退けた[4]。頭には小さな角があり口に猫のようなヒゲが生えている[注釈 3]。
6年前に原子力潜水艦の爆発が原因で蘇った怪獣で[4]、一対の角と鬣を有する。東京湾に上陸した後に市街地を蹂躙し、火を吐いて暴れるが、大型ミサイルによって絶命。後には彼女の子供が遺されていた。
宇宙から隕石に乗って地球に侵入した異星の生命体。熱エネルギーを吸収するため、周囲の海域は氷結、低温化する。武器は額の角から発する電撃光線[3]と巨大な拳。日本に上陸し、石油コンビナートを破壊。ゴリアス迎撃のため核兵器の使用までもが検討された。特訓したダイゴロウと対戦、発明おじさんたちによって電光を封じるための巨大な絶縁布を角に付けられるもそれを剥がし、終始優勢に戦いを進めるが、ダイゴロウの高熱火炎に角を破壊され敗北。最後はロケットで宇宙へ帰された[4]。
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