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架空の怪獣 ウィキペディアから
ラドン (Rodan) は、映画『空の大怪獣 ラドン』をはじめとする東宝製作の怪獣映画に登場する架空の怪獣である。ゴジラ、モスラと共に東宝三大怪獣と称される。
翼竜プテラノドンが突然変異した怪獣[1][2]。名前もその略称が由来になっている[出典 1]。東宝プロデューサーの田中友幸によれば、創作のきっかけは当時超音速ジェット機が話題になっていたことであり、「ゴジラを超音速で飛ばしたら」というコンセプトであったと述べている[6]。
企画当初は始祖鳥と想定されていた[6][7]。プテラノドンと比べるとさまざまな差違があり、その後頭部に生えている1本の角状の突起がラドンの場合は2本に分かれて生えている[2][5][注釈 1]うえ、嘴は鳥類のそれに近い形状で、鳥類に無い歯が生えている[8][5][注釈 2]が、プテラノドンなどの翼竜に比べればとても小さく短い。腹部にはニードルのようなゴツゴツとした鱗がある。尾はプテラノドンの細い皮膜が付いたものではなく、楕円状にゆるく拡がっている。着地しての直立二足歩行が可能であり、翼を広げたままで陸上走行を行うことも多い。超音速で飛ぶ巨体は周囲にソニックブームを巻き起こし、市街を破壊してしまう[出典 2]。
登場作品によって攻撃能力が異なっており、『三大怪獣 地球最大の決戦』では嘴で敵をつつく攻撃や足の爪で引っかく攻撃が主で、ゴジラと互角に戦う力を持っている。また、『ゴジラvsメカゴジラ』ではゴジラの放射熱線を受けてファイヤーラドンと化し、それと同程度の威力のウラニウム熱線を吐く能力を身につけている。
ラドンの鳴き声の効果音にはコントラバスの音と人間の声を素材として加工したものが使われており[出典 3]、本作品の後も『ウルトラマン』に登場するアントラー[15]のほか、平成VSシリーズに登場するキングギドラやバトラの声などに流用された[16][17]。
『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』では怪獣島の怪獣の1体として[18]、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』では『キングギドラの大逆襲』タイトル時期の企画に味方側の怪獣として[19][20]、『モスラ3 キングギドラ来襲』ではモスラ(新)の敵怪獣として[21]登場する予定があったが、いずれも企画段階で変更になっている。
公開順。右は各作品に登場する怪獣。右記は他の登場怪獣。
水爆実験の放射能や火山ガスによる異常気象や地殻変動の影響で現代に復活した、たび重なる原水爆実験によって大型化したと推論される、2億年前のプテラノドンの一種[出典 10][注釈 8]。
阿蘇山と長崎市の炭田との中間点にある洞窟で卵から2頭の雛が誕生し、帰巣本能によって構えていた阿蘇山の火口外輪部の洞窟の巣で餌としている古代トンボの幼虫メガヌロンを捕食していた。東アジア上空をたびたび飛行してアジアの国や地域のテレビや無電では未確認飛行物体と騒がれていた[37]。
成長した1頭が阿蘇山から出現し、航空自衛隊のF-86戦闘機と大規模な空中戦を展開して追撃を振り切った後、佐世保や福岡市天神地区に降り立ち、福岡上空に飛来して中央区一帯を壊滅させる[37]。このとき、口から煙のようなもの[注釈 9]を吐いており、パチンコ屋に突っ込んだタンクローリーを爆発炎上させている。
北原機が福岡上空で大破したのとほぼ同時刻、イギリス旅客機が東シナ海でも消滅しており、陸空両自衛隊からの猛攻によって危機に陥ったところにもう1体が出現するが、最後は帰巣本能で阿蘇山へ帰ってきたところに自衛隊のミサイル攻撃を受け、その誘発で阿蘇山が噴火して2頭は脱出するもののマグマの噴出に巻き込まれて火口に落下し、溶岩の中に消える。
昭和期のゴジラシリーズに登場したラドンは、各作品のストーリー上の矛盾はあるもののすべて同一のものとされており[78]、便宜上二代目ラドンと呼ばれることが多い[出典 27]。初代と比べると背中の形が異なり[13]、全体がやや細身で、瞳も人間のそれに近くなり、首と嘴は初代より若干長くなっている[注釈 18]。尾の形状は初代のような楕円形ではなく、本体に向かって台形でトビなどの猛禽類の尾羽に近くなっている。
核実験の放射能や活発化した阿蘇山の火山活動の影響で休眠していた卵が目覚め、現代に復活して火口側面を割って登場した白亜紀に栄えたプテラノドンの同族[注釈 19]。出現地点は横浜上空→箱根→富士高原→下落合[72]。
嘴や首など初代に比べて全体に細長くなり、頭部も小さくなっている[5]。初代が白目のない動物のような目であったのに対し、表情をハッキリとさせる白目に瞳がある目となっている[5]。翼の骨の部分はかなり厚く、初代とは異なり胸から腹部にかけてトゲが剣山のように立ち上がって生えている[5]。
長大な翼が巻き起こす突風と音速で飛行することで発生する衝撃波で、文明社会を壊滅させる[94][109]。鋭い嘴による突き攻撃など、接近戦における能力が描写されているほか、ゴジラに対して羽ばたきによる強風で対抗している。また、放射熱線を浴びせかけられても、頭部を振るだけで平気な様子であるなど、放射熱線への耐性を明らかにしている[110]。
横浜港にゴジラが上陸するのと同時に横浜に飛来し、箱根から戦いを繰り広げながら富士山麓に移動し、ゴジラを持ち上げて叩き落とすなど互角に戦うが、モスラが仲裁に入り、戦いは引き分けに終わる。モスラにキングギドラとの戦いに加わるよう言われるが、人間からは厄介者扱いを受けて迫害されていたため、「いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない」とゴジラと共に拒否する。しかし、キングギドラに単身でも立ち向かうモスラの姿に心を打たれてゴジラと共に参戦し、空中で急旋回して体当たりをする、モスラを背中に乗せて飛ぶなどの善戦を経て、キングギドラを宇宙へ撃退する。
鷲ヶ沢の崖の中に眠っていたが、キングギドラ対策としてゴジラと共にX星人に指名されてX星に運ばれて、キングギドラと戦う[122]。X星人からは「
その後、X星人に操られてゴジラやキングギドラ共々地球を襲うが、地球人の反撃でコントロールが切れてからはゴジラと共闘してキングギドラと再戦し、海へ落下する。キングギドラを宇宙へ撃退するが、自身はゴジラと共に最後まで海から姿は見せなかった[124]。
小笠原にある怪獣ランドの岩場に棲み、磁気防壁によって保護されており[129]、近海の海洋牧場で養殖されているイルカを主食としている[80][注釈 24]。出現地点はモスクワ→ウラル上空→東京 第7・8地区→富士山麓→青木ヶ原[92]。
怪獣ランドを占領したキラアク星人に操られてモスクワのクレムリン宮殿を襲撃した後、ウラル山脈上空でSSTを撃墜し、宇宙船ファイヤードラゴンの護衛を任せられる[80]。キラアク星人のコントロールが切れた後、バラン、バラゴン、マンダを除く怪獣と共闘し、富士のすそ野でキングギドラと戦うが、途中で戦いから外れて飛び立っている。キングギドラを倒した後に出現した怪獣ファイヤードラゴン(キラアク星人の円盤)に接近するも高熱で負傷させられるが、ラストでは再び怪獣ランドに戻っている。
海底油田の調査中に、ベーリング海のアドノア島から翼竜の化石とともに出土した卵から孵化したプテラノドンの残存種が島に投棄された核廃棄物の放射性物質で変異した怪獣[出典 48]。その巣にゴジラザウルスの卵を托卵された状態で中生代から眠りについていたため、成長後はゴジラザウルスの幼体=ベビーゴジラを同胞の兄弟と認識し、その卵を護っている[出典 49]。
体色は褐色、体液は黄褐色で、頭の角状のトサカは大型のものが中央に増えて3本になっているほか、背中には1列にトゲが並んでいる[139]。
高速飛行により生じるソニックブームや強力な鋭いクチバシを武器とする[出典 50]。
ベビーの卵に反応して海中から出現したゴジラに機動力を活かして善戦し、ついには岩山に生き埋めにするが、直後にゴジラの尾の一撃で叩き落とされ、何度も踏みつけられた末に飛翔しようとしたところに放射熱線を浴びせられ、敗北する。
ゴジラに敗れたラドンが、超能力開発センターの超能力少女たちがベビーの卵に付着していた生物同士の進化や融和を図るはたらきをもつ古代のシダ類・シプニオキス(架空の植物)の波長をサイコメトリングして生じたメロディ「エスパー・コーラス」の影響で、生命エネルギーをスパークさせてフレアに包まれたことで深紅のボディーに変異した姿[出典 63]。大幅に身体能力がアップし、口からウラニウム熱線[出典 64][注釈 35]を吐くことが可能となった。熱線を吐く際にはトサカが発光・放電する[139]。超高速で飛行する際には大幅に威力が増大した衝撃波が発生し、海上や海面のものを爆発的に破壊する[139][185]。シプニオキスの波動に激しく反応する。出現地点はアドノア島→青森→松島→仙台→太平洋上空→東京→幕張[136]。
同じ巣で生まれたゆえに兄弟だと思い込んでいるベビーを追ってアドノア島から青森市・仙台市・松島・東京湾・浦安市に飛来し、ベビーを輸送中のヘリコプターを破壊して輸送用のコンテナを掴んでベビーを強奪する[185]。
幕張に降り立った後、コンテナからベビーを引き出そうとしているところで、到着したガルーダやメカゴジラと交戦する。ドッグファイトの末にガルーダを撃墜し、メカゴジラの右目を嘴による突っつきで破壊するもののプラズマ・グレネイドの零距離発射で胸を破られ、黄褐色の血の泡を吹きながら瀕死の重傷を負う。しかし、同じくベビーを求めて到着したゴジラまでもスーパーメカゴジラによって瀕死に陥った際には、残り少ない命を振り絞って飛び立つとスーパーメカゴジラの攻撃を受けながらもゴジラのもとへ降り立ち、そこで体組織が体内の放射性物質に耐えられず風化する。これによってゴジラに生命エネルギーを与えて同化するだけではなく[145][139][注釈 36]、舞い散った粉はスーパーメカゴジラのダイヤモンドコーティング装甲を溶かして[205]プラズマ・グレネイドを使用不可能にしたうえ、粉からの強力な妨害電波の発生によって計器にトラブルを起こさせてコントロール障害まで招いた結果、ゴジラに勝機を与えることとなる。
太古の翼竜の末裔で、X星人の手先として登場。緑色の目で、足まで腹の蛇腹状のウロコが続き、膝に張り出している[218]。短い尾は、鳥の尾羽を彷彿させる数枚のヒレになっている[218]。
日本人初の国連事務総長・醍醐の乗る事務総長専用機を襲撃した後、アメリカのニューヨークで暴れ回って超音速衝撃粉砕波でビル街を破壊していき、迎撃に出た空中戦艦ランブリングと交戦する。その最中に一度はX星人に回収されるも、再び地球侵略のために解放され、ランブリングを撃沈する。
その後、キングシーサーやアンギラスと共にゴジラを倒す刺客として送られ、富士山麓で戦う。連携攻撃を試みるも、ゴジラが尻尾で弾いたアンギラスボールによって撃墜されたうえ、アンギラスとキングシーサーが倒れているラドンの上に次々と飛ばされ、完全にグロッキーとなる。武器は超音速衝撃粉砕波(ソニックブーム)[出典 73]だが、劇中未使用[217]。
メキシコのイスラ・デ・マーラの活火山火口内を巣としており[244]、休眠状態のところをモナークに管理されていた怪獣。現地では「炎の悪魔」[243][244]と呼ばれて恐れられている。頑丈な身体は1,200度もの超高温となっている[243][244]うえ、翼竜よりは怪鳥然とした容姿の体表が溶岩のような形状をしており、翼端が赤熱している。後述の通りモスラの鱗粉を焼く際には胴体から爆発状の火炎が発生し、モスラの毒針に刺された際には傷口から炎が噴出していた。高熱を利用した上昇気流により、急速な上昇飛行や回転飛行[245]が可能である。
アラン・ジョナに強要されたエマ・ラッセル博士が自身と夫マーク・ラッセル博士の開発した装置「オルカ」を起動させたことによって目覚めると、ミサイルで攻撃してきたモナーク部隊を追って飛び立ち、近辺の街をソニックブームで壊滅させ、モナークの戦闘機隊も全滅させる。モナークの誘導先で遭遇したギドラとは交戦するものの海へ叩き落とされたため、後にプエルトリコ沖でアメリカ軍が使用したオキシジェン・デストロイヤーによる影響は受けなかった。それ以降、世界中の地球怪獣(タイタン)たちを支配下に置いたギドラの手下となり、ゴジラを芹沢博士たちが目覚めさせるまでの時間を稼ぐために出撃した部隊を攻撃する。
その後、ゴジラとギドラの戦いでは、モスラの加勢によってゴジラが一時優位になると飛来し、モスラと交戦する。高熱を帯びた身体によってモスラの鱗粉を焼いて無力化し、空中戦でも優位に立って追い詰めるが、モスラに腹部の毒針で貫かれてダウンする。ゴジラがギドラを消滅させた後には、他のタイタンたちと共に恭順する。エンドロールでは、フィジー諸島の火山に移住したという記事が一瞬映る。
ゴジラやモスラと共に緑の惑星「怪獣プラネット」に生息していた[248]。飛来した宇宙探査船アース号にウラニウム熱線[249]で襲いかかったりしたが、アース号の惑星からのワープによる離脱に巻き込まれたのか地球の東京駅に出現し、ゴジラと戦う。アース号から散布された緑の惑星の木の実を浴びて大人しくなり、青い光球に包まれて宇宙へ帰る。
ゴジラアイランドの怪獣として登場する。嘴による突き攻撃が得意技。ゴジラと共闘し、敵が送り込む怪獣と最前線に向かうことが多い。
「人工太陽編」ではメガロを掴んで上空からデストロイアに落下させるなど、頭脳攻撃を見せる。
島にあるラドン温泉には体を癒すためによく入浴している[注釈 39]。
ラドンが火の精霊の力を得てパワーアップした姿。名前こそファイヤーラドンだが、通常のラドンの色違いだったオリジナルと違い、全身が炎に包まれて輝いており、口から火炎を吐くなど、設定もオリジナルと異なる。
ネオヘドラが出現した際、かつてヘドラを倒すためにはゴジラの熱線では威力が足りなかったことから、キングシーサーの提案で誕生する[253]。誕生には人間の祈りも必要となる。口から強力な超高熱火炎[254]を発射し、その火力は4万度におよぶ[255]。
ラドン | |
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全長 | 約5 m程度[257] |
翼竜ケツァルコアトルスに似た飛行怪獣[出典 79]。『古史羅ノ図』に描かれた「羅甸天狗」に酷似している[260]。地球上の生物の多くが共通して持つホメオボックス遺伝子が発見されなかったことから、既存のどの生物とも異なることや電気ウナギなどに見られる発電器官に類似した層状の組織が細胞内にあり、胃に対応する器官がないことが解剖の結果で判明する[257]。細胞組織から放射性物質であるラドンが検出されたため、 「未確認生物 ラドン検出」 などと報道されたことでいつの間にか「ラドン」と呼ばれることになった[258]。また、その鳴き声からは高周波の電磁波が発信されている他、自身も特定の波長に反応する性質があることから、「電波怪獣ラドン」とも呼ばれている[出典 80]。獰猛な性質で動物や人間を襲い、電波に反応して電柱のトランスなどの電波の流れるものや電磁波を出すものを襲撃する習性があり、高音に反応する[257]。
第1形態では嘴にはエラのようにも見える器官が発達しており、多数の歯が口腔内に密生している[261]。後頭部のトサカはプテラノドンと同様に1本で、頭部や背ビレ、ランフォリンクスを彷彿させる尻尾には半透明の被膜がある[261]。
逃尾商店街の逃尾町駅前ロータリーで行われていた七夕祭りの最中に飛来し、ユンたちと交戦した後に空高く飛ぶが、環境に適応できていなかったために突然死する[出典 81]。
千葉県房総半島沖の海や逃尾市上空などに環境に適応したことで体色や細部の形状に差異が見られる小型の個体である第2形態が出現したのち、赤く染まった海中から成体が群れで出現し、紅塵を体から発生させて空を赤く染めていった[258][261]。トサカは2本になり、背びれもゴジラのものに近い形状となり、尻尾も短くなっている[261]。
ジャイロZの誘導電波に誘導されて逃尾市郊外の峠道のカーブで路線バスを襲撃するが、誘導作戦で穴の開いたペットボトルを弓道部の女子高生が矢で放つことでに気をそらされる。だが、当初は初期形態同様突然死し、街には多数の死体が散乱していた[263]。
その後は生物として安定したことで突然死を起こすことがなくなり、オセアニア、ニューヨーク、ヨーロッパ、ロンドンなど世界各地に出現した[出典 82]。そして、紅塵によって荒れ果てた東京に出現し、ゴジラテレストリスを襲撃するが、光のリングによって返り討ちに遭う[265]。
ラドンのテーマは、1993年のファイヤーラドンに到るまで伊福部昭作曲のテーマ曲が使用されてきた。テーマ曲は大きく分けて2種類あり、それぞれ「初代ラドンのテーマ」、「二代目ラドンのテーマ」と呼ばれる。ファイヤーラドンのテーマも、二代目のものの編曲であった。
「初代のテーマ」は、アントン・ヴェーベルンの曲風の高音の弦楽器のバックに低音の金管楽器のメロディーがかぶさるという、独特のものであった。ラドンのテーマを含め、『空の大怪獣 ラドン』の音楽は全体的に『ゴジラ』から続くスタンス(怪獣による破壊と恐怖、不安感、悲劇性)を踏襲した荘重なものであった。
一方、怪獣映画が子供を強く意識したより娯楽性の強い映画に変貌した当時に発表された「二代目のテーマ」は、トランペットが高らかに旋律を奏でるという旋律を重視した、より明快な曲に変更された。これは、怪獣を恐怖や不安といった漠然としたものの具象としてではなく、よりヒーロー性の強いキャラクターとして描くようになったことによる変化であった。また、テーマ曲におけるゴジラとの差別化という観点もあった。
『ゴジラvsメカゴジラ』でも、作中でのラドンの位置づけからこの路線は継承された。この作品では、二代目のものに低音木管楽器によるミステリアスなテーマを加えた編曲がなされた[281]。このような従来のテーマ曲の重厚化は、平成シリーズにおける編曲の基本であった。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』においては、他の登場怪獣(ゴジラ、モスラ、キングギドラ)がそれぞれテーマ曲を製作されているのに対し、ラドンについては特有のテーマ曲はないが劇中の登場から追走劇のBGMが「Rodan」[注釈 40]と題されており、ボストン戦のBGM「Battle In Boston」においてもラドンの登場シーンに該当する部分へ引用されているなど、事実上のラドンのテーマ曲として扱われている。内容は異なっているものの、金管楽器を多用していることや、特定の旋律を繰り返すことによって怪獣のテーマとして印象付ける展開は、過去のラドンのテーマ曲と共通する。また、この「Rodan」においては「Rodan!」と名前を連呼するコーラスが入っているのも特徴となっている。
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