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東日本旅客鉄道の鉄道路線 ウィキペディアから
伊東線(いとうせん)は、静岡県熱海市の熱海駅と同県伊東市の伊東駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。
伊東線 | |||
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基本情報 | |||
通称 | 上野東京ライン[注釈 1] | ||
国 | 日本 | ||
所在地 | 静岡県 | ||
種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) | ||
起点 | 熱海駅 | ||
終点 | 伊東駅 | ||
駅数 | 6駅 | ||
電報略号 | イトセ | ||
路線記号 | JT | ||
開業 | 1935年3月30日 | ||
全通 | 1938年12月15日 | ||
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) | ||
運営者 |
東日本旅客鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) | ||
使用車両 | 使用車両を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 16.9 km | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
線路数 |
複線(熱海駅 - 来宮駅間)[注釈 2] 単線(上記以外) | ||
電化方式 | 直流1,500 V(架空電車線方式) | ||
最大勾配 | 25 ‰ | ||
最小曲線半径 | 240 m | ||
閉塞方式 | 自動閉塞式 | ||
保安装置 | ATS-P[1] | ||
最高速度 | 95 km/h | ||
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熱海から伊豆半島東岸を走り伊東に至る路線である。熱海駅では東海道本線と東海道新幹線に接続し、また伊東駅以南では当路線を延長する形で伊豆急行線が伊豆半島南部の下田まで延びており、直通運転が行われている。東京方面から東海道本線を経由して多くの特急列車が乗り入れ、観光路線としての役割を担う。
0キロポストは来宮駅に置かれているが、正式な起点は、線路名称上の起点である熱海駅となっている。東海道本線が熱海駅 - 来宮駅間で併走し、来宮駅の信号設備も使用するが、営業上は東海道本線に来宮駅は存在しない。
日本国有鉄道(国鉄)の路線として初めて列車集中制御装置 (CTC) を導入した線区である。
伊豆多賀駅 - 網代駅間のカーブはほとんど半径300 - 400メートルである。また宇佐美駅 - 伊東駅間は山地が迫る海岸沿いを走る。全線の約3割がトンネル区間だが、沿線は伊豆半島特有の軟弱地層[要出典]のため、大雨が降ると土砂崩れの危険性が高く、しばしば運転見合わせになることがある。
当線の来宮駅 - 伊東駅間は単線ながら全駅で行き違い可能となっているが、ほとんどY字分岐のため進入時に減速を余儀なくされる。先に普通列車が停車していても、通過する特急列車が運転停車することが多い。
旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」、およびIC乗車カード「Suica」の首都圏エリアに含まれている。路線記号はJTで、駅番号は東海道線からの続番となる。
静岡県内を通るJR線で、唯一県内で完結する路線でもある[注釈 3]。また静岡県内でJR東日本が管轄しているのは、東海道本線の丹那トンネル以東と当路線のみである。東海地方にある路線や駅でJR東海が管轄していないのは、在来線の熱海駅とこの伊東線、三重県内の関西本線非電化区間(亀山駅以西:JR西日本が管轄)のみである[注釈 4]。
旅客案内で使用される本系統のラインカラーは媒体によって2通り存在している。
東京近郊路線図(現在の路線ネットワーク)では、東海道線の延長的な扱いとしてオレンジ(■)を使用している。一方、各駅に掲示される運賃表や、スマートフォン向けサイト「JR東日本アプリ」においては、緑(■)を使用しており、駅名標についても前述の駅番号を導入する一方で帯の中央のラインカラーが緑に統一された。駅構内の旅客案内では、両方のラインカラーによる表現が混在しているが、路線記号以外に限れば、熱海駅や伊東駅のように後者の緑に統一された駅もある。
全区間が横浜支社の管轄となっている。
改正鉄道敷設法別表第61号で定められた「静岡県熱海ヨリ下田、松崎ヲ経テ大仁ニ至ル鉄道」の一部である。元々は熱海駅と下田町(現:下田市)の間を複線で結ぶ計画であったが、濱口雄幸の緊縮財政政策により、熱海駅 - 伊東駅間のみが単線で建設されることになった。伊豆半島独特の海岸に山が迫る険しい地勢、断層・軟弱地層などで開通には苦労を要した(宇佐美トンネル掘削時の温泉湧出などは同時期の清水、丹那トンネルなどに最新の掘削技術がフィードバックされた)。
1938年(昭和13年)に熱海駅 - 伊東駅間が全線電化で開通した。観光路線として全通するとすぐに東京駅からの直通列車の運転が開始されている。1961年(昭和36年)には伊東駅 - 伊豆急下田駅間を結ぶ伊豆急行線が開業し、同線との直通運転も開始された。当時は伊東駅に田町電車区伊東支区があり、同駅にて増解結を行っていた。2003年(平成15年)に小野田線で最後の運用が終了したクモハ42001も1950年代に伊東線で運用されていたことがある。
国鉄時代より複線化計画があったが、熱海駅 - 来宮駅間の線増(複線化)、新小山トンネル、新宇佐美トンネルの建設、線路切替、網代駅 - 宇佐美駅間の路盤改良工事のみを実施したところで凍結された。再整備して使用する計画であった旧宇佐美トンネル等は放置された。地元で複線化の構想が長年続いたが、2003年(平成15年)に伊東複線化期成同盟会は解散した[3]。[要出典]
熱海駅から東海道線(東京方面)と、伊東駅から伊豆急行線(伊豆急下田方面)とそれぞれ直通運転を行っている。
なお、当線での貨物列車は伊東駅発着の甲種車両輸送列車が稀に運行されるのみであり、定期列車の設定はない。
当線を介して東海道本線と伊豆急行線を直通運転する特急「踊り子」4往復(土休日は6往復)、「サフィール踊り子」1往復が運行されている。かつては特急「スーパービュー踊り子」も定期運行されていたが、2020年で運行終了となった。
早朝と夜間は熱海駅 - 伊東駅間の折り返し運行となるが、それ以外の時間帯は伊豆急行線へ直通運転を行う。
伊豆急行所属車両による直通もあり、JR線内のみの運用にも充当される。なお1988年時点では、同社の2100系を使用する普通列車について車両愛称と同じ「リゾート21」の列車名を付与していた[6]。
東海道線直通列車は、2022年現在1日5往復が直通しており、夜間の上り品川行き1本を除き上野東京ラインとして東京駅から東北本線(宇都宮線)・高崎線に直通している[注釈 5]。また東海道線直通列車には全てグリーン車が連結されている。かつて東海道線直通列車は日中にも設定されていたが、2012年3月17日のダイヤ改正以後は夕方以降の直通が中心となっている。2014年3月14日までは熱海発伊東行きのグリーン車連結普通列車は6本あり、うち1本は伊東駅で折り返して特急「踊り子」になっていたため、185系で運用されていた。なお、2013年3月15日までは185系運用も東京発であったが、運用の見直しで熱海発(湯河原駅から回送)になった。東海道線東京方面から直通する普通列車は伊豆急行線には定期列車・臨時列車ともに直通していない。
当路線はJR東日本の路線であるが、伊豆急行の車両が主体的に使用されている。JR東日本の車両は東海道線と直通運転を行う特急列車・普通列車のみで運用され、それ以外の列車は伊東線内完結の普通列車を含め伊豆急行の車両で運用される。
すべて電車で運転されている。特記なければJR東日本の車両。
特に記述なければ普通列車用。下記以外にもさまざまな車両が団体列車や臨時列車でこれまでに入線している。
所属車両基地は運用当時の名称で、→は運用期間中に転属があったもの。田町電車区・田町車両センターは現・東京総合車両センター田町センター、勝田電車区は現・勝田車両センター、新前橋電車区は現・高崎車両センター。
熱海駅と伊東駅をのぞいて各駅とも無人駅(かつ2022年度の時点で、JR東日本自社による乗車人員集計[7]の除外対象)である。
各年度の平均通過人員(人/日)は以下のとおりである。
年度 | 平均通過人員(人/日) | 出典 |
---|---|---|
熱海 - 伊東 | ||
2011年度(平成23年度) | 16,329 | [8] |
2012年度(平成24年度) | 16,843 | |
2013年度(平成25年度) | 16,940 | |
2014年度(平成26年度) | 16,816 | |
2015年度(平成27年度) | 16,903 | |
2016年度(平成28年度) | 16,749 | [9] |
2017年度(平成29年度) | 17,297 | |
2018年度(平成30年度) | 16,907 | |
2019年度(令和元年度) | 16,156 | |
2020年度(令和 | 2年度)9,344 | |
2021年度(令和 | 3年度)10,515 | [10] |
2022年度(令和 | 4年度)13,531 | |
2023年度(令和 | 5年度)14,633 | [11] |
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