大分車両センター(おおいたしゃりょうセンター)は、大分県大分市にある九州旅客鉄道(JR九州)大分支社管轄の車両基地である。元々は同支社大分鉄道事業部の管轄であった。乗務員基地である大分乗務センターに隣接している。大分駅と下郡信号場間の回送線は豊肥本線と重複している。
大分駅を含む周辺の高架化工事の進捗に伴い、日豊本線と車両センターの間に専用の回送線が設置され、大分駅から日豊本線(中通路線)を経由して大分車両センターまでの運行も可能になった。
歴史
- 2006年(平成18年)3月18日 - 大分鉄道事業部大分運輸センターと豊肥久大鉄道事業部豊肥久大運輸センター双方の車両部門が統合され大分鉄道事業部大分車両センターとなる。
- 2016年(平成28年) - 小倉総合車両センター門司港派出の廃止に伴い、所属車両が転属。所属車両数が南福岡車両区に次ぐ規模になる。
配置車両の車体に記される略号
- 旅客車:「分オイ」 大分支社を意味する「分」と、大分の電報略号「オイ」から構成される。
- 機関車:「大」 大分を意味する「大」から構成される。
配置車両
以下は、2024年(令和6年)4月1日現在の配置車両である。
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電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
226両 | 69両 | 1両 | 7両 | 0両 | 303両 |
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電車
- 787系 (BO編成)
- 4両編成11本 (BO102, 103, 105, 107 - 111, 6101, 6104, 6106) の計44両が配置されている。元「有明」用の車両で、2011年(平成23年)3月12日付で南福岡車両区より転属した[5]。
- 日豊本線の特急列車のうち、「にちりん」・「ひゅうが」・「きりしま」で運用される。かつては鹿児島本線の特急列車である「川内エクスプレス」(廃止)でも運用されていた。
- 883系からの車両変更として、4両編成、あるいは4両編成を2本つないだ8両で「ソニック」の運用に入ったことがある。
- 883系 (AO編成)
- 7両編成8本 (AO1 - 5, 16 - 18) の計56両が配置されている。
- 日豊本線の特急列車のうち、「ソニック」で運用される。
- 415系 (FO編成)
- 100番台の4両編成11本 (FO106, 108, 110 - 112, 117 - 120, 122, 124) 、500番台の4両編成1本 (FO520) と1500番台の4両編成14本 (FO1501・1509 - 1521) の計26編成・104両が配置されている。鋼製車はFO117・520の2本を除いて延命工事施工済み。100番台・1500番台については現存する全編成が所属している。
- 1500番台は山陽本線(下関 - 門司間)、鹿児島本線(門司港 - 荒尾間)、日豊本線(小倉 - 大分間)、長崎本線(鳥栖 - 佐賀間)で運用される。
- 1501、1521編成は2020年3月14日付で[9]、1509 - 1512編成は2021年3月13日付で[10]南福岡車両区より転属されている。
- 100番台・500番台は2022年9月23日のダイヤ改正で定期運用がなくなり、2024年4月時点ですべて保留車となっている。
- 100番台・500番台は、2020年4月1日時点では、100番台ロングシート車12本 (FO103, 105, 106, 108, 110, 111, 119, 120, 122 - 124, 126) 、100番台クロスシート車7本 (FO104, 107, 109, 112, 117, 118, 125) 、500番台ロングシート車1本(FO507)の計20本が配置されていた[13]。100番台ロングシート車は2016年(平成28年)3月に小倉総合車両センターから転属した編成である[14]。
- ロングシート車はかつて山陽本線(下関 - 門司間)、鹿児島本線(門司港 - 熊本間)、日豊本線(小倉 - 佐伯間)、福北ゆたか線(黒崎 - 直方間)、長崎本線(鳥栖 - 肥前山口間)、佐世保線(全線)の広範囲で運用された。クロスシート車は、かつて山陽本線(下関 - 門司間)、日豊本線(小倉 - 佐伯間)で運用されたが、ロングシート車の予備車が少ないため、ロングシート車の運用を代走することもあった。
- FO520編成は2016年3月に鹿児島車両センターへ転出したが[14]、2022年3月に車両転配により復帰[15]。
- 保留車となっていた0番台の4両編成3本 (FO1, 6, 9)[16][17]およびクハ411形1両 (325) は2013年8月から9月にかけて相次いで廃車となっている。
- 2020年3月にFO104、2021年1月にFO507、3月にFO107・109・125が運用離脱。FO104については2020年12月に廃車回送され、2021年1月から3月にかけて廃車された[18]。JR九州所属100番台で初の廃車である。FO507は鹿児島車両センターに疎開していたが、2022年2月に廃車された[15]。FO107・109・125は門司駅に疎開していたが、いずれも2022年8月から10月にかけて廃車された[19][20]。
- 2023年5月から9月にかけてFO103・105・123が廃車された[21]。2024年2月にFO126が廃車された[22]。
- 815系 (NO編成)
- ワンマン運転に対応した2両編成11本 (NO016 - 022, 024 - 027) の計22両が配置されている。
- NO16・NO17編成は2005年(平成17年)3月、NO027については2016年3月に熊本車両センターより転属した車両[14]。
- NO23編成は2024年3月16日付で熊本車両センターに転出した[23]。
- 日豊本線(中津 - 重岡間)で運用される。
気動車
当センター所属の気動車はキハ185系の一部を除いてワンマン運転に対応している。
- キハ185系
- キハ185形0番台10両 (1 - 3, 5 - 8, 10, 15, 16)、1000番台4両 (1001, 1004, 1008, 1011) とキハ186形4両 (3, 5 - 7)、計18両が配置されている。
- 上記のうちキハ185形0番台8両 (1 - 3, 5, 7, 10, 15, 16)、1000番台1両 (1011) は機関が換装されている。
- 特急「ゆふ」「九州横断特急」に使用される。
- 「A列車で行こう」用の2両編成1本は、2013年3月16日付で熊本へ転属した。
- キハ125形
- 0番台の14両 (1, 9, 10, 12, 15 - 21, 23 - 25) と、100番台の4両 (111, 113, 114, 122) の計18両が配置されている。
- 豊肥本線(大分 - 熊本間)・久大本線(大分 - 日田間)で運用される。
- 2021年のダイヤ改正で久大本線久留米 - 日田間での定期運用がキハ200形・キハ220形に置き換えられた。
- 当形式のみで1 - 3両編成を組むほか、キハ47系との併結ならびにキハ47系運用の代走などに充当されていた。
- 100番台は、ロングシートが撤去されている。
- 2015年(平成27年)に1が唐津より転属した。
- キハ200形・キハ220形
- キハ200形は0番台+1000番台2両編成3本、0番台+5000番台2両編成1本・100番台+1100番台2両編成3本・550番台+1550番台2両編成3本の計20両が配置されている。
- 2015年3月にキハ200-13+キハ200-1013が転属。2021年3月に長崎よりキハ200-12+キハ200-1012が転属。
- キハ220形は200番台8両・1100番台1両・1500番台4両の計13両が配置されている。
- 2021年3月ダイヤ改正によりキハ220-209・キハ220-1101が長崎から転属。2021年3月現在、当2両の車体のカラーはシーサイドライナー色である。
- 豊肥本線(大分 - 宮地間)・久大本線(全線)と鹿児島本線(鳥栖 - 久留米間)で運用される。
- 2018年3月のダイヤ改正までは日豊本線(亀川 - 南延岡間)でも運用されていた。
客車
- 77系客車
- 『ななつ星in九州』の専用客車(7両)[26]が配置されている。2013年8月15日付で新製配備された。
過去の配置車両
- 457系(JO編成)
- 2005年10月1日時点でJO6 - 10・15の3両編成6本計18両が在籍していた。2006年(平成18年)3月31日にJO6 - 8・10は廃車。JO9・JO15編成は鹿児島車両センターに転出。2009年(平成21年)3月16日にJK9編成が、2010年(平成22年)2月8日にJK15編成は廃車回送された[27]。
- 717系(HO編成)
- 2003年(平成15年)時点で815系と共通運用されるHO201の2両編成1本が在籍。同年10月1日に817系V012・V013編成との交換により鹿児島車両センターに転出。
- 485系(DO編成)
- 2015年10月1日時点でDO32編成の5両編成が配置されていた。
- 2010年12月に鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)より転入した。かつて在籍したDO2編成共々、JR九州色(赤一色)から国鉄色に塗装変更されており、DO32編成は国鉄色に変更された鹿児島のDK9編成を大分に転配させたもので、同じく国鉄色となっていた増結用中間車2両を組み込んだ上で2010年12月より5両編成として運用された。
- 2011年4月時点では大分に28両が存在したが、全車が同年3月12日で定期運用を終了し[28]、DO2・DO32を除いて2011年度に廃車されている[29]。DO2編成は2014年(平成26年)に廃車され、DO32編成は西日本地区では唯一現役の485系として波動輸送用に残存していたが、2015年10月18日に大分駅から小倉総合車両センターへの廃車回送を兼ねた臨時団体列車をもってすべての運用を終了[30]。2016年1月にクハ481-256を除く4両が廃車された[31]。残ったクハ481-256も2016年10月2日付で廃車され[32]、同日から小倉総合車両センター構内にて静態展示されている[33]。
- 783系(CO編成)
- 817系(VO編成)
- 2003年8月にV012・V013の0番台2両編成2本4両筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター(現・直方車両センター)から転入。2005年3月1日に815系N016・N017編成との交換により熊本鉄道事業部熊本運輸センター(現・熊本車両センター)に転出した。
- キハ28形
- キハ31形
- 2006年4月時点で6・8 - 11・23の6両が在籍していたが、同年7月のキハ220形200番台9両配置により筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター(現・直方車両センター)に転出。
- キハ40形
- 2002年(平成14年)時点で8038の1両が在籍していたが、2003年3月14日に鹿児島車両センターへ転出。
- キハ47形
- 2022年4月1日の時点で3500番台 (3510) と、4500番台 (4509) 、8000番台 (8158) が各1両ずつの計3両が配置されていた[34]。このうち、3510と4509の2両は寒冷地仕様(2軸駆動・エアサス)車である。
- 2023年9月23日のダイヤ改正にあわせて、上記3両すべてが佐世保車両センターに転出した。
- キハ147形
- 2023年4月1日の時点で0番台 (53) と、1000番台 (1030) が各1両ずつ、計2両が配置されており。いずれも保留車となっていた。
- 豊肥本線(大分 - 豊後竹田間)・久大本線(大分 - 日田間)で運用されていた。
- 2021年3月のダイヤ改正により、長崎から転属してきたキハ200・キハ220に置き換えられて定期運用を離脱した。
- 2023年11月9日付で1030が、同月17日付で53が、いずれも廃車された。
- キハ58形
- 154・569の2両が在籍。2両とも転入前の長崎では快速シーサイドライナーで運用。154はシーサイドライナー色のまま上述したキハ28 2144とともに2005年3月31日付で廃車。一方569は後述するキハ65 36とトラ70000形無蓋車3両で組成されたトロッコ列車「TORO-Q」で専用色に変更後運用されていたが、2009年11月29日の運転終了後は2010年まで国鉄急行色に復元しリバイバル列車に投入。保留車となり2013年6月5日に小倉総合車両センターへ回送され、2015年3月16日に解体[37]。
- キハ65形
- JR四国から購入した36の1両が在籍。2013年6月24日付で廃車。車籍を有した最後のキハ65形である。
- EF81形電気機関車
- ED76形電気機関車
- 2009年3月14日までは寝台特急「はやぶさ」・「富士」の牽引機としても運用されていたが、同列車の廃止以後はレール輸送などの工事列車の牽引で使用されていた。
- 保留車となっていた90 - 92の3両が2009年度に廃車され、2012年(平成24年)4月時点で配置されていた66・69・94の3両はいずれも保留車で、同年10月中に3両とも小倉総合車両センターへ廃車回送[38][39]。同年11月1日から29日にかけて順次廃車された。これによりJR九州の電気機関車が全廃。
- トラ70000形
- 3両が配置されていた。「TORO-Q」用無蓋車。「TORO-Q」の運行終了後は保留車とされていたが、2018年(平成30年)2月から3月までに全車廃車となった。
- チキ5200形
- 2020年4月1日時点では2両(5299・5300)が配置されていた[40]。レール輸送用長物車。(『大分駅常備』表記がされていた)
- 2021年3月に2両とも廃車された[41]。
一般開放
毎年、10月下旬から11月上旬の土曜日に「トレインフェスタin大分」と題して車両センターの一部が一般開放される。[42]
主に以下の内容である(年によって変わる場合がある)
- 車両展示・車内開放(主に当センター所属車両)
- 出店
- 駅弁販売
- ステージイベント
- 車両部品販売(行われない年もある)
2009年に行われた際は14系寝台車(熊本車両センター所属)の展示、車内開放が行われた。
車両展示は国鉄時代に製造された車両がメインとなる傾向にある。
例年、アクセス列車として、基本的に当センター所属の気動車2両+キハ185系の3両を熊本車両センター所属のDE10形機関車2両で挟み、専用のヘッドマークを付けた、「がちゃ列車」と呼ばれる団体列車を杵築・大分 - 下郡信号場 - 大分車両センター留置線間で運行している。気動車にはキハ40形、キハ47形、キハ147形、キハ31形、キハ125形の中から2両が選ばれる。その他アクセス列車は、キハ185系(ゆふ編成)、キハ183系(あそぼーい!)、キハ200形、787系(BO編成)でも行われたことがある。2021年度は団体列車として787系36ぷらす3が展示を兼ね博多-大分車両センター間で運転された。