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日本のテレビドラマ ウィキペディアから
『ごめんね青春!』(ごめんねせいしゅん)は、2014年10月12日から12月21日まで毎週日曜日21:00 - 21:54に、TBS系列の「日曜劇場」枠で放送された日本のテレビドラマ[1][2][3]。脚本は宮藤官九郎、主演は錦戸亮[1][2][3]。
ごめんね青春! REGRET FROM MY SCHOOL DAYS | |
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静岡県立三島北高等学校(東高ロケ地) | |
ジャンル | コメディドラマ |
脚本 | 宮藤官九郎 |
演出 |
山室大輔 金子文紀 福田亮介 |
出演者 |
錦戸亮 満島ひかり 永山絢斗 重岡大毅(ジャニーズWEST) 波瑠 トリンドル玲奈 川栄李奈 白洲迅 黒島結菜 森川葵 小関裕太 鈴木貴之 矢本悠馬 富山えり子 久松郁実 船崎良 竜星涼 斉藤由貴 森下愛子 えなりかずき 平田満 中村静香 緋田康人 宍戸美和公 植木夏十 富澤たけし 津田寛治 坂井真紀 生瀬勝久 風間杜夫 |
ナレーター | 森下愛子 |
音楽 |
真島昌利 羽毛田丈史 |
エンディング |
関ジャニ∞ 「言ったじゃないか」 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー | 磯山晶 |
製作 | TBSテレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2014年10月12日 - 12月21日 |
放送時間 | 日曜 21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 10 |
公式サイト | |
特記事項: ・初回・第5話は15分拡大(21:00 - 22:09)。 ・第3話はプロ野球日本シリーズ中継延長のため、25分繰り下げ(21:25 - 22:19)。 ・初回はTBSほか一部地域で20:59 - 21:00にローカルセールスの事前枠『ごめんね青春!特別篇』も別途放送。 |
静岡県三島市[4]の高等学校を舞台とし、主人公の教師・原平助の青春時代の罪の告白と赦しをメインテーマとしつつ、細かなギャグの多用と恋愛模様を織り交ぜて彼と周囲の人々の青春を描く学園コメディドラマであり、ドラマオリジナル作品となっている[5]。
『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』などの作品を手がけてきた脚本の宮藤およびプロデューサーの磯山晶のコンビによる作品で、宮藤による前年の大ヒット作品『あまちゃん』以後初のテレビドラマとして注目された[6]。
宮藤にとっては初の学園もののドラマであるが、いじめや学級崩壊といった現実的学校の問題はあえて描かず、せめてドラマの中だけでも「平和で楽しく、賑やか」な学園生活を、という狙いの下、「ただ漫然と1クールを描き切る」ことを目指すとしている[6][7]。
大まかな内容としては、「地元」に縛られて生きる主人公の教師が勤める仏教系男子校が近隣のカトリック系女子校と合併し共学化することになり、その前に行われる合同の文化祭を成功させるために邁進するというもので[8][9]、宮藤や磯山によれば、別学校出身者の男女共学に対する幻想や、親子や男女の差、宗教観の差を乗り越えた相互理解を描き、年代を超えて楽しめる娯楽作品を目指すとしている[7]。
舞台である静岡県三島市の三島市役所商工観光課は撮影協力としてクレジットされており、ご当地グルメのみしまコロッケなども登場した[注 1]。また、タイアップ商品としてみしまコロッケを使用した惣菜パン「みしまコロッケパン」が日本全国のローソンで発売された[10]。ロケ地としては、静岡県立三島北高等学校(東高外観ロケ地)[注 2]、千葉英和高等学校(三女外観ロケ地)[注 2]、源兵衛川、楽寿園[注 3]、伊豆・三津シーパラダイス、三嶋大社、白滝公園[注 4]などが登場した[11]。
なお、劇中人物にはユニークなあだ名が付けられているが、これらは全て宮藤が役者に会った印象などをもとに付けているものであった[12]。
作中の三島市には3つの私立高校があり、そのうちわずか100メートルの距離で隣接する2つの高校が舞台となる。主人公が勤務する男子校・駒形大学付属三島高校(こまがただいがくふぞくみしまこうこう)は偏差値44で、「質実剛健」を教育理念とする仏教系学校[13][注 5]。近隣の共学の進学校・駿豆西高校(すんずにしこうこう)、通称・西高(にしこー)と区別するために東高(とんこー)と呼ばれるが、成績が劣るために蔑称のニュアンスを持っている。一方の聖三島女学院(せいみしまじょがくいん)はカトリック系の女子校(ミッションスクール)で、通称・三女(さんじょ)。偏差値60の進学校で、厳格な純潔主義を掲げるが、男女交際の全てを禁止しているわけではなく、西高生との交際は容認している。東高とも交流があったが、14年前の礼拝堂焼失事件以来、犬猿の仲となり東高生との交際は無期限停学の対象とされる。双方の学校とも、少子化と、とくに三女については礼拝堂再建とプール建設のための借金による経営難もあって何度も合併の話が出ている。経営陣の話し合いにより合併は決定したが学内外で反対の声は根強く、平助の提案により「お試し」という形で両校合同の共学クラスを半年間運営するということで一応の合意に達する。これにより平助担任の東高3年3組、りさ担任の三女3年C組が、それぞれ半分の生徒と担任教師を交換する[注 6][4]。第5話において、合併後の校名は聖三島女学院の「聖」と駿河国の「駿」を取って駒形大学付属聖駿高校(せいしゅんこうこう)と決まる。
制服は東高が紫色の詰襟[13]、三女がシスターをイメージしたもので、紺のジャケット(冬期)とジャンパースカートの上からデコルテを覆う白い襟カバーを身に付ける[17]。一部の女生徒は十字架のペンダントを下げたり、ロザリオを持ち歩いている。東高・三女・西高の生徒はいずれも通学に実在する伊豆箱根鉄道駿豆線(通称:いずっぱこ)を利用しているという設定で、各最寄駅は東高が三島二日町駅、三女が三島田町駅(ただし東高生と一緒にいたくないため一駅手前で降りており実際は東高と同じ最寄駅である[18])、西高が三島広小路駅である。
また、劇中に架空のFM局「みしまエフエム」による『カバヤキ三太郎のごめんね青春!』という若者向けラジオ番組が登場し、登場人物たちがリスナーとして採用されるという場面も登場する[注 7]。この劇中番組による「ごめんねウナギ」キャラクターグッズは本作の番組グッズとして実際に制作され販売された[19][20]。
第5話以降には、三島市で現実に存在するマスコットキャラクター・みしまるくん・みしまるこちゃんが登場し、ドラマ内で豊がその着ぐるみを着ているというストーリーが描かれたが、ドラマ制作側や三島市の担当者からはあくまでフィクションであるこのドラマ内の設定で、現実のみしまるくんたちは妖精であり中に人は入っていないとする説明がされた[21][22]。
初回および第5話は15分拡大で放送された(21:00 - 22:09)。初回はTBSほか一部地域で20:59 - 21:00にローカルセールスの事前枠『ごめんね青春!特別篇』も別途放送。第3話は『SMBC日本シリーズ2014 第2戦 阪神×ソフトバンク』放送延長により、開始時間が25分繰り下げされた(21:25 - 22:19)。
各回放送終了後、TBSオンデマンドにより有料見逃し配信されていた[23]。
当初最終回は12月14日に予定していたが、第47回衆議院議員総選挙が同日に投開票され、その選挙特別番組『乱!総選挙2014』の放送のため休止となり、1週順延の12月21日に放送された[24]。
本作に出演した重岡大毅が2021年7月期のドラマ『#家族募集します』に主演することを記念し、同年6月4日から動画配信サービス『Paravi』で初配信された[25]。同時に、民放公式テレビポータル『TVer』[26]や動画配信サイト『GYAO!』[27]でも3~4話ずつ期間限定で配信された。
詳細は#エピソードリスト参照
仏教系男子校・「東高(とんこう)」こと駒形大学付属三島高校と近隣のカトリック系女子校・「三女(さんじょ)」こと聖三島女学院は険悪な仲であるが、経営難などの理由で合併することになる。東高OBで母校の教職に就く原平助は、合併前に両校の3年生の1クラスを実験的に共学クラスにすることを提案し実行される。両校が犬猿の仲になった原因は、平助が高校時代、三女の生徒・蜂矢祐子に恋をするも親友の蔦谷サトシに彼女を奪われた怒りで三女の礼拝堂を焼失させる事件を起こしたためであるが、平助はその罪を実家である寺の観音菩薩に宿る母・みゆきの霊以外には告白できないでいる。平助は罪滅ぼしのように両校生徒の交流を深めようとするも、祐子の妹である三女教師・蜂矢りさや女生徒たちの猛反発を受けてしまう。
しかし平助の説得や男女生徒が協力しての学力テストなどの交流を経て、生徒たちは次第に打ち解け彼らの間ばかりか周囲の大人たちの間にもいくつかの恋が芽生える。厳格なカトリック学校育ちで恋愛に無関心であったりさもまた、平助との間に運命を感じる出来事に遭い、一方的に平助との結婚を決意する。合併後の校名も「聖駿高校」と決まって、一同の共学化した学校への誇りもさらに高まる。平助は生徒の個人的な問題などにも対応しながら、「箱根まで駅伝」への出場、新しい校歌創作、そして合併成功の象徴たる合同文化祭「青春祭」の準備などに力を注ぐ。
同時期に平助は事件以来行方知れずだったサトシと14年ぶりに再会し、同じく失踪した祐子の事件当夜の様子やその後の蜂矢家の家庭崩壊を知り、母との対話を通じ自分の罪をいつ告白するべきか葛藤するが、幾度となくタイミングを逃す。そのうちに平助はりさからの告白を受け、結婚を前提とした友達からの交際を始めるがその矢先にフリーライターとなった祐子が聖駿高校に現れる。平助は祐子から青春祭の取材を受けるうちに、火災事件当時の両親が自分と事件の関わりに気付いていたことを知り、ついにりさに対し事件の真相を打ち明けるとともに愛の告白をする。りさは二人の運命を信じ乗り越える決意をする。
一同はついに始まった青春祭を楽しみ、平助は後夜祭の場でついに一同に真相を告白するが、事件当時の捜査が明らかになり平助の行為が火災の原因になった可能性はほとんどないと分かる。平助は教師を辞めるが、周囲の人々は平助を受け入れ、生徒たちは自分たちに青春の思い出をもたらした平助に感謝を捧げ、平助はりさにプロポーズをする。それぞれの進路を決めた生徒たちが卒業式を迎える日、平助もまた自分の青春からの卒業証書を受け取り物語は終わる。
★は東高側から三女に移動した男子。
☆は三女側から東高に移動した女子。
キャストの横の話数は出演回。
視聴率2桁を記録した回は初回のみであり、その後の視聴率は極端に下がり続け、平均視聴率7.7%を記録する等、全体的に視聴率が大きく低迷し、2023年現在、基本的に高視聴率を記録しやすい日曜劇場において平均視聴率、最高視聴率共に歴代最低の結果となっている[43]。
ギャラクシー賞において、同局制作の『Nのために』と同時に2014年12月度の月間賞を受賞した[44]。授賞理由では、自分と異なる他者を受け入れることについての重層的かつ繊細な脚本と、スピード感のある演出や個性的な俳優陣が挙げられ、誰もが経験する気恥ずかしくも美しい青春を追体験するドラマであるとともに、意見を異にする他者を排斥しようとする同時代の風潮への、批評的作品としても評価された[44]。
「ソーシャルテレビ・アワード2015」において日経エンタテインメント!賞を受賞。視聴層が若者であることを意識し、当初からFacebookやTwitter、LINEといったソーシャルメディアを使ったプロモーションを展開。満島ひかりが役名である蜂矢りさ名義で投稿したInstagramや、生徒役の出演者などによる6秒動画・Vineなども話題となったことが評価された[45]。
第3話において、原エレナが生徒から勉強を教えるように頼まれる場面で、(そのような知力は持ち合わせていないという文脈で)自分の出身校「堀越」の名を挙げて断る台詞に実在する学校名が含まれ、その学校の関係者から抗議があった[46]。エレナが高校時代から芸能活動をしていたという設定のため、堀越高等学校の芸能コース(現:トレイトコース)のことを元にしたギャグであった。同校のトレイトコースの生徒は、芸能人としての仕事優先の授業日程で一般的に知られており、売れっ子であればあるほど頻繁に早退や休学が出来、即ち通常の高等学校より授業日数が少なく、勉強をしていないから知力が低いという偏見によるギャグであり、作中でトレイトコースだけでなく「堀越」と学校全体をまるで教育困難校のように形容してしまっていた。
これを受けて、TBSテレビは番組公式サイトで謝罪・訂正を掲載[47]。「このような表現は、日々の学業に励んでいらっしゃる在校生の皆様、今後の進路として考えている受験生を始めとして、先生、保護者の皆様、学校関係者の皆様にご迷惑をおかけするものでした。学校を舞台にして『理想郷のような青春』を描こうとする本番組の趣旨からしても、番組制作者としての配慮が足らなかった点を深く反省しております」と謝罪している。TBSオンデマンドでの見逃し配信等のインターネット配信では、このシーンはカットされた[48]。
産経ニュースの報道によれば、この高校は東京都の堀越高等学校であり、同校は11月6日に『日刊ゲンダイ』の取材に応え「学校や生徒の名誉を傷つける」とする学校長のコメントを発表していたが[49]、番組公式サイトが謝罪を発表して以降は「話し合いは終わっている」としてこの件に関する取材を受け付けなかった[48]。またこの件に関するフィクションと表現の自由の兼ね合いについては、「毒の効いたジョークの範囲内」(水島宏明)、「固有名詞を出さなくても、宮藤さんの意図を反映した表現は十分、可能だったはずだ」として制作側のチェック体制の不備を指摘する意見(影山貴彦)と、識者の意見も賛否に分かれた[48]。
「ラジオ出演者」は劇中ラジオ番組『ごめんね青春!』にコーナー出演した登場人物。
話数 | サブタイトル ラテ欄 | 初回放送日 | 演出 | ラジオ出演者 |
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第1話 | 恥と後悔と初恋の記憶 宮藤官九郎最新作! 青春ほど楽しい授業はなかった! 恥と後悔と初恋の記憶 | 10月12日 | 山室大輔 | なし |
母校である東高の教師・原平助は盗撮をしたと誤解された生徒のため、対立する関係にある近隣の女子校・三女に踏み込む。平助は同校教師・蜂矢りさに高圧的な対応を受けるが、彼女が自分の初恋相手だった祐子の妹であると気付く。だが、祐子はりさとは何年も連絡を取っていないという。三女と東高は経営難などのために合併することが決まり、反対派の猛反発を受ける。中立的立場の平助は「お試し」として自身の担任する3年3組と、りさが担任する三女の3年C組の各生徒を半分交換する実験クラス運営を思い立ち、採用される。生徒たちは男子校の居心地の良さから当初積極的ではなかったが、平助はいずれ社会に出た際に女性の扱いがわからず、モテずに辛い思いをするよりも、早いうちに恥をかいておいた方がよいと説得。生徒たちは賛成に転じる。 平助には高校時代、苦い初恋の思い出があった。14年前、プール設備を三女に貸し出していた東高に訪れた女生徒・祐子に一目惚れした平助は、親友の蔦谷サトシの励ましを受けて彼女とメル友として付き合うようになる。ある夜、平助は花火大会に祐子を誘うが、彼女はあいまいな返事をし待ち合わせには来ない。東高の屋上で一人花火をしていた平助は、向かいの三女屋上で祐子とサトシがデートをする姿を見つけてしまう。サトシに電話をかけても嘘をつかれ、平助は怒りのあまり何本ものロケット花火を三女に向けて飛ばす。同じ夜、三女屋上にある礼拝堂で火災が発生し、居合わせた祐子とサトシは警察に事情聴取を受ける。二人はその後学校を辞め消息を絶った。 | ||||
第2話 | お前しか見えない! | 10月19日 | 山室大輔 | 海老沢ゆずる 高校時代の原平助 |
自己紹介で無意識に女子たちの神経を逆なでした平助は、彼女らから完全になめられてしまう。三女生は低偏差値の東高生を見下しており、その中であまりと秘密の交際をするゆずるは思いつめ、女子たちの前で二人の関係を明らかにしてしまう。その夜、あまりが家出し連絡が取れないと知った平助とりさは、養護教諭淡島の協力で、生徒たちのSNSの会話から彼女とゆずるが五反田にいることを知る。ゆずるたちはラブホテルに入ろうとしていたところを偶然平太に見つかり、何ごともなく三島に帰される。平太のとりなしで停学は逃れたものの、あまりは吉井校長の意見で東高3年3組に移ることになる。平助は生徒たちに両校は昔から仲が悪かったわけではなく、14年前に文化祭を合同で開こうとしていたこと、それが火災事件で中止になり、当事者であったサトシと祐子が周囲の非難を受け、ついには学校に通えなくなった経緯を語る。そして、昔の先輩の失敗から始まった空気に流されて男女がお互いを憎みあうことはないと語り、卒業時に共学でよかったと生徒たちが言えるよう自分も努力すると宣言する。平助のクラス内に多少の変化を見出したりさは、彼に合同文化祭開催のため企画書を作るようにいう。その話し合いのため「ガールズバー」でりさと待ち合わせた平助は、店の手伝いをしているサトシと思いがけず再会する。 | ||||
第3話 | 運命の学力テスト! 受験生必見! | 10月26日 | 福田亮介 | 阿部あまり |
平助はサトシ・りさとの会話で、サトシと祐子が14年前に文化祭実行委員として平助よりも前に知り合っていたこと、火災事件のためにりさまでもが学校でいじめを受け、それに対抗するために喧嘩に明け暮れた時期があったことを知る。そのあと平助はサトシに謝罪され、事件の夜に祐子から花火大会に誘われたことなどを聞き困惑し、自分のせいで祐子が悪く言われることに罪悪感を感じる。学校では吉井校長が両クラスに共学化の条件を出し、次の学力テストで東高3年3組が学年1位になり、三女3年C組は最下位を回避しなければ合同文化祭も併せて中止と宣言される。平助は特に成績の悪い7名の男子を永楽寺で勉強合宿させ、成績優秀な三女生たちにも協力を頼む。男子たちは必死に勉強するも、当日のテストの結果は散々でC組は最下位になってしまう。共学クラスは中止になるが、りさは平助と男子たちの健闘を讃える。しかし翌日、三女に戻ったはずの女子たちが自主的に東高に登校し、男子たちも三女に戻る。貴子は教職員たちに話し合いにより男子を受け入れることにしたと説明する。校内に侵入した変質者を男子たちが捕まえたこともあって共学クラスが復活した中、「ガールズバー」に蜂矢姉妹の父・善人が現れサトシを相手に暴れ出す。 | ||||
第4話 | 恋の嵐! ガッついていこう! | 11月 | 2日金子文紀 | 半田豪 |
14年前の事件以降、蜂矢家には嫌がらせが相次ぎ、祐子は家出し音信不通になり家庭は崩壊していた。善人は祐子がサトシにそそのかされたと考え、謝罪にも聞く耳を持たない。平助は、かつて祐子に恋をしたことを皆の前で語るが、放火の件についてはやはり言いだせない。クラスでは、合同文化祭に向けての視察という建前で実行委員たちが伊豆・三津シーパラダイス見学を希望する。淡島の情報やりさの推察によれば、生徒たちの間でいくつかの恋が生まれていて告白のチャンスを狙っているためであるという。また平太の代理で東高に訪れた一平は、吉井に挑発されて美しく変身した淡島に出会う。見学の日、ゆずるや司が告白を果たせない一方で、貴子が平助に、豪がりさに思いを伝える。貴子は平助に交際は求めないが彼のために文化祭を頑張るという。りさは豪の告白を断るが、その理由は平助と結婚するつもりだからという。三女には「いずっぱこ」に1日1度だけ現れるハートのつり革を一緒に握った二人は永遠に結ばれるという都市伝説があり、この日偶然平助と同時にそのつり革を握ったりさは、告白や交際どころか好きにもならないうちから平助を運命の人と信じたのである。後日の教室で、平助とりさは生徒たちの恋を対照的な言葉で励ます。 | ||||
第5話 | 仲間のため学校のためプライドを賭けて走れ! 運命の駅伝スタート! | 11月 | 9日山室大輔 | 蜂矢りさ 蜂矢善人 |
サトシが善人の畑を手伝い始め関係に変化が生じる中、善人は平助とラジオ番組に、祐子を思いやれなかった後悔を語る。りさは結婚を決意したものの平助自身を好きになれない自分に悩み、一平と淡島が不倫関係に陥るなど大人たちの恋も複雑化する。ある日、豊がビルのファンクラブの西高生徒たちから嫉妬を買い、集団暴行を受ける事件が発生する。潰された彼の面子(めんつ)を回復させるため、生徒たちは「箱根まで駅伝」に出場して西高に勝利しようと意気込む。合併後の校名も「聖駿高校」と決まり、平助は仲良くなった両校生徒たちに感動を隠しきれないが、肝心の豊が再び西高生との間でトラブルを起こし出場が出来なくなる。俊足の豊が出場できなければ勝利は難しくなるが、彼はこの行動がわざとであると平助に明かす。豊は他の生徒たちにも内緒で「みしまるくん」の着ぐるみに入るアルバイトをし、子供たちに夢を与えるこの仕事に強く思い入れているが、駅伝当日と出勤日が被ってしまい迷った末、アルバイトを優先したのだった。平助はりさの助けも借りながら、豊抜きでは勝ち目がない理由から出場を諦めようとする他の生徒たちを説得し、駅伝当日を迎える。 | ||||
第6話 | ヒーローは最後にやってくる! | 11月16日 | 福田亮介 | 吉井良江 |
駅伝がスタートし、選手となった聖駿高校の生徒たちはそれぞれに恋愛がらみの悩みを抱え、そのことで調子を崩したり力を発揮したりしつつ、西高とトップを競う。平助は伴走の途上、みしまるくんの中に入っている豊にレースに参加するよう説得するが彼の気持ちは揺るがない。しかし、一平が不倫相手の淡島を追いかけてきたトラブルを発端に、豊は脚を痛めた最終走者の淳に替わり、みしまるくん姿のままトップでゴールする。同時に豊は着ぐるみの頭が外れて正体を現してしまうが、その後に淳を背負ってゴールした平助の姿は皆の感動を呼ぶ。結局聖駿高校は失格となるが、りさは失敗こそが青春であると説き、一同は普通でない勝利に満足する。吉井もラジオ番組でこっそりと三宮に今までの非礼を詫び、男女共学を完全に受け入れていた。 その後、文化祭の準備が本格化する中、間もなく転校することを皆に言いだせないでいる貴子は他の生徒たちと諍いを起こしてしまい、ゆずるにだけ転校の件を明かす。また、平太から一平が不倫している疑いがあると言われ、そのことを確かめるよう言われた平助は兄を問い詰め、それが事実であり相手が淡島であることを知る。 | ||||
第7話 | 三島の空に響け! 彼女の贈り物 | 11月23日 | 山室大輔 | 淡島舞 |
文化祭の準備が進む中、ゆずるは貴子が言いだせない転校の件をりさに打ち明ける。りさは彼女が平助と一緒にいられるよう、平助と貴子の二人に文化祭の担当を離れて聖駿高校の新しい校歌を作るよう命じる。一方、兄の不倫を心配する平助は、別れるように迫るものの、一平は別れを言いだせない。だがある夜、淡島はラジオ番組を通じて一平に別れを告げ、未練を断ち切るように富永と付き合い始める。家庭内のゴタゴタで校歌作りを進められなかった平助は、りさに責め立てられて、逆上し怒鳴ってしまう。しかしりさから貴子の事情を聞いた平助は、14年前の事件の真相を生徒たちに告白することで貴子に隠していることを打ち明けさせようとする。だがそこで守がそれまで言えなかった自分の性的指向をカミングアウトしたため、自身の告白はできずに終わる。平助と貴子は校歌を完成させ、貴子は転校の件を言わないまま三島を去るが、皆はサプライズとして歩道橋から貴子の見送りをし[55]、別れの挨拶を交わす。そしてりさは、怒鳴られたことがきっかけでついに平助を本気で好きになった自覚を得る。 | ||||
第8話 | 息子が女子? 合併解消! ついに告白! | 11月30日 | 金子文紀 | 蜂矢祐子 |
守が性同一性障害であり、三女の制服で通学していると知った父の晋太郎は激怒して服装を戻すよう強制し、理事長の権限で合併も青春祭も中止せよと命ずる。生徒たちは理不尽な命令に憤り、平助とりさは何度も村井家に説得に訪れるが門前払いされる。一方で平助は、サトシからデリバリー先で祐子と再会したことを聞かされる。平助はラジオ番組に祐子が出演し、三島にいることを知って探しに出かけるも居場所は分からない。その間、祐子はカバヤキに14年前の恋愛の話をし、今はその時好きだった人のことでなく最後まで励ましてくれた人のことばかりを思い出すと語る。 ようやく晋太郎に面会できた平助たちは、女装した彼に迎えられる。晋太郎は息子の気持ちを理解すべく大量の性同一性障害に関する本を読み、それでも受け入れられず女装して外出するなど、守が性の違和感により味わってきた苦痛を体感しようとしていた。それを見たりさは晋太郎に後日平助から特別授業をするといって村井家を後にする。帰り道でりさは平助を叱咤しつつ、彼への思いを告白する。 | ||||
第9話 | 今日大事な人にごめんねとさよならを言います | 12月 | 7日福田亮介 | 原平太 |
祐子は吉井に歓迎され、善人にも支えてやれなかったことを謝罪される。しかし、りさは祐子への複雑な思いからその場を出てゆき、追いかけてきた平助に幼い頃からの姉への不満をぶつける。一方永楽寺には平太の再婚相手・せつ子がやって来る。平助と一平は父の勝手な決断に反発するが完璧に家事をこなすせつ子に何も言えなくなる。そこへ実家に祐子が滞在するため居辛くなったりさが押し掛け、平助の部屋に泊まり込む。10日経っても手を握る以上の進展もない二人だが、りさは平助のためにせつ子に料理を習う。 祐子の取材は進み、生徒たちは口々に青春祭を実現に至らせた平助への信頼を語る。青春祭前夜、平助は祐子が14年前の事件を調べ現場に花火の燃えがらがあったことを話していたと平太から聞く。さらに事件後、みゆきが平助の様子がおかしいと気付いていたこと、警察が平助のことを調べに訪れたが、平太は高校生である平助の身を案じてそのことを伝えなかったと聞き動揺する。平太は平助に、自分自身で身の処し方を決めるよう告げたあと、ラジオ番組に亡き妻への思いを語る。それを聴いたせつ子は、平太の気持ちを知り永楽寺を後にする。平助は東高屋上にりさを呼びだし、ついに事件の真相を告げ、続けてりさに愛の告白をする。りさは怒りで取り乱し平助を許せないというが、それでも二人の運命を信じ、試練として乗り越えてみせると彼に答える。そして翌日、青春祭は開幕する。 | ||||
最終話 | 忘れない! 青春ほど楽しい授業はなかった! | 12月21日 | 山室大輔 | 三宮大三郎 |
青春祭1日目、生徒たちとともに祭を楽しむ平助に対しりさは複雑な思いを抱えるが、平助は彼女に、今日のうちに祐子に真相を打ち明けるという。だがそれに感づいたサトシは平助を止めようとし、2人は殴り合いの喧嘩になる。サトシは祐子がラジオで平助への思いを語っていたと教え、高校時代から一貫して平助が彼女と結ばれることを願っている気持ちを語る。しかしその夜、平助は決意のとおり祐子に打ち明ける。りさは祐子にこれまでの全てを水に流すから平助を許してほしいというが、祐子は今すぐには無理だと答える。同じ夜、平太は善人に対し事件の真相を話す。善人は怒りをぶつけるが、同時に子供を信じられなかった自分の弱さにも苦悩する。 青春祭2日目、転校した貴子が会場に訪れ、皆に歓迎される。生徒たちは寒く出来の悪いライブなども含めて心から祭を楽しみ、後夜祭ではキャンプファイヤーやフォークダンス、先生たちの出し物が行われる。そして礼拝堂でミス&ミスターコンテストの発表が行われ、ミスに選ばれた守に続き、平助がミスターに選ばれる。平助はそのスピーチで賞を辞退し、14年前の真相を一同に打ち明け、教師になり両校の合併を成功させることができたらこのことを打ち明けようと思っていたと語る。ところがそこへ三宮とサトシが警察関係者を引き連れて現れ、平助の無実を証明するという。校長室で教職員たちと平太、善人が集まり話を聞いたところ、14年前の現場には確かに花火があったが、平助のいた距離から投げ込まれた花火で火災になることは確率的にあり得ず、事件そのものも時効であるという。他の人々も鍵の閉め忘れなど自分の非を口にし、平助をかばう。 |
話数 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率[注 19] |
---|---|---|---|---|
第1話 | 10月12日 | 恥と後悔と初恋の記憶 | 山室大輔 | 10.1%[57] |
第2話 | 10月19日 | お前しか見えない! | 7.7% | |
第3話 | 10月26日 | 運命の学力テスト! 受験生必見! | 福田亮介 | 6.7% |
第4話 | 11月 | 2日恋の嵐! ガッついていこう! | 金子文紀 | 6.7% |
第5話 | 11月 | 9日仲間のため学校のためプライドを賭けて走れ! 運命の駅伝スタート! | 山室大輔 | 7.4% |
第6話 | 11月16日 | ヒーローは最後にやってくる! | 福田亮介 | 8.2% |
第7話 | 11月23日 | 三島の空に響け! 彼女の贈り物 | 山室大輔 | 5.7% |
第8話 | 11月30日 | 息子が女子? 合併解消! ついに告白! | 金子文紀 | 8.8% |
第9話 | 12月 | 7日今日大事な人にごめんねとさよならを言います | 福田亮介 | 8.8% |
最終話 | 12月21日 | 忘れない! 青春ほど楽しい授業はなかった! | 山室大輔 | 5.8% |
平均視聴率 7.7%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) |
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