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日本のシステムエンジニア、実業家、映画プロデューサー ウィキペディアから
川上 量生(かわかみ のぶお[1]、1968年〈昭和43年〉[1]9月6日 - )は、日本のシステムエンジニア、実業家、映画プロデューサー。公益財団法人角川文化振興財団理事長、株式会社KADOKAWA取締役、株式会社カラー取締役[1]、株式会社バーチャルキャスト取締役[2][3][4]、株式会社スタジオジブリ所属、株式会社ドワンゴ顧問、株式会社角川アスキー総合研究所顧問、学校法人角川ドワンゴ学園理事、公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団理事。愛称はカワンゴ[5]。
株式会社ソフトウェアジャパンでの勤務を経て、株式会社ドワンゴ代表取締役社長(初代)・会長を歴任[1]。後にカドカワ株式会社(現・株式会社KADOKAWA)代表取締役社長にも就任[1]。
愛媛県で生まれ[1]、大阪府で育つ[6]。京都大学工学部在学中からCAD/CAMシステムや教育向けの業務用ソフトウェアの開発を手掛ける。1991年に同大学卒業後、ソフトを委託していた関係で株式会社ソフトウェアジャパンに入社した[1]。同社では通信モデムやビデオカード、パソコン周辺機器の企画、販売に携わった。特にモデムはオンラインゲーム「DOOM」のアクセス権をおまけにした[7]。
その後、勤務先のソフトウェアジャパンが倒産して事業の引受先を探したが難航、1997年に自らドワンゴを設立するに至った[7][8][1]。
ドワンゴはアメリカのInteractive Visual Systems Corporationとのジョイントベンチャーとして創業され、当初はオンラインゲームの通信システムの開発を主な事業としていた。創業には、当時マイクロソフトに居たジェイムズ・スパーン(のちドワンゴ取締役)とフリーソフト開発集団Bio 100%のリーダーだったaltyこと森栄樹(のちのドワンゴ相談役)の協力があった[9]。初期は受託開発がメインで、中野真らの元「廃人軍団」チームを率いて、ドリームキャスト向けの「セガラリー2」の開発に取り組んだ[10]。1999年11月には、iモード用ゲームコンテンツサイト「ドワンゴかもね」を開始、「釣りバカ気分」などのガラケー向けゲームを展開した。2000年には同社の会長に就任[7][11]、その後、着メロ・着ボイス事業に進出した[11]。
しかし、市場構造の変化等で主力事業だった着メロ事業の売り上げが減少し、打開策となる新規事業を模索する中で、動画サービスの可能性に注目した。川上は知人の清水亮、元「廃人軍団」の中野真、プログラマの布留川英一らの協力を得て、プロトタイプの開発を進め、最終的にドワンゴの戀塚昭彦がスケーラビリティを確保させたアルファ版を完成させ、2006年12月、「ニコニコ動画」の公開に至った[1]。ニコニコ動画の立ち上げには、当時のニワンゴ取締役管理人の西村博之も完成したプロトタイプのレビューや2ちゃんねる上での宣伝工作などに協力した[12]。
その後、スタジオジブリの鈴木敏夫と出会い、ドワンゴの会長のままスタジオジブリに入社[13]。スタジオジブリでは見習い扱いのため、無給である[14]。2013年8月より、庵野秀明が率いる株式会社カラーの取締役に就任した[15]。また、角川ホールディングス(のちのKADOKAWA)においては当初は社外取締役として役員に就任していたが、2013年2月より同社の子会社の業務を担当することになったことにともない、社外取締役から通常の取締役となった[16][17][18]。
2014年5月、ドワンゴとKADOKAWAの経営統合を発表し2014年10月に設立したKADOKAWA・DWANGO(現KADOKAWA)の代表取締役会長に就任、2015年5月に同社代表取締役社長に就任。2017年12月21日にドワンゴの代表取締役会長及びniconico運営責任者を退任し、CTOとなった[19]。2019年2月13日にドワンゴ社長荒木隆司の辞任に伴い[20]、カドカワの代表取締役社長およびドワンゴ取締役を退任し[21]、同日よりカドカワ取締役およびドワンゴ顧問となった。
他者への説明など主に対面でのコミュニケーションにおいて、やや不向きとされる面も知られる。
自民党の麻生太郎の甥である麻生巌と親しい間柄にある。彼は麻生グループの中核を担う人物で、株式会社麻生の代表取締役副社長を務めている。麻生と知り合ったのはGACKTの紹介で、とあるバーでのことだった。麻生と川上はテレビゲームやカードゲームの話題で盛り上がり意気投合し、成田からラスベガスまで2人で飛行機に乗って遊びに行くほどの交友関係に発展した。2005年12月には川上の依頼で麻生はドワンゴの取締役に就任し、その後もドワンゴの経営に携わった[25][26]。
2016年11月、スタジオジブリの宮崎駿に密着したNHKのドキュメンタリー「NHKスペシャル 終わらない人 宮崎駿」が放映され、その中で宮崎に対して行ったプレゼンの様子が物議を醸した。当時、CGを使用した短編アニメの制作に取り組んでいた宮崎に対し、川上は自身のチームで開発を進めている人工知能を応用したCG技術を自信を持って紹介した。このCGはゾンビのようなキャラクターが頭を足のように使い、体をくねらせ移動させる奇妙なものだった。しかし、これに対して宮崎は現場に立ち会っていた鈴木敏夫と共に「極めて不愉快」「極めて何か生命に対する侮辱を感じます」「こういう物を作って何を得ようと思っているのか」などと厳しく批判した。後に宮崎は「要するに、人工知能というものを色々もてはやすと、やっぱり馬鹿げた事が起こるんだなって。その時に川上さんみたいにアナーキーな人が歯止めを持っていないなと思いましたね」とも言及した[27][28]。
2017年1月、ドワンゴが運営するニコニコ生放送で公式番組「リアルダービースタリオン」開始[30]。ユーザーの投票やコメントを参考にして実際の競走馬・繁殖牝馬を購入し、大井競馬場のレースに出走させるという長期企画である。企画開始時点のドワンゴ代表取締役社長であった川上名義で馬主登録を行い、レースに出走させている[31]。
主な所有馬
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