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他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社 ウィキペディアから
持株会社(もちかぶがいしゃ)とは、他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社を指す。ホールディングカンパニー(英語: holding company)[注 1]とも呼ぶ。他の株式会社の株式を多数保有することによって、その会社の事業活動の指針を決めることを事業としている会社であるとされる[1]。
一般に、持株会社のうち、何かしらの事業を行う一方で他の会社を支配するものを事業持株会社、他の会社の支配のみを行い、自社での事業活動を行わないものを純粋持株会社と呼ぶ[2]。
一般に「持株会社」といったときは後者を指す[3]とする説がある。
そのほか、持株会社であるかを問わず[要出典]、親会社の元で特定の業種に属する子会社をまとめる会社を中間持株会社と称することがある[4][信頼性要検証]。
日本において、持株会社の社名では以下の語が用いられることがある。
上記の各語のいずれも含まれない社名を持つ持株会社も存在する(例:イオン、キッコーマン、サントリーの事実上の持株会社とされる寿不動産)。
出典:M&A総合研究所ポータル『持株会社のメリットとデメリット』[信頼性要検証]
日本では持株会社の定義は会社法には無く私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法。以下「独禁法」)にある[1]。
独禁法第9条第4項では、「子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の、当該会社の総資産の額に対する割合が百分の五十を超える会社」を持株会社と定義している。
日本では、戦前の財閥本社が純粋持株会社の形態を採っていた。しかし、戦後に制定された過度経済力集中排除法によって財閥解体が行われ、また独禁法により、持株会社たる会社の設立及び既存の会社の持株会社化が禁止された。
1997年の独禁法改正により、日本においても純粋持株会社の設立が解禁された[10]。これは金融ビッグバンの一環として行われたものであった。
また、銀行法は、銀行を傘下におく持株会社(銀行持株会社)についても認可を必要としており、そのため銀行法上の持株会社を「子会社(国内の会社に限る。)の株式等の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の総資産の額(内閣府令で定める方法による資産の合計金額をいう。)から内閣府令で定める資産の額(内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。)を除いた額に対する割合が百分の五十を超える会社をいう。」(第2条第12項)と定義している。
解禁後の設立第1号は、同年に株式会社神戸セントラル開発が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社ダイエーホールディングコーポレーションである(その後、同社はダイエーグループの経営悪化により2001年に解散)。[要出典]
上場企業においては、1999年4月に大和證券株式会社が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社大和証券グループ本社が第1号であり、大和総研はこれを「日本国内初の純粋持株会社化」としている[10]。
近年は複数企業の経営統合において、それら複数企業の共同出資により共同持株会社を設立し、両社がその子会社となったのちに、合併などの再編を行う事例が多くなっている[注 3]。また、持株会社と子会社が合併して事業会社とする事例も出ている[注 4]。
持株会社を創設する方法には株式移動方式と抜殻方式がある[11]。
株式移動方式とは既存の事業会社の事業を継続させたまま、その株主の保有する株式を持株会社となる上位会社の株式に移動させることで各事業会社を傘下に収める方法である[11]。株式移転や株式交換が代表例であるが、既存の事業会社の株主による株式の現物出資、株式公開買付けによる方法もこれに含まれる[11]。
持株会社となる完全親会社を株式移転によって新規に設立するものである。複数の会社による株式移転は合併代替方式とも呼ばれる。主な例は、株式会社バンダイナムコホールディングス、セガサミーホールディングス株式会社、株式会社テレビ東京ホールディングスなど。この場合、子会社株式は旧親会社が保有したままなので、必要に応じて旧親会社の会社分割か株式譲渡の手続きを取って子会社管理事業を承継することがある。
既存の会社を株式交換によって完全親会社に仕立て上げるものである。これを採用して持株会社体制に移行したものは、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社メルコホールディングス、キョーリン製薬ホールディングス株式会社など。
他、きわめて特殊な例では、民事再生法の適用を申請した企業(再生企業)が100%減資したうえで既存の会社が新たに再生企業に全額出資したケースもあった。株式会社そごうおよび系列地域会社12社は100%減資を行い、休眠会社の株式会社十合(後のミレニアムリテイリング→そごう・西武)が新たにこれら13社にそれぞれ全額出資、再生13社は資本親子関係が切れ、十合を完全親会社とする兄弟会社となった。株式会社十合は、その経緯から「受け皿会社」と当時表現されたが、持株会社そのものである。
その他の特殊なケースとしては、国有化状態であった足利銀行の受け皿として、野村グループなどが出資して足利ホールディングス(現:めぶきフィナンシャルグループ)を設立し、国が保有する足利銀行の全株を足利ホールディングスが引き受ける形で、足利ホールディングスが足利銀行の持株会社化したというケースもある。あるいは、ケーズホールディングスのように、地域事業会社を子会社化する過程の中で、事業会社のまま「ホールディングス」とついたケースもある(直接的には、ギガスケーズデンキという商号だった当時、デンコードーを子会社化したことから改称したことによる)。
抜殻方式は既存の事業会社が行っている事業を別会社にすべて移管させたうえで持株会社となる方法[11]。事業会社から事業を抜き取り持株会社に移行することから抜殻方式と呼ばれる[11]。会社分割のほか、事業を現物出資することによる事業子会社の設立や、金銭出資により設立した子会社への事業譲渡による方法がこれに含まれる[11]。
事業持株会社であった会社が、事業とグループ統括を切り離す際によく用いられる。日本電信電話株式会社[注 5]、セイコーグループ株式会社[注 6]、日本テレビホールディングス株式会社[注 7]、株式会社TBSホールディングス[注 8]、株式会社フジ・メディア・ホールディングス[注 9]、イオン株式会社[注 10]などが採用している。
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